CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】すぐわかる 茶の湯の名品茶碗

2018-11-06 20:43:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
すぐわかる 茶の湯の名品茶碗  著:矢部 良明

名前の通りであります
本というか、ビジュアルブックという感じで
大変わかりやすく、茶の湯に用いられる茶碗のあれこれを紹介する
いい一冊でありました、たまにはこうやって
ゆるり、好きな茶碗の姿を見て過ごすという読書もよいよい

そんなわけで、国宝「卯の花垣」「不二」を含む
様々な名品茶碗を紹介して、その見所と来歴を
つらつら紹介していたのでありました
個人像のものが多いのが見所で、こういったものは、
美術展に出てくることも少ないから、貴重でもあって
ほくそ笑みながら見とれたのでありました
どれもこれも実に素晴らしい

各ジャンルといえばいいか、織部、志野、瀬戸、信楽等々、
どれかで一点みたいな選ばれ方をしているため、
様々なそれを見ることもできる反面、ちょっと物足りないとも
感じなくもないところ、同じジャンルの違う茶碗をもっとたくさん見たかったと
思うところもありますが、それはまた
別の本の役目でもありましょう

天目のゆらいや、現代陶工に至る茶碗の名品と
その匠もあわせた紹介があって、非常に楽しく読み終えたのであります
個人的に、半泥子に触れられていたので
それだけで十分楽しいと思えたのでありますが、
昭和の数寄者が好んだ茶碗の紹介なんかもあって
美意識というか、茶の湯における茶碗、あるいは、茶道具の役目という観点からも
面白く読める一冊だったと思ったのであります

濃茶を入れたときに、どんな景色になるか
そこに着眼がおかれて、あくまで茶という一事の中で
茶碗がどうあるか、どんなのがよいか
そういうテーマにそっての解説なので
ある種のうるささもなく、すっきり読んで、観て、楽しめる本でありました