CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】昨日がなければ明日もない

2019-02-11 12:12:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
昨日がなければ明日もない  作:宮部 みゆき

結構重たい小説でありました
なかなか悲しい事件ばかりで、読み終えてしょんぼりしてしまったのだけど、
描写はうまいし、展開は面白いしと
なんだかんだ、あれこれ読まされてしまうのでありました

3篇の短編というか中篇くらいの小説が収録されていまして、
心優しい探偵である杉村氏が、持ち込まれた事件を解決していく
そういうお話だったわけでありますけども、
表題作については、解決とはほど遠いというか、
なんだろう、新しい事件を起こしてしまったんじゃないかと
そう思うような悲しみに包まれていて
なんとも、しょんぼりであります

ともかく、全体的に解決したからといって
スカっとするわけではない、
というか、解決ではなく謎解きをしただけだったと
そういうお話なわけでありますが、
謎解きをすることが、必ずしもよいことには繋がらないと
そんなことを言われたかのような
どれもこれも、なんか悲しい現実を突きつけられるエンドで
読み終えて、しばし呆然としたのでありました

希望荘はもうちょっと明るく読めたという印象だったのですが
今作は、仕方ないとはいえ、悲しい終わりばかりなんていう印象が強く
これはこれで、好きな人や、好きなときがあるんだろうなと
今の自分には、ちょっと重たいと感じたところ
自分が悪いとすら思わない悪意というのは
本当に手に余るものだと思わされた
そういう物語でありました