CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ひみつのしつもん

2020-01-27 20:29:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
ひみつのしつもん  作:岸本 佐知子

不思議な短編小説集でした
短編というか、もはや、ショートショートといったような
SF味もありつつ、不気味であったり、不思議であったり、悲しかったりと
そんな按配の短い物語が編まれていて
なかなか楽しく読めたのであります

それぞれ、挿絵が入ってんだが、その入るタイミングが変なところで
これは、なんか狙ってやってんだろうか、
読みにくいなとか思ってしまったのだけども
色々クセのある内容が楽しかったのであります

相当に短い文章なため、大変な量の作品が掲載されていまして、
その中で、少しずつ似通ったところを感じたり、
同じようなディテールの別バージョンかと思うようなものや、
同じモチーフでまったく違う話のようなとか、
短いから、ぶつ切りで読みやすいのだけども、
既視感とは別のどこかで読んだような、もしくは、
どこまで読んだかわからないようなという
存外、ぱらぱら読むのに不適にも思えて不思議でありました

夢の話めいたものだとか、
妙なこだわりだとかがちりばめられていて、
小話のように他愛なく笑えるかと思うと、
背筋に冷たいものを覚えるような怖い話も織り交ぜられていて
油断ならない読書になるのもよかった
夢だとわかっているし、そうだろうと予想したとおりに展開するんだけども、
まるで、その怖い夢を自分が体験したように、
そのオチが、わかっていたのにも関わらず、文章になったとたんの怖さみたいなのを感じて
なんといったらいいか、
わかっていたのに怖い、そんな作品もあったのでした

SFのような、妄想や想像の物語とも思いつつ、
さりとて、そのとっかかりになる事象やイベントは、
案外、身近にあるところから始まっていて、
そういうのあるなぁとか思っていると
オチにいたって、やっぱり、そういうことないわとか
なんとも振り回されたりするところも
魅力でありましたとさ

物凄く散文的な感想になってしまった
なんだこれわ