CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】へんな西洋絵画

2020-01-28 21:07:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
へんな西洋絵画  著:山田 五郎

山田先生が推す、ちょっと変わった西洋絵画を集めた
ビジュアルブックでありました
山田先生の心をとらえて離さないと思われるアンリ・ルソー作品の数々や、
西洋絵画の技巧が極まりすぎておかしなことになっている
なんともいえない面白さをキーにして、
様々な作品を紹介している本でありました

不細工な子供、書き込みすぎた絵画、
リアルなのに、リアルを求めすぎてうそになってしまったもの、
などなど、じっと見ているとゲシュタルト崩壊しそうな、
ちょっと危ういともいえるような絵画がてんこ盛りで
なかなかに楽しいのであります

巧緻さというものは図抜けているのに、
なんか違和感というか、おかしいなぁと、現代の感覚では違和を覚えるそれこれが、
おかしみとしてしまうわけなのであるけども、
これは、あまち品のよいことではないのかもなぁと
ちょっと反省しつつも、その違和があるからこそ
目が離せないのも事実で、おかしいけども、面白い、凄いと
じっと見入られてしまう魔性が、そこかしこにありました

絵画の基本というか、技術、技法、論法というものを
さらり書いているのがよろしいところで、
その絵が狙っていたことなんかを解りやすく説明していることが、
全体の理解を助けてくれて、それがゆえに、
その効果を狙った部分が面白いと、おかしみが増すと、
まぁ理屈っぽく語ってはダメになる典型でありますが、
洒脱に、さらっと、そのあたりを取り上げている文章とギャラリーでありました

リアルすぎると気持ち悪いという
西洋絵画独特のその世界が、どうして書かれていたのか
それをどう思ってみていたのかというのが
考察深くて、当たってるか知らないが、面白いと思えたのであります