CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ただの眠りを

2020-06-01 21:25:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
ただの眠りを  作:ローレンス・オズボーン

フィリップマーロウが72歳になった

そんな小説であります
別作家による続編という人気シリーズならではのそれなんだが、
海外でどういう受け止められ方してるか気になるなぁと
ちょっと思うところである
日本でなら、剣客商売の続きを書いてるみたいな…と思ったら、
ようよう、漫画では原案として続いてて
なかなか面白いから、そういう扱いなのかしらね

と、そんな風に思いつつ
年老いた探偵が、10年ぶりの探偵業に戻って、
昔のようにはいかないからだで、また、精神も決してタフだと言い切れない
負けるときは負けるといった具合の老齢を見せながら
真実というべきか、追い求めていくというお話でありました
根幹でもないが、女を追っかけるといっても差し支えないお話でありました
このほうがドラマチックだとも思えるわけだが、
マーロウものってそういう内容だったかしら
何冊か読んだはずだが、さっぱり記憶にないので
まぁそういうものかとハードボイルドのコテコテなそれを読んだという感想でありました

メキシコを舞台に、その貧富を描きながら、
詐欺師を追いかける、詐欺師の男が悪いというべきなんだろうが、
その描写よりも、それに翻弄される女のほうに軸足があって、
そして、その結末は、やはり女によってというところなんだが
この女が、食わせ物だったのか、そうでもなかったのか
マーロウが老いたから、それを許したのかそうでもないのか

これは、年齢を重ねてから読まないとわからないというやつなんだろうか
思いつつ、事件らしきものは確かに解決するんだが、
どうにもすっきりしない、そんな風に思えた小説でありました
面白かったんだけど、しっくりきたという感じじゃなかったなぁ