CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】竹の文化誌

2022-04-04 21:05:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
竹の文化誌  著:スザンヌ・ルーカス

先日読んだサボテンのと同じ体裁なんだが、
原書は別のシリーズなのかもしれない
でも、同じように、今回は竹というものが人類とどうかかわってきたか
竹そのものにもクローズアップしながら紹介する内容でありました
こちらは、写真が結構ふんだんで、そっちも見応えがあって
正直、新たに竹コレクターというジャンルを
知らされたというか、植え付けられたとすら思うような
魅惑の写真が多くてよかったのである

竹が、実は世界中にあって、別にアジア固有のものではないという
その誤解を解くところから始まって、
全国津々浦々でこれを様々な材として扱ってきた
そういうお話が書かれているわけでありますが、
そのあたりは、さすがに日本人が読むと、知ってるわといった感じだけど
西洋人からすると、なかなか信じがたいほどなんだろうかと
感じるばかりでありました
エキゾチックなシンボルというイメージが強そうな感じがした

とはいえ、書かれている様々な材としての竹というのには、
確かに身近にいっぱいあるし知ってたけども、
おそらくそれよりも、もっと使い道があって、凄いものなのではないか
そういう魅力あふれる内容に仕上がっていまして、
昨今話題のサステナブルなそれというのは
竹を使っていくことじゃないかとすら思わされるくらいでありました
竹の能力が、人類にとって便利すぎるというか、素晴らしすぎるわ

竹と一口に言っているけども、結構な種類が存在するようで、
写真では、いわゆる竹、あるいは笹みたいなのばっかりなんだが
どうやら、木本にあたる種族もあったり、這性というか、蔦っぽいのも
どうやら存在するらしいので、そのあたりも興味深いと思ったのでありました

とはいえ、やっぱり、写真で見せられて斑入りのものやら、
軸が寸詰まりになってちょっとぶりぶりしているというか
団子を連ねたみたいになっている品種とか、ぱっと見て欲しいと思わされるような
実に植物としての多様性が、好ましいフォルムに表れていて
これはなかなかいいものだなと思わされたのでありました
まぁ、集めようとすると、すさまじいスケールというか、土地あるいは空間が必要だから
無理なだけどな、そのあたりが惜しいんだが、
それもまた、ミニチュア版にしたらいいんだろうか、
それはそれで、竹の魅力として半減しそうだなとかも考えてしまうところである

建築材としてのすばらしさに加えて、
昨今は繊維としての利用もかなり確立してきているようで
竹製の布が普及したら、これもまた、環境的に優しいのか
でも、体に優しくなさそうな、なんか痛いか冷たいかのどっちかっぽいなと
思ったりもしたわけだけど、夏によい素材とかいって
使えるんじゃないかなんて思ったりもしたのである

個人的には竹の植物としての魅力を改めて知らされた本であった
でも大半は材としての竹の話なんだけどもな