CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】「ひとり情シス」虎の巻

2023-05-08 21:10:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
「ひとり情シス」虎の巻  著:成瀬雅光

情報システム部員の在り方の一つの可能性について書いた本
著者の実録なので、身近というか、いまにも我が社に押し寄せてきそうな
嫌な話がいっぱいで、なかなか背筋が凍るでもないが、
まぁ、そもそもSEでもPGでもないから、関係ないけどもと思ったりしつつ
現場で、なんかITに近そうなことをやらされている人たちに捧げたい一冊であった
プログラム覚えないとなぁ、本当にもう

情シスの在り方を俯瞰して見ているといえばいいのか、
どうしても、内製なのによそ様扱いになりがちな情シスという職種が
その職制と、組織、仕事内容の違いから孤立してしまい
社内のどことも繋がりがなくなったり、なんだったりと
まあ、もっと情シスもちゃんと社内営業して、現場を知らないとだめだと
至極当たり前の話なんだけども、それが組織的にできなくなっている
また、気づいたら、扱いを低くされがちで、そこで人が離れてしまう
酷いときは、現場から仕事(運用)と一緒に人が送り込まれてきて、人だけいなくなるとか
そういうことがあるという話が、生々しいというか、
いや、そういうことばっかりだわと衝撃を受けてしまうのでありました

そういうことで崩壊して、情報システム部がそもそも存在しなくなって
じゃぁ誰がサーバーの面倒を見るのというか、基幹動くの?という状態で、
悪戦苦闘した著者の話が非常に興味深くてよかった
そして、何よりも、そんな状態でとうとう体調不良で長期離脱してしまった
けども、とりあえずなんともなかったという話が
衝撃でもないんだが、案外そういうもんだよなと、
まざまざ見せつけられるようでよかったのでありました

結局、どうにかなりはするんだが、それによってコストがかさむのも当然だし、
IT投資が必然的に高くなって、しかも、実入りというか、実益が少ないという悪循環になっていく
そうさせないためにも、内製エンジニアが、内製でちゃんと仕事をまわせるようにしないとと
これまた、至極まっとうな、そして、企業内エンジニアのあるべき姿だなというのを
ソロインテグレーターという名前で紹介していたのでありました

書かれていることは大切だし、そうあるべきだなと思わされたのだが、
この人の素質というものが大きく貢献している内容でもあるよなと感じて、
これはこれで、能力があるのに生かされていない人のための本だと感じたのである
自分としては、この本から、情シスに対する社内の風当たりや、そういう風土について
考えるきっかけとなった、意味ある読書ではあったんだが
なかなかどうして、未来が暗い