CLASS3103 三十三組

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【読書】スノーデン独白 消せない記録

2020-07-13 21:29:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
スノーデン独白 消せない記録  著:エドワード・スノーデン

いや、全然知らなかったわ
そんな目からウロコというか、
同じ時代に生きて、まさにその事件を見ていたはずなのに、
そんな話だったのかと、いかに知らないでいたか、
あっけに取られてしまうほどでありました

ぼんやりと、CIAの裏切り者の人だよなー、ロシアに亡命したんだよなーと、
かつて、原爆の秘密をロシアに持っていったスパイと
同じ感じで捉えていたんですが、まったく違っていました
そして、この人がどういう人だったのかも、
まるで知らなかったことを思い知らされた一冊でありました

スノーデン氏の半生を語った本であり、
本人のその生い立ちから、どうして、CIAを裏切ることに至ったか、
まぁ、CIAを裏切ったという言い方も、また正確ではないのかなと
思わされるような入り組んだ内容が
凄くわかりやすく書かれていて、大変面白い本でありました

若い頃から天才ハッカー的なポジションの人だったようで、
家柄とか、生き方なんかは凄く興味深いところがあった、
日本ではこういう人種が、こんな活躍をするといった場が
存在すらしないんじゃないかなと思わされるんだが、
知らないだけで、日本の諜報部隊ってのはいるんだろうか、
気になるなぁ、このレベルなのかなぁ

ハッキング技術というものの概念の説明が面白くて、
コンピュータ相手に何か悪いことをするというのではなく、
世間、生きているうちにおきることすべてに対して、
何か、裏技や隠し技みたいなのを使って、自分の都合よい形にするというのが
ハックということだと、諭すではなく教えられるような内容で、
子供の頃からいたずら好きだったことや、
様々な嫌なことをどうやってやらないようにしてきたか、
それよりも、やりたいことをやるためにどうしてきたか
そのあたりの機転のきく様が、頭の良い人だという印象を
凄く強めてくれるのでありました

まぁ、その生い立ちが災いしたというべきか、
いよいよ本筋ともいうべき、亡命にいたるあたりの思考が興味深くて、
こういう仕事、また、そういう頭のいい人というのは
思考や、心というものが弱りやすいというか、考えすぎてしまうんじゃないかなと
思ったりしたのでありました

自分がしている仕事は、全世界を盗聴することを手助けしている、
こんな不正義を許容できるかどうか、
極論そういう話だと思うんだが、ここで悩んでしまう、
いや、この本からではわからないだけで、そこにいる自分という立場が、
それをつかさどろうとする国というものにとって、
どれほど危険か、何か、そのために不幸を被ることになるのではというのを
直感的に覚えて、それが心を疲弊させたんじゃないかしらとか、
凡人の想像では、そのあたりに陥るのでありました
重責というものが、人を蝕むというのは、こういうところかなと
思ったり感じたりしたのでありました
それを厚顔無恥ではないが、感じないという人が
英雄と呼ばれる素質を持っているということなのかもしれんとか
かっこいいことを考えさせられたのでありました

と、まぁ、天才でもあったし、凄く仕事のできる男でもあったスノーデン氏だけども、
その職務の重責に耐えられないというか、その先に不安を見出したことから
不正義を告発するということにしたというわけだったのでありまして、
さらには、ロシア亡命については、アメリカの手落ちであったのが衝撃的で、
たまたまロシアに寄っていたときに、アメリカがパスポートを失効させたので、
身動きがとれなくなったということなんだそうだが、
このあたりも、誰かがそう、あるいは、本人がそう仕向けたんじゃないかとか
思わされたりするわけだけども、そういう疑惑というものを被るのもまた、
彼というか、彼のポジションに付きまとうプレッシャーであり、
また、よからぬものかしらねと感じたのであったとさ

語りだすととりとめもなくなる話題だけども、
非常に面白く読めたのであります
なにより、スノーデン氏がハッカーだったというのが一番興味深いところで、
そういう人が、日本のアニメ好きで、日本語喋れたりしてしまっているのが
色々考えさせられる話でありました

だのに、日本のハッカーというのはついぞきかないのは
うまいことやってて、表に出てこないからなのか、
やっぱりそういう人はいないということなのか、
国という単位で考えてしまうばかりでは、そのあたり憂えるのである


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