CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

安宅コレクション余聞 美の猟犬

2012-04-02 21:10:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
安宅コレクション余聞 美の猟犬  著:伊藤郁太郎

読みました
ずっと読みたいと思いつつ
なかなか手に入らなかったので大変でしたが
ようやっと読むことができた
くしくも、先日テレビで特集組まれていたくらい
非常にすばらしい陶磁器コレクションである
安宅コレクションの、その番頭さんというんだろうか、
まさに猟犬、番犬である、伊藤氏の回顧録であります

回顧録と書いてみましたが、実際は
つらつらとしたコラムというか、随筆という感じでありまして
コレクションを集めていく間に起きた、
様々なイベントを安宅英一氏という人間を通して
いろいろと語るといった切り口でありました
大変面白かった

内容は、本当さまざまでありまして、
実際、凄いな、これが骨董という世界かというほど
何か、裏でうごめく、ギャラリーフェイク的なことは
まるで描かれていませんでしたが、
それはそれとして、やっぱりコネというか、ツテというのが
大変重要であって、それをどのように使うか、
コレクターというのは、どういう生物なのかを
ちょっとだけ書いていたような
そういう具合であります
ずいぶん読みやすくて、非常に毒というか、
強い業のようなものは見えませんが、本当は、
そういったものを背負い抗えない人が、コレクターなんだろうなと
わかったようなことを書いてしまうところです

ま、そんなこんなはさておき
やっぱり、安宅コレクションはすげぇなと
素直にそこを感心する材料とするための
ステキな図録も入っておりまして、
あの、耀変天目や、青磁の数々を目の当たりというか
まぁ、図録で確認して、嘆息を見舞うといった
そんな具合でありました
いちから、ちゃんと勉強したわけではない身としてでも、
この一流のそれというのをしっかり目に焼き付けておくだけで
だいぶ、なんだか夢見心地になれるものだと
自分の安っぽさに笑うのでありました
でも、いいんだなぁ、すげぇな青磁と白磁

焼き物として、特に中国、韓国陶磁器に重点が置かれるため
国焼のそれは、ほとんど出てきませんでしたが
勉強になるというのか、これを知っておくと
また、それを模倣なり、リスペクトした国焼きに出会ったとき
はっと楽しめる、そんなことを思えばまた
楽しんで読めたのでありますとか

本当、趣味の本だなとしみじみ反省するのでありました
骨董、そして、東洋陶磁器に興味のある人以外には
まったくおすすめできない本であります

平清盛  祇園闘乱事件

2012-04-01 20:44:49 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「平清盛」
視聴完了でありました
緊迫したというか、暗いテーマを隠しつつ
大きな事件を一つ乗り越えました

そんなことを思いつつ
毎回というか、ずっと思っていたんだが、
藤原の次男坊が、いつも逆転裁判で負けてしまうのが
なんというか滑稽というか、あの人
凄い人のはずなのに、あれだけ見ていると
なんか頭悪い人みたいに見えてかわいそうだと
思ったりなんだったりしていたら、
もう一つの悪い癖が、来週発揮されるようで
違う意味で楽しみであります
界隈では大騒ぎになるでしょうな

さて、しれっと後藤さまが出てきておりましたが
どうやら、あの後弁慶になるんだそうで、まぁ、なんか
そういう感じではあるなと思うものの
今日のそれはちょっとやりすぎだろうと
なんか、不気味なものを感じてしまったのであります
よかったんだけど、なんだろうかな、後々弁慶になる人というよりは
やんちゃな、もうちょっと違う、はしこい坊主という感じで
なんか違うなと感じたのであります
それが、どうなるか、また楽しみなのでありますね

親父殿とやりとりがあって、一つまた、
清盛の前途が開けたという、ぜんぜんよくない事件なのに
その重大さよりも、清盛の人生の開拓のほうが
クローズアップされてしまったのが
少々というか、だいぶ残念であったのですが、
そんな些細なことは、鳥羽院の演技の前に
すべて砕け散ったように感じたのでありました
なんだ、あの法皇さま、凄すぎるだろう

弱く、やられっぱなしという感じから
なんというか、眼光鋭く、その魂を感じられるというのか、
鳥羽院というそれが、ああだったんじゃないかと
なんか信じてしまうような、凄い迫力があったように感じるところ
等身大といったら、様々なところに失礼ですが、
あれが鳥羽院だったんだろうかなと信じてしまった
それくらい、あの迫真というのか、凄いと思ったことはなかった
目力というのとはまた、別の、
凄い迫力が全身からほとばしっていてステキでありました

いつからか、なよなよしさがすべてなくなり
今は今で、一つの治天の君という具合で、
白河院とは別の強さを見たように思うのであります
いや、強さといってもキャラクタとしての強さですが、
なんというか、ただの寝取られ好きとは違うなと(当たり前だ)
ちょっと、気でも触れたんじゃないかと
不安になるようなさまは見事すぎて怖かった
大変面白い回だったと思うのでありました

そして、あんだけ賢くステキだった弟が思いつめていきと
ろくでもない話でまた、来週を引き継ぐわけでありますが
なんとも、凄い勢いで時代だけは進んでいくなと
ちょっと怖いのですが、楽しみなのでありました