CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】THE FIRST SLAM DUNK

2023-07-14 21:16:01 | ドラマ映画テレビ感想
先日、ファーストデイで見たのでありました
まだやっててくれてよかった
方々で評判の良さは聞いていたものの、
なんとなく見る気がしないまま過ごしていたんだが
食わず嫌いというやつといってしまっていいのか、
見終わってみれば、よかったと思う
大変な作品だったと感じ入ったのでありました

年齢からして、自分はスラダンのど真ん中世代のはずなんだが、
テレビアニメの方しか知らない感じだったためか、
山王戦は、話に聞いていたくらいで、正直読んだかどうかも覚えがないと
そんな感じだったこともあって、ほぼ初見という感じで見られたのがよかった
まぁ、初めての物語だが、登場人物のこと、湘北のことは知っているという
そういう感覚なのであった

見終わって驚いたのが、宮城が主人公になっていた点で、
湘北ってそういうチームだったんだなと
未だにバスケというものをちゃんとわかってなかったので、
ポイントガードの役割を知らず、今回の映画で初めて理解したというか、
いやー面白い試合を見たという、アニメを見たんだが
バスケの試合を見たという感覚が強いのに驚いたのでありました
バスケってこういうゲームだったんだな

ゲーム進行が面白かったのは、物語だから当然ではあるんだが、
そのゲームの良し悪しと、その合間合間にチーム各人のモノローグが入るというのが
通してみると、結構散文的に見えるんだが、これはこれでよい
っていうか、単行本で読むと、おそらくこういう感じだったんじゃないかなと
漫画をアニメーションに見事に昇華した作品だったんじゃなかろうかと
いたく感動したのでありました

とはいえ、合間合間で小暮が出てくるというか、交代要員で出るんだが
特に何か働きしたのかわからないまま、また交代となってしまうのは
まぁ、仕方ないところではあるんだけど、ゲームプランとして
そこは三井と変えておいて、三井休ませた方がよくない?とか感じたりしたのは
これまた、素人の味方だからなんだろうかと独りごちたのである
ともあれ、花道をさげて、安西先生がリバウンドを諭すシーンとかは
なるほどなぁと、花道以上に見ているこちらが納得できるようで
凄くよかった、そして、それをその通りにこなすのが、やはり天才だなというのもまた、
メタだけど思い知らされるのでありました
というか、主人公じゃない花道って、ああいう見え方するんだな
あれはあれで魅力的だなと思い知るのである

敢えてというでもないのだろうけど、花道も流川もほとんど目立たず
宮城、そして三井の物語といっても差し支えないような作りになっていたのが
よかったように思うのでありました
不思議なようでもあるんだが、これが一番座りがよいとも思えるな
そして、ラストはおそらく、映画オリジナルだったろうと思ったんだが
結構驚きの内容で、そんなにだったのかと衝撃を受けたのでありました
そこ、流川の席じゃないんだといっていいのか、
まぁ、驚いた終わったのである

ほぼ漫画のまんまの絵が動くというのを見たわけで、
最近のアニメーション技術ってすごいんだなと
どういうCG処理なのかわからんのだが、映画館で見てよかったと思ったのでありました
アニメでバスケの試合を見た
そういう感想をもてる出来栄えだったと思うのである

【読書】男のリズム

2023-07-12 20:58:47 | 読書感想文とか読み物レビウー
男のリズム  著:池波正太郎

池波先生のエッセー集
先生が50歳くらいの頃に書いたものを集めた内容のようだが、
いくつか、話がかぶっているのもあったのだけども、
自分の来し方を語った内容で共通していて
タイトルほど、男はこうありなん、みたいな大上段ではなく、
先生がどう思って平生過ごしているかというお話で、
また、食道楽に通ずる話もいくつか転がったりしていて、
自由に、思うまま書いたといった感じで、楽しく読めたのでありました

池波先生と、拝んでしまっているけども
実際どんな小説家なのか、よくわかってないまま読んでいたので、
もともとは、劇作家の方だったというのが結構衝撃的で
以前に読んだ本では、幼い頃から、結構道楽をきわめていたというか、
いい感じで、平蔵みたいな過ごし方をしていた人だなと思っていたんだが
本作だと、それより前、いや、むしろ後なのか、
戦中から戦後の大変なときというのをどう過ごしたか、
別にそこで何があったということは語らないが、
そこを過ごしたことによって、人間の輪郭、外枠のようなものができたという感じで、
自分がどう作られているか、そして、これからどうしていくかということを
しみじみ書いているのがよかったと思うのである

またタイムリーというのもおかしな話だけども、
先日読んだ「剣客商売 新妻」に出てきた大治郎のセリフが
さらり、〆句に使われている一遍があったりして
思わずにやりとしてしまったのでありました
京都江戸の間を歩くことはあるまいが、なるほど、移動というものを体感して、
そして想像するのがまたよいのだなぁ

戦争を体験したことで、出征前に一通りの遊びはやってしまって、
いざ死んでも悔いのないようにと過ごした数年があったおかげか、
その後である、これを書いている時に、どうしていこうかの骨格となっている
いつ死ぬかということを念頭に、今はどうすべきか、
何が必要で、どれをやめておくか、
そんなことを能動的に選んですごしているというのが、リズムであり、男の生き方だなと
読み手が勝手になるほどと納得してしまうのであった

とはいえ、昭和の男だなというところもだいぶんにあって、
今じゃ、なかなかどうしてと思わなくもない思想というか、
在り方も持っているわけだが、これはでも、時代というものだろうなとも思うし
結局のところ、その範疇でどうであったかといえば、
先生の本に書かれているところでは、平和であったろうから
それでよいのであろうと思うのである

小説家としての日常も描かれていて、そのあたりも興味深いというか
いかにも、文士にありそうな生き方をしていたんだなというのがまた、
心地よく読めて、夢があるなと思ったのである
実際はどうであったか、それは誰にもわからんが、
おそらくは、これと相違ないのであろう

などと、節をまねてみるのである

3か月ぶりの台湾北上旅行 13 迪化街を歩く

2023-07-11 21:05:38 |  3か月ぶりの台湾北上旅行(2023)

これが西門のモニュメントだと思うんだが、
もしかしたら、北門だったかもしれない、
わかりませんが、とりあえず、牛肉麺の店から出て、西門町の方へと歩いていく
バスに乗って迪化街へ向かうことに
ここ何回かの高雄台南散策のおかげで、バスの重要性を改めて認識して
京都市内並に路線が錯綜している台北のそれも乗りこなしてみようといくのでありました


西門町のバス停は結構大きいというか、路線が多いので
次々とやってくるのがよろしいところ
ぼやっと待っていると

こんなバスがやってきたんだが、どうも日本のVチューバーらしく
その応援ラッピングがバスにされてんだが、どこのヲタクがやってんだろうと
台湾のお金持ちの遊びを見たという気分である

で、これではなく普通のバスに乗っていざ北上としばらく進んでいくと
唐突にバスが停まる、なんかガツンとかいう音がしたけどなんだ?と思うまでもなく、
どうも事故ったらしく、運転手がおろおろしながら、最終的に降りてくれという話に


こんな具合で、タクシーのバンパーがもげておる
バスが曲がるところをすれすれでタクシーが交わして行こうと思ったときに、
バスのお尻が外にふれたと思われる、いわゆる外輪差というやつだろう(適当)
ともあれ、よくわからんが途中で降ろされて、慌てていたが町地図を見つけて
近くにきていたことを確認し、歩いて迪化街へ向かうことに




ちょっと、場所が前後してしまっているけどもわかりやすいように
迪化街の名前も出しつつ、古い町並みを堪能
そいでもって、観光客よろしく土産ものを物色することに






買うのはお茶か干しシイタケでありまして
実家で留守番している老いた母への土産だったわけだが、無事買い物終了
高いのか安いのか正直よくわからんなと思いつつも
まぁ、あれやこれや楽しめたのでよしとするのである
台湾にもツバメがいるようで、微笑ましい
こいつら、日本まで渡るやつだったかな


そして、毎回前は通るけど中に入ったことなかった、いかにもお金にまつわりそうな廟へ


こじんまりしているけども、観光地だからか、人が結構多くて、
ありがたく手を合わせてきたのである




市場にも入って、何がということもなくぶらぶらする
八百屋とか果物屋も多いわけだが、寿司をふるまっている店もあったりして
勇気がなくて食べられなかったんだが、旨いもんなんだろうか
あとは、つるしの肉屋が、ちょっとしたスプラッタみたいになっていてよかったのである
アジアにいるという実感がわいてくるわい




そんなわけで、問屋街っぽい町並みを堪能したわけである種苗店まであったわ
まぁ、流石といっていいか、久しぶりに台北来たけども、日本人が多いなと
そこかしこで日本語が聞こえて、観光地の賑わいを感じたのでありました

つづき
14 中正紀念堂と青天白日旗

前の
12 台湾総統府と牛肉麺

【読書】アクロイド殺害事件

2023-07-10 21:05:27 | 読書感想文とか読み物レビウー
アクロイド殺害事件  作:アガサ・クリスティー

かの有名なアクロイド殺しであります
何を書いてもネタバレになりそうというか、
もはや、「アクロイド殺し」というタイトルすら、そのネタバレをうたう言葉と
同意になっているほどの有名作品でありました
そんなわけで、映像版も、小説版も未見であるにかかわらず、
オチを知ったまま、初めて読むという
大変もったいないことをしたのでありますが
それでも面白かった、というか、はじめからそういうことかと思いつつ読むというのは
それはそれで面白いもんだなと思ったのでありました

そういうわけで、犯人はわかっているまま読んでいるという状態だったので、
あれこれの感想がなかなか難しい話ではあるものの、
けむに巻くような話とも違う、やはり同時に二つ、三つくらいの事件というか、
出来事が錯綜しているという描き方そのものが、
アガサ流のミステリの真骨頂なんだろうなと思ったのでありました
考えてみると、ABC事件も、殺人は癖になるも、いずれもその手法だなと
本編の根幹トリックはさておいて、話の流れとしては
そういったややこしいことが含まれるので、
ポワロ以外というか、むしろ、読み手の方が騙されてしまうという
それなんだと改めて思い知ったのである

と、考えてみると、この根幹トリックがそもそもナシだと言っている層は、
そもそも見当違い甚だしいというか、そういう小説家なんだからとしか言いようがなかろうと
思ったりもしたんだが、まぁ、ともかく、ミステリ好きという読者層との争いもまた
楽しそうだなと思ったのである

話しとしては、アクロイドの娘と婚約者の話が、結構意外というか、
そういうもんなんだというところが、腑に落ちないでもないが、
描き方がずるくないかと思ってしまったところなんだが
こういう、人間臭さといったらいいか、結構自分勝手な人ばっかりで、
その嘘というか、とりつくろいみたいなのが絡み合って
見事に物語になっているんだなと思ったのでありました

とりあえずアガサ読みはこれくらいまでとしようかと思いつつも
だいぶ、ミステリを読んで、そういう読み方が身についてしまったと思うのであった

どうする家康  ぶらり富士遊覧

2023-07-09 21:06:35 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
割と普通だったな、そんな風に思ってしまったのは、
ちょっと期待を高め過ぎたかと反省したのである
これはこれでというか、至極納得できる感じでの変節なので
まぁ、あまりにも、アレなのはドラマだからいいかという感じだが
ちょっと一本調子すぎるんじゃないかと思っていたわけだけども
本能寺に向けて、誰が企てたかの話が、
なんか、オリエント急行みたいになりそうだなと、それはそれで面白そうと
ちょっと楽しみが増えた気がしているのである

武田の最後については、結構あっさりというか、
なんか、テケトーに片付けたなという印象になってしまったのが
残念でならないところであるものの、
その首をもってきて、家康の反応をというやりとりは面白かったので
これはこれでよかったかと思ったわけだが、
それにしては、武田に対しての怒りというものが、ドラマとして弱いのが
気になってしまったのである
勝頼から漏れて、瀬名が死んだというところが、もっとはっきり明確に家康が意識しているとか
そういうところがあれば、あのシーンで、怒りをやり過ごしているという
深みみたいなのが出たんじゃないかしらとか、偉そうなことを考えたんだが
まぁ、そこまで見せなくてもそう思っていると
むしろ、見ているこっちが補完するべきであったかとも思ったりするのであった

ともあれ、そこよりも、あわただしい接待の数々で、
中小企業社長の悲哀みたいな感じが、テンプレどおりだけど、なかなか見事で
あそこで、ここ数話出番のなかったえびすくいが出てきてというのが
いいところであったものの、
それを受けてからの、引きで、信長殺しをというのが安直すぎやせんかと思ってしまったのである
あの家臣団にそれを言ってしまったら、すぐに漏れてしまうだろうにと
思ったりしたんだが、まぁ、ドラマ上仕方ないのかなとも思うが
なんか、もやっとするのであった

とりあえず、本能寺カウントダウンが始まったので
そこまでに、どれくらい何を積み上げるのか、
何気に伊賀者についてのミスリードが出てきて、
あれが、伊賀越えに向かう布石になったりしそうなところとか
面白そうな感じが見え隠れしているので
次週からも楽しみにしたいと、心新たにしたのでありました

追記、そういや、唐突に直政が九郎判官のこと言い出したなと思ったが、
菅田将暉つながりでのメタセリフだったのか
そういうの、ちょこちょこ挟んでくるなこのドラマ

【読書】台湾客家スケッチブック

2023-07-08 21:25:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
台湾客家スケッチブック  著:小池アミイゴ

台湾客家文化をたどったエッセーというか
旅行記とも異なるか、
文化に触れた日々をつづったものでありました
著者によるイラストと、いくつかの写真が補足されていて
台湾の客家文化の中心ともいえる
台三線というルートをたどり、ロマンチック街道なるそれを堪能するという
そんな塩梅でありました

客家文化というのがあることは知っているけども
実際どれがという色付けはできないので、
何がどれがというのはわからなかったけども、
独特の民族意識といっていいのか、華僑的な家族形態とか、
そこで受け継がれている生き方、なんか、ゆっくりしている世界観というのが
とてもよく書かれていて面白く読めた

行ってみたいと思うには、結構辺境といったら失礼極まりないが
山間の里みたいなところが多いので、
そういうツアーじゃないと厳しいだろうなと思ってしまうんだが、
その土地土地というか、町里に、独自の文化というか
家族の姿というのがあるようで、
それぞれに美味しい物もありそうだし、なかなか興味深いものだと思うのでありました

茶のお話も興味深いところだったけども、
やっぱり台湾といやー食い物というところなわけで、
客家料理のあれこれが載っているのが、どれも旨そうですばらしい
結構滋養強壮的なものといっていいのか、滋味豊かというのが正しそうな
食べるだけで力がわいてきそうな食べ物がいいなーと
いっぱい載っているのはよかったのである
独自の発酵食物もあるみたいだし、一度食べてみたいものである

桃園から西海岸まわりで台中にいたるくらいが客家人が多い地域になるそうで
あまり行くことがない地域ながら、
立ち寄ることがあれば、是非とも触れてみたいと思うのでありましたとさ

【ドラマ】育休刑事

2023-07-07 20:54:47 | ドラマ映画テレビ感想
NHK火曜ドラマ枠でありました
ドラマ10だったか、まぁ、どっちでもよい
コメディミステリといった感じで、何かと思えば
原作が似鳥鶏さんだそうで、だいたいこんな感じだろうなと
思ったりしながら見ていたんだが、
実際に原作からしてこうだったのか、ちょっと気になっているものの
とりあえず、楽しく見終えたのであります

正直なところ、序盤は、ちょっとお姉ちゃんこと前田敦子の演技が受け付けられないというか、
刑事ものだからって、思いっきり下手な古畑のモノマネとか見てられないと
衝撃を受けたんだが、古畑感は回を追うごとになくなっていったけど、
キャラとしては一切ブレることなく、あのまま突き通してきて
それはそれで潔いというか、もう、これはありだなというところまでもっていかれたので
大したもんだと感服したのでありました
特に酒飲んで錯乱してるシーンが素晴らしかった、
死体について語り続けて、笑い続けるという、検死あるあるみたいなので爆笑し続ける狂気の演技
あれがツボにはまって、むっちゃよかったというか、笑わされたのでありました
あんなんずるいやん、いそうだけど、絶対いないわ
すげぇ

そして、曲者か切れ者か、ただのお調子者か、
結局最後までその素性がわからないままというか、
普通の人だったと思われる係長のキャラも実にすばらしく、
夫婦の独特の関係はさておいて、この二人によって物語が相当強引に進められたなと
衝撃的に見入ったのでありました

トリックとか、犯人とかは、正直なところ
かなりわかりやすく作られていたので、ある意味期待した通りに話も進むし
それでいて、コメディがだいぶ強めなので
安心して見ていられた感じだったのがすごくよかったと
終わってみたら、結構気に入ってみてたなと思うのであった

ところどころというか、だいぶ、あっちこっちに無理があるなと
思うところもあったわけだが、まぁ、それを包含して
楽しかったからいいとそう思うのである
最近は、こういう気の抜けたドラマがよいわと、心弱き中年は思うのである

【読書】剣客商売 新妻

2023-07-05 21:03:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
剣客商売 新妻  作:池波正太郎

好きすぎて感想が書きづらいんだが
もう、楽しすぎて、あっという間に2回も読んでしまった
読みやすくて、ものすごく楽しい
それ以上、何もいらないという感じですらあるんだが、
これが、シリーズの何作目にあたるかわからんが、
三冬さんと大治郎が無事結婚するの巻というお話数編で、
新婚その前後を描いた短編集といった感じではあるんだが、楽しい、ただただ楽しい

相変わらず秋山先生の凄さというのが、ものすごくさりげなく
でも鋭く、あっという間に敵の腕が飛んでしまうというのが
まぁ、かっこよすぎて、ぐうの音も出ない感じではあるわけだが、
この一連に関しては、先生を置いて、あえての大治郎がという短編も多くて、
その先生とは異なる、実直な剣といえばいいか、少し知恵働きもするようになるが
やはり実直、誠実というのが見えるような、剛の剣がかっこよくて
三冬さんのために怒りを発する大治郎のかっこいいこと、字面としても、さほどの行数ではないのに
物凄い怒りを催した大治郎が、目の前に見えるかのようで、
心情と情景描写のずば抜けた融合が、短い文章に凝縮されているというか、
緻密に計算されていたかのように、当たり前の文章を読んで、想起されるイメージが途方もなく大きいという
このかっこよさが、本当にたまらんなと思ったのである
格別の形容とかがあるわけでもなく、一種朴訥ともいえるような
短い言葉が、テンポよく続くのがよいのか、
単語に殴られるみたいに殺陣が進むのがすごくいいのかもしれない

内容には、結構大人向けといっていいのか、
割と淫猥なシーンも出てきたりして驚いたんだが、
その不気味さや、偏執性というのが、舞台装置でしかなく、
それを背景にして、敵役の輪郭が見えてきて、そのあとの成敗といっても過言ではない
見事な殺陣に繋がっていくのが、実に気持ちがよかったのでありました

キャラクタがいい、というのは、その生きざまがまっすぐで、
読んでいてよどみがないところにあるのか、
ひとつ、誠実というものを描いたといってもいいような、
愚鈍さを愛するでもないけども、先生は世の中の良し悪しを知っているからこそ、
そうではない大治郎や、そのほかの門人あれこれの愛らしさともいうべき真面目さにつながるのが
まぁ、なんというか、気持ちがよいなとほとほと、感じ入って読み進めたのでありました
人情話としてもすごくよいし、ともかく最高だった

3か月ぶりの台湾北上旅行 12 台湾総統府と牛肉麺

2023-07-04 21:05:52 |  3か月ぶりの台湾北上旅行(2023)

さて、無事到着
今回台北最大の目的地である台湾総統府であります
何度か外見だけは見ていたものの、どうやら予約もなしにさらっと入れるらしいというわけで
総統府見学に突入したのでありました

総統府の北西角あたりが入口だったと思うんだが、
そこでしばらく待っていると、物々しいボディチェックのあと
パスポートを預けてから、いよいよ中へ入れてもらえることに
とはいえ、職員さんというか、軍人なのか警官なのか、
銃を持った人も見張りをしているのが結構緊張するところながら
ペットボトルの水をもっていたところ、飲んで見せろと言われたりと
こういう感じなんだと、唯々諾々と従っておいたのである
お手を煩わせてはいけませんな




一階をぐるりとさせてもらえるだけだったので、
もっと大がかりな見学イベントとは別だったのが残念ではあったが、
やっぱり楽しいというか、凄いなと興奮して見て回ったのでありますところ
中庭が結構洒落ていていいなと思ったりしながら
展示物を見て回る




総統府のデスクレプリカやら、印璽のレプリカとかの展示は結構興奮の内容で
まぁ、ただ展示しているだけなんだが、凄い楽しくてよかったのである
この他、蔡総統とあいさつすることができるというVR的な動画作成イベントがあったり、
結構楽しく過ごせたのでありました、見える範囲は少ないけど
その中で、あれやこれやあるから、なんだかんだ1時間くらい楽しんでしまった





展示物も、様々なものがあって、歴代総統の紹介とかでは思わず李登輝総統を撮ってしまったり、
あとは台湾馴染みのものと見える独特の看板シリーズとかでにやりとさせられたり、
大変楽しかったのでありました、どう移動しているかわからなかったんだが、
気づいたら、違う中庭の前にきていたりして、どういうことかわからんがともかく楽しいのだ
当たり前ながら、当然のように役所の人がてきぱきお仕事をされているので
時折そういう人とすれ違ったりもするんだが、
不思議なことができる場所だと感激して見終えたのでありました

無事終わるとちゃんとパスポートも返してもらって
ついでに、記念撮影スポットで、デジタル写真を撮ってもらえたりしながら
大変楽しんで過ごしたのでありました


こんな感じのステッカーを貼られてうろうろするのである


さて、総統府見学も無事終えたので
小腹を満たしに昼食を求めて、西門町近くの有名店へ
台北の牛肉麺の店としては相当有名なそれだと思うんだが
今回初めて乗り込んでみた、11時くらいだったのにもう行列がと衝撃的だったんだが
無事入って食べることができたのである



老王記牛肉麺 二種類に見えるけども、清燉と紅焼のスープ違いであります
1杯230元は結構なお値段だと思うのだが、それでもやはり名店だけあって美味い
これは文句なしだなと感激してあっという間に食べてしまったのである
牛肉の煮込み方が素晴らしいというか、ものすごく柔らかいのに味はしっかりしてて、
麺なしで、この牛肉煮込んだものだけを食べたいと思うほど
紅焼の方が辛そうに見えるけども、別段そんなこともなく
どちらも実に美味しく食べられたのでありました、大満足だわ

台北は食べるところが多いなという印象なんだが、
ちゃんとした食事を久しぶりにしたという気持ちになったのである
もっといいところ言って食べろよと思わなくもないんだが
ともかくよしである

つづき
13 迪化街を歩く

前の
11 台北へ

【読書】怪しい店

2023-07-03 20:59:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
怪しい店  作:有栖川有栖

推理小説家と犯罪学の准教授が謎解くミステリ短編集
お決まりの二人が、いくつかの事件をささっと解決するというお話で、
推理も面白いし、会話も独特の間がよいと、
別に謎解きに挑もうなどと思わなくとも、ただ、物語を読んでいるだけで
わくわくとするといえばいいか、楽しく小説に没頭できる
とてもよい作品でありました

基本的には殺人が絡む物騒な事件が多いのだけど
一遍だけ毛色の違う未遂めいた、あるいは、霊きたる的な内容のものがあって
こういうのも人情味というか、ミステリならではの動機の部分が色濃くて面白いなと
感心しながら読んだのでありました
推理というか、何か事象をどう考えるかというのが自然であると
ただそれが披露されるだけで楽しいと思えるから
この小説シリーズは好きだなぁと思えてしまうのであった

トリックと動機の両方を謎解くでもないけど、
色々と考えていくと、こういうことかと行きつけるというのがだいご味だと
改めて思い知るような、素敵な小説なわけだが
火村准教授が、はたして心に何を抱えているのか、
それは、どれかの短編で明かされたことがあるんだろうか、
あるいは、明かされることはないんだろうかと不思議に思いつつも、
そこはそれ、ただ二人が謎をさらっと解いていくというその姿だけで
なんとも楽しいという、ある種キャラ物小説だと思うのでありました

結構人間観察というか、動機の論理性みたいなところをクローズアップしている短編が多かった印象で、
サイコパス診断の話なんかも面白いんだが、妙な偏屈がまねいてしまう事件というのが
ありえないミステリを可能としてしまうような不可思議があって、
人間こそミステリそのものだと思わされるようでもあってよかったのである
自分の中だけでは、ちゃんと理路整然としているけども
傍から見ているとそうではない、独りよがり、独善といったものが見えるものだなと
襟を正したくなるような内容も多くてよかったのである

犯人の身勝手さというのは、案外、誰の心にでもありそうだと
読んでて思わされたのであった

どうする家康  はるかに遠い夢

2023-07-02 21:01:57 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
まぁ、想定通りというか、何一つ避けられることもなく、
当たり前の落着をしたと、残酷に言ってしまえるような内容だったわけだけども、
この期に及んで、まだ家康がどうする態だったのが
気が気でならなかったわけだが、予告でがらっと変えてくるようで
そういうのを今回に入れてこなかったというのが、
ある意味斬新であったとも思ったりするのである
あくまで、何もできず、どうしようもなかったというだけで終わった残酷な回でありました

とりあえず、ねっちりと、家康と信康、そして瀬名の来し方を描くという
その一点のみのため、ある意味わかりやすいドラマだったわけで、
茶番といってしまうと、言い過ぎでもあろうが、
そうとしかとれないような、あれこれを、誰でもない本人たち、
瀬名と信康が引き取ったというのは、まぁ、物語上
一番綺麗な形ではあるなと思うところ
本ドラマでは、こうであったというのは、守られた感じでもあるなと思いつつも、
初っ端、信長が叱責と丸投げだけで済ませたというのは、
あまりにも優しすぎるだろうと思ったんだが、
その怒りを佐久間にだけ向けるというのもまた、なんというか
流石にそこはおかしいだろうと思ってしまったんだが、
それを後押しするように、まだ、そういう優しさを家康が受けたので
やれると妙な愚策を弄しようと思ったりするという風にも見えて
なんというか、徹頭徹尾家康がだらしないなという印象になってしまったのが
残念でありました
が、それでこそ、次回からの変化というのに期待を投げると
そういうことだったんだろうかと、まだ、次週が来ないとなんともいえないが
ちょっと楽しみが残ったと感じたのである

あとは、まぁ、一本道で、時折、服部が可哀そうだなという
理不尽な扱いを受ける以外は、見所らしいものがなかったと
個人的には思ってしまったわけだけども、
とりあえず、次週から変化を楽しみにしていきたいと思うのである

【読書】将棋「初段になれるかな」大会議

2023-07-01 21:05:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
将棋「初段になれるかな」大会議  著:高野秀行

自分にピッタリの本だと、勇んで読んだんだが
思った以上に楽しくて、あっという間に読み終えてしまった
もっとも、読んだからといって初段になれる技があるはずもなく、
まぁ、初段を目指すときに、こういうことあるよねーという
あるある話を聞いているだけにも思えてしまうんだが、
随所によいと思える話がちりばめられていて、大変よい本でありました

将棋の勉強としても、非常によい含蓄が載っていて、
そうそう素人にはこういうのがよいんだよと
つくづく思い知らされる内容がいっぱいで、まさに自分のレベルにあった本だと痛感、
初段で足踏みをするという概念がない将棋の先生には
決してわからないそれだというのが、よくわかる内容で、
先崎先生が、6級から2段まで30分だった的な発言とか、いかにもだと笑えてしまうんだが
そういうところが、プロと素人というべきか、将棋のあれこれの差だなと
わかりやすく答えている言葉に思えて大変よかったのでありました

結局心構えの話が主になってしまうのは、仕方ないにしても、
焦らないというか、必至とは何か、詰めろとは何かを
頭で理解するのではなく、今この瞬間のこれがと、
ある時突然に理解できるという体験が、いかにもありそうだし、
もしかしたらあったのかもしれないと思えたりできたのがよくて、
次の一手問題とも異なる、どうすべきでしょうかという限定的に詰めろを考える問題なんかが
考えていく上で大切だよなと改めて思うところだったのであります

そして、どこでも推薦されている、3手詰めハンドブックの有用性が素晴らしく
これはもう、買うしかないんじゃないかと
改めて思い知らされたのであります
図書館で時折借りてるが、1手と5手しかいつも回ってこなくて
3手詰めの優秀さが際立っているのかもしれないと
さらに思い知る結果となったのである

まあ初段はあくまで目標としてのそれでしかなく、
むしろ、そこを目指していく中で、なんとなく将棋を楽しんでいるという
そういう人たちの、将棋終わった後に飲みに行くのが楽しいというのもまた、
将棋を交流手段として考えているではなく、本当に、
仕事した後でみたいな、日常の一部にもってきていて、
将棋が重荷にならないけど楽しい、悔しいという心持を持てるというのが
長続きの秘訣というか、いや、そう書くと長続きすることが目的になるのでまた違うのだが

将棋を好きでいられるし、強くなりたいと思ってもいるが
あんまり強いストレスは受けたくないという
現状のジレンマを解決してくれそうな何かを読ませてくれたと感じたのでありました
気軽にというのもまた違うが、よい言葉が当てはまっていない事象があることを
この本はわかってくれている、そう感じたのでありました