森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

流れの速い清流のようにー「女王の教室」追記

2006-03-19 12:23:42 | テレビ・ラジオ
2日間にわたっての「女王の教室」は、ドラマの面白さはもちろん最高だったが、そのメッセージ性も高く、受け取ったものを、一気に表現する事ができなかったので分けて書くことにした。それでも、体罰の事や第三の選択に関しては、またいつかと言う事にしよう。

「イメージ出来る?何もかも見通しているような女教師は、昔、余りにも愚かな若い母だったことを。」

こんなのただのドラマだよ、とか、子供死なして涙を誘うなんて卑怯だよと思う。だけど、私は、その罠から逃れられた事がない。(別に、本当は涙を誘っているわけではないんだけどね。)
真矢の子供が川で溺れ死んでしまった時、見ていられなくて逃げ出してしまった。真矢のだんなが「お前が殺したようなもの。」と言った時も「そうよ、あなたが殺したようなものよ。」と涙でかすんだ目で、心の中でせめてしまった。
だって、辛すぎる。あの子は、何時だって母の幸せばかりを考えているような子供だったから。

時に若い母は、その若さゆえに本当に愚かなことがある。

子供は、母に対して無条件で愛を注ぐ。その愛は、まるで流れの速い清流のようだ。だけど、母は、自らが子供に対して注ぐ愛ばかりに、気をとられて、子供からのその大きな愛を受け止め損ねてしまっている時がある。守ってるようで守られている。支えているようで支えられている。

あの時もこの時もと受け止め損ねた愛を思うとき、私は後悔ばかりで、心は涙の沼に沈む。ただ、生きて生意気でも成長していってくれれば、あの時は、この時はありがとうと伝えていく事が出来る。

だけど、失ってしまっては、もうそれも出来ない。真矢が川に向かった気持ちは、本当に良く分かる。

死のうと思った川の真ん中で、教え子からの電話。「死のうと思ってるんだ。」・・・・・人は皆、生きるべき道があるということか。もっと硬く言うと生きる使命とか。涙の川から這い上がってきたからこそ、あの覚悟の真矢先生が誕生したんだなあと納得した。

このドラマは縦糸横糸、しっかり織られている。過去から現在、現在から過去へしっかりつながっていて全て納得だった。この作品の脚本は「遊川和彦」という人が書いている。


子供たちの流れの速い清流のような愛を、母達が受け止められるなら、親に殺される子供はいなくなると思う。

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「女王の教室」また、あなたに会いたい

2006-03-19 09:25:50 | テレビ・ラジオ
 昨日も、今日もみんな泣きながら、真矢が、なぜ悪魔のような先生になっていったのかを見続けていたのではないだろうか。

 ドラマとしての感想を書こうと思うならば、期待通りの素晴らしい作品でしたとしか、今の私には言うことが出来ない。なぜなら、思うことがたくさんあり過ぎてどう表現していいのか、わからないのだ。

 そういえば、中学の歴史の先生が昔言ってたっけ。水戸黄門や、大岡越前、あとは、誰だっけなあ・・この人たちのイメージはみんな創作。こんな権力者、こんな奉行がいたらいいなあという庶民の願望から生まれた。実際にはいないから。
真矢先生、あなたも私達の願望から生まれた主人公。実際にはいないから。・・・ゴメン、これは、言い直そう。なかなか、めぐり会えないから。中には、居るものね、本当の先生。


 真矢もそうだけれど、ドラマの中の愛される先生達には、皆同じ共通点がある。

もう、だいぶ前だけれど、「地獄先生ぬ~べ~」という漫画をテレビでアニメでやっていた。その頃は、食事時間も早かったので、家族でそのアニメを見ていた。すると、主人が
「ぬ~べ~も、昔教え子が自殺しちゃったから辛いよね。」と言った。
「彼の教え子は死んでないよ。死んじゃったのは、ガー助だよ。」と私。
その頃、「みにくいアヒルの子」というドラマをやっていた。主人は、その主人公たちのキャラが混ざってしまったのだ。なるほど、無理もない、と私はその時思った。


 真矢も、そのぬ~べ~も、ガー助も、他にもヤンクミもみんな同じことを言う。
「私は(または、俺は)、私の生徒達を、私の命に代えても、守る。」と。

学校の先生とは、学校で子供に勉強を教える人・・・。だけど、学ぼうとするものにとっては、教科書を丁寧に読み進めるだけでも学んでいく事ができる。

学校の先生とは、学校で子供たちを教育する人、教え育てる人なのだ。教育とはなんて、中途半端にここでは語るまい。
ただ、家庭では、父、母が親として「私の命に代えて、子供を守る。」と思っている。
学校では先生が、「子供を守る。」と心の底から思っていてくれたら、子供たちにとって、学校は、もっともっと大切な場所になってくると思うのだ。母の家に帰る時の子供たちが、家に近づいた時に思わずスキップをしてしまうように。


だからと言って、本当に真矢先生のような、悪魔バージョンの先生がいたら、ついていけないよね。グレー真矢なら本当にいて欲しい。白真矢だったら、父親参観日の出席率は上がるけど、本当にあれじゃ、学級崩壊は起きる。6年じゃなくても、1年生でも起きるよ。
だけど、実際には、鬱々といろいろなことがある、教育界の現場。私は、真矢の活躍を見てスカッとしたい。
だから私は、また、あなたに会いたい。




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