森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

あのチョコレートは美味しかったですか<4-3>

2010-02-14 18:23:39 | 思いつくまま

今日も一日寒かったですか?
カーテンを閉めて夜の闇と外気を締め出したら、私は私の世界の扉を開けましょう。

何のお話をしていたのでしたっけ。ああそうでしたね、あたしの14歳のバレンタインデーのお話の続き。

あのチョコレートは美味しかったですか<4-2>」の続きです。 

 

だけどその前に、ちょっと違うお話から聞いてくださいね。

14歳の私が語ります。

 

 それは昨日の事なんだけれどね。あたしは母と近所の大きな商店街に出かけたの。美味しいと評判のパン屋に入ったら、Yが好きだという噂の少女が前に立っていたの。凄く細くてピンクのカーデガンがとっても可愛かった。だけど突然彼女はパン屋から出て行ってしまって、あたしは吃驚した。もしかしたら、あたしがじろじろ見すぎたとか。もしそれならば、なんてあたしは嫌な女なのだろう。思わず自分の服装を見た。ぜんぜん素敵じゃない。あたしは可愛くない。しかも母と一緒。ださいったらありゃしない。  

 母はいきなり機嫌が悪くなったあたしに、嫌な気分になっていたのに違いない。でもね、おかあさん、あたしの心だって忙しいんだよ。惨めになったり、いろいろ考えて立ち直らなくちゃいけないんだものね。

  あたしは考えたの。あたしは今はちっとも素敵じゃない。でも、いつかきっと素敵な人になろうって。

 

 今思うと、この日の事はバレンタインディーの先だったのか後の事だったのか良く分かりません。でもカーデガンと言う服装を考えると秋の事だったかもしれないし、それとも次の学年の事だったのかもしれません。この事は、何にもバレンタインの事には関係がない事でしたが、とにかく私は自分に何にも自信なんか持てない少女だったのです。

でもそれは、自信のないウジウジしていた少女漫画キャラだったのかと言うと、全くそんなキャラではありませんでした。

ウジウジイジイジ・・・
そう言う少女が素敵な男子と一発逆転、両想い、そんな漫画ってあんまり好きじゃないし、私にはありえない事だったと思います。

 

またも14歳の私の独白。

あたしは冴えないちっぽけな小さな女の子。でも、何故だかあたしはけっこう自分が気に入っているんだ。どういう所がって言うとね、あたしは「みんなが遣るから。」とか「みんなが遣らないから。」と言うのはあまり関係ないところ。自分が遣るべきだと思ったり言ってしまおうと思ったことには「みんな」はあまり関係ないの。

あたしがバレンタインディーにYにチョコレートを渡そうと思っていたのは、Yに出会う前からの、自分が自分にした約束だったと思うの。はっきり言って、この年がバレンタインデーの浸透度の分かれ目だったと思うのね。あまり世間的には浸透していないイベントゆえに、あたしがあたしらしく生きるためには、勇気を出さなくてはいけないわけ。

まあ、あまり上手く言えないわ。それになんか大げさねと思っている人がいたら、あたしはその人をタイムマシンに放り込んでその時代に送ってやりたいわ。

とにかくあたしは横浜高島屋へ行って、自分では食べた事もないような美味しそうなチョコレートを買ったわけ。それから自分好みのブルーの綺麗なハンカチも買ったの。大人になってから気がついたのだけれど、それらは別々に綺麗にラッピングしてもらって、ひとつの袋に入れて渡せばよかったと思うのね。でもあたしはその時は幼くて、ペーパーもリボンもそれを入れるペーパーバックもみんな自分好みのものを買って、夜中に自分で包んだんだよ。

手紙も添えたのだと思うの。でもぜんぜん思い出せない。
「あなたが好きです。」とか書いたのかしら。それとも何も書かずに名前だけ書いたのじゃなかったかしら。分からない。手紙なんて、その時のあたしには意味がなかったのよ、きっと。ただあたしが拘った事は、名前を書く事。それよりも直接手渡し。緑子の時に無記名、机の中は良くないって学んだから。

その日、あたしが学校に行ったのは、チョコレートをYに渡すためであって、決して勉強なんてものをしに行ったのではない事は確か。そんなものはわずらわしいオマケ。

あたしは朝から落ち着かない。でもあたしが思い描いたイメージは、
「これ、あげます。」
「ああ、はいはい。」
「じゃっね。」と言うもの。

が、休み時間、まだ誰も廊下に出回っていない時間を狙って、ダッシュで5組に行きYを呼んで来てと緑子に頼んだあたしは、そこで予想外の光景に直面してしまったわけ。だって、緑子に言われYはこちらに来かけたかと思うと、引き返し、またこちらに来かけて引き返すと言う、熊さんのような動きをしているじゃないの。

そうか、とあたしはようやく気がついたの。
実はあたしだって、ふんふんふんと鼻歌歌ってやって来た訳ではなかったの。例えて言うと、面白そうだなと思って乗ってしまったジェットコースターがてっ辺までカッタカッタカッタと上っていく時、高所恐怖症のあたしは、何でこんなものに乗ってしまったのだろうと、後悔マックスになるのだけれど、二階の自分の教室から階段横の5組に降りて来る時全く同じ気持ちになっていたの。それを100の勇気を出して、あたしは5組の扉を開けたんだ。

でも、貰う方だって勇気がいるんだよね。

だけど、ほいほいと貰ってくれれば簡単だったのに、ふと気がついたら、階段から廊下まで、なんとギャラリーが一杯になってしまっていたのよ、これが。

まるで少女漫画のワンシーンみたいだった。

後で友達に言われたのだけど、二人ともゆでダコのように真っ赤かだったって。なんか表現力がないね。林檎の様だったと言ってくれたら可愛いのにね。

でも、渡す時、あたしの気持ちに巻き込んで申し訳ないなと、ちょっと思ったの。だから「ごめんね。貰ってくれてありがとう。」って言ったような気もするのだけど、正直言うと、あまり覚えていないの。

ただその日の夜、友達からやたら「やったねコール」がかかってきたんだよね。緑子からはYからの「ありがとうって、もう一回伝えて。」と言うメッセージも。でも本当は、もうその日の夜は、昼間の出来事はもうあたしにとっては過去の事になっていたんだ。

あたしが一番「やったな~」と思っていたのは、自分の教室に戻ってきた時。

ふう~っと自分の席にすとんと座ると、「ふふふ」と言う気分になってきたんだ。

そんなあたしを見て、笹目雪生(あのチョコレートは美味しかったですか2参照)が、

「何、どうしたの。何かあったの。」と聞いてきた。

だけどあたしはなんでもないかのように「まあね。」って言ったんだ。

 

今思うと、私は彼の事は、いつまでたっても良く知らない少年でした。でもある時、緑子に
「昨日、この『コンドルは飛んでいく』のレコードを買ったんだ。」と言ったら、
「それ、Yも大好きでレコード買ったって言っていたよ。」と教えてくれました。

そんな程度の事が嬉しかった昔、大切な思い出です。

一日ってあっという間に終わりですね。
あなたの今日と言う日が、何年たっても色あせない素敵な思い出になりますように。 

 Simon & Garfunkel El Condor Pasa


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あのチョコレートは美味しかったですか<4-2>

2010-02-14 08:53:23 | 思いつくまま

「あのチョコレートは美味しかったですか<4-1>」の続きです。

中学時代は好きだった少年が学年が変わるたびに変わる、そんな擬似恋愛の時代だったと思います。

「愛している」と思っても、その先何かを望んでいるわけではなく、その辺は今の時代と大きく違うかもしれません。

Yは中学2年の時の想い人。初恋の人と公言していますが、ちょっと嘘。その前にも好きだった男子がいた事は、いつの間にかなかった事になっている私の自分史です。

 私が思うには中学1年と2年との間は大きな段差があるように思います。まだ子供そのものである12歳とは違って、13歳、もしくは14歳は体の成長もしかり、思考的にも、次の段階の入り口に立つような気がします。

そんな時の言い知れない不安や気だるさは経験したものには分かる共通項だと思います。

 

また、あの頃は何であんなに簡単に恋に落ちる事が出来たのだろうと思うのです。だけど同時に、そんな時代が懐かしい・・・

ある日、私は昇降口に立っていました。どうしようもないだるい体と気持ちを抱えて、どうして良いのか分からない苛立ちを抱えながら、霧雨の校庭を見つめていました。

背後には幼稚な男子たちが、元気をもてあまして廊下を走り回っていました。

 と、その時、ボールが私の足にぶつかったのです。

振り向くと、見た事もない男子が
「ごめんね、大丈夫。」とにっこり笑って言いました。

元気をもてあまして廊下でボールを蹴り走り回っていた少年、それが彼でした。
そして、私は
「うん、大丈夫。」と言いながら、恋に落ちてしまったのでした。

 

中学2年生の時、私と緑子は別のクラスでした。そして、Yは緑子と同じクラスの少年でした。別のクラスと言っても帰る時には緑子と一緒でした。その教室を覗くと、なんと緑子の隣の席が、彼でした。

少女は内緒話が大好き。

私はさっき落ちたばかりの恋の想いを、早速彼女に報告してしまいました。
もちろん、「内緒だよ。」と言う言葉を付け忘れる事はありません。

でも翌日、お昼休みに彼女のクラスに行くと、彼女が飛び出してきました。

「ごめん、言っちゃった。」
「はぁ!?」
「彼にあなたの事言っちゃった。」

・・・・だって昨日の今日。早すぎる~。
内緒話の封印は、いつか破られてしまうのがお約束。だけど、緑子よ、早すぎるのではありませんか。

いったいドンだけおしゃべりなんだと思いながら
「別にいいよ。それも面白いかも。」と、昔からプラス思考の私だったのでした。

でも、一晩で考えが変わっていたらどうしたと言うのでしょう。よく考えたら、まったくと言っていいほど知らない少年なのですから。

でも、緑子がばらしてしまったせいで、私の想いは確定的なものにならざるを得なかったような気がしました。

そうなってしまってからリサーチです。

「5組のYを知っている?」と、隣の席の子に聞くと、
「知っているよ。1年の時、同じクラスでさぁ、私好きだったんだよ。」

・・・・がーん!

「なあに、好きになっちゃたの?」

す、鋭い。

「彼っていい子よ~。私のほかにもA子、B子、C子も好きなんだよ。」

・・・・さらにがーん!!

この時に、松田聖子と言う歌手はいなかったけれど、もし時代が彼女の時代にタイムリーであるならば、私は心の中で歌ったに違いありません。

―ああ~、私の恋は~  ♪

恋がいきなりアイドルの親衛隊レベルのものになってしまったという悲劇。

さらに驚いた事には、緑子がそれから10日もしないうちに、
「私も彼のことが好きになってしまったの。」と打ち明けてきた事。

別にどうでもいいですよ。だって、好きになるのは自由だし、私は勝手に好きでいるだけで、私の気持ちは私のものなのだから。

こんな時、中には「酷いわ。」とか言う人もいるのかもしれませんが、そんなこと考えられません。

―まるで喜劇じゃないの~♪

とは歌いませんが、今思うと、なんか可愛らしくって笑っちゃうその昔なのでした。

 

 それでも、そんな恋でも私は恋はしたほうが良いと思うのです。恋と呼ぶには幼すぎて、そんなものは恋とは呼ばないと思うかもしれませんが、その苦しい心のうちは書かないだけで、実は大人のそれとなんら変わりのあるものではないのです。その事を分かっていれば思春期の少女の気持ちも分かってあげられると思うのですが、残念な事に私に娘はいなく、昔話をしてあげると言う夢も叶わないのでした。

 

 Yを好きだった中学時代、私の毎日はキラキラしていました。あまり勉強をしていないように見えたYは、それでも良い成績で、姉も優秀、母も厳しい人だと聞きました。ゆえに私も、テスト勉強の時、いつもより1時間は多く勉強するようになりました。美術の得意な彼に影響されて、絵も丁寧に書くようになりました。退屈な授業は、変わらずに聞いていませんでしたが、窓際に席を取っていた私は、毎日違うクラスのYが私の傍を通る事を念じていてエスパー度が上がりました(なんのこっちゃ。)

 

A子もB子もC子緑子も、みんなYが好き。そしてそのYは他の少女との噂がありました。でも私にはあまり関係がないのです。その他大勢の中の単なる一人に過ぎない私の想い。

そんな恋でも
恋は恋は恋♪

 

まだ続きます。また夜にでも。
ちょっと一言、どうでも良い事を。友チョコって、何が面白いんだろう・・・
貰えない子は、また惨めな思いをするのでしょうか。それでまた、義理友チョコとか生まれるのでしょうか・・・。

恋するニワトリ


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2月13日(土)のつぶやき

2010-02-14 00:37:38 | ツイート
07:11 from web
おはようございます。外は霙が降っています。
07:14 from web (Re: @SaltyDog_wow
@SaltyDog_wow 飲んで昨日の帰宅の記憶がないと言う事を、時々聞きますが、記憶のない呟き、新たな現象が起きそうですね。自重した理性に拍手(注;別に偉そうに言っているわけではありません)ww
07:23 from web
昨日はまた眠り姫のように寝ていました。ルパンの途中で(銭形復活あたりで)ソファで熟睡し、布団に入りなおしてまた寝て、1時半頃、起きないのかとだんなに起こされて、真夜中に起きてどないすんねんとまた寝た私。夢はまったく覚えていないけれど、なぜか若き日の吉田拓郎がいました・・
07:35 from web
そう言えば、長く文を書く人は嫌われるよって、前に子供が言ってましたね・・・寝ていただけなのに呟きたい事が一杯。ブログに帰るかな・・。
11:20 from web
眠っていてもおしゃべりしたい事が起きる。書いてみたら行間も入れて3000字。やっぱりこれはブログですね。 真夜中に働く小人と真夜中の旅 http://blog.goo.ne.jp/kiriyseikan/e/f152573c4fc7e8dd4ce796f219e93a2f
11:26 from web (Re: @cheesefilm2007
@cheesefilm2007 映画は大好きです。cheesefilm2007さんと年齢の近い舞台を作っている人も出来る範囲で応援しています。時間が合えばですが、渋谷でやった時には見に行こうとかなと思っています。針を飲むようなお約束は出来ませんがw
11:29 from web (Re: @macchibou
@macchibou 変な事を呟いてしまったようで、すみませんでした。でも、心配させてしまったくせに、その心遣いが嬉しいと言う甘えん坊な私です。前にぼやいていた時も励ましてくださいましたね。いつもありがとう。
12:17 from web (Re: @cheesefilm2007
@cheesefilm2007 映画はスプラッタ以外は何でも好きですよ。(といっても、もう仮面ライダー系は見ませんがw)派手な映画も好きですが、後からいろいろ考える事が出来る映画がけっこう好きです。
12:22 from web
開会式。盛り上がっているけど、ちょっと音響が・・・、ってこんなものかしら。
12:24 from web
カナダ出身のトップアーティストと言っているけれど、日本だったらこういう時誰が出てくるのだろう。
12:34 from web
あっ、なんか凄いね。海だああ
12:45 from web
演出が凄いですね。テレビで見ていると、どうやっているのかぜんぜん分かりません。空飛ぶカヌーも素敵。
12:57 from web
凄いなと思いつつ、もう飽きたので違う事をしよう。
by kiriy2009 on Twitter

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