23日(水曜日)も最終回が二つ。
ひとつは「臨場」
「根こそぎ拾う」が内野聖陽演じる倉石のテーマ。
「俺のとは違うな~。」と言うキメ文句もすっかり定着しましたね。シリーズ2作目で、一之瀬の刑事部鑑識課検視官心得から刑事部捜査一課刑事への移動があったりでマンネリ化せずなかなか良かったです。
最終回は、前後編で新しくチームに加わった永嶋武文がらみのお話でした。
時効を迎えて、罪に問われなくなってもやはり罰は下されるのだと思いました。でもそれは本人たちだけではなく、家族をも巻き込んでの新たな悲劇を生んでしまいました。鑑識課の家族のような暖かさは良かったのですが、ちょっとお話が、私的にはある部分がイマイチでした。永嶋君側からの側面で見たら、感動的なお話だったと思います。
でも植木職人の家の崩壊は、気の毒すぎる。
かって犯人だった兄。その兄を守るためにかつての共犯者を殺してしまった妹。その妹と結婚していたために仕事も失い、家も越さなくてはならなかった妹の夫。嫌な男でしたが、彼は結構な被害者だと思いました。そして真実を知って自分の子供を殺してしまった父。
共犯者の家も似たようなものです。父の真実を知ってしまった娘は自殺し、その事から、全てを明らかにしようと思った彼は、共犯者の妹に殺されてしまうのですから。因果応報・自業自得と思っても、巻き込まれてしまった家族は痛ましかったです。
これはまたシーズン3も出来そうな予感です。(最高視聴率18,6%、最終回17,0%、かなり良かったみたいですね。)
もうひとつは「Mother」。
こちらは初回から惹き付けられる内容でした。でもそれは初回に見たから。見る前は、今回はどうしようと思いました。虐待されていた少女を誘拐して、その子の母になると言うあり得ないお話です。躊躇しました。でもこのドラマが今期は日本のドラマの中では「龍馬伝」の次に楽しみなドラマだったように思います。今年の大河は、私の中では結構比重が重いのです。
だけどワクワクと見逃したら大変と思うものではありませんでした。見逃す事があってもそれはそれで良いのです。だけど、主人公の奈緒と継美の行き先を見届けないわけには行かないのです。
キャッチコピーは、「母性は女性を狂わせる」だったらしいのですが、この女性、奈緒は狂っていたのでしょうか。誘拐、その行為はその言葉で書かれているから、そう感じてしまいますが、どう考えても緊急避難というようなものに感じました。
行動の選択がまずかったのだと夫などは言いますが、その前に教師の介入が役に立たなかったりやちょっといい加減にしか見えない児童福祉の人との絡みを見ていると、それしかなかったのかしらと思いながらも、「あり得ないお話」ではなくなっていました。
そして、最初に母を演じていた時には、世間的には非常識な逃避行をしていた二人でしたが、最終回で「私は本当の母になる」と、そう思った時に、その揺ぎ無い自信からか彼女の取った行動は良識的であったことも印象的でした。
たくさんの「母」が出てきました。
継美の本当の母の仁美。
奈緒を施設から引き取って愛情深く育てた鈴原籐子。奈緒の実の母の望月葉菜。そして、生まれる前から心臓に疾患があることがわかって生む事を躊躇していた妹の芽衣も最終回で母になりました。
この物語は、それら全ての母たちの物語でもあったように思いました。
最終回にはうっかりさん事、葉菜の走馬灯のシーンには泣けました。今も思い出すと、ちょっとウルウル。
―死ぬ時に走馬灯のように過去を思い出す。逃避行の時、本当は楽しかったの。どんなシーンを思い出すのか今からちょっと楽しみなの・・・
そんな彼女が最期に見た夢は、消防車のサイレンの音を背後で聞きながら、幼い奈緒の手を引いて逃げていくシーン。
―私のために遣ってくれたのね。良いの。あなたは忘れるの。決して思い出しちゃ駄目。
ずっと彼女が背負ってきた夫殺しの真相が明かされていました。それは彼女が地の底、天の果てまで持って行こうと決めた秘密だったのですね。
昭和29年生まれ、55歳。でも彼女はもっともっと歳を取っているように見えました。苦労してきたのです。でもその最期は娘と共に、そして孫のような子供にも慕われて、幸せだったに違いないと思いました。
11話分の感想などを書けるわけではありませんので、上澄みをすくったようなものですが、母の愛は多大なる自己犠牲であり、その自己犠牲は苦痛ではなく、まさに母たちの幸せなのだと思いました。そのバランスが崩れた時・・・・
この物語は、今までにあった「子捨て」だけをテーマにせず「母捨て」の物語でもあったのかもしれません。
子供は自分の一部。子供への虐待は、ある意味リストカットのようなもの。そんな母たちへの警告であったかもしれないと言ったら考えすぎでしょうか。
松雪泰子、表情の乏しい女性を好演。他の方々も凄く良かったです。でもこのドラマ、継美役の芦田愛菜ちゃんが居たからこそ、ここまでのドラマに仕上がったように思いました。
再会を思わせるようなラストは良かったですね。
(最高視聴率は最終回で16,3%平均だと12,9。まあまあだったのかも知れませんが、良作=視聴率とは行かないところかもしれません。)
ひとつは「臨場」
「根こそぎ拾う」が内野聖陽演じる倉石のテーマ。
「俺のとは違うな~。」と言うキメ文句もすっかり定着しましたね。シリーズ2作目で、一之瀬の刑事部鑑識課検視官心得から刑事部捜査一課刑事への移動があったりでマンネリ化せずなかなか良かったです。
最終回は、前後編で新しくチームに加わった永嶋武文がらみのお話でした。
時効を迎えて、罪に問われなくなってもやはり罰は下されるのだと思いました。でもそれは本人たちだけではなく、家族をも巻き込んでの新たな悲劇を生んでしまいました。鑑識課の家族のような暖かさは良かったのですが、ちょっとお話が、私的にはある部分がイマイチでした。永嶋君側からの側面で見たら、感動的なお話だったと思います。
でも植木職人の家の崩壊は、気の毒すぎる。
かって犯人だった兄。その兄を守るためにかつての共犯者を殺してしまった妹。その妹と結婚していたために仕事も失い、家も越さなくてはならなかった妹の夫。嫌な男でしたが、彼は結構な被害者だと思いました。そして真実を知って自分の子供を殺してしまった父。
共犯者の家も似たようなものです。父の真実を知ってしまった娘は自殺し、その事から、全てを明らかにしようと思った彼は、共犯者の妹に殺されてしまうのですから。因果応報・自業自得と思っても、巻き込まれてしまった家族は痛ましかったです。
これはまたシーズン3も出来そうな予感です。(最高視聴率18,6%、最終回17,0%、かなり良かったみたいですね。)
もうひとつは「Mother」。
こちらは初回から惹き付けられる内容でした。でもそれは初回に見たから。見る前は、今回はどうしようと思いました。虐待されていた少女を誘拐して、その子の母になると言うあり得ないお話です。躊躇しました。でもこのドラマが今期は日本のドラマの中では「龍馬伝」の次に楽しみなドラマだったように思います。今年の大河は、私の中では結構比重が重いのです。
だけどワクワクと見逃したら大変と思うものではありませんでした。見逃す事があってもそれはそれで良いのです。だけど、主人公の奈緒と継美の行き先を見届けないわけには行かないのです。
キャッチコピーは、「母性は女性を狂わせる」だったらしいのですが、この女性、奈緒は狂っていたのでしょうか。誘拐、その行為はその言葉で書かれているから、そう感じてしまいますが、どう考えても緊急避難というようなものに感じました。
行動の選択がまずかったのだと夫などは言いますが、その前に教師の介入が役に立たなかったりやちょっといい加減にしか見えない児童福祉の人との絡みを見ていると、それしかなかったのかしらと思いながらも、「あり得ないお話」ではなくなっていました。
そして、最初に母を演じていた時には、世間的には非常識な逃避行をしていた二人でしたが、最終回で「私は本当の母になる」と、そう思った時に、その揺ぎ無い自信からか彼女の取った行動は良識的であったことも印象的でした。
たくさんの「母」が出てきました。
継美の本当の母の仁美。
奈緒を施設から引き取って愛情深く育てた鈴原籐子。奈緒の実の母の望月葉菜。そして、生まれる前から心臓に疾患があることがわかって生む事を躊躇していた妹の芽衣も最終回で母になりました。
この物語は、それら全ての母たちの物語でもあったように思いました。
最終回にはうっかりさん事、葉菜の走馬灯のシーンには泣けました。今も思い出すと、ちょっとウルウル。
―死ぬ時に走馬灯のように過去を思い出す。逃避行の時、本当は楽しかったの。どんなシーンを思い出すのか今からちょっと楽しみなの・・・
そんな彼女が最期に見た夢は、消防車のサイレンの音を背後で聞きながら、幼い奈緒の手を引いて逃げていくシーン。
―私のために遣ってくれたのね。良いの。あなたは忘れるの。決して思い出しちゃ駄目。
ずっと彼女が背負ってきた夫殺しの真相が明かされていました。それは彼女が地の底、天の果てまで持って行こうと決めた秘密だったのですね。
昭和29年生まれ、55歳。でも彼女はもっともっと歳を取っているように見えました。苦労してきたのです。でもその最期は娘と共に、そして孫のような子供にも慕われて、幸せだったに違いないと思いました。
11話分の感想などを書けるわけではありませんので、上澄みをすくったようなものですが、母の愛は多大なる自己犠牲であり、その自己犠牲は苦痛ではなく、まさに母たちの幸せなのだと思いました。そのバランスが崩れた時・・・・
この物語は、今までにあった「子捨て」だけをテーマにせず「母捨て」の物語でもあったのかもしれません。
子供は自分の一部。子供への虐待は、ある意味リストカットのようなもの。そんな母たちへの警告であったかもしれないと言ったら考えすぎでしょうか。
松雪泰子、表情の乏しい女性を好演。他の方々も凄く良かったです。でもこのドラマ、継美役の芦田愛菜ちゃんが居たからこそ、ここまでのドラマに仕上がったように思いました。
再会を思わせるようなラストは良かったですね。
(最高視聴率は最終回で16,3%平均だと12,9。まあまあだったのかも知れませんが、良作=視聴率とは行かないところかもしれません。)