9月17日に見てまいりました。
あと数年したら65歳以上が40%近くになってしまう老人大国日本で、って、何やら大きな風呂敷を広げたような気がしますが、つまりそのような国で、超有名なミステリーの映画化をヒットさせていくのは、本当に大変なことだなと私は思っています。
なぜなら犯人を知っている人が多数いると言うことなんですよね。
子供の頃に映画館で見た「オリエント急行殺人事件」は、本当にワクワクドキドキしながら見て、見終わった後に幸せな気持ちになりました。
「殺人事件」で幸せな気持ち ?
ちょっと不穏な感じですが、あの斬新なアイデアに得た満足感がそう感じさせたのだと思います。あの昔の(不親切な書き方)「オリエント・・・」は、明るいハッピーエンドで終わらせた感じでしたし。
でもそう感じさせた一番の理由は、「何も知らなかった」だと思うんです。
すべてを知って見るミステリーは犯人探しではありません。
見せる側も大変です。
このシリーズの「オリエント急行殺人事件」の感想は→「オリエント急行殺人事件」、映画を見てきました。
この感想の初め、ちょっととんでもないことを書いています。自分のことには触れていませんでしたが、実は少々眠くなってしまったのです。それはずっとストーリーを知っていたからだと思っていました。でもどうも違うみたい・・・・・と、この作品でちょっと思ったのでした。
この「ベネチアの亡霊」の原作は「The Halloween Party」が原作なのそうですね。
ハハーン、アレだなと思いました。と言いましても原作は読んではいなくて、だいたいはデビッド・スーシェの「名探偵ポワロ」の中のエピソードを参考にしているのですが。だけど、「ハハーン、アレ」と言っても、アレの続きが思い浮かびません。アガサくらいのになるとおおむねの事件と犯人は覚えていることが多いのですが、これは子供たちがポワロに挑んだ事件のエピソードが印象深く、どんなお話だったかしらとなりました。
これを三作品目に選んだのは、良かったのではないかしら。「オリエント急行の殺人」や「ABC殺人事件」とかその他もろもろあるけれど、映画などにそうそう取り上げられてないような気がするからです。
しかもかなり改変してあるらしいので、行こうかなと言う気持ちになり見に行ったのです。
それにこの映画のために建てた、趣深い家も見て見たかったものですから。
凄いです !!
この家を、この映画のために作ったのかと思ったら、それだけでも見ごたえ十分のような気がしました。
あっ、ウソ。「それだけでも」と言うのは、やっぱり言いすぎでしょう^^
場所がベネチアと変わってるだけで、雰囲気がばっちりで、「ハハーン、アレだな」のアレが最後の方まで思い出せませんでした。
だけど私が前の映画で眠くなってしまったのは、犯人など物語をよく知っていたからじゃないんだなと分かりました。
心地良いんです。
落ち着いた色調にひんやりとした空気・・・・、まあ、そこは映画館の冷房ですが・・・・静かな口調のセリフ。
スゥっと何かに引き込まれるように瞼が重くなります。
だけどはっきり言って1秒たりとも意識は飛ばず。
なぜなら
スゥ・・・
ギャー・・・・とオウムが鳴く。
ドキッ!!!
スゥ・・・
ドーン・・・・と謎の音がする。
ハッ !!!
スゥ・・・
ジリジリジリ・・・・激しいベルの音がする。
ウワッ!!
と、定期的に瞼を閉じるなと大きな音が入ったように感じました 。
ホラーじゃないのに、人より三倍は驚いていたように思い、なんか得した気分です。
いや、これ、ちょっとホラーじゃないかしら。
最後の方で、アレの部分、つまり事件と犯人は思い出したものの、新しく作りこまれた雰囲気の勝利と言うか、大作感を感じ、幸せな気持ちになりました。
つまり心の満足を得たのでした。
とっても面白かったです。
またストのシーンまで含めて、優しさを感じました。ネタバレになるのでこれ以上は止めておきますね。
そしてこのベネチアの風景が、もう一つの主役のような気がしました。
アマプラで「オリエント急行殺人事件」を見ることが出来ますよ。
「ナイル殺人事件」は199円でレンタル可能です。未見なのでそれもありかと思っているところです。