私の母はボケてしまいました。
少し前の私は、「まだそれの入り口です。」などと願いを込めて書いていました。
でももう入り口などではありません。
すっかりと、同じ言葉を繰り返す「ちょこんとかわいいおばあちゃん人形」になってしまいました。
それでも「ちょこんとかわいい」などと形容をつけてしまうのは、ボケなどによる攻撃性などない母が、家族馬鹿の私にはそう見えるからです。
これもかなり繰り返して書いていることですが、そんな母はいつも
「戦争は絶対にダメだからね。これはおばあちゃんの遺言だから。」と言っていました。
もう彼女の口から、そんな言葉を聞くことは叶わないことです。
今年90歳の母は、福島に疎開していて横浜空襲を知っているわけではないのです。父親も戦地から帰ってきました。
それでも親から離れた疎開と言う暮らしの中で、実の祖母や叔母から虐められた経験は一生のトラウマ。
帰ってきた父親は心を病んで、子供心にもただ息をしている人に見えたのでしょうか。夫婦仲も悪くなり、その後何とか力を振り絞り仕事を求めて、または不仲になった妻から逃げ出したかったのか、彼女の父は、つまり私のおじいちゃんは北海道に流れていき、そこで死んだのでした。
戦争さえなかったら、一生のトラウマを抱え込むこともなく、おじいちゃんは北海道で孤独に死ぬこともなく、おばあちゃんは女手一つで5人の子供を育てる苦労などしなくても良かったのです。
90と言う高齢な人でも、もうそんな子供時代の記憶です。
どんどんリアルに経験した人が消えて行ってしまいます。
私たちに出来ることは、聞いてまたそれを風化させずに、次に繋げていくことなのでなはいですか。
ところで、「バービー」と言う映画があったじゃないですか。アメリカでは今ダントツのヒット作になったみたいですね。
でも日本では、そこそこのヒットで、あっという間に上映回数を減らしていきました。もちろんまだ上映中です。でも夜とかに1回とかで、今はちょっと行き辛いです。
思うに、公開前の一部の人のはしゃいだ、原爆とバービーのコラボポスターはかなり足を引っ張った要因だったと思います。(背景が原爆ですっ飛んだ世界だったり、頭にきのこ雲をのっけていたり・・・)
私自身も、行くことを最初は少々躊躇い、やはり作品自体のテーマの良さに行く気になったころには行き辛い時間帯になっていたのです。
なんでそんな足を引っ張るようなことをしちゃったんだと思いましたが、微妙な感覚の違いが、そこにはあるのでしょうね。
人類を未来に滅ぼしてしまうかもしれない武器を、人類は手に入れてしまったのだという恐怖など微塵もなく、大量の敵を一気にやっつけて自国を勝利に導いた素晴らしい武器などと思っている人も多いのかもしれません。(バーカ)←あっと、思わず心の声が。
この時、どなたかが言っていたのです。はたして「9・11」でパロディ絵が描けるのかと。
本当だよなぁと強く思いました。
想像する力は、あらゆるところで必要ですよね。
ただ2001年9月11日以降に生まれた子供たちは、どんどん大人になっていきます。
ちゃんとあった事だけでも伝えていかなければ、いつか風化していき、そんな大きな悲劇もパロディ化した漫画なんかが出てきてしまうかもしれませんね。
下の囲みは、昨年の9月11日に投稿したものです。
2001年、9月11日の朝、イスラム過激派アルカイダによって米国同時多発テロ事件が起きました。
9月11日、日曜日。2001年9月11日の朝、イスラム過激派アルカイダによって米国同時多発テロ事件が起きました。下の囲みは昨年の9月11日に投稿したもので、2014年からのツリーになっています......
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