大好きった「海外ドラマ」はいくつもあって、このお題でも投稿したいと思っていました。「夢中になっていた海外ドラマ」、本当にたくさんあって、いつかそのお話もしたいなと思っていたんです。「「トゥルー・コーリング」」とか「V」とかね。
しかしそれを書きはじめると、本当にドラマブログから抜け出せなくなってきそうです(^_^;)
ところで折しも今週の木曜日にはwowowで「ナース・ジャッキー最終章」の最終回だったので、これの感想を簡単ですが書いておきたいと思いました。
海外ドラマの素晴らしい所は、長きにわたって丁寧にそのドラマを作り上げていく事が出来ると言う点も挙げられると思うのですね。
この「ナース・ジャッキー」もシーズン7まであるんです。全話で80話。
海外ドラマにあまり興味がなかったら、きっとこのタイトルを見て、看護師の女性が頑張る医療ストーリーだと思うのではないかしら。
確かにこのジャッキーと言う女性は、凄腕の看護師なんです。テキパキと患者の処置をこなし、多くの患者から聖女のようだとも言われるのです。だけれど彼女はドラッグ依存症。そして指輪を外して、同じ病院の薬剤師と不倫もしていたのです。
これを見始めた時に、何かの間違いかと思いました。こんなキャラの人がヒロインなんてありえないでしょ。
あっ、嘘つきの悪女のオハナシって言うのではないですよ。本当に素敵な看護師なんです。ただ仕事のストレスをドラッグに逃げて、依存症を隠すためには嘘をつくのです。
アメリカって凄いな~って、なんか本当にびっくりぽんですよ。
シーズン7の間には依存書であることがばれたり離婚したり、看護師資格を失ったり、そして依存症の治療をして復活したりそしてまた元に戻ってしまったりと波乱万丈です。
その最終章。
ジャッキーの周りには素敵な人がたくさんいて、そしてジャッキーはその周りの素敵な人たちにとっても愛されているのです。
とくに後輩看護師であるゾーイとの交流と、ゾーイ自体の成長は素敵です。
みんなの手助けもあって、彼女は看護師資格も取り戻します。長年勤めた病院、オールセインツは買収にあってとうとう長い歴史の幕を下ろすことになりました。だけどジャッキーの次の就職先は順調に決まります。
その病院の最後の日。
(ネタバレはしてますよ)
かつては不倫相手だった薬剤師のエディは、ジャッキーにとっては不倫でも、彼は彼女が結婚してることも知らず、本当にずっと彼女の事を愛していました。だけれど、この人も清廉潔白な人って言うわけではないのですよね。麻薬を麻薬を売っている医師に売りに行った事がばれて刑務所に入ることになってしまいます。
麻薬を売っている医師って言うのも、凄いですよね?!
それもその医師の事を証言すれば助かったエディ。いわゆる取引と言うやつです。でもエディはその売ったお金で、ジャッキーの弁護士費用を払っていたので、ジャッキーに累が及ぶことを恐れて、その取引をしなかったのです。
「1年やそこら刑務所に入ったら、その後はずっと一緒だ、ずっと好きだった人と。」と言うような事を言って、エディは私を泣かすのでした。・・・・・・・ええ、私を。
その病院最後の日、ドラッグでメチャクチャになったドラッカーを保護し転院させ感謝されます。
ゾーイとの別れとその成長に涙するジャッキー。
みんながキラキラして、病院最後の日を名残惜しむパーティーで盛り上がります。
その姿を見ながら、ジャッキーはドラッカーの着ていたジャッケットからヘロインを取り出し、それを吸うのです。ジャッキーは看護師資格を取り戻すと同時に、薬にまた手を出していたのです。
虚ろな目でジャッキーは看護師の証のような聴診器やいろいろなものを外し机の上に並べ、そして外をさまよい歩きます。街の中ではモブが。そのモブの中に加わって安らかな顔で横たわるジャッキー。
でもそれはジャッキーの見た幻影。
病院でゾーイが気が付くとジャッキーはぶっ倒れていました。
ゾーイが名前を呼ぶと薄っすらと目を開けるので、ラリッテぶっ倒れただけかもしれません。でもゾーイの最後の言葉を聞いていると、やっぱりジャッキーは急性中毒で死んでしまうんじゃないかと思えて、そしてこの物語は終わったのでした。
ゾーイはジャッキーに必死になって呼びかけます。
「あなたは良い人よ。あなたは良い人。あなたは良い人よ。」
子供たちにとって、ジャッキーは良い人でした。友人たちや同僚に対しても恋人にも良い人でした。そして患者たちに対してもとっても良い人だったジャッキー。
ただ薬物依存症だった。
このダークコメディをこのような終わりにしたのは、このドラマの良心だったのかもしれないと思いました。
さよならジャッキー。ちょっと泣けました。
追記: ツイッターでもコメントを頂きました。あのモブには以下のような意味があったのですね。笑ったりしみじみしたり時々は驚きながら見ていましたが奥が深いドラマだったと思いました。
@kiriy2009 ナースジャッキー終わりました。 全米では1日あたり46名が処方鎮痛薬の過量摂取で亡くなるそうです。 あのモブの46人目のダンサーにジャッキーが加わり柩の住人に。 エディは恋人を守るつもりがジャッキーを死なせてしまった。 薬物中毒者は、一人にしてはいけない…。
あれだけ多量のヘロイン吸ったらどうなるかはナースならわかっている事だと思います。
周りの人に迷惑をかけて、薬の為に嘘ついて不倫して人の心を踏みにじって・・・沢山の罪を犯して。
それを考えたら、このままどうなって行くのかと考えたら、やはり自分で自分を抹殺するしかないんじゃないでしょうか?
ただそうしたとて天国での安らぎの日々は得られない。
重罪を犯したものはどうなるのか?
このあたりの宗教観はイマイチわからないのですが、救われないのは確かですよね。
どんなに良い人でも薬は人を変えて確実に地獄へと追い込んで行く。
生きて地獄、そして沢山の罪を犯して死んでも安息は得られない。
それを言いたかったんだと思いました。
ジャッキーは救われないことを覚悟して周りの人を思って死を選んだのではないでしょうか。
アメリカでは沢山の有名人が薬で死んでいってますよね。
こういう事だったのか。
と思いました。
日本だと薬の禁断症状とか幻覚とかボロボロになるとか・・・そういった所がよく言われますが、本当の恐ろしさはもっと違う所にあるんですね。
薬やめますか?
それとも人間やめますか?
ずっと昔こんなコマーシャルがありました。
>ジャッキーは自殺したんだろうと思いました。
自殺とは思わなかったのですが、ヘロインを吸うシーンは凄く違和感がありました。もしかしたらそうなのかも知れませんね。
それはエディや娘たちを守るためなのかしら?
>日本だと薬の禁断症状とか幻覚とかボロボロになるとか・・・そういった所がよく言われますが、本当の恐ろしさはもっと違う所にあるんですね。
本当にそうですよね。そしてそれを数年かけてじっくり描くアメリカのドラマ作りの姿勢にも凄いなと思わせるものがありますよね。
>薬やめますか?
それとも人間やめますか?
お覚えていますよ、このコピー。
このキャッチコピーはずっと使い続けるべきだと思います。