欄外の「花だより」に
「体調不良の時にお隣の猫のチョビ君が「大丈夫?」と添い寝・・・略・・・。休載してすみません。またがんばります。」とありました。
やはり萩尾望都様は、体調不良だったのですね。
失礼ながら、心の若さは別にしても肉体の方は勝手に弱っていくお年頃なので、そんなに頑張らなくても良いので、細く長く続けて下さいねと思います。
さてお話の感想ですが、この「青のパンドラ」は何やら不思議な物語になってきました。
前回の感想で、大老ポーが出て来て、再びゴシックホラーの様相が強くなってきたと書いたのですが、いやもうゴシックホラーではないですね。
私が思うには、半世紀前(なんかその響きも凄い)に「ポーの一族」を産み落としたときには、望都氏はポーの起源や、大老ポーの過去なんかは、まったく考えてなかったと思うのです。それが年月を重ねて、彼女の中のSF脳が起動したように感じました。
私はちょっと、「血の神」の件で、「ジョジョの奇妙な冒険」を思い出してしまいました。
あの物語も最初は吸血鬼の話で、2部になると、なぜその吸血鬼たちが誕生してきたのかと言う話になるじゃないですか。
ただこちら「ポーの一族」にバトルは関係なくて、そこには神話が誕生していました。
「影の道」を通って、ヨークのローマ時代の遺跡のマルチングラ塔の地下に向かいます。
(行きたいなぁ、イギリスとかローマとか)
そこに行く道で、大老ポーはまだイオンと言われていた自分の過去を話すのでした。また老ハンナとの出会いと彼女の秘密も分かります。
なぜ彼女たちは永遠の命を持ちながら、老人なのかという謎も判明しました。
まったく描かれていませんが、エドガーは自分を育ててくれた、今は懐かしいハンナの話が聞けて、嬉しかったのではないでしょうか。
いっぽう、クロエの所にシルバーが現れて、今の大老ポーの動向を報告します。
クロエはロンドンで逞しく楽しく生きていました。
そんなクロエに
「うれしいだろう? クロエ」「やっと村に帰れるんだ」とシルバーが言うと、ロンドンライフを楽しんでいるクロエは、帰らないと言います。そして大老ポーがフォンティーンやバリーの封印も解かれると言うと、
「大老は村を壊滅させるつもりね。」「そうよ世界の終わりが来るのよ。」と不吉な事を言うのでした。
そう、これ、私も前の時に、その不安を感じたのです。
フォンティーンと言う美しき男は、大きな野望を持った人だったでしょう。解放してどうなのって不安に思うじゃないですか。
そこには、何か違う思惑もあるのかしら。
そしてマルチングラ塔の地下で、とうとうアラン復活のための儀式が始まります。
正確に言うと、炎の剣を作る過程で、体の中に残っている火を吸い取ってくれる ?
エドガーの手は復活しました。
そして以下は次号です。
あっ、なんかドキドキしてきました。
そう言えば、昨年作った服でも、10年前に作ったのと言われてしまうほど、シルバーに服のセンスはないらしい(笑)
いつも「ポーの一族」しか読まなかった私。
それ反省してるので、徐々に読んで行こうと思います。とりあえず「ミステリと言う勿れ」読みました。
今回の女性にこそ学びの場は必要と、大学に行くことに反対していたおじいさんを説得する整君の話には、凄く共鳴し感心しました。
来年秋の映画も楽しみです。
パラパラとめくって奈知未佐子さんの「ポポールポポロのいる窓」も読みました。
ホッとできる良いお話でした。
ネタバレですが、綺麗な人形は傲慢なのかと思ったら、そうではなく優しい寂しい人形だったところも良かったです。