森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「蟲の神」を読みました。

2024-12-04 09:43:09 | ユーモレスクを聴きながら(book)

エドワード・ゴーリーの作品は、みんな気持ち悪いのかと思って読み進めてみると、実はそうでもなかったのです。

今まで『横須賀美術館にて「エドワード・ゴーリーを巡る旅」展』で読んだ「不幸な子供」「うろんな客」、また「ずぶぬれの木曜日」と「音叉」、「金箔のコウモリ」と「失敬な召喚」を読みました。

確かに、ざわっとする感覚を感じるかもしれません。だけどその感覚のカーテンの裏側に何かが潜んでいるような感覚を感じます。

感動したり深く頷いたり・・・・・、そして癖になるのでした。

 

そしてこの「蟲の神」、確かに刺さる、何かが。

 

その手を放し、子供をさらわれてしまった子守は狂ってしまい、恐ろしい言葉をつぶやきます。

「奴らが天井をはっている音が聞こえる。」

いや、正確には

「聞こえますとも、何度でも。
奴らが 天井を歩く音。」

そこだけ読めば、まるでサスペンス。

だけど実はホラーに近い。

そして救いがないのです。

 

攫われたたった4歳の子供、ミリセント・フラストリィは蟲の神のいけにえに・・・・・・。

だけどやっぱり何かカーテンの裏側を考えてしまう彼の物語。

 

彼が描く蟲たちは、4本脚。

確かに6本足も紛れているのです。

でもこの4本足の、おぞましき蟲たちは、実は・・・・って思ってしまったり。

 

あとがきがいつもの通り充実していて、そこも読みごたえがあります。

ただ彼の絵は繊細で、触覚やその他もろもろ、いつも以上にザザッとした感覚に襲われます。

どなた様にもお勧めできるかと言うと、ちょっと微妙です(笑)

虫が苦手な方には、その絵が素晴らしいがために、より無理になってしまったかもです。

実はワタクシも。

初めて「うえっ」ってなりました(笑)

でもパタンと本を閉じたら、次は何を読もうかなと言う気持ちになっていたから、やっぱり彼の本は癖になるのですね。

 

 

・・・・


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