森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「自由研究には向かない殺人」

2022-03-19 12:55:23 | ユーモレスクを聴きながら(book)

※ 17日はずっと読書三昧。

本の作り方もあるから、一概にページ数のみで何かを語る事は出来ないと思うけれど、明日に返却期限が迫っていると言うのに、580ページもある本の読み終わっているのが300ページのみというのは、焦るよね。この13日の間に、電車に乗って30ページ、夜寝る前に10ページじゃそんなもの。通常なら、延長して4週間、もしくは6週間で読むけれど、この本は今超人気で、リクエストが私の後ろに14人もいるわけだから、そうはイカの塩辛・・・(^_^;)(^_^;)

それにミステリーなんで、途中で止めると言う選択肢はあり得ないわけ。

でも、ミステリーと言う不思議さがそこにはあって、種明かし部分になっていく後半の読むスピードは加速されて、あっという間に17日の「この本を読み終える。」というミッションは終了したのでした。チャンチャン。

 

読み終わってから、他のみんなはどう思っているのかなとレビューなどを読みに行くわけですが、そこで知った作者情報。

この作品は、1992年生まれのホリー・ジャクソンのデビュー作なんですってね。

しかもジャンル的には、ヤングアダルト作品で優れた児童文学に贈られるカーネギー賞の候補にもなった・・・。

ジャンルがヤングアダルトと言われても、あまり関係がないような気がするし、かなり読みごたえがあって面白かったです。この本をチョイスしたのは、やはりツイッターからかもしれないのですが「このミステリーがすごい2022.」の紹介からだったように思うし・・・(ちょっと記憶喪失)

ただちょっと、この作者の若さを知って、「ああ、だからなのか。」と思った部分もなくはないです。

 

私はドラマなどでミステリーを見ると、さほど根拠がなくても、その登場人物が出て来た時に、「こ奴が犯人だぞい。」とピンと来ます。もちろん連戦連勝ではありません。ただ犯人当て、またその動機に当たる部分は意外と正答率が高いです。それが小説版になると、その正当率がガタ落ちです。作者が大事な事を後出しじゃんけんのように出してくるという事もあるけれど、たぶん私がテキトーに読んでいるのではないか、もしくはその筋の流れを楽しんで、敢えて推理していないのではないかと思うのです。

ただ、今の新しい感覚の小説は、まるで映像がそのまま飛び込んでくるような書き方がされていることが多いような気がするのです。

事実、この作品も映画的な大団円のシーンがあります。(そこは、私的には少々退屈。大事な事をヒロインが語ってはいますが。そこは作品の中で感じ取れればいいのではと思う・・・)かなり映像を意識しているのではないかと感じました。その意識も、たぶんこの年代の人は「無意識」という意識で、映画好きでもあるので、そういう作品は寧ろ大歓迎です。ただ、少し前に書いたように、映像でミステリーを見た場合、根拠が薄くても犯人が分かってしまうと言う事が多いのですが、この作品も実は「この人だな。」と思っていた人が結局犯人で、そこに映像のような分かりやすい文章の難点があったかもしれません。(ただ物語は単純ではなかった !!)

レビューを読むと、分かってしまう根拠はみな別ですが、そういう人は多かったようです。

つまり、対象がヤングアダルトなら、このヒロインのハラハラドキドキの冒険譚を堪能できると思うのですが、そこにミステリーの海千山千が参加してくると、「犯人は序盤で分かった。」などと書き込まれてしまうわけですね。

つまりホリーの真の敵は、この読者たちかもしれません(笑)

ただそう書き込んでいる人たちも、読み応えあり、楽しかった、お勧めしますと書き込んでいます。

私も同じくです。

面白かったです。

お勧め出来ます。

頭脳明晰なヒロインは魅力的で、結果的には爽やかな青春物語とリンクし微笑ましかったです。

だけど犯人は、吃驚するようなクズ。

過去に起きてしまった事件は、かなり恐ろしく悲劇以外の何ものでもありません。

新たにヒロインの家で起きた悲劇は・・・・

たぶん映像で見たら、そのシーンが一番忘れられず、何度も脳内で再生してしまうような気がしてしまいます。

 

最初はしっかりと読みこめてなかった事に、ヒロインの陽気な義父はナイジェリア人。父と弟はヒロインと母と肌の色が違いました。ヒロインもそれで嫌な目にあった事もあったからか、彼女には偏見の目を持っていなかったのです。それでインド系のサルやラビィに対して偏った考え多をせずに公平に推理できたのかもしれません。

ああ、私は島国日本で暮らしているなぁとしみじみと思いました。

 

【イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)”に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ!】出版社からの本の紹介より

 

 

・・・・


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