タイトルを打ったら「ファンタ須磨護り」って出ました。
かと言って平家物語の「一の谷の物語」と言うわけではありません・・・・って当たり前か。
これさ「ファンタゴマスリ」ってタイトルで打っておいても、もしかしたら気づかれないんじゃないかって、ちょっと思っちゃった( ´艸`)
そう思った人、私の他にもきっといると思うわ ^^
「ファンタスマゴリ」の意味は→こちらでどうぞ
「まやかし」と理解しても良いのでしょうか。
夫殿が言いました。
「これ、二時間でやっても良いものを一時間でやっちゃうんだなあ。」と。
「うん、そうよね。こんなに重厚な感じなのにね。」と私。
それこそファンタスマゴリ効果じゃないかしら。
今回のライターさんも真野勝成さん。
20年前に君臨していた日本の政財界とつながりがあり、フィクサーとも呼ばれていた黒幕・譜久村(織本順吉)に再び臨むことになった右京。
20年前は証人が死んでしまって、右京とその時に上司だった片野坂は敗北。その後片野坂は警察を止めて金融コンサルタントに転身していました。「ファンタスマゴリ」は彼が開発した電子マネーの名前〈?〉と言うかソフトの名前だったのですよね。〈一応〉
老いても政界も財界も彼には手を出したくないと言うような大物感が漂う譜久村でしたが、右京が辿りつきたかったのは一人の女性の失踪の真実でした。
そのための家宅捜査の為に特捜を動かし入り込みます。
なんだかこのドラマ全体が「ファンタスマゴリ」そのものですよね。
光と影が織りなして人に見せる幻覚と錯覚。
庭には美しい青い薔薇がありました。
青い薔薇と言ったら、少し前まで不可能の代名詞のようなもので、作る事は出来ない花だったのですよね。
今では遺伝子組み換えなどによってその薔薇も不可能ではなくなりました。
ドラマの中では譜久村は品種改良を重ねてこの薔薇を作ったような事を言っていましたが、
やっぱりこの青い薔薇は、何でも欲しいものは手に入れるような男、譜久村の唯一手に入らなかった「愛」の象徴のような気がするのです。
「千年の孤独」なんてものではありませんが、譜久村は孤独な老人だったと思います。
財力も権力も欲しいまま。だけれど老いて弱っていく自分だけはどうしようもなかった。そんな彼が恋に落ちたのはたった16歳の少女にです。
そう。彼は恋に落ちたと言ったのです。そしてその後の20年の活力を手に入れたのでした。
一方、16歳の夏に少女の方は尼僧になる夢を捨ててしまいます。譜久村に囲われたからというようなものではなくて、きっと穢されてしまったような気持ちになっていたからではないでしょうか。尼僧にはふさわしくない自分と言うか。
そして彼女の譜久村に人生を縛られながらの20年がまたあったのでした。
だけど愛の部屋には青い薔薇が活けてありました。
右京が譜久村にたどり着くためのヒントの花になった薔薇の花。
でも私はこの花は、譜久村と愛の20年を指し示す大事な花だったような気がするのです。
時の速さは、過ぎてみれば一瞬のようです。でも本当はとても長い年月。
縛られ続けた人生もちゃんとした一つの人生じゃないですか。
何が言いたいのかと言うとですね、この物語は本当はもっと深い話だったんじゃないかと思ってしまうのですよね。
でも・・・・・・・・。
「堕したのは、あなたの子よ。」
「あなたの血などこの世には残してなるものか。」
このセリフで譜久村には血縁の後継者が居ない事も分かります。
そしてこのシーンは、本当なら凄いシーンです。
女性が授かった子供を堕胎することによって、殺された父親の復讐をしたと告白するシーンなんですよ。メッチャクチャ凄いシーンなんです。だから逆上した譜久村が初めて自分の手を穢してしまうんですよね。
でも、伝わらないよ~。
誰か・・・・・
灰皿を・・・・・あの人に
投げてあげてください。
気を取り直して、もう一人の人の20年。
片野坂の岩松さんは素晴らしかったですね。敗北の悔しさは右京以上だったのかもしれません。警察を止めて裏社会とも通じる金融コンサルタントになった片野坂。
悪に近づく為に、自らも悪の道をたどった片野坂でした。
だから譜久村が逮捕された後の、彼の晴れ晴れとした顔は凄く良かったです。
― 俺とお前と愛で譜久村をやっつけた。
でもそこに譜久村が警察連行直後に体調を崩しそのまま亡くなったと言う連絡が入ります。
なんたって老人です。逮捕などに耐えられなかったのでしょうか。
だけど
「真実を知るものは死ぬ。」と言う譜久村に関わる伝説を自ら示したようにしか感じません。
そしてまた片野坂もー。
「裏切者!」と刺されてしまう片野坂。
「俺が裏切ったのは杉下だけだ。」と彼は絶命していきます。
片野坂の裏切りとは、正義の道から脱落して言った事を指したのだと思います。
「ファンタスマゴリ」は片野坂の人生そのものだったのかもしれません。
そんな彼を分かるような気がすると言う亘。
「そうでしょうか。」とあくまでも自分の正義を崩さない右京でしたが、一人墓参りをする右京なのでした。
亘は重い話の緩和剤のようなポジションにいるのでしょうか。
小ネタぽいのはたくさんあるような気がします。
でも私的ツボは、コーヒーのシーンではなくて〈それも面白いけれどね〉、
「ザ・モスト・デンジャラス・ペア」って「もっとも危ないデカ」って事で良いんでしょうかって思っちゃった所かな。
あらすじ〈相棒HPより〉
ある日、右京(水谷豊)は、捜査二課時代の上司で現在は金融コンサルタントをしている片野坂(岩松了)と再会する。裏社会の人間も顧客にしている人 物のため、右京はかかわりあいを避けようとするが、片野坂は思わぬ話を切り出してくる。20年前、右京と片野坂は、当時君臨していた日本の政財界とつなが りがあり、フィクサーとも呼ばれていた黒幕・譜久村(織本順吉)を逮捕しようと動いていた。しかし、唯一の手掛かりだった証券会社の男が自殺し、真実は闇 に消えた。それから20年後の今、片野坂は自殺した男の娘・愛(伊藤久美子)と偶然再会したと語る。しかし、一週間ほど前から連絡が途絶えてしまったた め、当時の事情を知る右京に調べてほしいのだという。自分が追い切れなかった譜久村が、今回の一件に何らかのかかわりを持っている可能性を感じた右京は早 速、譜久村と接触。しかし、今なお各界に絶大な影響力を持つ裏社会のドンだけに、調べ始めただけで即座に上から圧力をかけられるのだが、右京は亘(反町隆 史)と共に捜査を続ける。
女性失踪事件の裏に見え隠れする巨悪の存在。
裏社会の金融屋となった右京の元上司の狙いとは?
20年の時を超え、右京が日本の黒幕と対峙する!
ゲスト:岩松了 織本順吉
脚本:真野勝成
監督:和泉聖治
来週、11月11日はお休みです。
追記。 視聴率は15.9。
録画しながら観てたけど、
いや~奥が深読みしてある!
今更・・再感動した♪
録画を削除してなくて正解でした!
コメントをありがとうございます。
今回のお話、なかなか奥深いものでしたよね。
いろいろなものが、見た目とは違う側面を持っていました。
ただ右京の見張りのみでなかった亘の役割さえも。
ライターさんはきっと楽しみながらこれを書いたのかなっと、ちょっとだけ思ってしまいました(笑)
繰り返し見たら、また何か発見があるかもしれませんよね^^
譜久村の怪物ぶりの描写が足りませんでした。片野坂についてはもう少し観たかったです。
そして、柳本愛。視聴後、ブログで取り上げ記事にしたのですが、書き忘れた何かモヤモヤしたモノが残りました。それが何なのか、kiriyさんの記事を見て、ハッキリしました。
彼女の心情も行動も不可解なんです。父を死に追いやったのが譜久村であるという事実を知りながら、消極的ながらも囲われ続け、彼の子供を身籠るという事態になってしまったこと。
シスターを目指していた彼女が、身体に宿っていた生命を断ったこと、そして、それを復讐の手段としたこと……不可解です。
1時間で詰め込む制約や、彼女と譜久村の関係や殺され埋められていたことがサプライズになっていたことなど、ストーリーの構成上の事情があったと思われますが…
柳本愛の補足、ありがとうございます。不自然に感じていた部分がさらに分かりやすくなりました。
>推理の要素が少ない
そうですよね。怪しいと思った理由が、薔薇の下からの死臭と言うのは、びっくりぽんです(笑)
二時間モノにしたら、こんな乱暴な事はしなかったのではないかと・・・・私は信じたいです♪