ISFJ日本政策学生会議(ISFJ: Inter-university Seminar for the Future of Japan ) 、学生からの政策提言を通じてより良い日本社会の実現を目指す、インゼミ形式の非営利政策シンクタンクだそうです。設立されて12年といいます。
ISFJ日本政策学生会議⇒http://www.isfj.net/index.html
毎年12月には、「政策フォーラム」が、開催されるということで、それが12/1と2に、慶応義塾大学三田キャンパスで開催されました。
第12期代表有高佐誉子さん(慶応義塾大学 塩澤修平研究会)の言葉を借りると、「望むべき日本社会の実現を目指し、社会の先人達が積み残した課題や今まで問題視されてこなかった事柄に焦点を当てること。敏感な感性と時代感覚、柔軟な思考を武器に、主体的に解決を試みること。そのための全国規模の場を学生が自ら創出し、運営していること。ここに日本政策学生会議の意義があると認識しております。」
24大学61研究会から91件の政策提言がありました。学生参加者500名。
恥ずかしながら私は今回初めて、このような学生の政策シンクタンクがあるのを知ったのですが、政府からの認知も結構あるようで、基調講演には、小池百合子衆議院議員を招いたり、ゲストも厚労省・財務省・総務省などなど省庁のお役人や国会議員、大学教授らが多く招かれていました。一区議会議員のゲスト参加は、少し毛色が違ったのですが、小児科医師も現場でしながら政策提言の場にいることを買われたのかも知れませんが、なぜ招かれたのか実際、ナゾ。
また、私も大学時代、ESSという英語サークルでディベートをやっていましたが、全国大会で、どこかの大学にいって、このような場にいたかつての自分を懐かしく思い出しました。約20年前。
さて、私の参加は医療分科会。
4つの学生の政策提言にコメントをいう役。
いつもは、政策立案側にいるので、政策を聞いて、コメントする立場が逆転していて、気持ちは大変新鮮であった。
実際の政策課題を以下に。
I.中央大学 横山彰研究会「周産期医療における現状の考察と提言~日本のお産の未来を考える~」
学生による政策立案:
①女性医療従事者が継続して働ける環境整備
②看護師による内診の解禁
小坂コメント:
①短期的な解決策としては、よいかもしれないが、根本的に長期的な解決策を目指すべき。すなわち、産婦人科医師の増加を。
②そのためには、産婦人科の訴訟リスクを軽減させる政策が必要
③女性医師が働け続ける環境整備は確かに大事。病児保育・長時間保育も含めた保育所など。
④そんな中でも、産婦人科医師の女性医師が占める割合は増えている。
⑤高リスク出産を取り扱う病院と、普通の出産を取り扱う診療所の役割分担を。
⑥看護師が、その業務をしながらも、助産師免許を取れるシステムを。
Ⅱ.京都産業大学 岑研究会「性感染症(STD)撲滅に向けて~20年後の日本を見据えたマニフェス
ト~」
学生による政策立案:
①成人式にSTD検査キットの無料配布
②メデイア戦略として、公共広告機構による「STD予防のためのコンドーム着用」の宣伝
小坂コメント
①テーマとして、非常に大事。HIV、エイズの感染症増加に関しても、ほっておくことは出来ない。
②意識を変えることが、大事なテーマである。さて、一度配布しただけで、意識が変わるだろうか。何度も発信していく必要あり。
③成人式に配布では、遅い。不幸なSTD感染は、10代で起こっている。その子ども達を如何に救うかに着目する方が重要。ある意味、成人式の成人では、自己責任。子ども達は、正しい知識がないことも起因する不幸な感染を起こしている。
④そもそも、日本の性教育から、改善していく必要がある。単なる性感染症にならない性教育ではなく、「生から死の中での、性」(生きることから発する)教育。
⑤商業ベースで、情報発信できるのでは。コンドームメーカー、STD検査キット製造業者と組みながら。
Ⅲ.関西大学 林宏昭研究会「介護保険制度の展望」
学生による政策立案:
①消費税を1%増税し、介護保険のための保険料に満てる。
②介護保険事業者の誘致の促進
小坂コメント
①介護保険事業所の問題として、非正規職員の雇用の多さがある。
②介護保険の現場では、24時間の安心の提供が大切。
③政策立案の内容で、どれだけ、介護保険サービスが充実できるか、発表で入れるべきであった。
④ケアマネージャーの話を聞く、実際の介護保険のサービスを受けている人の話を聞くなど、現場での取材が大事。
Ⅳ.慶應義塾大学 竹森俊平研究会「医師偏在是正に関する提言~外国人医師の受け入れ~」
学生による政策立案:
①外国人医師の受け入れ
②そのための外国人医師と受け入れ希望病院を結びつけるマッチング機関の創設
小坂コメント
①医師の長時間労働には、技術を身につける研修の意味合いの部分もある
②医師が勤務先を選ぶ場合、その報酬よりも、どれだけ自身の医療技術を高めることができるかということが優先順位として高くなる
③医局制度は今も健在
④どの科が医師不足かの分析も合わせて行うべき
⑤外国人医師を受け入れるという解決法以外の解決策の検討も。
医学部への学士入学制度の拡大
潜在医師(医師免許があるが現場から離れている医師)の職場復帰策、そのためのドクターバンク
在宅医療の推進
開業医と病院の役割分担
コメディカルの増加、これにより、医師の事務処理、書類作成などの雑用や、医療行為の負担を減らす。
遠隔医療
⑥医師国家試験の各国の比較を
⑦外国人医師の受け入れでは、科を選んで受け入れるのも手。
麻酔科、病理医、基礎系の医療分野など特に。
⑧美容外科などの医師に外国人医師が多く参入し、混合診療解禁とあいまって、日本の医療費が増大する可能性もある。
⑨発展途上国の医師を受け入れ、その医師が本国に帰り、自国の医療を充実させるという更なる発展系も考えられる政策である。
以上。
ISFJ日本政策学生会議⇒http://www.isfj.net/index.html
毎年12月には、「政策フォーラム」が、開催されるということで、それが12/1と2に、慶応義塾大学三田キャンパスで開催されました。
第12期代表有高佐誉子さん(慶応義塾大学 塩澤修平研究会)の言葉を借りると、「望むべき日本社会の実現を目指し、社会の先人達が積み残した課題や今まで問題視されてこなかった事柄に焦点を当てること。敏感な感性と時代感覚、柔軟な思考を武器に、主体的に解決を試みること。そのための全国規模の場を学生が自ら創出し、運営していること。ここに日本政策学生会議の意義があると認識しております。」
24大学61研究会から91件の政策提言がありました。学生参加者500名。
恥ずかしながら私は今回初めて、このような学生の政策シンクタンクがあるのを知ったのですが、政府からの認知も結構あるようで、基調講演には、小池百合子衆議院議員を招いたり、ゲストも厚労省・財務省・総務省などなど省庁のお役人や国会議員、大学教授らが多く招かれていました。一区議会議員のゲスト参加は、少し毛色が違ったのですが、小児科医師も現場でしながら政策提言の場にいることを買われたのかも知れませんが、なぜ招かれたのか実際、ナゾ。
また、私も大学時代、ESSという英語サークルでディベートをやっていましたが、全国大会で、どこかの大学にいって、このような場にいたかつての自分を懐かしく思い出しました。約20年前。
さて、私の参加は医療分科会。
4つの学生の政策提言にコメントをいう役。
いつもは、政策立案側にいるので、政策を聞いて、コメントする立場が逆転していて、気持ちは大変新鮮であった。
実際の政策課題を以下に。
I.中央大学 横山彰研究会「周産期医療における現状の考察と提言~日本のお産の未来を考える~」
学生による政策立案:
①女性医療従事者が継続して働ける環境整備
②看護師による内診の解禁
小坂コメント:
①短期的な解決策としては、よいかもしれないが、根本的に長期的な解決策を目指すべき。すなわち、産婦人科医師の増加を。
②そのためには、産婦人科の訴訟リスクを軽減させる政策が必要
③女性医師が働け続ける環境整備は確かに大事。病児保育・長時間保育も含めた保育所など。
④そんな中でも、産婦人科医師の女性医師が占める割合は増えている。
⑤高リスク出産を取り扱う病院と、普通の出産を取り扱う診療所の役割分担を。
⑥看護師が、その業務をしながらも、助産師免許を取れるシステムを。
Ⅱ.京都産業大学 岑研究会「性感染症(STD)撲滅に向けて~20年後の日本を見据えたマニフェス
ト~」
学生による政策立案:
①成人式にSTD検査キットの無料配布
②メデイア戦略として、公共広告機構による「STD予防のためのコンドーム着用」の宣伝
小坂コメント
①テーマとして、非常に大事。HIV、エイズの感染症増加に関しても、ほっておくことは出来ない。
②意識を変えることが、大事なテーマである。さて、一度配布しただけで、意識が変わるだろうか。何度も発信していく必要あり。
③成人式に配布では、遅い。不幸なSTD感染は、10代で起こっている。その子ども達を如何に救うかに着目する方が重要。ある意味、成人式の成人では、自己責任。子ども達は、正しい知識がないことも起因する不幸な感染を起こしている。
④そもそも、日本の性教育から、改善していく必要がある。単なる性感染症にならない性教育ではなく、「生から死の中での、性」(生きることから発する)教育。
⑤商業ベースで、情報発信できるのでは。コンドームメーカー、STD検査キット製造業者と組みながら。
Ⅲ.関西大学 林宏昭研究会「介護保険制度の展望」
学生による政策立案:
①消費税を1%増税し、介護保険のための保険料に満てる。
②介護保険事業者の誘致の促進
小坂コメント
①介護保険事業所の問題として、非正規職員の雇用の多さがある。
②介護保険の現場では、24時間の安心の提供が大切。
③政策立案の内容で、どれだけ、介護保険サービスが充実できるか、発表で入れるべきであった。
④ケアマネージャーの話を聞く、実際の介護保険のサービスを受けている人の話を聞くなど、現場での取材が大事。
Ⅳ.慶應義塾大学 竹森俊平研究会「医師偏在是正に関する提言~外国人医師の受け入れ~」
学生による政策立案:
①外国人医師の受け入れ
②そのための外国人医師と受け入れ希望病院を結びつけるマッチング機関の創設
小坂コメント
①医師の長時間労働には、技術を身につける研修の意味合いの部分もある
②医師が勤務先を選ぶ場合、その報酬よりも、どれだけ自身の医療技術を高めることができるかということが優先順位として高くなる
③医局制度は今も健在
④どの科が医師不足かの分析も合わせて行うべき
⑤外国人医師を受け入れるという解決法以外の解決策の検討も。
医学部への学士入学制度の拡大
潜在医師(医師免許があるが現場から離れている医師)の職場復帰策、そのためのドクターバンク
在宅医療の推進
開業医と病院の役割分担
コメディカルの増加、これにより、医師の事務処理、書類作成などの雑用や、医療行為の負担を減らす。
遠隔医療
⑥医師国家試験の各国の比較を
⑦外国人医師の受け入れでは、科を選んで受け入れるのも手。
麻酔科、病理医、基礎系の医療分野など特に。
⑧美容外科などの医師に外国人医師が多く参入し、混合診療解禁とあいまって、日本の医療費が増大する可能性もある。
⑨発展途上国の医師を受け入れ、その医師が本国に帰り、自国の医療を充実させるという更なる発展系も考えられる政策である。
以上。