周辺住民の合意形成なしに都市計画案が進行しています。
私は、今回の都市計画案は、案そのもの以上に、
決定のプロセスに疑問を感じています。
行政は、もっと住民の声を聞くべきです。
住民の声がまちづくりに反映される仕組みを構築すべきです。
このような開発が進めば、
中央区の街が壊れてしまいます。
中央区の出したこの度の都市計画案を撤回し、
再検討を要望する形の意見書を、
計画に関る周辺住民の声をヒアリングして作成し
本日9/1、中央区に提出いたしました。
*******以下、提出した意見書 文面*******
平成20年9月1日
都市整備部地域整備課御中
中央区月島3-30-3ベルウッドビル2F
小坂和輝
月島一丁目3・4・5番地区都市計画案に対する意見書
月島一丁目3.4.5番地区の都市計画案は、準備組合と周辺住民との十分な話し合いがなされることもないままに、広告・縦覧がなされ手続きが進められています。
双方の話し合いの場を希望する住民の声を無視した行政のあり方に、疑義を感じています。
私自身は、再開発自体を否定する立場のものではございません。再開発の手法は、10.085k㎡と23区で台東区についで二番目に小さな面積の土地に、密集した家屋が立ち並ぶ本区の特異性を鑑みれば、高度土地利用は非常に有効なものであるし、また、地域の防災機能の向上の必要性が緊急の課題であるということも十分認識をしております。
ところが、今回の月島一丁目3.4.5番地区の都市計画案には、以下に述べる様々な問題点があり、このまま計画を進めることは、地域住環境の悪化、都市景観の喪失、そして良好な地域コミュニティを壊す危険性を有しております。それが、周辺住民の合意形成なしに進められている現実があります。
以下の問題点があることを理由に、同都市計画案を撤回し、再検討することを、強く要望致します。
問題点)A地区建築物等の高さの限度190mとすることについて
建築物高さの限度190mを許容する都市計画となっている。もし、都市計画通りに高さ190mの建築物が計画された場合、当該都市計画自体の中でいう「建築物の形態・意匠・色彩等については、周辺環境及び都市景観に配慮したものとする。」に反することになる。
高層建築物を許容するには、高層建築物間の十分な間隔や、相対する高層建築物との高さの比が適切である必要がある。
例えば、佃大川端リバーシティ21地区の高層建築物を見た場合、各建物は、最低でも50m離れており、高層建築物の一番高いものが180m、一番低いものが110.8mで、その比は1.62。これら高層建築物配置の配慮の結果、良好な都市景観を形づくることができているのである。
一方、月島一丁目3.4.5番地区の都市計画(案)で、高さ190mの建築物を許容した場合、建物距離は、25m。高さの比は、190mに対する99.95mで、その比は1.9となり、都市景観への配慮を欠いている。
よって、都市計画案の高さの限度190mは、都市景観の喪失を引き起こす可能性があるため、高さ限度を低くすることの変更を求める。
問題点)住宅建設の目標約750戸について
住宅建設の目標約750戸を定めた場合、急激な人口増が月島地域で発生する。現段階で、保育園児の急増、児童の急増、高齢者の急増の場合の、保育園、小学校、介護・医療施設や体制などの十分な受け皿が整備されているとはいい難い。
住宅建設の目標約750戸を定めるのであれば、計画される建築物の用途に、保育施設を付け加えたり、建築物内の医療施設における介護・医療の地域貢献度の拡充まで、担保する必要がある。もし、建築物内で吸収できないのであれば、建築計画を許容する中央区が、月島地域において小学校、保育園の対応を十分行うことを担保する必要がある。
もし、これらの担保ができないというのであれば、都市計画案の住宅建設の目標約750戸は、それを削減することを求める。
問題点)2号施設である広場 面積約1200㎡(ピロティ部含む)
この都市計画では、広場 面積約1200㎡(ピロティ部含む)の設置が担保される。
しかし、この広さのみでは、災害時の居住者750戸分の避難所としてさえも機能しない。すなわち、この広さでは、広場は、「居住者の広場」であっても、「公共の広場」とは、なりえないことを意味する。どういう理由で、1200㎡で「公共の広場」として十分足りうると言うのか。
地区計画決定の根拠として、広場をいうのであれば、広場面積の拡大を求める。
このままの広場面積では、「公共の広場」を欠いた計画ゆえ、都市計画決定を下すことはできない。
問題点)風害
健全な土地の高度利用を目指す必要をうたっているが、狭い間隔をおいて高層建築物を隣接させて建てた場合、風害が起こる可能性が強く示唆される。
最大瞬間風速はいくらになるのか、台風などの場合の最悪の状況での風速はいくらになるのか、風環境の詳細なデータの提示を要する。
風害の可能性を十分分析し、分析を踏まえた防風対策を計画の中に提示することを求める。
問題点)高さ制限について
地区計画運用基準では、各部の高さは反対側の道路端より計画壁面までの距離の5倍が高さ制限である。
当該計画では、道路5m+後退10m=15m。15mの5倍=75mが高さ制限。
しかし、計画では190mの制限とある。
天空光を確保すれば、すなわち天空率が大きければ規制は適用しないことになっている。当該計画では、その適用が不可能である。可能という理由の提示を要する。
8/27の計画案説明会の場で、この議論がなされたが、十分な回答を、区側が出せなかった。再度、説明会を開催し、可能となる理由の説明を求める。
問題点)「地域貢献の考え方」にある「地域防災備蓄倉庫の設置」について
地域防災備蓄倉庫を地下2階に、200㎡、居住者以外の分として1200人分設置するとある。
では、居住者用には何人分を準備しているのかも明らかにして、きちんと地域貢献を述べる必要がある。
再度説明会を開催し、「地域防災備蓄倉庫の設置」の地域貢献についての説明をすることを求める。
問題点)「まちづくりの目標」にある建築物内病院の機能強化について
「まちづくりの目標」では、建築物内の病院の「機能継続・更新をはかり、地域医療としての機能強化を目指す」とうたっている。
環境建設委員会でも問題になったが、どのような地域医療としての機能強化が望めるのかをきちんと明らかにする必要がある。
周辺住民の合意形成の上で、重要な部分なので、再度説明会を開催して、きちんと明らかにすることを強く求める。
問題点)工事による周辺住環境への影響
この規模の開発では、都の環境確保条例に基づく「環境影響評価書」を作成してその手続きに則って事業を進める適用から外れる。
しかし、工事には、一般的に言って、3年半~4年は必要。周辺住民への、騒音・振動、粉塵などの影響は多大である。
工事にかかわる影響を丁寧に周辺住民に説明し、十分な配慮をもって工事が行われることが必要である。
再度説明会を開催し、工事に対する対応のあり方を、説明することを求める。
問題点)計画案作成の手続きが無効
計画原案に対し、7/1説明会の場、7/9の環境建設委員会で様々な問題点が出されていたが、その解決のないまま、計画原案をそのまま計画案として用い、8/27計画案説明会を開催した。
計画原案の段階で、十分に検討を加えるべきであったが、その検討を加えずして計画を進めたそのプロセスに誤りがある。
再度、計画原案の段階に差し戻し、計画原案に対して出された意見書や説明会で出された問題点にきちんと回答することを求めるとともに、次回環境建設委員会の場でも、指摘された問題点を解決したことを、きちんと回答することを求める。
問題点)地域住民の合意形成なしの計画案である点
7/1の計画原案説明会、7/9の環境建設委員会、8/27の計画案説明会、いずれの会においても、地域住民の合意形成が十分なされていない問題点が指摘された。(是非、7/1の都市計画原案説明会、7/9の環境建設委員会、8/27の計画案説明会の議事録をご参照いただきたい。)
準備組合と周辺住民の話し合いの場を設けるなどして、合意形成の場を作ることなしに計画案を都市計画決定することに強く反対する。
以上
冒頭にも述べましたが、この計画にある高度土地利用の促進、災害に強いまちづくりの趣旨をなんら否定するつもりはございません。
月島地域の将来がかかる重大な事項でありますので、上記、問題点をきちんと再検討し、地域住民の合意形成をきちんと得ることを、どうか、よろしくお願い申し上げます。
******意見書、終わり*******
私は、今回の都市計画案は、案そのもの以上に、
決定のプロセスに疑問を感じています。
行政は、もっと住民の声を聞くべきです。
住民の声がまちづくりに反映される仕組みを構築すべきです。
このような開発が進めば、
中央区の街が壊れてしまいます。
中央区の出したこの度の都市計画案を撤回し、
再検討を要望する形の意見書を、
計画に関る周辺住民の声をヒアリングして作成し
本日9/1、中央区に提出いたしました。
*******以下、提出した意見書 文面*******
平成20年9月1日
都市整備部地域整備課御中
中央区月島3-30-3ベルウッドビル2F
小坂和輝
月島一丁目3・4・5番地区都市計画案に対する意見書
月島一丁目3.4.5番地区の都市計画案は、準備組合と周辺住民との十分な話し合いがなされることもないままに、広告・縦覧がなされ手続きが進められています。
双方の話し合いの場を希望する住民の声を無視した行政のあり方に、疑義を感じています。
私自身は、再開発自体を否定する立場のものではございません。再開発の手法は、10.085k㎡と23区で台東区についで二番目に小さな面積の土地に、密集した家屋が立ち並ぶ本区の特異性を鑑みれば、高度土地利用は非常に有効なものであるし、また、地域の防災機能の向上の必要性が緊急の課題であるということも十分認識をしております。
ところが、今回の月島一丁目3.4.5番地区の都市計画案には、以下に述べる様々な問題点があり、このまま計画を進めることは、地域住環境の悪化、都市景観の喪失、そして良好な地域コミュニティを壊す危険性を有しております。それが、周辺住民の合意形成なしに進められている現実があります。
以下の問題点があることを理由に、同都市計画案を撤回し、再検討することを、強く要望致します。
問題点)A地区建築物等の高さの限度190mとすることについて
建築物高さの限度190mを許容する都市計画となっている。もし、都市計画通りに高さ190mの建築物が計画された場合、当該都市計画自体の中でいう「建築物の形態・意匠・色彩等については、周辺環境及び都市景観に配慮したものとする。」に反することになる。
高層建築物を許容するには、高層建築物間の十分な間隔や、相対する高層建築物との高さの比が適切である必要がある。
例えば、佃大川端リバーシティ21地区の高層建築物を見た場合、各建物は、最低でも50m離れており、高層建築物の一番高いものが180m、一番低いものが110.8mで、その比は1.62。これら高層建築物配置の配慮の結果、良好な都市景観を形づくることができているのである。
一方、月島一丁目3.4.5番地区の都市計画(案)で、高さ190mの建築物を許容した場合、建物距離は、25m。高さの比は、190mに対する99.95mで、その比は1.9となり、都市景観への配慮を欠いている。
よって、都市計画案の高さの限度190mは、都市景観の喪失を引き起こす可能性があるため、高さ限度を低くすることの変更を求める。
問題点)住宅建設の目標約750戸について
住宅建設の目標約750戸を定めた場合、急激な人口増が月島地域で発生する。現段階で、保育園児の急増、児童の急増、高齢者の急増の場合の、保育園、小学校、介護・医療施設や体制などの十分な受け皿が整備されているとはいい難い。
住宅建設の目標約750戸を定めるのであれば、計画される建築物の用途に、保育施設を付け加えたり、建築物内の医療施設における介護・医療の地域貢献度の拡充まで、担保する必要がある。もし、建築物内で吸収できないのであれば、建築計画を許容する中央区が、月島地域において小学校、保育園の対応を十分行うことを担保する必要がある。
もし、これらの担保ができないというのであれば、都市計画案の住宅建設の目標約750戸は、それを削減することを求める。
問題点)2号施設である広場 面積約1200㎡(ピロティ部含む)
この都市計画では、広場 面積約1200㎡(ピロティ部含む)の設置が担保される。
しかし、この広さのみでは、災害時の居住者750戸分の避難所としてさえも機能しない。すなわち、この広さでは、広場は、「居住者の広場」であっても、「公共の広場」とは、なりえないことを意味する。どういう理由で、1200㎡で「公共の広場」として十分足りうると言うのか。
地区計画決定の根拠として、広場をいうのであれば、広場面積の拡大を求める。
このままの広場面積では、「公共の広場」を欠いた計画ゆえ、都市計画決定を下すことはできない。
問題点)風害
健全な土地の高度利用を目指す必要をうたっているが、狭い間隔をおいて高層建築物を隣接させて建てた場合、風害が起こる可能性が強く示唆される。
最大瞬間風速はいくらになるのか、台風などの場合の最悪の状況での風速はいくらになるのか、風環境の詳細なデータの提示を要する。
風害の可能性を十分分析し、分析を踏まえた防風対策を計画の中に提示することを求める。
問題点)高さ制限について
地区計画運用基準では、各部の高さは反対側の道路端より計画壁面までの距離の5倍が高さ制限である。
当該計画では、道路5m+後退10m=15m。15mの5倍=75mが高さ制限。
しかし、計画では190mの制限とある。
天空光を確保すれば、すなわち天空率が大きければ規制は適用しないことになっている。当該計画では、その適用が不可能である。可能という理由の提示を要する。
8/27の計画案説明会の場で、この議論がなされたが、十分な回答を、区側が出せなかった。再度、説明会を開催し、可能となる理由の説明を求める。
問題点)「地域貢献の考え方」にある「地域防災備蓄倉庫の設置」について
地域防災備蓄倉庫を地下2階に、200㎡、居住者以外の分として1200人分設置するとある。
では、居住者用には何人分を準備しているのかも明らかにして、きちんと地域貢献を述べる必要がある。
再度説明会を開催し、「地域防災備蓄倉庫の設置」の地域貢献についての説明をすることを求める。
問題点)「まちづくりの目標」にある建築物内病院の機能強化について
「まちづくりの目標」では、建築物内の病院の「機能継続・更新をはかり、地域医療としての機能強化を目指す」とうたっている。
環境建設委員会でも問題になったが、どのような地域医療としての機能強化が望めるのかをきちんと明らかにする必要がある。
周辺住民の合意形成の上で、重要な部分なので、再度説明会を開催して、きちんと明らかにすることを強く求める。
問題点)工事による周辺住環境への影響
この規模の開発では、都の環境確保条例に基づく「環境影響評価書」を作成してその手続きに則って事業を進める適用から外れる。
しかし、工事には、一般的に言って、3年半~4年は必要。周辺住民への、騒音・振動、粉塵などの影響は多大である。
工事にかかわる影響を丁寧に周辺住民に説明し、十分な配慮をもって工事が行われることが必要である。
再度説明会を開催し、工事に対する対応のあり方を、説明することを求める。
問題点)計画案作成の手続きが無効
計画原案に対し、7/1説明会の場、7/9の環境建設委員会で様々な問題点が出されていたが、その解決のないまま、計画原案をそのまま計画案として用い、8/27計画案説明会を開催した。
計画原案の段階で、十分に検討を加えるべきであったが、その検討を加えずして計画を進めたそのプロセスに誤りがある。
再度、計画原案の段階に差し戻し、計画原案に対して出された意見書や説明会で出された問題点にきちんと回答することを求めるとともに、次回環境建設委員会の場でも、指摘された問題点を解決したことを、きちんと回答することを求める。
問題点)地域住民の合意形成なしの計画案である点
7/1の計画原案説明会、7/9の環境建設委員会、8/27の計画案説明会、いずれの会においても、地域住民の合意形成が十分なされていない問題点が指摘された。(是非、7/1の都市計画原案説明会、7/9の環境建設委員会、8/27の計画案説明会の議事録をご参照いただきたい。)
準備組合と周辺住民の話し合いの場を設けるなどして、合意形成の場を作ることなしに計画案を都市計画決定することに強く反対する。
以上
冒頭にも述べましたが、この計画にある高度土地利用の促進、災害に強いまちづくりの趣旨をなんら否定するつもりはございません。
月島地域の将来がかかる重大な事項でありますので、上記、問題点をきちんと再検討し、地域住民の合意形成をきちんと得ることを、どうか、よろしくお願い申し上げます。
******意見書、終わり*******