「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

子どもの下痢について(感染性胃腸炎を中心に)

2008-09-07 20:26:45 | 小児医療
 秋から冬場にかけて、嘔吐下痢症がはやり始めます。
 子どもの下痢についての一般的なお話を致します。

Q:下痢はどういう状態をいいますか?
A:下痢は、便中の水分保有量が増加した状態をいいます。
 持続期間が、2週間を超えるか否かで、急性と慢性に区別します。急性の下痢が大半を占めます。

Q:重い病気ですか?
A:世界的には、今日でも急性あるいは慢性下痢症で子どもの命が失われていますが、日本ではかつての重篤さはなくなり、軽症化しています。
 外来でも、重症下痢症は、ほとんど乳幼児に限られています。重症の下痢となるのは、例えば、他に重大な疾患があり抵抗力の減弱した小児や、2,3ヶ月以下の乳児の下痢、腸管出血性大腸菌などの特殊な病原体の感染など限られるようになりました。

Q:下痢の原因は、どんなものがありますか?
A:急性の下痢の原因では、消化管感染(細菌とウイルス)と消化管外感染に伴う下痢、抗生物質の経口投与に伴う下痢です。まれに、変質した食物の摂取、疲労や緊張、特殊な食物に対するアレルギーでも生じます。
 慢性の下痢の原因では、原因病原体の持続感染、他の病原体の再感染、乳幼児の場合の二次性乳糖附対象、小腸粘膜の食物アレルギーなどがあります。

Q:いろいろな原因で下痢が起こるのですね。どんな原因が多いですか?
A:子どもの場合、大半が急性の下痢です。とくに消化管感染により下痢を起こしています。
 ウイルスで消化管感染を起こすのは、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどです。消化管感染の8割から9割は、ウイルスによるものといわれています。突然吐き始め、続いて水のような下痢になります。熱が出ることもあります。一週間ぐらいでよくなります。
 細菌で消化管感染を起こすのは、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌などがあります。高熱が出たり、腹痛、嘔吐や下痢が見られます。血便を見ることも多くあります。

Q:診断はどうつけますか?
A:児の年齢、既往症、臨床症状、糞便の性状、発症季節などから診断をつけていきます。
 すべてに確定診断をつけることはありませんが、下痢が激しい場合や細菌性が疑われる場合に診断方法として、糞便を用いて細菌培養同定、ウイルス抗原検出などがなされます。

Q:感染性胃腸炎であった場合の治療は?
A:治療は、整腸剤が処方されます。細菌性の場合、その細菌に合わせた抗生剤が投与されます。強い下痢止めは、排菌が遅れたり、腸閉塞を助長することがあり使いません。
 脱水が進んでいる場合、点滴治療を行います。

Q:家庭ではどう対処したらよいですか?
A:家庭での対処で大切なことは、水分補給と食事療法です。
 水分を多く飲むから水っぽい便になるのではありません。下痢で水分が失われるので、水分を十分飲ませる必要があります。
 栄養のことは気にせず、食欲がないときは無理に食べさせる必要はありません。食欲があってもむしろひかえめにし、腸を休ませてください。食べ物の固さの目安は、便の固さで判断してください。
 水のようなときは、スープ、おもゆ、味噌汁、りんごのすりおろしなど水分を中心に。
 便がどろどろなら、とうふ、パン粥、とうふ、野菜の煮つぶしなどドロドロの食べ物を。
 便がやわらかい程度なら、おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、鳥ささみ、野菜の煮付けなどやわらかい食べ物を与えてください。
 冷たいもの、油っこいもの、柑橘類は避けて下さい。

Q:家庭で注意することはありますか?
A:水分補給と食事療法をやっていただければよいわけですが、症状の変化に気をつけてください。
 嘔吐が激しい、下痢を繰り返しぐったりしている、腹痛がひどい、血便がつづく、高熱が続く、唇が乾きおしっこが出ない、下痢以外に肺炎など中等症の疾患を合併しているなどの場合、一度診察を受けていても、早めに再度診察を受ける必要があります。

以上。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よみがえれ 日本橋川

2008-09-07 18:20:20 | 地球環境問題

本日9/7 日本橋川でハゼ釣り大会が開催された。

小学生等が、二隻の漁船に乗り、ハゼ釣りに挑んだ。

日本橋川は、「名橋『日本橋』保存会」
http://www.nihonbashi-meikyou.jp/を中心に、
生物が戻ってくるように取り組みがなされている。

今日の日本橋川、昨今の雨の影響もあり、
一層濁っていた。
色は、ウグイス色から灰色といったところだろうか。
濁りのせいで、まったく透明度はない。

二隻に、分乗した約40名の大人と子ども(約半数は子ども)は、
釣り糸をたらすも、まったくヒットせず。
一時間で、収穫は、ゼロ匹であった。

同会の方にお伺いしたが、
去年11月に同様なイベントで、30分で5匹ハゼがつれたらしい。
昨今の雨の影響で、いなくなったのであろうか。
民の力で、日本橋川の浄化に向け、取り組んで来られた。

川は、本区の大事な観光資源でもあり、
高層ビルが立ち並ぶ中で、
地域住民に心の安らぎを与えてくれる大事な空間である。
日本橋川を中心に、川の浄化は、本区の課題の一つ。
日本橋上空高速道の地中化実現のプロジェクトともからめ、
今後も大いに注目していきたい。

以下は、本日のイベントを取り上げた新聞記事。


****読売新聞(08/09/07都民版)****

よみがえれ日本橋川

きょう浄化確認でハゼ釣り大会

日本橋川の川面を眺める永森さん。小魚が泳ぐ様子が頻繁に見られるようになった(後方は日本橋)

 

 日本橋の下を流れる日本橋川の浄化に取り組む「名橋『日本橋』保存会」は7日、活動の成果を確かめるため、同川でハゼ釣り大会を開く。かつて悪臭を放っていたが、徐々に魚が戻っていることが確認されている日本橋川。汚れのひどい川には生息しないハゼは果たしてどれだけ釣れるのか。関係者は期待している。(大木隆士)

 日本橋川は神田川の支流で、中央、千代田区の約5キロを流れて隅田川に注ぐ。半世紀ほど前までは流れが清らかで、川沿いの家の窓から釣り糸を垂らしてハゼを釣っていたという。しかし、生活排水が流れ込むようになり、川底にヘドロがたまって魚の姿は消えた。

 1968年に保存会が発足。日本橋周辺の企業や商店、町会関係者が集まり、橋の清掃などをしてきた。2005年7月からは川のヘドロを分解するため、微生物の培養土を丸めて団子状にしたものを定期的にまいている。昨年から、大腸菌などの有害菌の除去用に微生物の活性液を毎週10トン、川に流し込んでいる。

 活動は成果を生んでいる。06年10月時点では川底の土から生物が検出されなかったが、今年1月の調査ではイソギンチャクやゴカイを発見。微生物を食べる魚も戻っていることが推測されている。小魚の群れが保存会メンバーらに目視で確認される例も増えた。

 今回のハゼ釣り大会では、地元の小学生たちが参加し、7日午後1時から2時間、日本橋付近に船を出して釣り糸を垂らし、釣果を競う。先月末からの大雨で川底がかき混ぜられ、魚が散っている可能性もあるが、保存会の永森昭紀事務局長(66)は「1匹でも釣れれば、子供たちも川がきれいになったと実感してくれるはず」と話している。

2008年9月7日  読売新聞)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成19年度の決算委員会に臨む

2008-09-07 11:50:52 | 財務分析(予算・決算)

 平成20年第三回区議会定例会(本会議)が、9月24日(水)~10月17日(金)の会期24日間で開催されます。

 この定例会で、大事なものの一つが、平成19年度各会計決算の審査。審査方法は、決算特別委員会(12名)で審査され、会派友愛中央からは、私が委員として出る予定です。

 現在、各会計予算の分析をしている最中ですが、たまたま、別件でネットを散策していたら、分析するにあたって“視点の持ち方”に役立つサイトが見つかったので、掲載しておきます。

世田谷区政策評価委員会作成の、
*『全事業点検報告書』
*『外郭団体の経営と区の関与について』
*『「行政評価」のあり方検討報告書』
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/seisakuhyouka/index.htm

 世田谷区が、学識経験者や区民代表からなる政策評価委員会を構成し、世田谷区の全事業約2600を分析した報告書です。 中央区の事業も、ひとつひとつ分析を加えていき、課題を決算特別委員会で議論できればと考えています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする