「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

8/29第2回 子育て専門部会

2008-09-02 23:36:32 | 子育て・子育ち
8/29 中央区の保健医療福祉の方向性を決める委員会が開催された。
4つの部会に分かれて、検討されている。
そのひとつ「子育て専門部会」

以下、その概要をご報告です。
出た話題の羅列になっており、
見難いですが、どんな感じで、
分析されているか伝われば幸いです。

⇒は、小坂の考え。


****以下、概要****


第2回 子育て専門部会
議題 Ⅰ 都心区での子育て環境
   Ⅱ 区の施設サービスの方向性

<検討の視点>
Ⅰ 都心区での子育て環境
①育児の孤立化
②ボランティアの育成
③子どもの生きる力や福祉の心
Ⅱ 区の施設サービスの方向性
①子どものための施設サービスのあり方

I-①育児の孤立化
<背景>
近年の少子化が進む中、区の現状は子どもの増加が著しい。
一年で1,145人出生(平成19年)、10年前の倍の人数である。
合計特殊出生率は、国全体で1.32である。
区は、1.32に満たないものの1.02、13年ぶりに1.0を超える。

孤立を防ぐには?案
)赤ちゃん天国(1歳から3歳までの子を持つ親子の交流の場)
区内5箇所にある赤ちゃん天国の活用を促すためのPRの強化を図る。
赤ちゃん天国へ「行かない人がいる、本当に困っている人が出てこない」のではないか。
リピーターは多いが新規をどう増やすか

)「赤ちゃん110番」など気軽に育児相談できる窓口がるとよい。
電話が、赤ちゃん天国への連絡口(導き)となれば望ましい。

)新生児訪問 出生28日~2ヶ月まで 訪問率45%

)『ママとベビーのはじめて教室』
育児不安を抱えてる親(アンケート用紙によるスクリーニングにより判定)や新生児訪問を利用しない人に案内

)4ヶ月健診 受診率95%

)お試し券、お得チケットを作ってみてはどうか。

)声かけ
行政より地域の民生委員が声掛けをすればいい。
現状、高層住人にとって区のお知らせよりは、マンションのお知らせの方を重視している。
自治会や管理組合とタイアップできないか。

)定期健診の場
定期健診の場を出会いの場とし、子育ての悩みを気楽に相談できる機会にできないか。

)インターネット
PRに関し紙面では、効果ない。今の時代はインターネットがらの情報。

⇒「育児の孤立」の解消は大事な話題。その解消のために、多様なサービス、機会を利用できるようにすることと、その存在をうまく伝えていくことが重要。
 もうひとつ、有効だと思われるのは、生まれる前からの「産前訪問」。イメージをもっておくと、心の準備ができるし、産前訪問⇒新生児訪問とつながりやすい。実施している区の状況を調査するべき。


Ⅰー②ボランティアの育成
*ボランティアの障壁
名称自体に色がついていないか。うさんくさく感じる人も中にはいる。

*仕事を引退した人に対し、「生きがい探し」としても響かない。
「能力をお貸しください」「助けてください」の気持ちで伝えていく。

*住吉祭りのパワーのようなものがあれば。

*どれだけ父親を取り込めるか。
「おやじの会」の発足、発展しており、運動会の手伝い、もちつき大会企画へ。
弱点は、平日・日中は難しい。

*行政は、ボランティアの受入をしっかりシステム化し、受け皿をもちながら、能力を助けてくださいという姿勢が必要である。

⇒ボランティアは、自主的なもの。実際、自主的に行いたいという思いを持った方がいらっしゃった場合の、受け入れ態勢の整備が重要。
 ボランティア活動整備のための、地域協働推進会議との連携で、環境整備をしていく必要がある。
 


Ⅰー③子どもの生きる力や福祉のこころ
*福祉のこころ? 真っ当に育てば福祉的な心になれる。個別政策でいう必要性に疑問である。

*「親力」の強化が必要である。

*保育園の障がい児の受入れに関してどのようか。
門は閉ざしていない、年齢制限・人数制限を取り受け入れており、1クラス3名のところもある。心理士も配置。

*学校では、先生方の対応の仕方、技術、それを実際行う姿を子ども達が見て覚える。

*時代背景として、以前は特別学級など「見えない」から、今は「一緒のクラスに」。
分離より自然な形で融合が望ましい。
ただ触れ合えばいいのではく、専門の先生の意見を聞きながら、障がいのある子ども達にプラスになることを考えることが大切。

⇒子どもの心が育つのは、結局、親の後ろ姿。生きる力は、自然の中での体験から得るものが多いのではないだろうか。


Ⅰ-①子どものための施設サービスのあり方
*現状を分析して
1、メニューは揃っている
2、親の言うなり、希望通りでよいか
3、親力の強化になってるか
4、子どもにとって、そのサービスはどうか   

*例えば、保育園の保護者会の義務化が、親力の向上に役立ったという実体験の報告が出た。

⇒サービスは、あればあるだけいいというものでもない。子どもの視線でサービスがつくられているか吟味する必要がある。

<まとめ>
*子育てをどう考えるか、子どもをみて親が気づく、気づかされる。そして成長する。これをどう組み立てるか。

*「子育て」とは、子どもを育てるのではない。子どもは、育っていく。育っていく子に、まわりはどう関わるか。

以上


 
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肺がん治療技術の格差

2008-09-02 21:58:03 | 医療
本日9/2、中央区医師会の勉強会として、
国立がんセンターで「肺がんの診断と外科治療」に
関する講義がなされ、参加してきた。

講義を受け、大変驚いたこと。

①肺がん診断率の格差
国立がんセンターでは、96%の精度で肺がんを診断。
各地の病院では、80%の精度で、肺がんと判断したものの20%は、
実は、肺がんでなかったという施設があるらしい。
国立がんセンターでは、これ以上精度を上げようとしても、
診断を厳しくして、がんを見逃してはならないので、
4%程度までは、仕方ないという。


②電気メスの普及
電気メスでは、切ることと同時に、血管の凝固も可能で、
手術に非常に有効である。メスの持ち替えの作業もない。
ただし、肺血管の周りのリンパ節を、
キレイに取り除く手技で、
血管に穴をあけないように、慎重さが求められる。
この有効な電気メスを用いる病院と、
メスで行う病院がある。
手術時間や出血量にも差が出る要因にもなりうる。


③胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(VATS)の功罪
VATS:Video-Assisted Thoracic Surgery
これは、一部報道で、夢のような理想の手術というイメージを、
患者側が持つにいたっている。
これは、データ上、現実と乖離している。

)術後のQOL
これをしたからといって、術後のQOLは改善する要素はほとんどない。

)痛み
術後の疼痛も差がない。
4箇所胸にあけた穴は、そちらの方が痛みが出ることがある。

)術中の合併症のリスク
大きな問題点があり、手術中に予期せぬ大出血が起こった場合、対応できない。

)手術の精度
リンパ節をキレイにすることも不十分に終わる。

)手術時間、入院日数
名詞サイズ長辺より少し長い一本線の傷が残る外科手術では、
2時間の手術で、術後平均4日で退院できる。
胸腔鏡を入れるための穴を4箇所開ける手術では、
視野が十分とれず、手術手技も困難を極め、
5時間の手術時間で、肺からの術後の空気の漏れがおこり、
術後10日退院まで要することがある。

さて、治療として、どちらを選ばれるだろうか。

保険点数では、
外科手術(肺悪性腫瘍手術)36900点(36万9000円)
胸腔鏡手術(胸腔鏡肺悪性腫瘍手術)58000点(58万0000円)
同じ肺がんでも、点数が21100点差がある。(21万1000円の差)

患者は、穴が小さな胸腔鏡での手術が、
負担が少ないだろうという幻想から、そちらの方を選択を考えがち。
病院側は、売り上げの点からは、
患者のその申し出を断る力学が働きにくい場合がある。

マスコミでも、どちらかいうと、
胸腔鏡の方をより好意的に取り上げがち。
(実例:2000年1月12日報道の某紙)
(注意:胸腔鏡と腹腔鏡はちがい、腹腔鏡では、有効性が言われている)

医学的データは、)~)でも明らかにわかるように、
断然、胸を開けた方がよい場合が多い。

もっとマスコミは真実を伝えていく必要があるし、
医学的データが出ている以上、
きちんと評価して、保険点数の適正化が求められる。

以上、

①診断の格差
②手術手技の格差
③功罪がきちんと伝わらない中での胸腔鏡での手術
で見るように、

日本の医療の抱える大きな問題点が、ここにもあった。
日本の医療をよい方向に導くためメスを入れるべき
政治の必要性を痛感する。
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ゴミ、ゼロ 作戦!!

2008-09-02 17:51:34 | 地球環境問題
なんとか、ゴミがゼロに近づけることができないだろうか。

もし、生ゴミ、プラスチック、古着、ペットボトル、ビン、缶、古紙、牛乳パックの再資源化がうまく行けば、極度に、捨てるゴミは、減るはずである。


人を環境に意識を目覚めさせ、行動を変容することは、時間がかかる。
「わかっちゃいるけど、できなかった。」の積み重ねが人の性(さが)。
なんらかの、インセンティブ(目標を達成するための刺激)が必要である。


生ゴミの場合、家庭内処理でまず、肥料にする。
肥料を購入する先があれば、処理を行う家庭が増えるかもしれない。
その肥料は、提携先の有機農法の農家に出荷する。
農家でできた野菜を、肥料を出した家庭は、割安で購入できる。
一つの循環を生むと、もしかして回るかもしれない。
中央区でも給食で出た生ゴミでは、農家にだしているという。
 

*生ゴミ処理機を選ぶのにも少し注意が要る。
バイオ式:バイオチップを必要とする。この購入が必要。
乾燥式:温風で乾燥し、生ゴミを1/8にできる。環境によいことをしながら、電気代を食ってしまう。
ハイブリッド式:送風で行う。バイオチップは不要のタイプ。生ゴミが1/20となる。
コンポストなどの自然処理:段ボール箱でできる。少し技術が必要。


同様に、各分別ゴミも、きちんと分類して出した場合、
ポイントなり、現金化できれば、やるかもしれない。
その財源は、ゴミ減量に伴い本来ゴミ処理場の焼却費に
費やしていたものを満てる。


大きな街単位で、資源化がなされると、
事業として、回るのではないだろうか。
モデル地区を募集して、
少し事業課に事業費助成や、
人材派遣をする。(雇用の創出へ寄与)
日本の他地域の成功例を研究する必要がありそうだ。


当院でも、ペットボトルの蓋を集めて、
再資源化し、得た収入で、ワクチンを購入、
途上国へのワクチン接種プログラムにのせる取組みに
協力している。
やってみると、
結構、人間は収集癖が出て、
ペットボトルの蓋が集まると、
なんかうれしくなる。


マイナスのインセンティブ(目標を達成するための刺激)は、
ゴミ収集の有料化である。
だが、これを安易に導入することなく、
プラスの形で、皆で楽しみながら、
減量したいものである。

温暖化対策に取り組もうという呼びかけ
環境を守る講座を受けようという呼びかけ
さらに
もう一歩踏み込んだ、具体的な行動の提案が、必要だ。
それもプラスのインセンティブをもったもの。


本日9/2、中央区役所で行われた
「ゴミリサイクル」の勉強会を受講して、
思いついたまま、メモ程度に、書置きしました。
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国民の真価が問われています。

2008-09-02 07:52:08 | シチズンシップ教育
小学校で学ぶことは、「最後までがんばりましょう」
そう教えながら、一方で大人は。。。。

“政治の筋書き”の中で、福田氏は辞められるとみるのが一般論だと思いますが、
そのような筋書きを、私達国民は、許すべきでないと考えます。

福田氏がなぜ、やめたのか。
解けないなぞを、解きたくて、辞任の記者会見を掲載しておきます。

今、日本国民ひとりひとりの政治意識が試されていると思います。


****朝日新聞インターネットから引用*****

1日夜の福田首相の記者会見の主な内容は、次の通り。

 昨年、私は安倍前総理からバトンを引き継ぎました。9月26日に総理に就任以来、1年近くたったわけでございます。正直申しまして、最初から、政治資金の問題、年金記録問題、C型肝炎問題、防衛省の不祥事など、次から次へと積年の問題が顕在化し、遭遇をいたしました。その処理に忙殺されました。

 将来を見据えながら、目立たなかったかもしれないが、これまで誰も手をつけなかったような国民目線での改革に着手いたしました。例えば、道路特定財源の一般財源化、消費者庁設置の取りまとめ、国民会議を通じて社会保障制度の抜本見直しをするといったようなことです。最終決着はしていませんけれども、方向性は打ち出せた。

 さらに今年に入ってガソリンや食糧の高騰に国民や中小零細企業と農家が苦しむ中、強力な布陣のもとで総合的な対策をとりまとめることができた。臨時国会では、(その)対策のための補正予算、消費者庁設置などの重要案件を審査する。

 国民生活のことを考えるのであれば、政治の空白をつくり、政策の実行を止めることは許されない。新しい布陣のもとに政策の実現を図らなければならないと判断し、辞任することを決意した。国会の実質審議を前にしたタイミングで、国民にも迷惑がかからないと判断した。


 ――いつの段階で辞任を決意したのか。政権を投げ出した形になるが、政治不信が高まるのではないか。

 私は、これからの政治がどうあるべきかということを考えてきた。(辞任は)先週末に最終的な決断をした。

 ――消費者庁の成果は道半ば。仕上げる責任はだれにあるのか。(首相を)辞めること自体が混乱を招く。

 消費者庁は大体、法案は決まった。ここまでまとまれば、国会で野党とどういう話し合いをしていくかはお任せするしかない。私が続け、国会が順調にいけばいい。そういうことはさせないと野党が言っている限り、私の場合、困難を伴うのではないかと思う。政治空白を作らないためには今がいい時期。私が、いろいろ考えて判断した結果、新しい人に託した方が、よりよいという判断をした。

 ――(1日)夕方に(自民党の)麻生太郎幹事長と何の話をしたか。自ら幹事長にした麻生氏を引き続き支持するのか。

 今日は麻生幹事長と町村官房長官に来ていただいて、説明を申し上げた。いろいろなやりとりがあった。その後のことは自民党の党内でどうするということだが、総裁選の日取りを決めていただきたいと麻生幹事長にお願いをした。

 ――民主党との間で国会(運営)は難航したが、民主党の小沢代表に言いたいことは。

 ねじれ国会で苦労させられた。話し合いができないことがあった。重要法案に限って聞く耳を持たずということが何回もあった。小沢代表には「国のために胸襟を開いて話し合う機会を持ちたかった」と申し上げたい。

 ――総理は1カ月前に自身の手で内閣改造、かなり大幅な改造をしたばかり。国会も迎えないうちに自ら辞職という形をとったことへの見解は。

 私が1カ月前に内閣改造したということ、なぜ1カ月後に総理自身やめるのかということで、これは、もっともなお話だと思います。私も内閣改造をしたときには少なくとも、重要な案件について何とかしたいという意欲を持っておりました。特に経済については特に重視しなければいけないという思いがございました。しかし、それが先週末に一応の決着を見たということであります。じゃあ、いま現在、どうして組閣当時と考え方が変わったのかと申しますと、そのあとのいろいろな政治の状況がありますので、そういうことを勘案して、この臨時国会が少しでも順調にいくようにと考えましてね。また野党は、解散、解散とあおるわけですね。解散ということがありますとね、それは議員心理というものは、いろいろございますので、そういう議員心理の結果ですね、また政治情勢が不安定になってはいけない。そういうことになった場合には、国会だけの話じゃない。国会議員だけの話ではない。国民全体にご迷惑をおかけする。これが一番いい時期だと思っています。

 ――総理の会見がひとごとに聞こえるという話があった。自民党を中心とする政権への影響は。

 順調にいけばいいですよ。それに越したことはない。私の先を見通す目の中には、順調でない可能性がある。その状況の中で不測の事態に陥ってはいけない。ひとごとのようにとあなたはおっしゃっているが、私は自分自身を客観的に見ることができる。あなたと違う。そういうことです。


*****引用終わり*****
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