「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

被災から2ヶ月。今後の災害医療支援。被災地の医療の自立に向けて。

2011-05-11 15:52:22 | 防災・減災

 被災地に医療支援に入ったときのブログを振り返ります。

第一回 3月19日-3月21日石巻(医師2、薬剤師2)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/3a1aeded8179de635bdeac3c82d74e61
ブログ『救われた命を、必ず守る。日本全国の開業医の出番だと思います。』

日本医師会から災害医療チーム(JMAT)の形で、石巻市へ派遣され、3月19日から医療活動を行ってきました。
 小児科医師2名、薬剤師2名でチームを組んで、被災地の避難所を巡回致しました。
 被災地に入るにあたっては、現地とのコーディネートをきちんととってから入ることが重要であると思います。
 私たちは、中央区医師会→東京都医師会→日本医師会で、災害医療チームを登録し、石巻市の災害対策本部とつないでいただき、石巻市災害対策本部から、石巻市の河南地区の避難所支援の要請を受け、行動を開始ししました。

 被災後約一週間。
 避難所に電気が通り、水道がタンクでいきわたり始め、食料物資も届き始め(「朝おにぎり1つ、昼チョコ1こ、夜おにぎり1つ」から脱しつつある時期)、わずかに落ち着きをとり戻してきているところ。

 避難所では避難されている方の1/3~1/5の方が医療相談支援をご希望され列をなしました。
 こちらとしては、列をつくらぬよう工夫して対応を致しました。
1)事前に問診票記入→問診票:http://www.coe-cnas.jp/pdf/003.pdf
2)問診票提出の順番で受付し、いったん自分の場所に戻っていただく。次の番になると、お呼びし待機いただく。
3)受診後には、避難生活での気を付けるポイントをまとめたものを配布(厚生労働省作成)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-img/2r98520000014v1g.pdf

 
 また、今から振り返れば、避難者が長期内服薬を処方されている場合、薬剤名・量を紙に各自書いて持参し、医療相談を受ける場合提示するようにしていただくとありがたいと思いました。巡回時内服薬確認に意外と時間がとられました。

<受診の状況>

3/20
K小学校 避難者85名 受診者27名32%

K高校  避難者220名 受診者45名20%

3/21
S小学校 避難者77名 受診者16名21%

H中学校 避難者144名 受診者34名24%

H小学校 避難者191名 受診者19名10%

N中学校 避難者21名 受診者3名14%

Tセンター 避難者100名 受診者23名23%

全合計 避難者838名 受診者167名 20%



 ご相談内容は、不眠・ストレス、胃痛、高血圧や糖尿病、高脂血症、心臓血管病等の定期薬入手困難、胃腸炎や咳の風邪、便秘、花粉症、アトピー、外傷処置、家族・家・職場・かかりつけ医院が流された被害関連等(順不同)。

 また、以下のような役割もございました。

1)今までの経過で見落とされていた大きな疾患を見つけ、受診への誘導。
  例、
  津波に流され負傷した手の傷(手の腱が見えるぐらいにえぐれている)を放置しているかたに受診を誘導

2)お話をお伺いすることで、不安の軽減。

3)少しの情報があれば解決があるのに、解決できなかったケースへの対応
 例、
 どこに耳鼻科があるかわからない。
 大きな病院へのアクセスの方法がない→透析患者搬送の車に便乗する手配

4)福祉へつなげるケース
 例、
 外国人で妊娠中、その夫は津波で流されてしまいどうしてよいかわからない

5)定期内服薬を持参して避難できなかったため、そのまま内服をやめているケース
 再度、受診を促し、定期内服することの指導
 本人は、自覚がないが、血圧は、異常値を示していることを発見し、受診指導

6)感染症への早めの対応


 <必要であった薬剤>
便秘薬、胃薬、不眠に対する薬剤、風邪薬とうがい薬、糖尿病/高血圧などの定期内服薬、花粉症、保湿剤、イソジン消毒液、ウェルパス消毒液、解熱剤、


 被災地では、病院や医院が流され、患者が移送されたケースもあります。
 幸いにして、被災を免れた医院も、電気、水道が復旧をしていなかったり、薬剤の供給が不足していたりして、十分な医療体制はできていない状況です。


 今、被災地の救命救助活動は、新たなフェースに入ってきていると思います。

 被災直後は、地震や津波、火事に直接被災し、負傷した方の救命活動。
 高度なまた外科的な対応が求められたと思います。
 よって、医師も大学病院や大きな病院のチームが、即戦力として医療活動に力を発揮されました。

 今は、避難生活が長期化してきて、それにともなっての疾患への対応。
 基本的には開業医が、日々外来診療で診ている病気への対応になってきています。

 救われた命を必ず守っていくために、日本全国の開業医が、現地対策本部でコーディネートしていただいた被災地に、定期的かつ継続的に入っていき、避難者の医療支援に入る必要があると思います。

 私たち、日本全国の開業医の出番です。
 コーディネートを受けた被災地に、週末だけでもよいので、定期的に継続的にはいっていくべきと思います。
 

 

<今後、避難所の医療面で注意すべきこと>

1)エコノミークラス症候群、転倒
 @mainichijpnews 東日本大震災:柔道整復師、高齢者にマッサージや体操指導 http://bit.ly/hSSZo5
 上記のような取り組みがなされ始めたということですが、避難されている方は結構座りっぱなしであり、特にご高齢の方は足腰を弱くし転倒やエコノミークラス症候群などいらぬ合併症をおこさぬようにせねばなりません。

2)新生児の早めの個別施設への入所対応
 私の回った避難所にも1ヶ月の児が少し鼻水症状あり。気がかかり。
 @Asahi_Shakai NPOいわて子育てネットは被災した新生児と母親を受け入れ。期間は1カ月その後は希望者に盛岡市内アパート紹介。(019-652-8636)9~18時。
 このような情報を有効活用していただきたい。

3)感染症
 咳、下痢のひとが、増えてきていました。
 マスクや手洗い、加湿が必要です。
 下痢になっても、下痢食など対応できないため、なかなか難しい状況です。

4)こころのケア
 医師がゆっくりと医療相談をするだけで楽になる方々が多くいらっしゃいます。たとえ十分な薬を処方できなくても。
 @suzutomomi 被災地、ストレスがピークの方も。@kunihiro_o:「災害時こころのケアチーム」発足

5)障がいのある子たちへの対応
 集団での生活がなじめない場合もあり、個別対応が求められます。

6)避難所でがんばっているひとの健康管理
 避難所では、その運営を切り盛りするために家にも帰らずにがんばっているひとが必ずいらっしゃいます。その方々が、倒れないように健康管理をすることが絶対に必要です。
 私たちの場合でも、某H中学校の校長先生、無理しすぎていらっしゃいました。とても心配です。


など。

*****************


第二回3月26日-3月27日石巻(医師3、事務2)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/200291f502a01b4eecd8f9ba7943c4a0
ブログ『2度目の石巻市 医療支援で感じた課題』

2度目石巻医療支援で感じた現場(被災2週間目)課題。

緊急:

更なる医療支援(例えば、開業医が日曜だけでも現場拠点と連絡をつけた上で入ること⇒ニーズは必ずある)

し尿処理施設復旧

市民の足確保(バス再開)

こころのケア

食(ある程度行き渡り始めているが、十分でない地域の掘り起こしを!)


中期:

子ども達の教育の場確保、

ガソリン充足 

雇用の場再建

住の場の再建


長期:

減災を念頭に入れた復興

など


第三回4月3日石巻(医師7、事務2)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/fa21814a4a02ca3e210bb2563de8594a

『被災約3週後の石巻災害医療支援で感じたこと。』

被災約3週後の石巻医療支援で感じたことを、簡単に書きます。

 復興に向けて果てしない道のりですが一歩ずつ着実に進んでいる街の様子を知るこ
とができました。

 医療ニーズも刻一刻変化。

 今は、

*心のケアと、

*避難所のとくに高齢者のADL(日常生活活動)機能を落とさないケアマネージャーも入れた取り組み、

*専門性を有する医療ニーズへの対応(糖尿病、もともとのリウマチ・整形外科的疾患、皮膚疾患など)

等もまた重要と感じました。

 
 あと、この週末の石巻医療支援で感じたこととして、壊滅状態にあった街の開業医
の医院再開に向けたなんらかの支援が、今後早急にできないものだろうか?というこ
とです。
 中核病院で診てきた患者さんがうまく街のいつもの「かかりつけ医」へと移行でき
ていけばよいと思います。
 我々開業医がお手伝いできないものだろうかと考える次第です。

 
 もうひとつ、今被災地医療の全体像を再度把握する時期であると思います。
*市レベルで各避難所(拠点避難所・在宅避難所の両方とも)の医療ニーズ把握を保
健師と共に行うこと、

*県・広域レベルで、各市レベルの医療状況把握し、災害医療支援チームの効率的割
振り、抜け落ちた地域がないようにすること、モデルとなる地域の情報共有と実践が
大切であると思います。

 石巻でなされていた災害医療は、他地域のモデルになると敬服しています。

 取り急ぎのご報告まで。

 次回、4/10に災害医療支援に参加予定しております。

以上、


3週間を振り返ってのまとめ
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/0ef7cb5d2d147d4a6602f97601244cfd
ブログ『被災直後、1週後、2週後、3週後の各フェーズで見た災害医療ニーズなどの変化と課題』

 被災直後は、開催中の中央区議会予算特別委員会の委員でもあったため、被災地入りはできませんでしたが、1週後、2週後、3週後と石巻への医療支援に継続的に入ってきました。

 そこで感じたことを参考までに各フェーズごとに書きます。

 医療者の視点から書いており、総合的、網羅的には書いていないことをご了解願います。
 こちらでは福島原発事故関連の分析も他稿に譲ります。

 

0)被災直後(3・11-13)(被災地入りをできていませんので、詳しく述べません。)
段階:72時間の救命のフェーズ

状況:
地元、災害医療チームの被災地入り

首都圏状況:
防災拠点を開き、帰宅困難者の受け入れ

重要課題:
人命救助
72時間以内の救助

疾患面課題:
救命救急
外科疾患


1)被災約1週間(3/14-3/20)
段階:地域中核病院を中心とした医療活動(地域中核病院の野戦病院化)のフェーズ

状況:
余震続く
電気供給一部開始
保健師の地域巡回
大学病院、赤十字病院 災害医療支援チームの被災地入り

首都圏状況:
被災地への救援物資発送
被災地への救援物資受け付け

重要課題:
避難所の把握
社会的弱者への目配り
被災地を切り盛りするため献身的な努力をするかたの健康管理
病院機能の回復
行方不明者の情報共有

疾患面課題:
透析患者対応
定期内服薬のとりあえずのつなぎ
持病の悪化

保健医療福祉面課題:
行政―医師会―中核病院の連携の糸口を探る
医療―看護―薬剤師―歯科医師―栄養士―心のケアー多職種間の連携
被災地と支援する地域との連携の糸口を探る
新生児をもつ家族の受け入れ住宅の確保

インフラ課題:
電気供給の徐々に開始
幹線道路の緊急車両通過



2)被災約2週間(3/21-3/27)
段階:地域中核病院の野戦病院化から脱却し通常病院機能の取り戻しのフェーズ

状況:
避難所を把握し、巡回の機能化
定期薬処方可能へ
草の根支援が入り始める
一部ガス供給開始
首都圏状況:
関東圏で上水道で放射能物質検出


重要課題:
中核病院の野戦病院化からの脱却
深刻な物資不足
食糧不足、たんぱく質
衛生環境の改善

疾患面課題:
感染症の増加
医療ニーズの増大
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)

医療保険福祉面課題:
継続的医療支援
行政との連携強化
医師会との連携強化


インフラ課題:
道路の開通、橋の開通
深刻なガソリン不足
し尿処理



3)被災約3週間(3/28-4/3)
段階:街の開業医の医院機能復活に向けた取り組みの開始のフェーズ
   医療から介護その他、課題の広がりを見せてくるフェーズ


状況:
海側高速道路の開通、海側大橋の開通
米軍らによる被災地片付け
バス運行開始
支援物資としての自転車配給
被災地の衛生環境の改善、
避難生活者の役割分担により機能向上
宅配機能の復活、物流の飛躍的な改善
草の根支援が展開
医師が多く現地入り可能へ
行政からの職員派遣(例、鳥取県から30名の職員)
避難所の集約

首都圏状況:
中央区の防災拠点運営委員会の課題整理
被災地避難民の各都市の受け入れ


重要課題:
個々の開業医機能の復活と患者の中核病院から患者の移行
生活再建支援
医療や情報の行かない地域の拾い上げ、とくに在宅避難所
学校の再開
保険制度上の医療提供の整理
避難所の役割分担、要介護者
避難所の洗い直し
感染症入院場所確保

疾患面課題:
心のケア
介護予防
専門疾患対応(糖尿病、整形外科、皮膚疾患)

保健医療福祉面課題:
避難所の役割分担、機能分担
被災地間の連携、情報交換、
落としのない医療支援


インフラ課題:
物資が行渡りはじめる
一部信号復帰
ガソリン供給改善
交通渋滞の発生

以上、


第四回5月4日-5月5日いわき市、郡山市(医師1、弁護士3)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/43b12ce8b28f2136bbe326e9d14420be
ブログ『福島へ 災害医療支援と法的支援』

 本来すべきでない時期に、選挙が執り行われました。

 それも終わり、ようやくすべきことに本腰を入れることができるようになりました。

 日本の復興への支援。

 

 5/4と5に、弁護士3人と医師として私が参加し、4人で福島へ。

 5/4に福島県~茨城県沿岸部そして郡山、5/5は郡山のビッグパレットへ。ビッグパレットでは、富岡町の皆様が避難されていました。

 

 

 このたびの被災地支援で感じたことは、

 ひとつには、「この問題の解決の難しさ」の再認識。

 地震、津波、原発事故、そして風評被害。

 補償するにも、さまざななケースがあります。

 地域社会の崩壊へのとりうる処方箋が見つかりません。

 放射線被ばくへの処方箋もまだありません。放射線被ばく量のみが一人歩きし、処方箋がなければ、現地が困惑し混乱することになります。

 

 二つ目は、いままでの三度の石巻の災害医療支援でも感じたことでありますが、「政治の大切さ」。

 「政治」がしっかり主導しておけば、原発事故がここまで大きくならなかったかもしれません。とても悔やまれます。

 私が実際体験した医療現場でも、「政治」がしっかり主導すれば、災害医療支援の現場の医師が、いらぬことに力を削ぐことなく患者さんと向き合えたかもしれないと思います。政治が介入し、行政と現場医師をつなげていただければ、さらなる災害医療支援ができたのではないでしょうか。

 例えば、し尿処理トイレの設置やし尿処理施設の復旧問題、避難施設での医療提供場所を「診療所」とするか「救護所」とするかの現場の希望に基づく認定、避難所や在宅避難での医療支援が必要な患者の把握、病院で得られた安否情報と行政の安否情報・行方不明者情報の情報共有、患者への医療提供体制の情報提供、原発事故による放射線被ばくから子ども達を守るための政策などで、政治家が行政と現場をつなげ、迅速な対応を行っていただきたかったと思います。

 

 三つ目は、ボランティアをされている皆様の優しい思い。

 だれもが、手弁当で、できる限りのことを、されています。中には、ご自身が被災者であるにも関わらず、ボランティアに献身されている方も多くいらっしゃいます。

 プロレスラーも、劇団もできることをと被災地入りをされています。

 私の場合、医療現場のボランティアのひとが多いのですが、その方々との交流を通して、彼らの「思い」に接し、多いに共感するとともに、明日への「希望」「勇気」を与えてくれることになりました。

 これだけ優しい思いの方が、集っているのであるから、復興を成し遂げた暁には、必ずや日本は、優しい国になっていることでしょう。

 被災地支援で、いつも感じることですが、ボランティアの現場で、“心洗われる気持ち”になります。


*********ブログ以上*****

 被災から2ヶ月。

 医療の支援も、被災地への自立に向けて、撤収もはじめているところもでていると新聞記事で見ました。


***朝日新聞(2011/5/11)****
被災地医療「自立」選ぶ 宮城・南三陸、支援チーム撤収
2011年5月11日15時0分http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105110213.html
 津波で中心部が壊滅した宮城県南三陸町の各避難所で診療をしていた応援の医療チームが、13日で活動を終える。震災から2カ月、いまでも町内だけで5千人以上が避難生活を強いられているが、「いつまでも支援に頼れない」と、町はあえて自立の道を選んだ。

 「医療については、これまでは夢の状態。いつまでも続かない」

 同町医療統括本部の指揮を執る西沢匡史医師(38)は言う。「医療の自立」に向け、3月末にはすでに支援チームの撤退時期を検討していた。

 勤務していた公立志津川病院は町唯一の病院だったが、津波にのまれた。当直明けで自宅にいた西沢医師は、聴診器もないまま、近くの避難所に続々と運ばれるけが人の処置に追われた。数日後、全国から続々と医療チームが駆けつけ、イスラエル軍が仮設診療所を建てた。支援のありがたさが身にしみた。

 同病院は、イスラエルの仮設診療所を引き継ぎ、4月18日に外来診療を再開。20の支援チームが、各避難所に常駐し、被災者らのケアにあたった。だが、チームはいずれ撤退する。「夢は長く続くほど、覚めたときがつらい」

 救急医療は震災から1カ月ほどで落ち着き、薬の供給は安定した。西沢医師は今月1日、避難所診療を段階的に縮小し、13日に撤収することを町民や支援のチームに通知。「自立再生への第一歩」と、町民に理解を求めた。

 町内の各避難所と、志津川病院の仮設診療所は、9日から無料バスで結ばれた。避難所の一つ、志津川高校では、神戸市の医療チームが、校舎の一室で診療をしてきた。同校に避難する男性(50)は震災後、たびたび腹痛を患うようになり、診療所を2度訪れた。「近くに病院がないから、いなくなると不安ですね」とこぼす。

 医師不足は震災前から深刻だった。町内の医師は、志津川病院に5人、開業医6人の計11人。西沢医師も、当直が月10回以上は当たり前だった。それが、被災した開業医が相次いで再建を断念するなどし、半減した。

 今後は、同病院の仮設診療所と残った1医院だけで診療する。入院患者は、6月から隣の登米(とめ)市の「よねやま診療所」のベッドを借りて受け入れる予定だ。

 「震災の惨状をみて、この町でやってみようという医師がいるかもしれない」。西沢医師は、町にとどまってくれる医師を求めている。(浅倉拓也)

******記事以上****

 被災地の医療面での自立に向けた支援、この視点も入れながら、災害医療支援に取り組んでいければと思います。

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5月10日フジTV特ダネ 20mSvの問題への切り込みに対し敬意を表します。

2011-05-11 10:30:01 | 防災・減災

4月19日文科省による「子ども達への年間20mSv許容」の問題(http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/3591d3a49ca8763adbed191ab25bb2a0)を、2011年5月10日フジテレビ 特ダネが鋭く切り込んでいます。

 

 フジテレビに対し、大いに敬意を表したいと思います。

 

 「子ども達への年間20mSv許容」の問題に対し、医療関係者、教職員をはじめ、国を挙げて、「では、どうするのか」を真剣に考え行動していかねばならない時に来ています。

 

 

Youtube:

 

http://www.youtube.com/watch?v=950H9R5htcM&feature=player_embedded

 

 

 

 

以下は、番組のテキスト起こし。

 

参照: http://www.monipo.net/blog/radiation/tokudane-110510/

 

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先月の19日に政府が発表した学校の年間被曝量の基準値は

 

20mSVでした。

 

もともと保護者からは不安の声が上がっていたんですが、

その中、基準の決定に関わった小佐古元内閣参与が辞任をしたことで、

今この信頼が音を立てて崩れようとしています。

 

混乱が広がる子供たちの現場を取材しました。

 

(福島県二本松市東和中学校)

 

福島県二本松市内のある中学校、

 

これは部活動の風景。

 

Q.グランド使えるようになりたい?

 

A.なりたい

 

先月19日文部科学省が学校での年間被曝量を20mSVまで許容するという指針を出した。

 

この日(6日)の二本松市の大気中の放射線量は1.74マイクロシーベルト

 

文部科学省の計算式に当てはめると、年間およそ9.1ミリシーベルト。

 

許容範囲内に関わらず、グラウンドで練習をしない理由は

 

年間20mSVの基準に対して不安を感じているからだ。

 

(元内閣官房参与 小佐古氏の辞任会見)

 

年間20mSVは大変高い数値でありまして

 

この数値をですね、乳児・幼児・小学生に求めることは

 

学問上の見地からのみならず・・・(涙を流し声が詰まる)

 

わたしは受け入れることができません。

 

先月29日、内閣官房参与の突然の辞任をきっかけに

 

この基準値をめぐって混乱が広がっている。

 

(医療ジャーナリスト、伊藤隼也氏)

 

(ガイガーカウンターを手に公園で)

 

あー、ここも高い。6超えました

 

あ、7超えた。

 

文部科学省が定めた学校の年間被曝量20mSV。

 

はたしてこの基準値で本当に子供を守ることができるのか?。

 

許容量をはるかに超えた値を示す線量計。

 

この土は、福島市内の小学校から取ったもの。

 

今月2日、市民たちがその土を持参し、

 

学校での年間被曝量の基準値見直しを求めた。

 

この場には、文部科学省と、その決定に助言を与えたという原子力安全委員会の代表者が同席。

 

(文部科学省)

 

20mSVシーベルトで危険ということでないと私は思っています。

 

ただし、20mSVでよいとは思っていないので。

 

(原子力安全委員会)

 

20mSVを子供が年間浴びるということは許容できない。

 

4人の安全委員もそう思います。

 

Q.なのに何で差し支えないという表現がでるのでしょうか。

 

そういった議論をして、文部科学省も20mSVを基準とはしないんですよね?

 

食い違う両者の説明。

 

そもそも、20mSVという数値は、文部科学省が原子力安全委員会の助言を元に定めたはずではなかったのか?

 

揺らぐ基準値の妥当性。

 

今、福島で何が起きているのか?

 

訪れたのは、福島第一原発から45km離れた二本松市ののどかな公園。

 

あ~どんどんあがっていきます。1.5マイクロシーベルを超えましたね。

 

基準値の線量を超えたため使用制限がかけられていた。

 

ここ数日は線量が下がってきたというが・・・

 

足元を測定すると 8ガイガーカウンターのアラームがなり響く)

 

7マイクロシーベルトを超えた。

 

空中線量だけでなくて、子供さんは小さいから、地べたに近いからそういうものをちゃんと考えないといけないですよね。

 

町の放送・・・

 

放射線量の測定結果をお知らせいたします。

 

東和支所 1.19マイクロシーベルト

 

正常時ではありえない、放射線量のお知らせ。

 

そんな中、(子供が芝生の上で遊んでる)

 

不安は一杯ありますけれど、外に出さないでストレスためるよりはいいかなと。(両親)

 

そこにももっとお子さんいらっしゃるんで・・・

 

(滑り台で子供が土の近くで遊ぶシーン)

 

学校からおたよりとか、市でおたよりも回ってはいるんですけれど

 

前より数値が低くなったので安心感があって

 

遊んでいるんですけど。

 

彼らが安心と感じているのは専門家によるアドバイスの影響があるようだった。

 

アドバイザーの方が来て

 

ここは安全基準だよって言われるんですけれど。

 

そんな、彼女が語っていたアドバイザーの講演会。

 

長崎大学教授・福島県放射線健康リスク管理アドバイザー

 

「我々日本国民は日本政府の指示に従う必要があります」

 

20mSVの基準で本当に子供たちの健康は守れるのか?

 

あらためて彼の意見を聞いた。

 

20mSVは過渡的なレベルと考えたほうがいいです。

 

わからないということは、安全とも言い切れない?

 

もちろん、もちろん、

 

グレーゾーンでどこで線引きするか議論されている。

 

福島の人々はその数値を耐えろという意味?

 

もし耐えられなかったら逃げなくてはいけないですね。

 

避難どこにさせますか?あなたは?

 

子供たちの安全を保証するという発言は聞けなかった。

 

確固たる根拠の見えない基準値

 

アメリカの医師団体、PSR。ノーベル賞も受賞した団体だが

 

日本政府の決定は受け入れられないと抗議を表明している。

 

PSR、アイラ・ベルファンド医学博士。

 

日本政府が福島の子供たちの被曝許容レベルを

 

上げている決定を下したことに衝撃を受けています。

 

子供が受けるリスクは成人の2~3倍高く、

 

もしこの被曝量の基準を通せば、

 

子供200人に1人が癌を発症することになります。

 

(元放射線医学総合研究所・主任研究間・崎山比早子博士)

 

被曝によって大人よりも子供の発ガンリスクが高まる理由について、

 

元、元放射線医学総合研究所・主任研究間・崎山比早子博士はこう説明する。

 

根本的な問題は放射線は遺伝子を傷つけるという問題だと思うんですね。

 

放射線によって傷つけられた遺伝子は修復しようとする。

 

しかし、傷が多すぎると修復にエラーが起きて異変細胞を生み出す。

 

成長期は細胞分裂が盛んなので、遺伝子の修復を間違えるチャンスが大人より大きい。

 

10倍って言う人もいるぐらいです。

 

正解の見えない放射線への対応。子を持つ親たちには更なる混乱が広がっていた。

 

(民家の入り口)

 

まず、ここ踏んでください。

 

福島市に隣接する伊達市に住む、宍戸隆子さん。

 

毎回家に入るときこうやって土を落としているんですか?

 

はい、やってます。

 

帰宅時は放射性物質を持ち込まないように除染して中に入ることを徹底していた。

 

4人家族の宍戸さん。

 

中学2先生のフユキ君と小学校5年生のユズキちゃんは震災以来外で遊ぶことを許されていない。

 

何でお母さん・お父さんが外で遊んじゃいけないって言うかわかる?

 

癌になりやすいって言うから。

 

っていうことは聞いてるんだ。

 

洗濯ものも外では干さない。

 

一切窓も開けていない。

 

食材に関しても。

 

この辺だと産地がわかりますよね。県内産に関しては一切使っていません。

 

子供を守りたい一心の行動。

 

国に求めていることは?

 

迅速な情報の提供と、基準値の見直し。

 

せめて事故が起こる前の基準値まで戻してほしい。

 

それによって避難させるべきところは早急に避難させて欲しいです。

 

今一番不安なことは?

 

子供たちの屋外活動が再開されることですね。

 

政府が決めた年間20mSVという信頼が揺らぐ中

 

子供たちを守るために何が必要なのか?

 

さ、お客様です。

 

医療ジャーナリストで写真家、伊藤隼也さんです。

 

あの、専門家の小佐古参与が涙ながらに記者会見で訴えられてやめられた。

 

あの会見で、あの映像で不安が広がったって言うのはもちろんありますよね。

 

本当に年間20mSVでいいのかどうなのか?

 

文部科学省もちょっと歯切れの悪い発言ありましたよね。

 

言ってること違うじゃん。

 

そうなってくると住民は振り回されますから

 

子供を外に出さないって言う家庭ももちろんでてきますよね。

 

文部科学省が決めたのは年間20mSVです。

 

じゃ、私たちはどれくらいの放射線を受けてるかといいますと

 

平常時の東京 年間0.7ミリシーベルト

 

今回取材に行きました福島県の二本松市

 

たとえば木造住宅で一年間ずっと家から出ない、

 

それで6.7ミリシーベルト年間で被曝する。

 

レントゲン技師とか、放射線管理区域で働く人の基準値

 

「5.2ミリシーベルト」

 

チェルノブイリ原発事故の成人向け避難数値

 

「5ミリシーベルト」

 

これで、避難してくださいという指示がでたんですね。成人に。

 

これを受けて今回の20mSVがどうなのかということを?伊藤さん

 

僕は20mSVを世界の科学者がまったく認めていないということが

 

非常に問題で

 

これは直ちに撤回すべきだと思います。

 

子供は発ガンしやすという、

 

もちろんすべての人が癌になるというわけじゃないし、

 

悪戯に怖がることはないですが、

 

まずですね、子供は3倍とか、5倍とか、10倍とか、

 

大人と一緒の基準にしていることが問題ですね。

 

さらに、3つめ。

 

今回の被基準は内部被曝が考慮されていない。

 

ああやって公園とかで、こうやって今空中線量が少なくても

 

それが空気で舞い上がればまた、吸い込むわけですよ。

 

今空中線量だけで判断することは正しくない。

 

学校の基準はどれくらいにすべきだと思います?

 

小佐古さんはですね、あの時点でですね

 

少なくとも、チェルノブイリ少なくとも規制値の5ミリ。

 

あれもですね、子供はですね3ミリという話もあるんですね。

 

5ミリに設定したとしてもそれ以下にする努力。

 

ようするに限りなく1ミリに近ずける努力

 

を徹底してするべきだと、いわゆる専門家たちの一定した意見が多いと僕は思いますね。

 

子供ってすぐに避難はできないですね?

 

文科省は今、子供の避難の問題は大きな負担を与えるんだっていう話をするんですね。

 

命と負担とどっちを考えるんだっていえば

 

科学的な議論で言えば

 

まず、学校を除染する、校庭をきれいにする。

 

今ある放射線物質ををどける。まったくこれが正しいのに

 

文科省は校庭の除染は基本的にやらないといっている。

 

これとんでもないことです。

 

僕はね、すごく思うのは、子供ってこの国の未来ですよ。

 

未来をようするになぜ、国や政府はなぜ真剣に考えて

 

できる最大の努力を今しないのか。

 

菅さんぜひ僕、やってほしいと思う。

 

いろいろな専門家の方が、20mSVはどうなのか?っていう疑問のある中で

 

まとめられないって言うのは。

 

科学的には100%の根拠なんて誰も持っていない。

 

危険なことがあるのがわかってたら、

 

最大の努力をするというのが我々大人の役割ですよ。

 

ようするに、さきほどもありましたけれど、実際問題に

 

ある程度危険が想定できるときにどこに基準を合わせるというときに、

 

一番安全を目指すのが社会の姿勢じゃないですか。

 

20~30年後にどういう結果を生むかというのは誰にも予想不可能ですからね。

 

そうです。子供たちのためにどうにか考えて欲しいです。

 

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東日本大震災による 中央区の対応(4月25日現在)

2011-05-11 07:00:00 | 防災・減災

 東日本大震災への中央区の対応(4月25日現在)を見ておきます。

 区報「区のお知らせ 中央5/11」に記載されています。

 今後は、首都直下型地震などの大災害に備え、防災計画の緊急点検をせねばなりません。
 要援護者名簿の緊急整備とともに、町会・自治会ー学校ー消防団ー防災拠点運営委員会ー商店街・企業ー医療関連事業者ーNPO・ボランティアー行政等の地域の防災拠点を中心とした自助共助の顔の見える関係づくりをこれからも進めていかねばなりません。

****中央区ホームページから*****
http://www.city.chuo.lg.jp/koho/230511/01_01/index.html

東日本大震災による 区の対応

このたびの震災に対する4月25日現在の区の状況と対応は次のとおりです。

区内の被害状況
区内では、けが(軽傷)をされた方が2名いました。建物の倒壊はありませんでしたが、瓦・外壁・ガラス等の落下は66棟ありました。また、区施設では中央会館レストランでシャンデリアの落下があったほか、道路の陥没や黎明橋公園ほか3カ所の液状化と晴海で1.3メートルの津波を観測しました。


区内の被害状況
けが人:2名(軽症)
区内建築物* 建物倒壊なし、瓦・外壁・ガラスなどの落下66棟、エレベーター閉じ込め6台。
液状化: 黎明橋公園ほか3カ所で液状化の形跡があったが、大きな被害はなし。
ライフライン: 支障なし。
鉄道等交通機関 :全面ストップ。11日深夜から順次復旧。
道路・公園: 道路陥没や舗装の破損などがあったが大きな被害はなく仮復旧等で対応済。十思公園、浜町公園で灯篭5基の転倒があったが大きな被害はなくカラーコーンなどで対応。
保育園: 区立(2園)、認証(3園)で各1名計5名の園児のうち、4名を翌日深夜に、1名を翌日午前11時半に保護者に引き渡す。
小中学校在学児童・生徒 :11日午後8時 304名(12日午前10時引き渡し終了)。教職員など332名が学校で児童・生徒および帰宅困難者に対応。
高齢者施設 :マイホームはるみ14名、マイホーム新川6名のデイサービス利用者が宿泊。
区の施設: 人的被害なし。全ての施設でエレベーター停止があったが閉じ込めなし。中央会館レストランでシャンデリア落下があったが補修済み。一部施設で壁面にひび割れなどあるものの構造上の問題はなく、順次補修中。ヴィラ本栖で停電があるも、その後電力が復旧。


帰宅困難者の受入れ
3月11日(金曜日)午後6時、都災害即応本部から帰宅困難者の受け入れ依頼があり、区では防災拠点となっている小・中学校等19カ所で受け入れました。


区内の被害状況 受入れ人数: 12日午前3時 最大2,034名(12日正午終了)
従事職員数: 第二非常配備態勢をとり、職員376名が水、食料、毛布等の配布や交通機関情報の提供など、避難所の運営に従事。


被災自治体への支援

物資支援:

岩手県(3月14日)
災害対策本部
おかゆ・アルファ米・パン缶・クラッカー・缶詰・カロリーメイトなど16,750食、飲料水500リットル、粉ミルク60缶

福島県(3月14日)
災害対策本部
おかゆ・アルファ米・パン缶・クラッカー・缶詰・カロリーメイトなど16,750食、飲料水500リットル、粉ミルク60缶

石巻市(4月6日) レトルト食品20,000食、ランドセル1,000個、スコップ200丁、土のう袋500袋、レインスーツ1,000着

仙台市(4月13日) レトルト食品4,000食

石巻市(4月21日) 野菜ジュース20,000本

石巻市(4月22日) マヨネーズ1,400本、味噌1㎏ 1,630個、チョコレート10,000個、海苔1,200パック

陸前高田市(4月22日) レトルト食品16,400食、チョコレート7,000個

大船渡市(4月22日) レトルト食品6,300食、マヨネーズ1,000本、味噌1㎏ 1,000個、チョコレート3,000個

◎区内の企業や団体から寄贈された物資を含みます。物資の輸送は東京都トラック協会中央支部のご協力をいただいています。

人的支援:
国・都から23区への要請に基づき、建築技術職3名、清掃事務所職員11名(清掃車2台)、保健師等4名を派遣しています。さらに、区独自の支援として宮城県石巻市へ事務職員延べ28名を5月末まで派遣しています。

就労・住宅支援:
 地元企業での就職の内定を取消された石巻市の方を対象に、区の非常勤職員として採用し、併せて職員住宅の無償提供を申し出ています。
 また、同市の避難所で生活している障がいのある方とその家族に住宅を提供します。

 

義援金
 区役所、日本橋・月島特別出張所など48カ所に募金箱を設置しています。
・お寄せいただいた義援金額(4月25日現在) 5,084万2,814円
・23区共同で義援金10億円を拠出します。

 

節電対策
 電力不足に対応するため、当面、区施設のエレベーターの一部停止や消灯、一部の道路・公園の照明の消灯に加え、5月から幅員11メートルを超える区道の街路灯も消灯しています。また、夜間の運動場と校庭開放を休止しています。

 

行事・イベント
 東京湾大華火祭は、電力消費がピークとなる真夏の夜間に大量の電力を消費することや、停電が発生した場合あるいは節電による観客の安全確保などの観点からやむを得ず中止することとしました。
 しかし、大江戸まつり盆おどり大会をはじめ例年行われている諸行事は、節電や被災された方の心情などに配慮しながら確実に実施してまいります。

 

【問合せ先】
防災課防災係
電話 03-3546-5287

 

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