「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における暫定的な考え方」に対する日本医師会の見解

2011-05-13 09:24:10 | NPO・地域力
 ようやく、日本医師会からも見解が出されました。

 では、国としてどのような行動を具体的にとるべきか、見解では言及は
ございませんが、「1~20 ミリシーベルトを最大値の20 ミリシー
ベルトとして扱った科学的根拠が不明確」であることを明らかに
するとともに、20mSvを子どもに許容してはならないことは、
見解から伝わる内容です。

 政府が子ども達の安全を守るために最大限の努力をされることを
強く要望いたします。

*****日本医師会の見解*****
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110512_31.pdf

平成23 年5 月12 日

文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における
暫定的な考え方」に対する日本医師会の見解

社団法人 日本医師会

 文部科学省は、4 月19 日付けで、福島県内の学校の校庭利用等に
係る限界放射線量を示す通知を福島県知事、福島県教育委員会等に
対して発出した。
 この通知では、幼児、児童、生徒が受ける放射線量の限界を年間
20 ミリシーベルトと暫定的に規定している。そこから16 時間が屋
内(木造)、8 時間が屋外という生活パターンを想定して、1 時間当
たりの限界空間線量率を屋外3.8 マイクロシーベルト、屋内1.52 マ
イクロシーベルトとし、これを下回る学校では年間20 ミリシーベ
ルトを超えることはないとしている。
 しかし、そもそもこの数値の根拠としている国際放射線防護委員
会(ICRP)が3 月21 日に発表した声明では「今回のような非常事
態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20 ミリ
シーベルト/年の範囲で考えることも可能」としているにすぎない。
この1~20 ミリシーベルトを最大値の20 ミリシーベルトとして
扱った科学的根拠が不明確である。また成人と比較し、成長期にあ
る子どもたちの放射線感受性の高さを考慮すると、国の対応はより
慎重であるべきと考える。
 成人についてももちろんであるが、とくに小児については、可能
な限り放射線被曝量を減らすことに最大限の努力をすることが国の
責務であり、これにより子どもたちの生命と健康を守ることこそが
求められている。
 国は幼稚園・保育園の園庭、学校の校庭、公園等の表面の土を入
れ替えるなど環境の改善方法について、福島県下の学校等の設置者
に対して検討を進めるよう通知を出したが、国として責任をもって
対応することが必要である。
 国ができうる最速・最大の方法で、子どもたちの放射線被曝量の
減少に努めることを強く求めるものである。
コメント (12)
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