文科省は、年間1mSvを“即座に”目指すことはしないのでしょうか?
「福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」(平成23年5月27日)の文書は、いったいなんだったのだろうか。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1306590.htm
「全体の限度を年間1ミリにしたら、福島県内で義務教育ができなくなる」(文科省のある幹部)の発言は、たいへん気になります。
http://www.youtube.com/watch?v=VPbHnNdX_OA
(2011/05/27 放送)
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1306598.htm
参考までに、文科省記者会見では、
平成23年5月27日(金曜日)
大臣)
改めて私の方から皆様方に申し上げます。
資料をお配りしておりますように、福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応ということについて申し上げます。
文部科学省においては、暫定的考え方に沿って、学校における児童生徒等の受ける線量を低減させ、より安心して教育を受けられる環境の構築を目指しており、さらなる取組を行うことといたしました。その内容をお示しの「福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」として取りまとめておりますので、今日公表いたします。
その内容でありますけれども、まず福島県内における学校等の校庭等の土壌対策に関しましては、去る5月17日に原子力災害対策本部において原子力被災者への対応に関する当面の取組み方針を策定をしております。この中で教育施設における土壌等の取扱いについて、早急に対応する旨が明記されたところであります。
また一方で、先の第一次補正予算によりまして、県内の全幼稚園、小中高等学校、高等専修学校、保育所等に携帯できる積算線量計を配布することになりました。本日配布をいたしました。これにより、各学校における年間の積算線量を測定することが可能になりました。このため、これを機に、暫定的考え方で示した、今後できる限り児童生徒等の受ける線量を減らしていくという基本に立って、今年度学校において児童生徒等が受ける線量について、当面年間1ミリシーベルト以下を目指すこととして、また校庭等の土壌に関して、児童生徒等の受ける線量を低減する取組みに対して、学校施設の災害復旧事業の枠組みで財政的支援を行うことといたしました。
以上、私どもとしましては、重ねて申し上げますが、より安心を確保できる方策として、今回政府の方針、あるいは現場における線量計での測定、こういったものが可能になりましたので、これに合わせて、今日このように改めて年間1ミリシーベルト以下を目指すということを国民の皆さん方、また被災者の皆様方、あるいは現地の皆さん方にもお知らせをすることにいたしました。
こちらからは以上でございます。
鈴木副大臣)
それでは、引き続きましてお手元にお配りをいたしました資料について、私の方から御説明を申し上げたいと思います。
まず1点目でございますけれども、もう既に御案内のとおり、4月19日に今後児童生徒及び幼児・園児の受ける線量を減らしていくことが適切であるということを通知をいたしております。そして、この暫定的な考え方に基づきまして、これまでも多様な放射線モニタリングの実施・強化をいたしておりました。5月11日には、校庭・園庭の土壌に関し、まとめて地下に集中的に置く方法など、線量低減策を教育委員会等にお示しをいたしておるところでございます。
今も大臣から申し上げましたように、5月17日に原子力災害対策本部により策定をされました当面の取組み方針におきまして、教育への支援の一環として、福島県内の教育施設における土壌等の取扱いについて、早急に対応をしていく旨が明記をされました。
この方針も踏まえまして、文部科学省において今後暫定的考え方に沿って、学校内において児童生徒等の受ける線量を低減させ、より安心して教育を受けられる環境の構築を目指し、さらなる取組を推進する必要があるということでございます。
このため、次のページをめくっていただきますと、今日、福島県教育委員会の協力のもと、福島県内のすべての学校等に対して、積算線量計を配布をいたします。今日、午前と午後2回に分けて、全教育委員会関係者を、福島県教育委員会で招集をされて、線量計を手渡しをするという段取りと聞いております。そして、その使い方の説明等々を行って、そして6月1日から児童生徒の受ける実際の積算線量のモニタリングを福島県内の全校で開始をしていただきます。そして、この暫定的考え方で示しました、できる限り児童生徒の受ける線量を減らしていくという基本に立って、今年度学校において児童生徒等が受ける線量について、当面年間1ミリシーベルト以下を目指すと。なお、引き続き、児童生徒等の心身の健康・発達等に関する専門家等の意見を伺いながら、さらなる取組みの可能性について検討をすることといたしております。
3点目でございますが、当面の取り組み方針を踏まえ、さらなる安心確保のため、文部科学省または福島県による調査結果に基づき、校庭・園庭における土壌に関し、児童生徒の受ける線量の低減策を講じる設置者に対しまして、公立学校では、ほぼ10割国の負担ということを指しておりますが、その財政支援を行うことといたします。
対象につきましては、土壌に関する線量低減策が効果的ということとなる校庭・園庭の空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以上の学校とし、これは6月1日ごろからこの測定を再度全校について行いまして、その結果に従って、この1マイクロシーベルト以上の学校ということを見極めていきたいというふうに思っておりますけれども、設置者の希望に応じて財政的支援を実施するという中身でございます。
以上でございます。
記者)
土壌の件に関して、財政支援をするその対象校ですが、毎時1マイクロシーベルト以上の学校というふうに設定したこの基準は何でしょうか。
鈴木副大臣)
この土壌の低減策というものによって、正に受ける線量の低減というものが望める水準というものが、これまでの幾つかの事例を参考にいたしますと、要するに土壌への対処前が何マイクロであったとしても、措置後がおおむね毎時1マイクロシーベルト以下になるわけでありますので、したがって土壌に対する対応というものの有効性が、正に1マイクロシーベルトというのが一つの目安になっていると、こういうことでございます。要するに、この低減策が有効であるというラインが毎時1マイクロシーベルト程度であるということでございます。
記者)
先ほど、6月1日ごろから測定ということであったと思うんですけれども、既に取っている学校とかがあると思うんですけれども、その学校というのは改めてその場で測定するのか、とった時点での数値を測ったものをとるのか、その辺はいかがでしょうか。改めてその場で提出するのか。
鈴木副大臣)
とって、1マイクロシーベルト以下であれば、さらなる措置は必要ありませんけれども、既に先ほど申し上げました学校施設災害復旧事業の枠組みでの財政支援の対象になるか否かという御質問だというふうに理解をさせていただくとするならば、既に学校設置者の判断によって、表土の削り取りなどを行った学校で、そして土壌に関する線量の低減が図られているものについては、この災害復旧事業の枠組みでの財政支援の対象としてまいりたいというふうに考えております。
記者)
今既にやっている学校は、ほぼ全校対象になるというお考えでしょうか。
鈴木副大臣)
基本的にはそういうことでございます。土壌に関する線量の低減が具体的に図られているというものについて、財政的支援の対象といたします。
記者)
有効な低減策ということなんですけれども、郡山市の場合、取ったものをそのまま放置しているということがあると思うんですけれども、これに関しては支援の対象とするのでしょうか。
鈴木副大臣)
土壌処理が完了し、そして線量低減が図られているということに該当するようになった場合には、この支援の枠組みの対象になり得るというふうに御理解をいただきたいと思います。
記者)
その場合は、処理した土壌を持って行くところまで国の支援という形になるんですか。
鈴木副大臣)
基本的には、子どもを主体に考えて、子どもが受ける線量が下がっているのか、下がっていないのかということであります。そのあたりを地元等々とも御相談をしながら、あるいは様子を伺いながら判断していくと、こういうことになると思います。
記者)
国費の負担がほぼ10割というお話でしたけれども、これは1マイクロシーベルト以上であれば、3.8マイクロシーベルトで特にラインとかをつくるのではなく、同じような扱いでほぼ10割国の負担ということですか。
鈴木副大臣)
基本的にそういうことで結構でございます。
記者)
大臣にお伺いしたいんですが、これはあくまで元々は自主的に自治体がやってきたことだと思うんですが、改めてこうやって国費でそれを支援することの意義というか、その辺はどういうふうに。
大臣)
これは先ほどもお話ししましたように、新たな発電所、サイト側の今後の方針、ロードマップ、こういうものが示され、そして我が国、政府としても、これに対応する取組みの中で、この校庭等のことについても、できるだけ不安がないように取組みを進めるという、これは明記されていましたし、それから全校に線量計も配布するという手順も整っておりますので、私たちとしては、これまで申し上げたことの、より安心感を持っていただくための措置だということです。
記者)
原子力安全委員会の方で、これまで再三にわたりましてモニタリングのやり方について委員の皆さんから文科省に再考するようにということで御指示があったかと思うんですが、今回のお配りになる線量計の測定のやり方みたいなことは統一してもらうようになるんでしょうか、それとも個別の学校にお任せされることになるんでしょうか。
鈴木副大臣)
モニタリングのやり方等については、これまでも原子力安全委員会と綿密に相談をしてきてやっております。既に55の学校についてモニタリング調査を行っております。正に児童生徒と行動を共にする教職員が積算線量計を身に付けて、始業時及び終業時の積算線量計の数値を確認をし、その時間と数値を記録・保存をするというやり方でやってまいりました。約1,700強が追加的に配布をされるわけであります。これでトータル約1,800ぐらいになるんだと思いますけれども、その学校はこれまで55校でやっている方法と同じ方法で統一的に実施をするということでございます。その説明を本日、教育委員会にやっていただき、そして来週の月曜日、火曜日等々できちっと徹底をしていただくということでございます。
なお、笠大臣政務官には来週早々に現地に行っていただいて、この方針に基づくさまざまな説明、あるいはさらなる御相談に、福島現地に赴いていただきたいというふうに考えております。
記者)
あと財政措置の関係なんですが、いわゆる対象となる学校が大体数として見込めているのか、金額とか、あと財政措置としては補正でやるのか、23年度の既にある予算でやるのか。
鈴木副大臣)
これは第一次補正でやります。学校については今日考え方をお示しいたしました。校数については予断をもって臨むのは適切でないと思いますので、それも含めて、まず淡々と客観的なデータに基づいてやっていきたいということでございます。要するに、子どもに必要な低減策を講じる設置者については、しっかりと支援をするということが基本論であります。具体的にどういった学校になっていくのかということについては、来週また笠政務官に現地に赴いていただいて、その調査のやり方等々、実施のタイミング、そしてその報告のいただき方ということは見極めていきたいというふうに考えております。
(了)