「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

メモ:茨城県小美玉市スポーツシューレ建設計画

2011-09-11 23:00:00 | 社会問題
茨城県小美玉市スポーツシューレ建設計画 (シューレ=学校)

メモとして、書き置きをさせていただきます。

合併特例債を用いて、建設。
小美玉市は、三つの市町村の合併。
合併前のひとつの地域には、霞ヶ浦水辺の計画。
もうひとつの地域には、茨城空港開港。
そして、この地域には、このスポーツシューレの開発を、新市制の開発計画に位置づけた。

サッカー場、当初7面計画を現在は、5面に減らし残りを市民活動広場にし提案中。
市議会でも議論されたが、そのつど承認されてきた。

合併特例債を、東日本大震災後の復旧に振り分けることは制度上できない。
市の各地には、東日本大震災で、道路復旧がまだの地域などあり。

採算性、年間1千~3千万円の赤字。

5万人の市民のうち、反対署名が1万集まっている。

市民の疑問は、
*今の時期、サッカー場よりは、大震災後の復旧をすべき。

*赤字を出してまでして、施設はいらない。

*土地の買収にあたってのこと。



市議会選挙は、この11月。


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社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会 計画部会 緊急提言「津波防災まちづくりの考え方」

2011-09-11 10:35:33 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 以下、津波防災まちづくりの考え方に関する緊急提言が出されていましたので、こちらでも掲載をいたします。

 分量7ページにまとめられたものです。

 問題意識を、以下3点にもって、提言されています。
1)被災地による地域ごとの特性を踏まえた復興プランの作成に資するため、津波 防災とまちづくりの考え方を国が提示することが求められている。

2)東海・東南海・南海地震等の発生も懸念される中、被災地のみならず津波によ る大きな被害が想定される地域においては、津波災害に強いまちづくりを進める 必要がある。

3)「津波防災まちづくり」の具体的な施策の検討に資するため、そのための社会 資本整備のあり方、ハード・ソフト連携のあり方を整理して示す必要がある。
 

*****国土交通省ホームページ******
http://www.mlit.go.jp/common/000149628.pdf

社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会 計画部会 緊急提言
「津波防災まちづくりの考え方」

平成23年7月6日
社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会 計画部会

目次
1 基本認識........................................................................1
(1)検討にあたり留意すべき事項.........................................................1
(2)検討にあたっての問題意識............................................................3

2 津波防災まちづくりについての考え方.................................3

3 上記考え方に照らし今後解決すべき課題..............................4
(1)国の役割....................................................................................4
(2)災害に対する情報共有、相互意思疎通と、具体的な避難計画の策定等...4
(3)土地利用・建築構造規制...............................................................5
(4)津波防災のための施設の整備等......................................................5
(5)早期の復旧・復興を図るための制度................................................6
(6)津波防災まちづくりを計画的、総合的に推進するための仕組み............6

4 持続可能で安全な国土や生活、地域等を維持するための 社会資本整備のあり方に関する検討の視点...........................7


津波防災まちづくりの考え方

1 基本認識
(1)検討にあたり留意すべき事項
 今回の東日本大震災は、我が国の観測史上最大のマグニチュード9.0という巨大 な地震と津波により、広域にわたって大規模な被害が発生するという、未曾有の災害 となった。
 「災害には上限がない」ことを、多くの国民が改めて認識することとなり、 想定を超える大規模な災害が発生しても、避難を誘導すること等を通じて、とにかく 人命を救う、ということが重要であるにもかかわらず、それは容易なことではない、 という問題意識が共有されつつある。当部会としても、今回の震災を教訓とし、「国 民の安全・安心を守る」という社会資本整備の使命を踏まえ、大震災を踏まえた今後 の津波防災まちづくりの考え方について、早期に方向性を示すことが求められている。
 我が国の防災対策と社会資本整備の歩みを振り返ると、時代の要請に応じて、その 理念や手法を変化させてきた。現代の防災対策は、昭和34年の伊勢湾台風を契機に 制定された災害対策基本法及び同法に基づく防災基本計画において、その基本が定め られた。防災の目的は「国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する」 ものとされ、防災行政を総合的かつ計画的に推進することとされた。なお、いつどこ で発生するか分からない地震災害については、予防よりも応急対策、事後対策に重点 が置かれ、「事前」対策は、国土保全事業としての治水対策等が中心であった。
 高度経済成長期に入ると、市街化の進展に対応し、社会資本整備とまちづくりの調 和が一層求められるようになった。例えば、都市計画法において市街化区域・市街化 調整区域の区分や、開発許可制度が定められるとともに、郊外の宅地開発の進展に伴 い、急傾斜地の崩壊対策など土砂災害対策の重要性が一層増していった。
 平成 7 年に発生した阪神・淡路大震災は、地震対策における「減災」対策の重要性 が強く認識される契機となった。道路、港湾などの公共施設や、鉄道・ライフライン などの公益施設が多数破壊され、暮らしや経済活動をおびやかすとともに、数多くの 建築物が一斉に倒壊し多くの死傷者を生んだことから、建築物の耐震化の重要性が認 識され、公共施設・公益施設の耐震化が強力に進められるとともに、住宅の耐震改修 に対しても公的な支援制度が創設されるきっかけとなった。
 「減災」を重視する考え方は、その手法とともに更に発展し、ハード事業だけでな くソフト事業も組み合わせた総合的な防災対策が制度的に取り組まれるようになって きた。
 例えば、土砂災害については、宅地開発の一層の進展に伴い土砂災害の発生する恐 れのある危険な箇所が年々増加していく中で、これらの全てを対策工事により安全な 状態にしていくには膨大な時間と費用が必要となってきたこと、また、都市水害については、市街化の進展に伴い、河道等の整備による浸水被害の防止が困難な都市部に おいて、降水の地中浸透が弱まることで短時間にピーク流量に達するなどの課題が顕 在化してきたことなどから、平成12年には土砂災害防止法が、平成15年には特定 都市河川浸水被害対策法が制定され、土砂災害警戒区域の指定やハザードマップの整 備による警戒避難体制の整備など、ソフト施策をより重視する取組が行われるように なった。
 さらに、中央防災会議は、大規模地震について、事前対策を一層加速させ、被害の 軽減を図るため、被害想定をもとに人的被害、経済被害の軽減について「減災目標」 を定めるという方針を決定した。この方針に基づき、平成 17 年 3 月には、東海地震、 東南海・南海地震の「地震防災戦略」を策定し、今後10年で死者数、経済被害額を 半減することを目標に掲げ、目標を達成するために住宅の耐震化率を90%に引き上 げることとした。
 他方、社会資本整備については、公共事業に対する批判の高まり等を背景に、公共 事業の透明性をそれまで以上に確保することが求められるようになったことなどか ら、事業評価を通じた公共事業の効率性及び透明性向上に向けた取組みが進められた。
 さらに、政策課題への重点的な取組や、より低コストで質の高い事業を実現すると いった時代の要請に応じ、一層重点的、効果的かつ効率的に推進していくことが求め られる中で、「社会資本整備重点計画」を策定することにより、社会資本整備に係る 計画の重点を、国民が享受する成果の重視に転換するとともに、事業間の連携を一層 深める努力がなされた。
 また、地方分権が進む中で、平成17年に成立した国土形成計画法においては、全 国計画だけでなく、地方ブロックごとの広域地方計画をつくることとされ、国と地方 の協働によりビジョンが策定されることとなった。さらに、厳しい財政状況の下で公 共事業費が削減される中で、社会資本の老朽化と維持管理の問題などが注目されるよ うになり、「選択と集中」が重要な要素となってきている。
 これまで、我が国では被災した三陸地方をはじめ、巨大津波による災害が繰り返さ れてきた歴史があるが、津波災害の経験と教訓を次世代にも継承し、将来の被害をで きる限り軽減するためには、防災・減災のための具体的な取り組みを、世代を超えて 持続させることが必要であり、そのための仕組みが求められている。
 以上を踏まえると、これまで津波対策については、一定頻度の津波レベルを想定し、 主に海岸堤防などのハードを中心とした対策を行って来たが、今回のような低頻度で はあるが大規模な津波災害に対する減災の考え方を明確にするとともに、以下のよう な点に留意し、具体的な取り組みを進める必要がある。
・自助・共助・公助を踏まえた国の役割
・ハード・ソフトの連携(組み合わせ)
・限られた財源等の中での効果的な施策展開


(2)検討にあたっての問題意識
5月18日の当計画部会において、国土交通大臣から以下の問題意識が示されてお り、これに答える必要がある。

1)被災地による地域ごとの特性を踏まえた復興プランの作成に資するため、津波 防災とまちづくりの考え方を国が提示することが求められている。

2)東海・東南海・南海地震等の発生も懸念される中、被災地のみならず津波によ る大きな被害が想定される地域においては、津波災害に強いまちづくりを進める 必要がある。

3)「津波防災まちづくり」の具体的な施策の検討に資するため、そのための社会 資本整備のあり方、ハード・ソフト連携のあり方を整理して示す必要がある。


2 津波防災まちづくりについての考え方
○ 津波災害に対しては、今回のような大規模な津波災害が発生した場合でも、 なんとしても人命を守るという考え方に基づき、ハード・ソフト施策の適切な 組み合わせにより、減災(人命を守りつつ、被害を出来る限り軽減する)のた めの対策を実施する。

○ このうち、海岸保全施設等の構造物による防災対策については、社会経済的 な観点を十分に考慮し、比較的頻度の高い一定程度の津波レベルを想定して、 人命・財産や種々の産業・経済活動を守り、国土を保全することを目標とする。

○ 以下のような新たな発想による津波防災まちづくりのための施策を計画的、 総合的に推進する仕組みを構築する。

1)地域ごとの特性を踏まえ、ハード・ソフトの施策を柔軟に組み合わせ、総 動員させる「多重防御」の発想による津波防災・減災対策。

2)従来の、海岸保全施設等の「線」による防御から、「面」の発想により、 河川、道路や、土地利用規制等を組み合わせたまちづくりの中での津波防 災・減災対策。

3)避難が迅速かつ安全に行われるための、実効性のある対策。

4)地域住民の生活基盤となっている産業や都市機能、コミュニティ・商店街、さらには歴史・文化・伝統などを生かしつつ、津波のリスクと共存するこ とで、地域の再生・活性化を目指す。

○ 防災・減災対策の計画や施設の設計にあたっては、被災時の事業継続及び迅 速な応急対応や、被災後の国民生活と産業活動の早期復旧が可能なものとなる よう、配慮することが重要。

○ 沿岸低平地の土地利用が多い我が国の特性を踏まえ、地域の特性に応じ、想 定される津波被害に応じた適切な対策を講ずることで、津波災害に強い国土構 造への再構築を目指す。


3 上記考え方に照らし今後解決すべき課題
(1)国の役割
1 国は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有する ことに鑑み、国民の防災意識を高めるとともに、津波災害に強いまちづくりの推 進を国の政策として確実に実施することを明確にするため、そのための制度的基 盤を整備するとともに、その基本的な指針を、地方の実情を踏まえ、国が定める こととすべき。

2 地域ごとの津波防災まちづくりの実施については市町村によることが基本だ が、要請等を踏まえ、技術的な面については、都道府県とともに国が積極的に支 援すべき。


(2)災害に対する情報共有、相互意思疎通と、具体的な避難計画の策定等
1 自助・共助・公助の考えのもと、それぞれの主体が日常的に防災・減災のため の行動と安全のための投資を持続させることが重要。そこで、正しい防災知識を 普及させ、例えば物資の備蓄や耐震補強など安全への投資に対するインセンティ ブが働くよう、防災教育の普及・啓発を推進すべき。

2 地域ごとに津波防災の方針、避難人数、避難時間、避難路・避難場所等を想定 した具体的な避難計画及び備蓄等の計画を検討すべき。

3 上記を推進するため、科学的知見に基づいて想定される津波浸水区域・浸水深 等の設定、それに基づく津波ハザードマップの作成及び周知、避難をはじめとす る防災訓練の実施、情報収集・伝達体制の確保、事業者ごとの避難計画の策定、 地域が一体となった防災教育等を徹底・推進すべき。ハザードマップ等による津 波危険性の住民への周知状況や訓練の実施状況の確認も適宜実施すべき。

4 上記を実行する際には、まちづくり、土地利用のあり方について、住民や行政 などの関係者間で話し合いを進め、十分な合意形成を図ることが重要である。

5 津波検知システムや観測情報の伝達システムの高度化、避難誘導支援システム、 施設の被害に関するモニタリング手法等に係る技術の開発、整備を推進すべき。

6 「災害には上限がない」ことを教訓に、本提言に示すような各種の対策を講じたとしても、油断せず、防災・減災のための取り組みを持続させることが重要で ある。


(3)土地利用・建築構造規制
1 津波災害によるリスクを回避するために、津波災害により大きな被害を受ける おそれがある区域において建築に関する制限をするには、基本的な制度である建 築基準法に基づく災害危険区域制度の活用を図ることが考えられる。

2 一方、土砂災害防止法(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進 に関する法律)は、土砂災害の発生のおそれのある区域では警戒避難体制の整備、 そのうち著しい危害を生じるおそれのある地域では、一定の開発行為に対する制 限、建築物の構造規制等を行うなど、想定される災害の被害の度合いに応じた区 域指定・解除や区域内での規制内容を法令に定めており、全国で20万箇所以上 の指定実績がある。津波防災に関しても、これを参考にした制度導入を検討すべ き。

3 津波被害が想定される沿岸地域は、一般的に市街化が進んだ都市的機能が集中 するエリアであることから、今後検討する土地利用規制については、一律的な規 制でなく、立地場所の津波に対する安全度等を踏まえて、市街化や土地利用の現 状、地域の再生・活性化の方向性を含めたまちづくりの方針など多様な地域の実 態・ニーズに適合し、また、津波防災のための施設整備等の進捗状況に応じた見 直し(解除や制限緩和等)も可能となるような制度とすることが求められる。

(4)津波防災のための施設の整備等
1 海岸保全施設、港湾施設、河川管理施設等については、社会経済的な観点や、 まちづくりやソフト施策との組み合わせを踏まえながら整備等を行う。その際に は、施設に過度に依存した防災対策には限界があることを認識しつつ、低頻度で はあるが大規模な外力に対しても粘り強さを発揮する構造とすることについても 検討すべき。

2 上記の海岸保全施設や港湾施設等による防御効果に加え、例えば、二線堤(浸 水の拡大を防止する機能を持つ道路等の盛土等)、宅地、公共施設の盛土等、津 波防護(津波被害の軽減)に寄与する施設を「津波防護施設(仮称)」として位 置づけ、活用すること等について検討すべき。

3 過去の津波災害でも高台への移転が行われ、一定の効果を上げた例があるが、 被害が広範囲に渡る場合の移転先の高台には限りがあり、また、暮らしを元に戻 すために平地を利用したまちづくりを求める意見も多い。そこで、津波防災まち づくりにおいては、防災・減災対策を充実させることはもちろん、地域コミュニ ティ・商店街や歴史・伝統・文化などを大切にしつつ、生活基盤となる住居や地 域の産業、都市機能等が確保され、地域の再生と活性化が展望できるまちづくり とすることが重要である。このため、例えば、公共公益施設・生活利便施設・交通インフラを含む市街地の整備・集団的移転や、住宅の中高層化、土地区画整理 事業等における街区の嵩上げ、津波防災に資する緑地の整備などの手法について も、検討すべき。

4 (2)の具体的な避難計画等に基づき、安全で迅速な避難を可能とするため、 ソフト施策の充実を図るとともに、それをハード面でも支援する避難路、避難場 所等の計画的確保策を講ずべき。地域・地形条件等によっては避難時の自動車の 利用も想定し、避難路やICTを十分活用した避難システムの整備を検討すべき。

5 津波の被災によって、地域が相当の期間孤立することを防ぐことが重要であり、 そのために、道路網や港湾等のネットワークとしての信頼性を評価し、選択的に 対策を講じることが必要である。


(5)早期の復旧・復興を図るための制度
1 被災地の早期復興に資する特例的施策(農地と住宅地の一体的整備に係る手続 のワンストップ化、所有者の所在不明土地の取扱、復興を先導する拠点的な市街 地の整備手法等)を検討し、今災害から速やかに適用すべき。

2 被災時のがれき処理の方法、仮設住宅の設置場所、物資の流通の確保のための 方策等を事前に定める等、被災しても国民生活と産業活動の早期の復旧・復興を 可能とする事前の取り組みを有効活用すべき。

3 国土交通大臣がTEC-FORCEの派遣等を通じて行っている被災状況調 査、湛水排除等の被災地方公共団体への支援活動を引き続き円滑かつ確実に実施 できるよう制度上も明確に位置づけることについて検討すべき。


(6)津波防災まちづくりを計画的、総合的に推進するための仕組み
1 上記(1)~(5)を含め、地域ごとの特性を踏まえ、津波防災・減災に関す る多様な事業・施策を事業の縦割りを排して柔軟に組み合わせるとともに、国と 地方公共団体とが適切に連携することで、「総力戦」により進めることが必要。 そのため、従来の発想をこえて、津波防災・減災の事業・施策をまちづくりと一 体となって実施することを可能とするような仕組みについて検討すべき。

2 具体的には、津波防災・減災に関する多様な事業・施策を、地域の特性、風土、 実情に応じて選択し、地方公共団体の計画に位置づけることで、計画的、総合的 に推進する仕組みとして検討すべき。また、今般の震災に関して、各地域間にお いて高規格道路などにより連絡性を高め、地域間の連携と役割分担をしながら復 興を進めることが重要である。

3 今般の津波災害を踏まえ、今回の被災地以外でも津波により大きな被害を受け る可能性のある地域において、津波対策の実施状況等の点検を速やかに行うとと もに、必要な対策を迅速に行うようにすべき。

4 持続可能で安全な国土や生活、地域等を維持するための社会資本整備のあり方に 関する検討の視点
 今回の大震災により、我が国は地震・津波の大きなリスクにさらされていること、 何よりも社会資本整備の最も重要な使命が「国民の命と暮らしを守る」ことにある ことを、国民の多くが改めて認識した。
 また、個々の社会資本は、本来その施設が求められる機能を十分に発揮するだけ でなく、他の施設やソフト施策との組み合わせにより、総合的かつ多様な効果を発 揮することが期待される。
 社会資本整備に求められる使命を十分に果たすためには、今後もこのような大災 害が発生しうることを念頭に、津波対策の考え方の中で明らかにしてきた、低頻度 で大規模な災害に対する「減災」の考え方について、他の災害対策にどのように反 映されるか等について検討し、以下の視点から、限られた財源の中で最も合理的か つ効率的に、持続可能で安全な国土や生活、地域等を維持するための社会資本整備 のあり方について検討すべきである。
 なお、これらの取り組みを一過性でなく着実なものとするため、施策に位置づけ て、計画的に推進することが必要である。

○ 災害への対応力を高めるための構造物の耐力向上 今後発生すると想定されている首都直下地震、東海・東南海・南海地震等の大規模地震や、台風等による風水害、土砂災害などの災害においても、大規模 な被害の発生を防止するため、ソフト施策との連携を図りつつ、構造物の災害 への対応力の向上などにより、強靱な国土基盤の構築を図ることが重要である。
 そのため、個々の構造物について、その機能を十分に発揮し続けることがで きるよう適切に維持管理・更新を行うことが重要である。また、必要に応じて 個々の構造物の耐震性・耐浪性を確保するほか、外力に対してできる限り粘り 強く作用するよう検討すべきである。

○ 災害の発生により損なわれる機能をカバーするシステムの構築 今回の大震災のような未曾有の大災害が生じた場合であっても、国民の安全 ・安心を確保するためには、それぞれの機能に応じ、国土全体や、地域全体で 支え合える体制を構築する等、災害に強いしなやかなシステムを持つ国土への再構築を図ることが重要である。 そのため、相互ネットワーク化を通じたバックアップ体制の強化に向け、特に災害発生時の緊急輸送路等の確保に向けた代替性・多重性の確保について検 討すべきである。また、避難や救援活動の拠点として、例えば道の駅やSA/ PA、駅前広場等を計画的、積極的に活用するための方策についても検討すべ きである。

○ 地域の産業・経済を支える都市・交通基盤等の形成 地域の産業が甚大な被災を受けたことにより我が国産業全体ひいては世界へも影響が及んだ。従って、大災害による日本経済、国際競争力の低下を防止す るため、インフラ整備全体の「選択と集中」を図る中で、我が国の基幹産業、 地域産業を支える都市・交通基盤を災害に強いものにすることが重要である。

○ 災害に強く、暮らしの安全・安心を守り、環境と調和したまちづくりの実現 人口減少や高齢化の進展に伴い、地縁型のコミュニティが弱体化し、地域社 会の防災力の低下が懸念される。そのため、高齢者等に配慮し、住民相互や地 縁型コミュニティの中で助け合う共助を進められるよう、住民間の交流の場づ くりや相互扶助など地域コミュニティを維持・再生し、住民相互のコミュニケーションを通じた防災意識の強化を図ることが重要である。 また、災害に強いまちづくりを進める際には、コンパクトなまちづくり、再 生可能エネルギーの導入など低炭素社会の実現や、災害廃棄物のリサイクルな ど循環型社会の実現、自然との調和などの視点のほか、日常生活を支えるモビ
リティの確保等にも十分配慮すべきである。
 さらに、社会資本整備を効果的・効率的に進めるための取組として、以下の事項 について留意する必要がある。

○ 地域主体の災害に強いまちづくり 社会資本の計画や整備にあたっては、地域住民、NPOなど、まちづくりの
活動を行う主体と連携・協働して進める必要がある。 また、民間の能力・資金の活用についても積極的に検討する必要がある。

○ 防災技術に関する技術研究開発 今回の震災の教訓を踏まえ、ハード・ソフト両面で防災・減災効果の向上に
資する技術研究開発を進めることが重要である。
 計画部会では、「大震災を踏まえた今後の社会資本整備のあり方」について、今 夏を目途に「中間とりまとめ」を行うこととしているが、上記の視点から、持続可 能で安全な国土や生活、地域等を維持するための具体的な施策や事業について、今 後の検討を進めることとする。
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