まず、最初に念のためのお断りをしておきます。
私は、法科大学院に来年4月から通いますが、クリニックの診療と必ず両立を致します。幸いにして私が通う法科大学院は、夜間に授業がなされますので、診療時間とはかぶりません。
本題に入りますが、本日、法科大学院の合格通知を手にしました。
法科大学院で、法律を一から学び、出直す所存です。
自分にとって、三度目の大学への入学です。広島大学理学部物性学科(後に中退)、同大医学部、そしてこの度の法科大学院。
人生の喜びのひとつは、学ぶことです。学ぶことの幸せにまた浸れることに感謝いたします。
なぜ、法科大学院なのか。
大きな影響を与えたのは、なんといっても築地市場移転問題関連裁判の弁護団長 梓澤和幸弁護士との出会いでした。
梓澤氏そして弁護団の弁護士の皆様は、本来、行われて当然の土壌汚染コアサンプルの保存をせずに、廃棄(汚染証拠隠滅)しようとする東京都に対し、食の安全と市場で働く皆様の健康を守るため、異議を申し立てるため提訴くださいました。そして、論理構成がとても難しいのにも関わらずクリアーをし、法廷で討論してくださって今に至ります。
「法はひとを守るために存在する」その思いを、私に強く抱かせてくださいました。
梓澤氏との出会いは、とても細い線で、偶然つながりました。
1)築地市場の仲卸のかたが他の裁判で、梓澤氏の活躍されている現場を見る。
2)築地市場の現在地での再整備を実現するためのアドバイスをいただくため梓澤弁護士に面会の依頼をし、梓澤氏が面会をくださる。
3)面会し、築地市場の移転問題の経緯を知るにつけ、梓澤氏が、大いに問題意識を共有くださる。
4)その時、土壌汚染の専門家の皆様が警告しているにも関わらず、東京都がコアサンプル廃棄を始める。
5)梓澤氏ら弁護団を結成し、コアサンプル廃棄にまったをかけ、提訴。
これらの長いステップがすべてつながって、私は梓澤弁護士と巡り会い、かつ、法への関心を高めるきっかけとなったのです。
もちろん、私のスタンスは、いままでも、そしてこれからも、子どもたちが心も体も健康に育つことを目指す小児科医師であるということは変えるつもりはありません。
区議会議員や、この度の区長選挙を経験する中で、法を知りたいという思いは、素地には育っていました。
はたまた、大昔、それは、議員をやるよりもずっと前に、法科大学院の通信講座をやりかけて挫折した苦い経験も恥ずかしながらもっています。
そこへの梓澤氏の登場であったわけです。
いままでの法に対する具体的な思い。
たとえば、
*区長選挙マニフェストに「区政の重要事項は、住民投票に図り直接民主主義を取り入れる」と謳いました。その住民投票の意義を深く知りたいという思い。
*中央区議会会議規則「第百三条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を附し、議長に報告しなければならない。一 採択すべきもの二 不採択とすべきもの」とあります。請願の審査結果は、「採択」か、「不採択」の区分しか存在しないにも関わらず、今回第三回定例会で「趣旨採択」なるものがされたが、この妥当性を知りたいという思い。
*日本国憲法を遵守し、日本が戦争の道をたどることのないよう努めるとともに、まだまだ、世界各地の紛争やその火種は絶えない中、それらを鎮め、調整する仲介役を日本は、将来、役割として担っていくことが出来る、担っていくべきであると信じています。そのためにも日本国憲法の理解を深めたいという思い。
*「個人情報保護」と「情報公開」をクリアにすることができるための理解を深めたいという思い。
*まちづくりの情報が区民に開かれたものにするための制度づくりや住民参加の制度づくり、それらを担保する法のありかたの理解を深めたいという思い。
*「やらせ」「ねつ造」など、社会の不正義を正す法のあり方の理解を深めたい思い。
*裁判員制度は、日本のシチズンシップを発展させてくれるであろうという思い。
などなど。
44歳にして再度大学への挑戦は、自分でも未知の世界に飛び込む気分です。
せっかくのいただいた貴重なチャンスを生かせるように精一杯努力いたします。
本日、いつも勉強させていただいているヘルスケアフォーラムで、『都市型地域ケアの構築』をテーマにプレゼンテーションをさせていただきます。
http://chuo.genki365.net/gnkc05/pub/sheet.php?id=8560
有意義な意見交換ができますことを期待いたしております。
記
日時:2011年9月16日(金)14:00~16:30
場所:ラヴェール明石町6階集会室
東京都中央区明石町1-7(改築工事中明石小学校校舎隣り)
対象者:医療介護福祉に関心のある方
テーマ:『都市型地域ケアの構築』
死ぬまで安心して、この中央区で暮らすために必要な医療介護福祉サービスをご一緒に考えます。
気楽にご参加下さい。
参加費:無料
主催:NPO法人ヘルスケアフォーラムhttp://www.npo-healthcare.jp/
以上