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判決の効力(拘束力)について「個人タクシー値下げ請求却下処分取消等請求訴訟」大阪高裁H22.9.9

2012-05-29 14:48:12 | シチズンシップ教育
 行政学演習における、「判決の効力(拘束力)」をテーマとした課題です。

 理解をしているところですが、甲事件の判決(大阪地方裁判所平成17年(行ウ)第68号)で、Xの主張は認められました。
 しかし、国側は、Xの再申請を却下処分とし、Xは、乙事件として、再度、訴訟を提起しました。
 原審である大阪地方裁判所(大阪地方裁判所平成20年(行ウ)第66号)は、再度、Xの主張を認めました。
 
 しかし、大阪高等裁判所は、Xの主張を認めませんでした。
 「個人タクシー値下げ請求却下処分取消・一般乗用旅客自動車運送事業運賃及び料金認可申請却下処分取消等請求控訴事件」
 【事件番号】 大阪高等裁判所判決/平成21年(行コ)第141号
 【判決日付】 平成22年9月9日

 なぜ、そこまで言えるのか、理解を深めたいと思っています。


【事案の概要】
 Xは,国土交通大臣からその権限の委任を受けた近畿運輸局長から,平成13年3月28日付けで,事業区域を大阪市,豊中市,吹田市,守口市,門真市,東大阪市,八尾市,堺市及び大阪国際空港(池田市のうち空港地域に限る。),使用する事業用自動車を1両などとして,一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受け,同年4月20日から,同許可に係るタクシー事業(以下「本件タクシー事業」という。)を営んでいる個人タクシー事業者である。
 Xが本件タクシー事業において使用する事業用車両は,運賃等の適用上,小型車(道路運送車両法施行規則2条に定める小型自動車のうち自動車の長さが4.6m未満で乗車定員5名以下のもの)に区分され,燃料の種類はガソリン(ハイブリッド車)である。

 近畿運輸局長は,道路運送法88条2項,同法施行令1条2項に基づき国土交通大臣から近畿地区におけるタクシー事業の運賃及び料金を認可する権限の委任を受けた,国Yに所属する行政庁である。


(1)甲事件(大阪地方裁判所平成17年(行ウ)第68号)

 Xは、平成14年11月26日,近畿運輸局長に対し,初乗運賃を480円に値下げすることなどを内容とするタクシー事業に係る旅客の運賃及び料金の変更認可申請(以下「本件申請」という。)をした。
 しかし,近畿運輸局長は,平成16年2月13日付で,Xに対し,他の事業者との間の不当な競争を引き起こすおそれについて規定した道路運送法9条の3第2項3号の要件を充足しないとの理由で,本件申請を却下する処分(以下「本件却下処分」という。)をした。
 Xは,本件却下処分は違法であると主張して,国Yに対し,①本件却下処分の取消し,②本件申請に応じた運賃等の変更認可処分の近畿運輸局長への義務付けを求めた。

 大阪地方裁判所は,本件却下処分の取消請求についてのみ終局判決をすることがより迅速な争訟の解決に資すると判断して,平成19年3月14日,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)37条の3第6項前段に基づき,甲事件のうち本件却下処分の取消請求について,これを認容する判決(以下「前判決」という。)をした。
 前判決は,控訴期間の経過により,平成19年3月29日に確定した。
     
 原審は,同年4月10日,甲事件のうち義務付け請求について,口頭弁論を再開した。


(2) 乙事件(大阪地方裁判所平成20年(行ウ)第66号)

 近畿運輸局長は,平成20年2月27日,Xに対し,再度,他の事業者との間の不当な競争を引き起こすおそれについて規定した道路運送法9条の3第2項3号の要件を充足しないとの理由で,本件申請を却下する旨の処分(以下「本件再却下処分」という。)をした。
 乙事件は,Xが,近畿運輸局長がした本件再却下処分は違法であり,これについての同局長の判断及び前判決から本件再却下処分までの長期にわたって処分を遅らせた怠慢は,いずれもXに対する国家賠償法上の違法行為に当たると主張して,Xに対し,①本件再却下処分の取消し,②国家賠償法1条に基づき,慰謝料500万円及びこれに対する乙事件の訴状送達の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた。

 原審は,乙事件の提起を受けて,これを甲事件のうち義務付けの訴えにかかる部分(上記(1)記載)に併合して審理した。

(3) 原審の判断と控訴提起
 原審は,①本件再却下処分を取り消し,②本件申請認可の義務付けを命じ,③損害賠償金20万円及びこれに対する平成20年4月17日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を命じ,Xの20万円を超える損害賠償請求を棄却する判決を言い渡した。
 国Yは,原審の上記判断を不服として,控訴を提起した。

【関係法令】
○道路運送法
2条3項:「旅客自動車運送事業」とは,他人の需要に応じ,有償で,自動車を使用して旅客を運送する事業をいう,と規定

同法3条:旅客自動車運送事業の種類は,①一般旅客自動車運送事業(特定旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業),②特定旅客自動車運送事業(特定の者の需要に応じ,一定の範囲の旅客を運送する旅客自動車運送事業)とし,一般旅客自動車運送事業(上記①)の種類は,イ一般乗合旅客自動車運送事業(乗合旅客を運送する一般旅客自動車運送事業),ロ一般貸切旅客自動車運送事業(一個の契約により国土交通省令で定める乗車定員以上の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業),ハ一般乗用旅客自動車運送事業(一個の契約によりロの国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業)とする,と規定。

タクシー業務適正化特別措置法2条:上記ハの一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者がその事業の用に供する自動車のうち,当該自動車による運送の引受けが営業所のみにおいて行われるものを「ハイヤー」,それ以外の自動車を「タクシー」とそれぞれ定義し,タクシーを使用して行う一般乗用旅客自動車運送事業を「タクシー事業」,タクシー事業を経営する者を「タクシー事業者」とそれぞれ定義している。

タクシー業務適正化特別措置法施行規則29条1項2号:当該許可を受ける個人のみが自動車を運転することにより当該事業を行うべき旨の条件の附された一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者を「個人タクシー事業者」としている(以下,用語については上記の各定義に従う。)。


○道路運送法
9条の3第1項:一般乗用旅客自動車運送事業者(一般旅客自動車運送事業を経営する者をいう。同法8条4項)は,旅客の運賃及び料金(旅客の利益に及ぼす影響が比較的小さいものとして国土交通省令で定める料金を除く。以下,単に「運賃等」ということがある。)を定め,国土交通大臣の認可を受けなければならない,これを変更しようとするときも同様とする,と規定している。

同法9条の3第2項:国土交通大臣は,上記の認可をしようとするときは,①能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること(1号),②特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと(2号),③他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること(3号),④運賃及び料金が対距離制による場合であって,国土交通大臣がその算定の基礎となる距離を定めたときは,これによるものであること(4号),という基準によって,これをしなければならない,と規定。


第171回国会において可決成立した,特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適性化及び活性化に関する特別措置法の附則において,道路運送法9条の3第2項1号の規定の適用については,当分の間,「加えたものを超えないもの」とあるのは,「加えたもの」とすることとされた(ただし,上記特別措置法はまだ施行されていない。)。

【前提となる事実等】
*運賃等の下限規制の緩和
 道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律(平成12年法律第86号)は,第147回国会衆議院運輸委員会及び同参議院交通・情報通信委員会における審議を経て,平成12年5月26日,同国会で可決成立し,平成12年政令第532号により平成14年2月1日に施行された(以下,この道路運送法の改正を「平成12年改正」という。)。

 平成12年改正前の道路運送法(以下「旧道路運送法」という。)9条2項は,一般乗用旅客自動車運送事業を含む一般乗合旅客自動車運送事業等の運賃変更の認可基準として,「能率的な経営の下における適正な原価を償い,かつ,適正な利潤を含むものであること」(1号)を掲げることにより,運賃等の下限を規制していたが,平成12年改正によりこの下限規制は撤廃され(平成12年改正後の道路運送法9条の3第2項1号の「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること」という基準は,運賃等の上限規制である。),一般乗用旅客自動車運送事業の運賃等の下限規制としては,道路運送法9条の3第2項3号の「他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること」を残すのみとなった。

*近畿運輸局長における道路運送法9条の3第2項の審査基準
   ア 近畿運輸局長は,平成14年1月18日付けで,道路運送法9条の3第2項に基づく審査基準として,「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金の認可申請の審査基準について」(平成14年近運旅二公示第11号。以下「審査基準公示」という。)を公示した。本件再却下処分当時の審査基準公示の内容は,別紙第3記載のとおりである。審査基準公示では,道路運送法施行規則10条の3第3項により運賃等の認可申請に当たって原価計算書等の添付の必要がないと認める場合として設定された自動認可運賃に該当する運賃等の認可申請については速やかに処理を行うものとし,これに該当しない申請の認可に当たっては個別に審査することとしている。
     なお,本件却下処分後の平成16年10月1日改正により,審査基準公示別紙4の第4の4として,「個人タクシー事業者に係る運賃認可の取扱いについて」の項目が追加された。その内容は,「個人タクシー事業者が,自動認可運賃を下回る運賃を設定しようとする場合であって,既存の法人タクシー事業者において認可されていない運賃を設定しようとするときは,当該個人タクシー事業者の申請に係る原価の算定に当たっては,当該申請に係る運賃適用地域における原価計算対象事業者の標準人件費の9割に相当する額を所要の人件費として計上するものとする。」というものである。
   イ 近畿運輸局長は,平成14年1月18日付けで,審査基準公示に基づき,「一般乗用旅客自動車運送事業の自動認可運賃について」(平成14年近運旅二公示第12号。以下「自動認可運賃公示」という。)を公示した。自動認可運賃公示の大阪地区の運賃・料金の定めによれば,大型車・中型車・小型車別の初乗運賃(2.0km),加算運賃及び時間距離併用制運賃は,それぞれ次のとおりである。
    ① 大型車
      上限運賃 680円 235m80円 1分25秒80円
      下限運賃 610円 264m80円 1分35秒80円
    ② 中型車
      上限運賃 660円 273m80円 1分40秒80円
      下限運賃 590円 306m80円 1分50秒80円
    ② 小型車
      上限運賃 640円 305m80円 1分50秒80円
      下限運賃 570円 345m80円 2分 5秒80円

*甲事件での前判決の示した判断基準等
   ア 道路運送法9条の3第2項3号にいう「不当な競争を引き起こすこととなるおそれ」の意義(前判決57頁19行目から58頁7行目までを抜粋)
    「(現行)道路運送法9条の3第2項3号にいう「他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれ」とは,他の一般旅客自動車運送事業者との間において過労運転の常態化等により輸送の安全の確保を損なうことになるような旅客の運賃及び料金の不当な値下げ競争を引き起こす具体的なおそれをいうものと解するのが相当であり,そのようなおそれのある運賃等に該当するか否かについては,当該運賃等が能率的な経営の下における適正な原価,すなわち,個々の一般乗用旅客自動車運送事業者がその事業を運営するのに十分な能率を発揮して合理的な経営をしている場合において必要とされる原価を下回るものであるか否かという観点のほか,当該事業者の市場の中での位置付け,当該運賃等を設定した意図等を総合的に勘案して判断すべきであるところ,このような判断は,専門的,技術的な知識経験及び公益上の判断を必要とするものであるから,同号の基準に適合するか否かの判断については,国土交通大臣及びその権限の委任を受けた地方運輸局長にある程度の裁量権が認められるものと解される。」

   イ 審査基準公示の定める運賃査定によっては平年度における収支率が100%に満たない運賃等の設定等が道路運送法9条の3第2項3号の基準に適合するか否かの判断基準(前判決69頁10行目から70頁11行目まで,80頁5行目から同頁19行目までを抜粋)
    「以上説示したところからすれば,このような運賃等(注:審査基準公示の定める運賃査定によっては収支率が100%に満たない運賃等)の申請が同項3号にいう「他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること」の基準に適合するか否かについては,当該申請に係る運賃等の額の運賃査定額からのかい離の程度,当該申請に係る運賃等が当該申請者がその事業を運営するのに十分な能率を発揮して合理的な経営をしている場合において必要とされる原価(能率的な経営の下における適正な原価)を下回るものであるか否か,下回るものであるとすればその程度(上記の意味における適正な原価を著しく下回るものである場合には,当該申請者について不当な競争により他の一般旅客自動車運送事業者を排除する意図,すなわち,いわゆるダンピングの意図の存在が推認される場合もあろう。),当該申請に係る当該申請者の運転者1人当たり平均給与月額(添付書類に基づくもの)と標準人件費(原価計算対象事業者の運転者1人当たりの平均給与月額の平均の額)とのかい離の程度に加えて,当該運賃適用地域の立地条件,規模(都市部か地方部か,人口密集地域か否か,当該地域における他の公共交通機関の事業展開の内容,態様等),当該運賃適用地域における市場の構造,特性等(タクシー事業者の構成(大規模法人による寡占状態か中小規模の事業者を中心とする構造か等),タクシー事業の営業形態(流し営業が中心か車庫待ち営業が中心か等),利用者の利用の実態(近距離利用か遠距離利用か,配車利用か否か等),当該地域において設定されている運賃及び料金の内容,態様等),当該申請者の種別(いわゆる法人タクシーか個人タクシーか等),企業規模,営業形態,運転者の賃金構造等,当該地域における需給事情(供給過剰地域か否か,供給過剰の程度等),運転者の賃金水準,さらには一般的な経済情勢等を総合勘案した上,当該申請を認可することにより他の一般旅客自動車運送事業者との間において過労運転の常態化等により輸送の安全の確保を損なうことになるような旅客の運賃及び料金の不当な値下げ競争を引き起こす具体的なおそれがあるか否かを社会通念に従って判断すべきである。」「本件認可申請に係る運賃の設定が上記の具体的なおそれがあると認められるか否かについては,以上説示した諸事情のほか,原告の営業区域である大阪府域におけるタクシー事業者の構成(個人タクシー事業者の車両数に占める割合及び売上高に占める割合等),法人タクシー事業者及び個人タクシー事業者の各営業形態,利用者の利用の実態,運賃及び料金の内容,態様等に加えて,距離制運賃の初乗運賃を500円とする運賃ないし5000円を超える金額について5割引の遠距離割引運賃とする運賃といった低額運賃の認可を受けた事業者のその後の営業実績の推移,売上高に占める割合,利用者の利用状況,当該運賃の設定に対する他の事業者の対応,追随状況など当該認可が当該区域の市場に及ぼした影響の内容,態様,程度等をも総合勘案した上,本件認可申請を認可することにより他の一般旅客自動車運送事業者との間において過労運転の常態化等により輸送の安全の確保を損なうことになるような旅客の運賃及び料金の不当な値下げ競争を引き起こす具体的なおそれがあるか否かを社会通念に従って判断すべきである。」


【判決】
控訴人は、国Y, 被控訴人は、Xです。

 主   文

 1 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。
 2 本件訴えのうち,近畿運輸局長に対し,原判決添付別紙第1記載のとおり一般乗用旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃及び料金を変更することを認可することの義務付けを求める部分を却下する。
 3 被控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。
 4 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。
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立憲主義の憲法 【中学公民教科書・日本文教出版】(佐藤幸治、五百旗頭真他)39頁

2012-05-29 12:40:22 | シチズンシップ教育
 憲法で、立憲主義とはなにか。

 改憲をするにしろ、護憲するにしろ、
 まずは、憲法とは何か、
 その憲法があることで何ができ、逆に、もし、不都合なことが起こっているなら、それは何か、
 国会議員をはじめ、私たちひとりひとりが、よく考え、よく分析をして、
 ようやく議論ができると思います。

 以下は、立憲主義に関し、中学校の公民の教科書で説明されているとのこと。
 そのまま、引用させていただきます。


*****以下、引用****

芳賀淳‏@jjjhaga

1)【中学公民教科書・日本文教出版】(佐藤幸治、五百旗頭真他)39頁。「人権規範としての憲法」 憲法は、私たちの人権を守るために政治権力を制限するしくみを定めたものです。まず、憲法は、人がその人らしく生きていく(個人の尊重)のために必要な自由を人権として明記しています。

2)そして、政治権力が1か所に集中して人々の自由を踏みにじることがないように、政治権力を立法権(国会)・行政権(内閣)・司法権(裁判所)に分けて、それぞれを別の組織に分担させる権力分立制を採用しています。

3)このように、国民の自由を守り、権力分立制を採用している憲法を立憲主義の憲法といいます(この項終わり)

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国会事故調(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)第16回委員会2012/5/28参考人聴取録画:菅前総理

2012-05-29 11:11:48 | 防災・減災

 国会事故調(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)http://www.facebook.com/jikochoで、審議されています。

 昨日は、菅直人前内閣総理大臣の参考人聴取。

 以下、録画もみれるようです。

 その時、国のトップがどのように考え行動したのか、ひとつの参考になると思います。

***************************


国会事故調、第16回委員会(参考人: 前内閣総理大臣 菅直人氏)
5/28(月) 14時~記者会見までUSTREAMで生中継されました。

http://www.ustream.tv/channel/jikocho/theater


 

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「風疹、近畿で流行の兆し 厚労省が注意呼びかけ」朝日新聞記事。皆さん、予防接種徹底 大丈夫ですか?

2012-05-29 10:54:27 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 風疹が近畿地方で流行の兆しがあるとのことです。

 三日はしかといわれるように、三日で治るように思っても、実は、発熱、発疹などの重い症状が出たりします。

 妊婦が罹患すると、おなかの中の子どもに、悪い影響を与える場合もあります。

 予防接種の徹底をお願いします。
 風疹の抗体価が低いと言われた方は、再度接種をご検討ください。



*****朝日新聞(2012/05/29)*****
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY201205290128.html

風疹、近畿で流行の兆し 厚労省が注意呼びかけ


 風疹が流行の兆しをみせている。今年は23日までに患者数が205人と、患者総数を把握している過去4年間で最多だった昨年を上回る勢いだ。近畿を中心に感染が広がっている。厚生労働省は予防接種の徹底などを呼びかける通知を全国の自治体に出した。こうした通知は8年ぶりという。

 国立感染症研究所(感染研)によると、23日までの患者数205人は、昨年同時期の126人に比べ2倍近い。このうち兵庫県が62人と最多、大阪府46人、京都府12人と近畿で流行が顕著だ。患者の7割以上が男性で、特に20~40歳代に多い。1994年までの公的な予防接種が女子中学生に限られ、免疫がない男性が多いことが影響している。

 風疹はせきやくしゃみなどから感染し、発疹や発熱が起こる。特に妊娠初期に感染すると、胎児にも感染して先天性の心疾患や難聴、白内障などを引き起こす危険性がある。感染研感染症情報センターの多屋馨子室長は「妊婦にうつすことのないよう、夫や周りの人は接種を心がけて」と話している。(森本未紀)
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パチンコ店周辺住民が、風営法を下に、その営業所拡張の承認の取り消しを求めた事案 大阪地裁H20.2.14

2012-05-29 08:38:50 | シチズンシップ教育


【事案の概要】
 Yは、大阪府。

1)大阪府公安委員会は,昭和59年10月22日,S社に対し,大阪府I市〈番地等略〉所在の営業所「Bパチンコ」(以下「本件営業所」という。)に係る営業許可処分をした。

2)S社は,平成14年8月5日,大阪府公安委員会に対し,本件営業所について,風営法9条1項に基づく営業所の拡張等の承認申請(客室床面積等の変更を内容とするもの)をした。これに対し,大阪府公安委員会は,同年10月21日付けで上記申請を承認(以下「本件処分1」という。)した。

3)S社は,平成17年7月26日,大阪府公安委員会に対し,本件営業所について,風営法9条1項に基づく営業所の拡張等の承認申請(客室床面積等の変更を内容とするもの)をした。これに対し,大阪府公安委員会は,同年12月22日付けで上記申請を承認(以下「本件処分2」といい,本件処分1と合わせて「本件各処分」という。)した。

4)S社は,同年12月27日に駐車場を増設する変更をしたとして,大阪府公安委員会に対して,平成18年1月17日付けで風営法9条3項に基づく届出(以下「本件届出」という。)をし,同日,受理された。

5)本件営業所の敷地(以下「本件敷地」という。)は,西側が都市計画法上の第1種住居地域に,東側が準住居地域に位置している。また,本件敷地は,その半分以上がI市立要保育所の敷地から100メートル以内の場所に位置している。


 Xらは,大阪府I市〈番地等略〉に所在する賃貸マンション「Aハイム」(以下「本件マンション」という。)に居住する者である。
 本件マンションは,本件敷地とは幅員約9mの道路を隔てた南西隣に位置しており,本件マンションの敷地は,都市計画法上の準工業地域に位置している。

6)Xらは,平成18年9月12日,本件訴訟提起。すなわち、大阪府公安委員会がぱちんこ店を営業するS株式会社(以下「S社」という。)に対し,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)9条1項に基づいて営業所拡張の承認等をしたことから,近隣住民であるXらが,上記承認等は,風営法4条2項2号に違反すると主張して,その取消し等を求め抗告訴訟を提起した。


【関係法令】
(1)風営法は,風俗営業を営もうとする者に対し,営業所ごとに,当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の営業許可を受けることを義務付けており(同法3条1項),公安委員会は,当該営業所が,良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるときには,当該営業所につき風俗営業の許可をすることができないと定める(同法4条2項2号)。
 そして,上記政令として定められた風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令(以下「風営法施行令」という。)6条1号は,風俗営業者の営業所の設置を制限する地域(以下「営業制限地域」という。)の指定は,イ 住居が多数集合しており,住居以外の用途に供される土地が少ない地域,ロ その他の地域のうち,学校その他の施設で学生等のその利用者の構成その他のその特性にかんがみ特にその周辺における良好な風俗環境を保全する必要がある施設として都道府県の条例で定めるものの周辺の地域について行うものとし,同条2号は,上記ロの制限地域の指定を行う場合には,当該施設の敷地の周囲おおむね100メートルの区域を限度とし,その区域内の地域につき指定を行うことと定めている。
 また,大阪府では,風営法4条2項2号の条例として大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和34年大阪府条例第6号。以下「大阪府風営法施行条例」という。)を定め,「第1種低層住居専用地域,第2種低層住居専用地域,第1種中高層住居専用地域,第2種中高層住居専用地域,第1種住居地域,第2種住居地域及び準住居地域」(2条1項1号本文)及び「学校教育法第1条に規定する学校若しくは同法第83条第1項に規定する各種学校のうち主として外国人の幼児,児童,生徒等に対して教育を行うもの,児童福祉法第7条に規定する保育所又は医療法第1条の5第1項に規定する病院若しくは同条第2項に規定する診療所の敷地の周囲おおむね100メートルの区域」(2条1項2号本文)を営業制限地域として定めている(以下,同号所定の各施設を合わせて「学校等」ということがある。)。

 (2)風営法は,風俗営業者が増築,改築その他の行為による営業所の構造又は設備の変更(以下「営業所の拡張等」という。)をしようとするときは,あらかじめ公安委員会の承認を受けなければならず(同法9条1項),風俗営業者が営業所の構造又は設備につき内閣府令で定める軽微な変更をしたときには届出をしなければならない(同条2項)と定められている。
 公安委員会は,上記の承認の申請に係る営業所の構造及び設備が同法4条2項1号の技術上の基準及び同法3条2項の規定により公安委員会が付した条件に適合していると認めるときは,上記承認をしなければならないと定められ,上記技術上の基準として,風営法施行規則(平成18年公安委規則14号による改正前のもの。以下同じ。)6条は,同法2条1項7号に掲げる営業(まあじゃん屋,ぱちんこ屋その他の設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業)については,騒音又は振動の数値が同法15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持するため必要な構造又は設備を有することと定めている。そして,同法15条の規定に基づいて定められた大阪府風営法施行条例6条1項は,騒音に係る数値を①都市計画法上の第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域について,昼間(日出時から日没時まで。以下同じ。)は45デシベル,夜間(日没時から翌日の午前0時まで。以下同じ。)・深夜(午前0時から日出時まで。以下同じ。)は,40デシベル,②同法上の第1種中高層住居専用地域,第2種中高層住居専用地域,第1種住居地域,第2種住居地域及び準住居地域等について,昼間は50デシベル,夜間・深夜は45デシベル,③同法上の商業地域について,昼間は60デシベル,夜間・深夜は55デシベル,④上記以外の地域について,昼間は60デシベル,夜間は55デシベル,深夜は50デシベルと定めている。


【提起された訴訟】

 1 大阪府公安委員会がS株式会社に対して平成14年10月21日付けでした営業所「Bパチンコ」の営業所拡張の変更承認処分を取り消す。
 2 大阪府公安委員会がS株式会社に対して平成17年12月22日付けでした営業所「Bパチンコ」の営業所拡張の変更承認処分を取り消す。
 3 大阪府公安委員会は,S株式会社が平成18年1月17日付けで提出した営業所「Bパチンコ」の駐車場増設の変更届出書を受理してはならない。


【判決】原告は、Xとして記載しました。

 1 請求1項及び3項に係る原告らの訴えをいずれも却下する。
 2 原告らのその余の請求を棄却する。
 3 訴訟費用は原告らの負担とする。


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 判決文における原告適格は、どのように判事されたか。

*****判決文抜粋****
 1 争点(1)(原告適格の有無)について
 (1)行政事件訴訟法9条は,取消訴訟の原告適格について規定するが,同条1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。
 そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(同条2項参照)。
 (2)以上を前提にして,原告らに本件各処分の取消しを求める原告適格が認められるか否かを検討する。
 ア 風俗営業者が,営業所の拡張等を行う際には,あらかじめ公安委員会の承認を受けなければならず(風営法9条1項),公安委員会は,上記承認の申請に係る営業所の構造及び設備が同法4条2項1号の国家公安委員会規則で定める技術上の基準等に適合していると認められるときは,その承認をしなければならない(同法9条2項)とされている。これを受けて定められた風営法施行規則6条は,同法2条1項7号に掲げる営業(ぱちんこ屋等の営業)について,騒音又は振動の数値が同法15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有しなければならないとし,同条の規定を受けて定められた大阪府風営法施行条例6条は,上記騒音,振動に係る数値を定めており,その騒音に係る数値について,都市計画法上の第1種低層住居専用地域,第2種低層住居専用地域,第1種中高層住居専用地域,第2種中高層住居専用地域,第1種住居地域,第2種住居地域,準住居地域,商業地域,それ以外の地域ごとにそれぞれ昼間・夜間・深夜の区分に応じて40~60デシベルの範囲内で,第1種低層住居専用地域から商業地域にかけて,かつ,昼間から夜間,深夜にかけて騒音についての規制が厳しくなるようにその数値を定めている。
 また,風営法は,風俗営業者に対し午前0時から日出までの営業を禁止し(同法13条),その営業活動について,営業所周辺における騒音,振動及び広告宣伝を規制する規定を設けており(同法15条,16条),これらの規制の実効性を担保するために,風俗営業者に対して,営業所ごとに法令の遵守を管理する専任の管理者の選任を義務付け(同法24条,同法施行規則30条),管理者の業務として,営業所の構造及び設備が前記の同法施行規則6条の技術上の基準に適合するようにするための点検等の管理を行うこと等を定めている(同法24条3項,同法施行規則31条)。そして,風営法は,風俗営業者が上記規制に違反した場合には,公安委員会は,善良な風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為を防止するため必要な指示をし(同法25条),又は,風俗営業の許可を取消し,営業の停止を命じることができる(同法26条)と定めている。
 このように,風営法,同法施行規則等が,営業所の拡張等の承認の処分要件の一つとして,騒音や振動の防止構造や設備について,上記のような具体的な定めを置くとともに,(承認後の)営業活動に伴う騒音,振動を具体的に規制していることに照らせば,営業所の拡張等の承認に関する風営法の規定は,営業活動に対する上記各規制と連携して,善良の風俗と清浄な風俗環境を保持するとともに,風俗営業者の営業に伴う騒音,振動等によって,営業所周辺地域に居住する住民の健康や生活環境に係る被害が発生することを防止することもその趣旨及び目的としているものと解すべきである。
 イ そして,風営法等の上記各規定に違反した違法な増築,改築による営業所の構造又は設備の変更に係る承認がなされた場合に,その営業に起因する騒音,振動等による被害を直接的に受けるのは,営業所周辺の一定範囲の地域に居住する特定の住民に限られ,その被害の程度は,居住地が営業所に接近するにつれて増大すると考えられる。加えて,このような住民が当該地域に居住し続けることにより上記の被害を反復,継続して受けた場合,その被害は,これらの住民の健康や生活環境に係る大きな被害に至り得るおそれもある。
 なお,風俗営業に伴う騒音等は,航空機騒音や都市計画事業に伴う騒音等と比べて,周辺住民に対する影響は限定的であるが,それは,影響を受ける住民の範囲の広狭の問題であって,周辺住民に対し上記被害が生ずるおそれのあることを否定する根拠にはならない。
 ウ このように営業所の拡張等の承認に関する風営法の規定が,当該営業所の周辺地域に居住する住民に対して,承認後の営業に起因する騒音,振動によって健康や生活環境に係る被害を受けないという利益をも保護する趣旨と解されることに,上記のような騒音,振動等に伴う被害の内容,性質,程度等に照らせば,この具体的利益を一般的公益の中に吸収解消させることは困難である。
 被告は,営業所の拡張後の騒音,振動被害が生じたとしても,損害賠償や営業の停止取消処分等によって対応できることをもって,周辺住民には,本件各処分の取消しを求める個別的利益はないと主張するが,事後的な対応が可能であることは,本件各処分の取消しを求める個別的利益を否定する根拠にはならない。
 したがって,営業所に近接する範囲に居住する地域住民のうち当該営業が実施されることにより,騒音,振動による健康又は生活環境に係る被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該営業所の拡張等の承認処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するというべきである(なお,平成10年判決は,風営法における騒音及び振動に関する上記各規制を根拠として営業制限地域に居住する住民の原告適格を基礎付けることができないという判断も示していると解されるが,同判決は,上記各規制に周辺住民の個別的利益の保護の趣旨が含まれていることを一概に否定したものとはいえない。)。
 (3)以上を前提に,原告らに営業所の拡張等の承認処分(本件各処分)の取消しを求める原告適格があるか否かを検討する。
 前記前提事実のとおり,原告らは,本件営業所から幅員約9mの道路を隔てた南西隣に位置する本件マンションに居住しており,本件各処分において騒音及び振動の防止設備等の審査に誤りがあった場合,その承認処分後の営業に伴う騒音や振動等により,健康又は生活環境に係る被害を直接的に受けるおそれのある者といえるから,本件各処分の取消しを求める原告適格を有するものと解すべきである。


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 判決文における出訴期間の徒過について、どのように判事されたか。

******行政訴訟法14条******
(出訴期間)
第十四条  取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2  取消訴訟は、処分又は裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
3  処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合又は行政庁が誤つて審査請求をすることができる旨を教示した場合において、審査請求があつたときは、処分又は裁決に係る取消訴訟は、その審査請求をした者については、前二項の規定にかかわらず、これに対する裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したとき又は当該裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
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******判決文抜粋****
2 争点(2)(出訴期間の徒過と正当理由の有無)について
 (1)本件処分1について
 行政事件訴訟法14条2項は,取消訴訟は,正当な理由がない限り,処分又は裁決の日から1年を経過したときは,提起することができないと定めているところ,本件処分1は,平成14年10月21日付けでなされており,本件訴訟は,同日から1年を経過した後に提起されている。
 そこで,原告らに上記正当な理由があるか否かを検討する。
 同項本文が,処分の日から1年を経過したときは訴えを提起することができないと定めた趣旨は,行政処分が処分の相手方だけでなく,公共の利害に関係することが多いことから,瑕疵ある行政処分であったとしても,いつまでも取消訴訟を提起できるとしておくことが法的安定性を損ない,行政の円滑な運営を妨げることから,出訴期間を制限し,もって,行政上の法律関係を早期に安定させ,行政秩序の維持を図ろうとした点にあると解される。そして,同項本文が,出訴期間の始期を画一的に「処分又は裁決があった日」とし,同条1項本文のように原告の知,不知にかからしめなかったことも上記趣旨と同じものと解される。このように同条2項本文が画一的に法的安定性を図ろうとしたことに照らせば,同項ただし書きの「正当な理由」とは,災害,交通遮断,病気等の出訴できないことが社会通念上相当と認めるに足りる客観的事情をいうと解すべきであり,原告が単に処分を知らなかったなど原告の主観的事情は「正当な理由」には当たらないと解すべきである。
 本件において,原告らは,「正当な理由」として,同人らが平成18年春ないし8月中旬頃,初めて本件処分1が違法であることを知ったと主張するにとどまり,上記客観的事情について何ら主張しておらず,また,このような事情を認めるに足りる証拠もない。
 したがって,原告らに「正当な理由」を認めることはできない。
 よって,請求1項に係る訴えは,不適法である。

 (2)本件処分2について
 ア 行政事件訴訟法14条1項は,取消訴訟は,正当な理由がない限り,処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは,提訴することができないと定めている。ここで,本件処分2は,平成17年12月22日付けでなされているが,本件訴訟の提起が平成18年9月12日であるから,原告らが本件処分2があったことを知ったのが同年3月12日以後であれば,本件訴訟は提訴期間経過前に提起されたものということになる。
 そこで,原告らが本件処分2があったことを知った日が同年3月12日以後か否かを検討する。
 上記「処分があったことを知った日」とは,当該処分が相手方の了知し得る状態に置かれただけでは足りず,相手方において現実に了知した日をいうと解すべきである(最高裁昭和27年11月20日第一小法廷判決・民集6巻10号1038頁参照)。そして,処分の名あて人以外の第三者の場合については,諸般の事情から,上記第三者が処分があったことを現実に了知したものと推認することができるときは,その日を上記「処分があったことを知った日」としてその翌日を上記第三者の出訴期間の起算日と解すべきである。
 弁論の全趣旨によれば,原告らが本件訴訟を提起するに至ったのは,平成18年春ころないし同年8月中旬ころ,訴外F株式会社他1名が提起した本件各処分の取消しを求めた別件訴訟(当庁平成17年(行ウ)第207号)の経過を訴外同人らから聞いたことがきっかけとなっていることが認められ,これによれば,原告らが本件処分2があったことを現実に了知したのは,早くとも平成18年3月12日以後であったと推認できる。
 イ これに対して,被告は,ぱちんこ店の開店に当たり,公安委員会の許可処分が必要であることは一般常識であり,原告らが平成18年3月12日より前に本件営業所の拡張工事及び同工事後の営業開始を知っていた以上,その当時から本件処分2があったことを知っていたと主張する。しかし,本件処分2は,ぱちんこ店の営業許可ではなく,営業所の拡張等の承認処分であり,ぱちんこ店の営業所の拡張等に公安委員会の承認が必要であることが一般常識とまではいえないことからすれば,原告らが本件営業所の拡張工事等の事実を知っていたことから同人らが本件処分2があったことを現実に了知していたと推認することはできず,被告の上記主張は採用できない。
 ウ 以上からすれば,原告らは,早くても平成18年3月12日以後に本件処分2を現実に了知したと認められ,他にこれを覆すに足りる証拠はない。
 よって,争点(2)のうち本件処分2に係る原告らの主張は理由がある。
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