「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

中央区議会 10月8日分(決算特別委員会5 歳出の部 土木建築費・教育費 ) 審議の概略

2014-10-08 23:00:00 | 財務分析(予算・決算)
10/8(水)AM
土木建築費

O村議員(K党)
①工事事故対策
  建設基準法を基に工事を行うものが法律を守りやってもらう。
  区へ届出は特にないが安全対策喚起のチラシ等で指導。
1)安全対策喚起のチラシはいつも配る?
    定期配っている。(以前から)またパトロールも行なっている。
②自動車一時停止。区の認識。
  115件。追突、出会い頭。交通安全講習会で周知。
  横断歩道33%多い。ダイヤモンドマーク周知に努めている。
  1)調査をすべきではないか。
    警察と対策。講習会実施。(春秋のみならず一年通す)
③住み続けられる住宅整備
  1)地元割当て
    区内に限る制度である。
  2)都への都営建築の要望は
    基本的、用地の確保の中、住宅戸数増す。
機会をとらえながら要望するが新規の建築は難しい現状である。
  3)働きかけ(都営住宅)
    更新時、都へ話はしている。
    オリンピック後の土地利用は都の考えで計画するものなので難しい。
④家賃助成創設。再開発で新しいビルに入居できなくなった人。他区では助成している。
  検討していない。引っ越し、古い所への安全性、オーナーの安定性(家賃)危惧。
既存の区の建物を利用してもらいたい。

W部議員(M党)
①不要額について
  (耐震関係)
  都、沿道建築物分がほとんどである。
業者がマンパワー不足でなかなか工事ができていない。
(分譲マンション)
H25年10件 工事規模が小さかった。
②緊急道路確保。助成働きかけ(都へ)。災害緊急建築物。
  働きかけ不充分であると認識。耐震強化は全額補助。
H27年までしか金が出せない。
③土木建築全般不要額
  土木建築 3億3千万円(不要額)
  街路、工事の延期の発生。契約差金、執行残(精査の中)が発生。

10/8(水)PM
教育費
 S谷議員(J党)
①子供の安全対策
 ①子ども安全 こども110番
        防犯ブザー全児童
        子ども安心、安全メール
        安全パトロールプレート
        通学路安全マップ(学校配布)
 1)実績
  1)110番  H26.1. 776件
    ブザー  H26末 1249個
    プレート H26.3 292枚
    メール  登録H25.9 6847件
         配信     23件
        
 2)防犯カメラ整備
  2)都の補助を活用
    プライバシー保護=地域理解必要
    犯罪抑止の為、地域、商店、町会の声を聞いて効果的に設置
 3)プレデイー
  3)児童の安全第一。学校施設で責任をもって預かる。
    課題1)情緒面の生徒が増えている。
   アレルギー対応:土曜、学校休業日も運営
           弁当持参、生徒同士のおかず交換、おやつも注意している
 課題2)職員確保、委託3年間別業者。変更後の継承、維持に問題ある。

②給食適正費用負担
 ②学校(人件費 施設整備)
  保護者(それ以外、食材光熱費)
  工夫)食材 共同献立でコスト減
     米飯 改良を行う
  大切)健康な体づくり 命の大切さ 自然の恵み 生産者の感謝
③ICT機器活用(フロンティアスクール)
  3校研究H20年~利用23% H26年利用20%
  無理のない利用率
国語、算数、社会、理科
  効果:視覚的イメージ理解しやすい。じっくり考えられる。
  課題:光の量が弱い。見にくい。設置に時間がかかる。研修必要。
④公務支援システム
  来年4月開始。試行運用の中で問題を見つけている段階。成績、健康診断を一元管理。
  正確、効率的に処理。
⑤国際教育
  検討会 学識経験者が今年からいる。年度末に向けて具体的にしていく。
⑥子どもの育成(オリンピックの関わり)
  道徳:公正、公平、人類愛、オリンピック精神
  社会:オリンピック役割、国際協調の大切さ

U原議員(Ko党)
①学校間ネットワーク運用
  小中高教育センターを結んでいる。ハード、ソフト両面予算計上。行事のおしらせ。
  連絡機能。公務一部の運用。
②公務支援システム
  学校間ネットワークの中心となる。生徒個人情報も共有。
日誌機能(セキュリティー強い)付き。
③ヘルプデスク
  各教員が公務支援システム運用。疑問・質問を効率的にヘルプデスクを構築していく。
④郷土天文館 1万人(特別展)区外がほとんど 75%。区内者へ周知が足りない?
  H25年 4回。半数が区外者であった。好ましい。区民には、区の広報誌、媒体を
使って周知している。   を2000部印刷。残数発生がかなりあった。

A木議員(C会)
①安全な通学路。台風休校の連絡網。
  各クラス保護者への電話。安心安全メール一斉配信。加入率:小 77% 中 30%。
  各学校HP up。区のHPの記載。
 1)安全マップ
    自宅から学校まで記入(親子)学校提出。家でも使う。
 2)子ども安心安全メール
    犯罪被害にあわない。大声をあげる。防犯ブザーを鳴らす。危険度の高いものを
    精査して流している。対策は家庭で話し合ってもらうことが大切。
②子ども110番。逃げ込み訓練やっているか。
  やってない。学校へ指導していく。
③公道に灰皿。通学・園路・幼稚園・正門前にある。
  正門前、タバコ店前にあるもの。幼稚園側からは何も聞いてない。
④給食アレルギー対策。全体4.5%アレルギー。
  アレルギー判断の流れ
入学→調査→保護者書く→確認→対応必要か。Dr.→状況→栄養士などと。
アレルギー対応委員会で1人1人判断。
1)判断、責任は?
 校長、養護教諭、栄養士、委員会、学校長の責任
2)4件あった事故の内容
 からしアレルギー…からし粉の記載もれ。
 ピーナッツアレルギー…揚げた油を再利用。
 卵アレルギー…おかわりで除去していないもの食。
 大豆アレルギー…担任が確認名に配られてしまった。
⑤インターナショナルスクール3回の内容
  3回の内容。どの様な子どもを目指すか。英語授業どの様に内容を変えられるか。
  伝統・文化どう学んでいくか。
  1)今後、中央区の英語教育は楽しむのか、スキル向上か。
   英語でコミュニケーションとれる様に検討。

10/8(水)PM(3:00~)
教育
K藤議員(K党)
①特別支援学級。スクールバスの検討。
ご自身で通っている。スクールバスは慎重に考える。
明石小は、小3以下バス運行している。
②月島から120人がバスに乗り込んで来る。泰明小へ向かう生徒達への声は?
 泰明スクールバス導入を検討してほしい。
  バス停の混雑は声が上がっている。泰明小バスマナーの教育指導を行なっている。
  スクールバスは考えていない。
③先生の超過勤務
  7時 幼10% 小25% 中38%
  8時 幼40% 小30.3% 中24%-卒園時期

正規勤務時間
7時間45分(正規)
8:00~17:00まで
④トイレ基準
  特にない。和式が多かったが、改修の時、和式を洋式へ変えてきている。
  ただ一定数、和式を残す。

W部議員(M党)
①不要差金
  学校施設の改築。契約差金、内部努力、日本橋小学校工事1億3000万。銀座560万残。
  備品差金。保安業務委託H25年20校、11校―施行残。
  小中幼教材。クラブ補助、学校管理。執行残。不要額発生。
②晴海中学校工事。幼稚園の非常勤見直し。
  工事は順調に進んでいる。
  13名いるが順次正規へ。H25年は9名にした。執行残。
③学校間ネットワーク 7500万円。当初の目的達成されたのか?どうやって使っていくのか。
  研究結果:教育フォルダーの共有は有効と考える。今後検討。
④豊海小 改築ICTを使っていく必要性あるのではないか。
  義務教育なので行なうことが必要と考える。運営には十分に対応。
  ICT大切と考えるが将来どうするか考えている中なので、今後見控える。
⑤教育債の考え
  その時々の基金の状況で考えていく。

以上
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

市発注工事指名競争入札における談合・受注調整行為(2条6項)の独禁法違反(3条後段)とたたかう公取委

2014-10-08 23:00:00 | 経済法、独占禁止法
(第3稿2014年10月15日水曜日23:00)

 刑法上の談合罪とまではいかなくても、受注調整行為に係る独禁法違反の問題。


第1、設問1

1、A,B,C,D,E及びFについて
(1)事業者について
 独禁法(以下、「法」という。)2条1項でいう事業者とは、経済活動を反復継続するものをいう。
 A,B,C,D,E及びFは、建設業者であり、下水道更正工事を反復継続して行い、利益を得ているのであるから、事業者に該当する。

(2)一定の取引分野(法2条6項)について
 法2条6項にいう「一定の取引分野」とは、実質的に競争が制限される場を言い、商品・取引段階・地域ごとに成立する。

 本件では、以下に検討する4社が、Y市の下水道更生工事での発注において、乙工法の入札において価格と入札業者等を申し合わせ、取引条件に実質的な制限を加えており、一定の取引分野は、Y市の発注の下水道更生工事全体であると考える。

 なお、下水道更生工事には、甲工法及び乙工法があるが、工法については、甲工法、乙工法いずれでもよいため、Y市の発注の下水道更生工事全体として画定される。


2、4社による不当な取引制限(法2条6項)について
(1)4社の共同行為について
 法2条6項に言う「共同して」とは、「意思の連絡」があったと認められることが必要である。すなわち、特定の事業者が、他の事業者との間で談合に関する情報交換をして、同一又はこれに準ずる行動にでたような場合には、「意思の連絡」があるものと推認される(東芝ケミカル事件 東京高裁判決平成7年9月25日)

 本件では、4社は、平成21年2月1日、Aの会議室で開かれた会合(以下、「会合①」という。)で、3つの事項(1)(2)(3)の合意をし(以下、「基本合意」という。)、その合意通りの行為を行ったのであって、会合①で意思の連絡をし、基本合意に沿った行動に出たものといえ、共同行為に該当する。

(2)「競争を実質的に制限すること」について
 以下、(1)(2)(3)の各合意の内容の行為をすることが、「競争を実質的に制限すること」に該当するかを検討する。
 「競争を実質的に制限すること」とは、特定の事業者がその意思でる程度自由に価格・品質・数量等の競争条件を左右することによって市場を支配できる状態をいう。
ア、合意(1)について
 同年4月1日以降入札が行われる下水道管更生工事について、あらかじめ4社の営業部長が話し合いにより各入札で指名された者の中から受注予定者を決定するというものである。
 合意(1)が実施されると、一定の取引分野において、相手方であるY市の入札先が決定されることになり、事業者が取引条件を制限するもので、競争を実質的に制限することに該当する。

イ、合意(2)について
 4社の間でその受注金額が出来る限り均等になるようにすることの合意は、受注価格を事業者が、自ら操作することで実現できるものであって、相手方の取引条件である受注価格を実質的に制限することを意味しており、一定の取引分野において競争を実質的に制限していることに該当する。

ウ、合意(3)について
 ①受注予定者の落札金額については、その者におおむね20%程度の粗利が確保できる水準とし、②受注予定者とrの協議により指名された者の入札額を決定し、事前にその額を当該入札参加者に連絡するという合意は、相手方の取引条件である受注価格を決定するとともに、その受注価格で入札が行われるように入札参加者の入札額をあらかじめ決定するというもので、一定の取引分野において競争を実質的に制限することに該当する。

エ、小結
 4社は、会合①において、一定の取引分野における競争を実質的に制限することを行うべく合意(1)ないし(3)の基本合意をなしているといえる。


(2)4社の基本合意の相互拘束性について
 Y市の下水道更生工事の入札は、平成21年4月1日から平成22年5月9日まで(以下、「本件実施期間」という。)に25件が行われ、rが合意の方法で受注調整を行った結果、B、C及びDがそれぞれ8件を落札したとある。
 基本合意の相互拘束性は、あったと言える。

(3)4社の基本合意の公益性について
 4社の基本合意は、専ら4社の利益を図るもので、公共性は見出し得ない。

(4)以上より、4社は、一定の取引分野において、相互に拘束性のある合意(1)ないし(3)の基本合意をし、取引条件である価格や取引の相手方などの取引条件を実質的に制限しており、法2条6項の不当な取引制限に該当し、法3条後段に反し違法であると考える。


3、A社が下請けであったことについて
 A社は、平成21年3月1日から1年6ヶ月の間、Y市において指名停止の処分を受けている。

 指名自体に実際に参加していないのであって、Y市と工事の契約も締結していないため、本件違法の主体となりえるのか問題である。

 不当な取引制限となる事業者は、形式的に、相手方と契約する事業者だけをいうのではなく、その事業者の①不当な取引制限における役割、②取引における合意の内容、③利益獲得の割合等その関わりから、実質的に違反行為の参加の有無を判断すべきと考える。

 A社は、労働災害を起こし、相手方から指名停止を受けたが、本来であれば、指名入札に参加する立場にあった。そして、指名入札に参加できない代わりに、平成21年3月5日に再度、BCDの営業部長とA社営業部長rが会合(以下、「会合②」という。)を開き、「BCDの受注する下水道厚生工事の半分についてAが下請けに回り、受注者からその利益の50%を受けることの合意(以下、「合意(4)」という。)を得ている。そして、実際に、本件実施期間において、Y市の下水道更生工事の入札25件中にBCD合わせて24件入札をしたが、そのうちの半分に当たる12件をAが下請けになっており、合意(4)は相互拘束性を持って、実行されたことがわかる。

 以上から、A社は、本件不当な取引制限(法2条6項)において、実質的に参加したものと判断でき、従って、A社もまた、法3条後段の違法があると考える。


4、EとFについて
 EFの担当者は、平成21年1月20日、Dの営業部長uと偶然に会った際に、uから、談合をおこなうべくrstと交渉中である旨を聞いている(以下、「本件会話」という。)。そして、EFの担当者は、近い将来、談合に参加させてもらえることを来し、自らは落札できない価格で入札をしてきた。本件でのABCDの不正な取引制限に該当するか問題である。

 特に、相互拘束性のもと共同行為がなされたかどうかが問題であり、以下、検討する。

 法2条6項に言う「共同して」とは、上述の通り、「意思の連絡」があったと認められることが必要である。すなわち、特定の事業者が、他の事業者との間で談合に関する情報交換をして、同一又はこれに準ずる行動にでたような場合には、「意思の連絡」があるものと推認される(東芝ケミカル事件 東京高裁判決平成7年9月25日)

 本件会話は、前述の会合①②のような会議室を用いた会議の形を用いたものではないが、談合が交渉中であるという本来であれば、秘密にすべき事がらを、uから伝えられている。
 
 本件では、談合が交渉中であるということを聞いたEFは、談合に協力しておけば、その後は、談合に参加させてもらい談合により落札できるようになると考えて、自らは落札できないと考える価格で入札をした。ABCDの談合に歩調をそろえる意思で、落札できない価格で入札しており、あたかも本件会話に拘束性があるとして、EFは行動している。

 しかし、EFが不当な取引制限の相互拘束性にあたる意思の連絡というためには、EFが、ABCD間の合意を認識して一方的に協力・協調することだけでなく、ABCDもEFが協調していることを認識している必要があるが、EFとの間では相互拘束に該当する意思の連絡は存在していない。

 従って、EFは、相互拘束のある共同行為をなしていないため、不当な取引制限にあたる行為をしたとはいえない。


5、結論
 ABCDの行為は、法2条6項に該当し、法3条後段の違法があると考える。
 EFに独禁法上の違法はない。


第2 設問2について
 仮に、平成21年3月15日に公正取引委員会(以下、「公取委」という。)の立ち入り検査を受け、結果、本件期間において、1件も受注できなかったとした場合、会合①と②はすでになされており、合意(1)ないし(4)はあるが、実際の合意に基づく入札をしていない段階でABCDEFに違法性があるか、不当な取引制限の成立時期の問題である。
 たとえ、不当な取引制限が行われていないとしても、拘束力のある合意があるのであれば、違法性はあると考える(石油価格カルテル刑事事件最高裁判決昭和59年2月24日)。なぜならば、その時点において、法益侵害の危険性は具体的にあったと考えられるからである。

1、ABCDについて
 本件では公取委の立ち入り検査の前に合意(1)ないし(4)がなされ、合意内容から具体的に入札価格を連絡する方法や、指名停止を受けたA社を下請けとするなどの具体的配慮がなされる合意内容からすると、合意には拘束性があったと判断しうる。
 従って、ABCDは、通謀して、不当な取引制限に該当する合意(1)ないし(4)をなしている以上は、法2条6項に該当し、法3条後段の違法があると考える。

2、EFについて
 EFは、当初から独禁法に抵触していない。

以上




 


**************司法試験平成22年(2010年)*******************************

〔第2問〕(配点:50)
Y市では,昭和30年代に下水道を整備したが,近時,下水道管が老朽化し水漏れ事故が急増し
ている。このような状況は各自治体で起きているが,多くの自治体では,下水道管の取替えよりも
大幅な経費の節約となることから,下水道管の内部を補修する下水道管更生工事を行うようになり,
その発注件数が増えている。下水道管更生工事には,甲工法及び乙工法の2つの工法がある。甲工
法が従来採用されていた工法であるが,この数年,甲工法より高い技術を求められるものの,甲工
法より約20%費用を節約できる乙工法が普及しつつあり,大規模及び中規模の建設会社は乙工法
を施工できるようになっている。Y市内には,甲工法を施工できる建設業者がA,B,C,D,E
及びFの6社あり,乙工法を施工できる建設業者は,そのうちのA,B,C及びD(以下「4社」
という。)である。Y市は,下水道管更生工事の契約者を市内業者の中から指名競争入札の方法によ
って決定しており,工法については甲工法又は乙工法のいずれを採用してもよいこととしている。

Aの営業部長rは,B,C及びDの営業部長s,t及びuに呼び掛けて交渉した結果,平成21
年2月1日,Aの会議室で開かれた会合において,これらの間で,⑴同年4月1日以降入札が行わ
れるY市発注に係る下水道管更生工事については,あらかじめr,s,t及びuの間で話合いによ
り4社のうち各入札で指名された者の中から受注予定者を決定すること,⑵4社の間でその受注金
額ができる限り均等になるようにすること,⑶受注予定者の落札金額については,その者におおむ
ね20%程度の粗利が確保できる水準とし,受注予定者とrの協議により受注予定者を含めた4社
のうち各入札で指名された者の入札金額を決定し,rにおいて事前にその金額を当該入札参加者に
連絡することを合意した。rが,E及びFの担当者に参加を呼び掛けなかったのは,E及びFの担
当者はそれらの従来の入札態度からいずれにせよ談合に協力すると予想されたし,協力しなくても
甲工法はコストが高いことから大部分の談合は成功すると考えたからである。

ところが,AがY市内において労働災害を起こしたことから,Y市は,平成21年3月1日から
1年6か月の間,Aを指名停止とした。そこで,rは,同月5日,Aの会議室においてs,t及び
uと再度会合を開き,B,C及びDの受注する下水道管更正工事の半分についてAが下請に回り,
受注者からその利益の50%を受け取るよう求めたところ,s,t及びuはこれに同意した。
Y市の下水道管更生工事の入札は,平成21年4月1日から平成22年5月9日まで25件が行
われ,rが上記の方法で受注調整を行った結果,B,C及びDがそれぞれ8件を落札し,そのうち
12件についてAは下請となった。

E及びFの担当者は,これに先立つ平成21年1月20日,Dの営業部長uと偶然会った際に,
uから,談合を行うべくr,s及びtと交渉中である旨を聞いた。E及びFの担当者は,それぞれ,
近い将来,自ら乙工法の技術を取得できる見込みであることから,談合に協力しておけば,その後
は談合に参加させてもらい談合により落札できるようになると考えて,自らは落札できないと考え
られる価格で入札してきた。しかし,1件については,Fが想定落札価格の計算を誤り,落札した。
公正取引委員会は,平成22年5月10日,関係各社に立入検査を行った。

〔設問1〕A,B,C,D,E及びFの行為は独占禁止法に違反するといえるか検討しなさい。

〔設問2〕上記の事案で,仮に,平成21年3月15日に公正取引委員会が立入検査を行ったこ
とにより,同年4月1日からの入札につき1件も受注調整をすることができなかった場合,A,
B,C,D,E及びFの行為は独占禁止法に違反するといえるか検討しなさい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする