「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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8/27 月島一丁目3.4.5地区の都市計画(案)説明会 その後

2008-08-30 06:26:31 | 街づくり
 8/27 月島一丁目3.4.5地区の都市計画(案)説明会が開催されました。
 当日、小児夜間救急に協力する日に当たっていたため、途中退席したのですが、聞くところ、10時ごろまで延長されたものの、住民側にとっては、まだまだ解決されていない問題を抱えつつも、10時をもって終了されたとのことでした。

 都市計画案の問題点を指摘しつつ、中央区議会に『まちづくりの有り方及び月島一丁目地区計画変更、同3・4・5番地区計画決定、都市計画変更、市街地再開発事業計画に関する再検討の請願』(請願第一号)を提出した「月島まちづくりを考える会」が、急きょ、8/29 19時~意見交換会を開催するということでしたので、参加してきました。

 私自身のスタンスは、以前も書きましたが、「民意の反映したまちづくり」ができる中央区を目指すことにあります。また、月島一丁目3.4.5地区の都市計画(案)を進めることによる計画案を進める住民と計画案の問題点を指摘する住民との間の亀裂を生じさせないようにすることです。
 請願は、現在、環境建設委員会に付託され、審議継続中です。その委員会の委員のひとりでありますので、9月に開催される次回環境建設委員会に十分な準備をして臨みたいと考えています。

 意見交換会は、19時から始まり、21時半ごろまで続きました。住民の方々の積極的な発言が続き、非常に貴重な意見をうかがうことができたと思っています。
 同時に、私にとっても、多くの課題が見えてまいりました。

 以下、その課題を述べます。

①月島一丁目3.4.5地区の都市計画(案)の問題点の明確化(都市計画(案)に対して出された意見書の分析も含め)
問題点)A地区建築物等の高さの限度190mとすることについて
 建築物高さの限度190mを許容する都市計画となっている。もし、都市計画通りに高さ190mの建築物が計画された場合、当該都市計画自体の中でいう「建築物の形態・意匠・色彩等については、周辺環境及び都市景観に配慮したものとする。」に反することになる。
 高層建築物を許容するには、高層建築物間の十分な間隔や、相対する高層建築物との高さの比が適切である必要がある。
 例えば、佃大川端リバーシティ21地区の高層建築物を見た場合、各建物は、最低でも50m離れており、高層建築物の一番高いものが180m、一番低いものが110.8mで、その比は1.62。これら高層建築物配置の配慮の結果、良好な都市景観を形づくることができているのである。
 一方、月島一丁目3.4.5地区の都市計画(案)で、高さ190mの建築物を許容した場合、建物距離は、25m。高さの比は、190mに対する99.95mで、その比は1.9となる。これでは、都市景観への配慮に欠いた高層建築物を許容してしまうこととなる。
 よって、都市計画案の高さの限度190mは、都市景観への配慮に欠けるため、変更を要する。

問題点)住宅建設の目標約750戸について
 住宅建設の目標約750戸を定めて場合、急激な人口増が月島地域で発生する。保育園児の急増、児童の急増、高齢者の急増の場合の、保育園、小学校、介護・医療施設や体制などの十分な受け皿が整備されているとはいい難い。
 住宅建設の目標約750戸を定めるのであれば、計画される建築物の用途に、保育施設を付け加えたり、建築物内の医療施設での介護・医療の地域貢献まで、担保する必要がある。建築物内で吸収できないのであれば、建築計画を許容する中央区が小学校、保育園の対応を十分行うことを担保する必要がある。
 もし、これらの担保ができないというのであれば、都市計画案の住宅建設の目標約750戸は、削減する必要がある。

問題点)2号施設である広場 面積約1200㎡(ピロティ部含む)
 この都市計画では、広場 面積約1200㎡(ピロティ部含む)の設置が担保される。
 しかし、この広さのみでは、災害時の居住者750戸分の避難所としてさえも機能しない。すなわち、この広さでは、広場は、「居住者の広場」であっても、「公共の広場」とは、なりえないことを意味する。
 地区計画決定の根拠として、広場をいうのであれば、広場面積の拡大を要する。

問題点)風害
 健全な土地の高度利用を目指す必要をうたっているが、現状において、高層建築物を立てた場合、風害が起こる可能性が示唆される。
 最大瞬間風速はいくらになるのか、台風などの場合の最悪の状況での風速はいくらになるのか、風環境の詳細なデータの提示を要する。
 風害の可能性を十分分析し、分析を踏まえた防風対策を計画を提示する必要がある。

問題点)高さ制限について
 地区計画運用基準では、各部の高さは反対側の道路端より計画壁面までの距離の5倍が高さ制限である。
 当該計画では、道路5m+後退10m=15m
 15mの5倍=75mが高さ制限。
 しかし、計画では190mの制限とある。
 天空光を確保すれば、すなわち天空率が大きければ規制は適用しないことになっている。
 当該計画では、その適用が不可能である。
 可能という理由の提示を要する。

問題点)「地域貢献の考え方」にある「地域防災備蓄倉庫の設置」について
 地域防災備蓄倉庫を地下2階に、200㎡、居住者以外の分として1200人分設置するとある。
 では、居住者用には何人分を準備しているのかも明らかにして、きちんと地域貢献を言う必要がある。

問題点)「まちづくりの目標」にある建築物内病院の機能強化について
 「まちづくりの目標」では、建築物内の病院の「機能継続・更新をはかり、地域医療としての機能強化を目指す」とうたっている。
 環境建設委員会でも問題になったが、どのような地域医療としての機能強化があるのかをきちんと明らかにする必要がある。
 周辺住民の合意形成の上で、重要な部分なので、きちんと明らかにすることを強く求める。

問題点)工事による周辺住環境への影響
 この規模の開発では、都の環境確保条例に基づく「環境影響評価書」を作成してその手続きに則って事業を進める適用から外れる。
 しかし、工事には、一般的に言って、3年半~4年は必要。周辺住民への、騒音・振動、粉塵などの影響は多大である。
 工事にかかわる影響を丁寧に周辺住民に説明し、十分な配慮をもって工事が行われることを求める。

②明らかにされた問題点に対する、区の考え方を整理する

③7/1計画原案説明会、8/27計画案説明会の議事録
 両説明会は、出席した人ならわかるが、非常に紛糾した。
 問題点を明らかにする上でも、議事録を作成し保存することは重要なことと考える。
 議事録の作成と保存を区に要望する。

④8/27計画案説明会開催の是非
 環境建設委員会で出された問題点の解決のないまま、8/27計画案説明会を開いたのは、プロセスに誤りがある。
 開催の是非を質す。

⑤準備組合と近隣住民との話し合いの場の設定
 環境建設委員会で私も指摘したことであるが、住民同士の話し合いがまったくできていない。
 計画案への相互理解や気持ちのすり合わせができる場としての話し合いの場を設定する必要がある。

⑥環境建設委員会委員、都市計画審議会委員への情報提供
 月島一丁目3、4、5番地区地区計画の問題点や課題をお互い情報共有する必要がある。
 ちなみに、都市計画審議会委員構成は、学識経験者や関係行政機関の職員6人以内、区議会の議員8人以内、住民の代表6人以内からなっている。

⑦区の都市計画審議会に向けて(開催日未定)の傍聴について
 多数の傍聴希望者が出る可能性があるので、広い会議室で開催し、できるだけ傍聴者が多く入れるように、そして入れない場合の別室の音声傍聴が可能となるように、区と調整(傍聴者は審議会会長が定めることになっているが、10名という回答を得ている。)

以上、

 上記が、意見交換を終えて、私が考える課題です。課題解決に向け、努力して行く所存です。

 意見交換会にお誘い頂きありがとうございました。遅くまで、貴重な意見をご提示くださり、誠にありがとうございました。

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