「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

【お知らせ】中小企業支援 『原油・原材料高騰対策緊急特別資金融資のあっ旋』

2008-08-15 16:17:47 | 街づくり
 中央区は、中小企業支援のために、原油・原材料高騰対策緊急特別資金融資のあっ旋を行います。
 この時勢にうまくあわせた制度の導入であり、高く評価できると思います。

以下、その広報です。

*****中央区ホームページからの転載******

『原油・原材料高騰対策緊急特別資金融資のあっ旋を行います』

原油・原材料価格高騰などの影響により多くの中小企業者が経営に支障をきたしています。このため区では、緊急的に区内中小企業者の資金調達を円滑にするための特別資金のあっ旋を行います。

【申込資格】
次の要件に該当する事業者であること。
・直近3カ月または1年間の営業利益が前年同期と比較して減少している事業者、または省エネルギー機器(低燃費自動車、業務用冷蔵庫・冷凍庫など)を導入・入れ替えする事業者
・区内の同一場所で同一事業を一年以上営んでいること・都民税(法人)または特別区民税(個人)を完納していること
・保証協会の保証対象事業を営んでいること

【融資限度額】
700万円

【借受人負担利率】
年0.1%

【資金使途】
運転資金および設備資金

【返済期間】
5年以内(据え置き6カ月を含む)

【信用保証料補助】
今回の融資金額に係る保証料の全額(他に保証協会の利用があり保証残高がある場合、保証料補助の額が全額とならない場合があります)

【申込方法】
現在行っている融資あっ旋制度と同様に中央区経営相談員との面談が必要になります。面談は、予約制になりますので電話で申込んでください。

【受付期間】
9月19日(金曜日)まで

◎この融資制度は、責任共有制度の対象になります。また、保証協会の保証枠が増えるものではありません。


【申込(問合せ)先】
商工観光課相談融資係
電話 03-3546-5333
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【医療知識】子どもの血尿について

2008-08-15 11:46:22 | 小児医療
 大人の場合、血尿が出ると、がんも念頭に、泌尿器科及び腎臓内科で注意深く診療していく必要がありますが、子どもの血尿に対しては、どのように考えればよいでしょうか。 
 子どもの血尿についての考え方を説明します。

Q:血尿とは?

A:尿中に血液中の成分(赤血球)がもれ出ている状態のことをいいます。
 ただし、正常でも一日に尿中に1000万個以上の赤血球が排泄されていますので、それ以上を血尿といいます。
 血尿は、大きく肉眼的血尿(尿の色がコーヒーやコーラのような色になる状態)と、顕微鏡的血尿(尿の沈渣を400倍の顕微鏡で見て、1視野に3~5個以上の赤血球を認める状態)に分けられます。顕微鏡的血尿は、さらに、その沈渣赤血球数に応じて、高度、中等度、微少血尿に分類されます。

Q:三歳児健診や、小学校の健診で、血尿が指摘されたという話をよく聞きます。

A:患者家族が尿の色調変化に気付いて受診するのが、肉眼的血尿です。
 健診の検尿で偶然発見される場合、顕微鏡的血尿です。
 その他の症状がない状態であれば、無症候性血尿とよばれます。

Q:子どもの血尿の場合、どのような病気を考えて行く必要がありますか?

A:診断上大事なことは、その血尿が、各種腎炎による血尿(糸球体性血尿)か、あるいは腎炎以外の血尿(非糸球体性血尿)かを鑑別することです。
 現在、各種血液・尿検査が容易に行われ、超音波検査が普及したことで、非侵襲的にかなりの範囲まで診断を絞り込むことができるようになっています。
 具体的にどのような病気が考えられるか述べますと、
 発症形式からみて、
急性に発症する腎炎では、
① 溶連菌感染症後に発症する急性糸球体腎炎
② 病原性大腸菌O157感染後に発生する溶血性尿毒症症候群
③ 急速進行性糸球体腎炎
④ 紫斑病性腎炎
があります。
 どれも発症が急激であり、蛋白尿をともなったり、紫斑・関節痛を伴ったりします。

 慢性に発症する腎炎では、
① IgA腎症、
② 巣状糸球体硬化症、
③ 膜性増殖性糸球体腎炎、
④ ループス腎炎、
⑤ 遺伝性腎炎
などがあります。
 IgA腎症や膜性増殖性糸球体腎炎では、学童期に多いと言われます。また蛋白尿をともなったりすることが多くあり、特有の症状や遺伝が関係したりするものもあります。
 
 腎炎以外で血尿を示すものは、
① 良性家族性血尿(家族性にみられ、予後良好で治療不要。)
② 高カルシウム尿症(尿路結石伴う場合もある。尿中のカルシウムを測定し診断される。)
③ ナットクラッカー現象(動脈の間に左の腎静脈が挟まれた構造があるが、その圧迫が高度であった場合、左腎側がくるみ割のように拡張するもので、超音波で診断。)
④ 先天性腎尿路奇形(超音波で診断。)
などが比較的多くみられます。

⑤ 出血性疾患
⑥ がんに伴う血尿
は、子どもでは稀です。

 
Q:血尿を言われた場合、どのように診療されていくのですか?

A:尿蛋白がなく、血尿のみの場合、自然消退するものが多く、重症の腎炎の可能性も少ないなど、予後がよいため、外来検尿を続けながら尿所見の推移を観察することになります。
 初年度は試験紙の検査だけでなく、尿中の赤血球を顕微鏡で調べ、その数や赤血球の形態などを観察したり、血尿の増強の有無や蛋白の出現を見る必要があり(特に感冒時)、年数回の尿検査を行いますが、異常がなければ検査回数も減って行きます。血尿が長期に悪化する場合は、腎生検も施行されます。
 結論的には、血尿の経過観察を小児科でなされている段階で、過度の不安を抱く必要はまったくありません。
 当然、腎臓病でなされる運動制限や食事制限など不必要です。
 そして、おそらく、尿検査をしていくうちに、血尿をみとめなくなることが大多数だと思われます。

以上、
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【医療知識】水イボ

2008-08-15 11:15:31 | 小児医療
 水イボは、子どもによくある感染性の病気です。
 一部幼稚園・保育園でプールを禁止したり、過剰な対応があると聞きますが、プールを禁止させる必要はありません。
 水イボについて、ご説明します。

Q:水イボがあり、幼稚園ですぐに処置するように言われました。

A:水いぼは、伝染性軟属腫ともいいます。
 表面はつるっとしていて、光沢のある、固い半球形のイボです。1~数ミリと大きさは様々。中央に窪みがあります。水疱のようにみえるものの、イボをつぶすと白いおからのような塊がでてきます。この中に、ウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)がたくさん含まれていて、これがつくとうつります。
 手のひらや足の裏をのぞき、脇の下、ももの付け根、ひじ、ひざなど皮膚の軟らかい関節の部分や、摩擦しやすい側腹部に出ることが多くあります。
 かゆみや痛みはありませんが、炎症を起こした場合、じくじくしたり、赤くただれ、痒みが出る場合があります。

Q:子どもに多い病気なのですか?

A:そのとおりです。
 学童期までの子どもが罹り、大人では非常にまれです。

Q:重い病気なのですか?

A:いいえ。自分の免疫ができて、自然に治っていく病気です。水イボができて、重い病気にかかることもありません。
 ただし、アトピー性皮膚炎の子の場合、皮膚の防御力が低下した状態なので、水イボに感染しやすく、また、湿疹と水イボが同じ部位にできて治療が難渋する場合があります。


Q:治療は、どのようなものがありますか?

A:特に、著名な有効性を有する治療はありません。対症療法的なものがほとんどです。
 具体的に、治療としては、
①内服薬:小児科でいろいろな薬を試してみることもありますが、イボを確実に治す薬はありません。漢方薬(ヨクイニン)内服を用いる医師もいます。

②切除法:ピンセットでつまんでとることもあります。これは、痛いし、出血を伴います。全部とったとしても、またできることがあり、根本治療ではありません。表面麻酔のシール(リドカインテープ剤、ペンレステープなど)を薬局で購入し、とる30分ぐらい前に貼っておくと、とる時の痛みを軽減できます。

③硝酸銀溶液塗布:痛みはないが、とれるまで何日もかかります。

④液体窒素冷凍法:凍らせてとります。じっとしていない乳幼児には不向きです。

 実際には、これらやり方の中から、基本的に、小児科医が、子どもの症状、状態を見て、親御さんと話す中で、薬をためすのか、ピンセットでとるのか、経過を見るのかなど、選択されていきます。

 先ほどものべましたが、特別な治療をしなくても、自分自身の免疫ができることにより、1年ぐらいで治るので、治るまでそのまま待つこともあります。ただし、個人差があり、数年かかる場合もあります。


Q:プールで感染しますか?

A:水イボがプールの水でうつることはありません。
 裸の体をこすり付けたり、浮き輪やビート版、タオルを共有するとうつることがあります。
 水イボがあることで、プールや水遊びを禁止はしません。

Q:登園、登校は?

A:出席を停止したりする必要はありません(学校保健法上も)。

Q:感染予防に注意することは?

A:感染予防としては、プールのあと、十分体を洗い流すことです。タオルの共有は避けてください。
 常につめも短く切って、掻きこわさないようにします。

以上
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