「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

自民党案は、不法な逮捕・監禁・拷問、恣意的な刑罰権の行使の過酷な歴史を繰り返させようとしているのか?

2013-08-27 16:26:22 | 国政レベルでなすべきこと
 大日本帝国憲法下、不法な逮捕・監禁・拷問、および恣意的な刑罰権の行使によって、人身の自由が不当に踏みにじられてきた歴史があります。

 そのような歴史を徹底的に排除するために、日本国憲法は、18条において人権保障の基本とも言うべき奴隷的拘束からの自由を定め、31条以下において、詳細な刑事手続きの保障の規定を置いています。

 以下、日本国憲法と自民党案の単純に文面の比較をします。

 自民党案には、日本国憲法とほぼ同じ内容の場合〇、異なる場合×を、印としてつけています。

 意味内容も含め、今後考察を加えたいと思っていますが、まずは、文面比較します。

 自民党案は、大日本帝国憲法回帰の方向性を持っていますが、その特徴を、残念ながら、ここでも色濃く表しています。
 
 
******31条~40条******

【31条】
日本国憲法
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

〇自民党案
(適正手続の保障)
第三十一条 何人も、法律の定める適正な手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。


【32条】
日本国憲法
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない

××自民党案
(裁判を受ける権利)
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を有する


【33条】
日本国憲法
第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

〇自民党案
(逮捕に関する手続の保障)
第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、裁判官が発し、かつ、理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。


【34条】
日本国憲法
第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない

×自民党案
(抑留及び拘禁に関する手続の保障)
第三十四条 何人も、正当な理由がなく若しくは理由を直ちに告げられることなく、又は直ちに弁護人に依頼する権利を与えられることなく、抑留され、又は拘禁されない。
2 拘禁された者は、拘禁の理由を直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示すことを求める権利を有する


【35条】
日本国憲法
第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。


××自民党案
(住居等の不可侵)
第三十五条 何人も、正当な理由に基づいて発せられ、かつ、捜索する場所及び押収する物を明示する令状によらなければ、住居その他の場所、書類及び所持品について、侵入、捜索又は押収を受けない。ただし、第三十三条の規定により逮捕される場合は、この限りでない。
2 前項本文の規定による捜索又は押収は、裁判官が発する各別の令状によって行う。

【36条】
日本国憲法
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる

×××自民党案
(拷問及び残虐な刑罰の禁止)
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、禁止する


【37条】
日本国憲法
第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。


〇自民党案
(刑事被告人の権利)
第三十七条 全て刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 被告人は、全ての証人に対して審問する機会を十分に与えられる権利及び公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを付する。


【38条】
日本国憲法
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない

×自民党案
(刑事事件における自白等)
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 拷問、脅迫その他の強制による自白又は不当に長く抑留され、若しくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされない。

【39条】
日本国憲法
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

×自民党案
(遡及処罰等の禁止)
第三十九条 何人も、実行の時に違法ではなかった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。同一の犯罪については、重ねて刑事上の責任を問われない。


【40条】
日本国憲法
第四十条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。


〇自民党案
(刑事補償を求める権利)
第四十条 何人も、抑留され、又は拘禁された後、裁判の結果無罪となったときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。


**********************
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憲法27条 自民党案問題点 27条で大事なことは、「働けるということは、義務の前に権利である」ということ

2013-08-27 09:54:40 | 国政レベルでなすべきこと

 一日一条ずつの自民党改憲案の問題点の考察、
 8月27日、28日は、憲法27条と28条です。

 労働基本権に関する規定です。

 これら条項もまた、とても大切だと思います。

 自分は、27条を理解するに当たり、まず、大事なことは、「働けるということは、義務の前に権利である」ということだと考えます。(以前のブログ:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/8c35694366b639cd2f81c9d726c6e573 )
 私たちのまさに自己実現の形のひとつが、働けることじゃないでしょうか。
 国は、働ける環境整備を、鋭意行っていかねばなりません。


 まずは、どのような案であるか、27条、28条セットで、見ておきます。

****************************
日本国憲法
第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。


自民党案
(勤労の権利及び義務等)
第二十七条 全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。
3 何人も、児童を酷使してはならない。


日本国憲法
第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。


自民党案
(勤労者の団結権等)
第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、保障する。
2 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない。〔新設〕

***********************************

 自民党案は、日本国憲法とほぼ同じ内容であることがわかります。文体や格調の高さからは、日本国憲法のほうが優れています。この点改憲する必要はありません。

 大きな点は、自民党案では、28条に2項を新設しています。
 この新設に関しては、28条のことなので、28日の明日述べます。


 以下、27条、28条に関する基礎知識。
 最後に、労働法関連の知識の整理をしたもののアドレスも貼ります。


 19世紀の資本主義の発達の過程において、労働者は、失業や劣悪な労働条件のために厳しい生活を余儀なくされました。労働者の生活を向上させるために、労働者を保護し、労働運動を容認する立法が制定することとなりました。

 日本国憲法は、27条で勤労の権利(勤労権、労働権)を保障し、勤労が国民の義務(ただし、勤労が義務とはいえ、法律により勤労を国民に強制することができるという意味ではありません。)であることを宣言し、かつ、勤労条件の法定(勤労条件法定主義)を定めています。

 28条で労働基本権(団結権、団体交渉権、団体行動権・争議権の労働三権)を保障しています。

 27条3項の児童の酷使の禁止は、子どもが過酷な労働環境で働くことを強制された歴史を繰り返すことのないよう、子どもの権利を守るための規定です。

 この規定から、

〇児童(満15歳後の最初の3月31日が終了するまで)を労働者として使用することの原則禁止(労働基準法56条)

〇児童(18歳未満)を午後10時から午前5時までの間に働かせる深夜業の原則禁止(同法61条)

〇児童(18歳未満)の危険有害業務に関する就業制限(同法62条)

〇児童(18歳未満)の坑内労働の禁止(同法63条)

 が定められています。

 以下、関連法律の該当箇所を抜粋します。

*******関連法律 抜粋***********************
<労働基準法>
  第六章 年少者


(最低年齢)
第五十六条  使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない
○2  前項の規定にかかわらず、別表第一第一号から第五号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする。

(年少者の証明書)
第五十七条  使用者は、満十八才に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
○2  使用者は、前条第二項の規定によつて使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない。

(未成年者の労働契約)
第五十八条  親権者又は後見人は、未成年者に代つて労働契約を締結してはならない。
○2  親権者若しくは後見人又は行政官庁は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向つてこれを解除することができる。

第五十九条  未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代つて受け取つてはならない。

(労働時間及び休日)
第六十条  第三十二条の二から第三十二条の五まで、第三十六条及び第四十条の規定は、満十八才に満たない者については、これを適用しない。
○2  第五十六条第二項の規定によつて使用する児童についての第三十二条の規定の適用については、同条第一項中「一週間について四十時間」とあるのは「、修学時間を通算して一週間について四十時間」と、同条第二項中「一日について八時間」とあるのは「、修学時間を通算して一日について七時間」とする。
○3  使用者は、第三十二条の規定にかかわらず、満十五歳以上で満十八歳に満たない者については、満十八歳に達するまでの間(満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日までの間を除く。)、次に定めるところにより、労働させることができる。
一  一週間の労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、一週間のうち一日の労働時間を四時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を十時間まで延長すること。
二  一週間について四十八時間以下の範囲内で厚生労働省令で定める時間、一日について八時間を超えない範囲内において、第三十二条の二又は第三十二条の四及び第三十二条の四の二の規定の例により労働させること。

(深夜業)
第六十一条  使用者は、満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満十六才以上の男性については、この限りでない。
○2  厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後十一時及び午前六時とすることができる。
○3  交替制によつて労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第一項の規定にかかわらず午後十時三十分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前五時三十分から労働させることができる。
○4  前三項の規定は、第三十三条第一項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第一第六号、第七号若しくは第十三号に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。
○5  第一項及び第二項の時刻は、第五十六条第二項の規定によつて使用する児童については、第一項の時刻は、午後八時及び午前五時とし、第二項の時刻は、午後九時及び午前六時とする。

危険有害業務の就業制限
第六十二条  使用者は、満十八才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。
○2  使用者は、満十八才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。
○3  前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める。

坑内労働の禁止
第六十三条  使用者は、満十八才に満たない者を坑内で労働させてはならない。

(帰郷旅費)
第六十四条  満十八才に満たない者が解雇の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満十八才に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁の認定を受けたときは、この限りでない。



<児童福祉法>
 第八節 雑則


第三十四条  何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一  身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為
二  児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為
三  公衆の娯楽を目的として、満十五歳に満たない児童にかるわざ又は曲馬をさせる行為
四  満十五歳に満たない児童に戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で歌謡、遊芸その他の演技を業務としてさせる行為
四の二  児童に午後十時から午前三時までの間、戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務としてさせる行為
四の三  戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務として行う満十五歳に満たない児童を、当該業務を行うために、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第四項 の接待飲食等営業、同条第六項 の店舗型性風俗特殊営業及び同条第九項 の店舗型電話異性紹介営業に該当する営業を営む場所に立ち入らせる行為
五  満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為
六  児童に淫行をさせる行為
七  前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて、他人に児童を引き渡す行為
八  成人及び児童のための正当な職業紹介の機関以外の者が、営利を目的として、児童の養育をあつせんする行為
九  児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為
○2  児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター又は児童自立支援施設においては、それぞれ第四十一条から第四十三条まで及び第四十四条に規定する目的に反して、入所した児童を酷使してはならない。

******************************************

<労働法>
6)懲戒処分の有効性の検証方法
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/e83484206f773abaeb12dd51def6e695


5)働けることって、義務の前に、権利ですよね。「業務命令としての自宅待機」の可否について。
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/8c35694366b639cd2f81c9d726c6e573

4)重要賃金問題!賃金の相殺は原則禁止。退職金不支給条項は違法か?賞与支給日前に退職するともらえない?(2013-04-22 23:00:00 2年目)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/2147f5723bc62c34c620992726cd6011


3)重要!改正労働契約法本年4/1施行19条1号2号。有期契約雇止めが一定の場合禁止が明文化(2013-04-16 15:31:45 2年目)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/ab98f5cdea9e7d39744928679fd1b77f


2)労働法:就業規則を理解することの大切さ ぜひ、ご自身の就業規則のご確認を!(20130409 2年目)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/98f14b972998cde370b85ec98dec323e


1)労働法:個別的労働契約における「労働者」と「使用者」(20130409 2年目)
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4ec6ef365e969fe096b647ab2c4cc614




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憲法26条 自民党案の問題点 きちんと子ども達に学習権を保障してほしい、国のための教育ではなく。

2013-08-26 18:21:44 | 国政レベルでなすべきこと
 一日一条ずつの自民党改憲案の問題点の考察。

 8月26日は、憲法26条。

 教育を受ける権利を保障するとても重要な条文です。
 子ども達にとって、最も重要な条文といってもよいかもしれません。

 念のため、書きますが、この条文が義務として定めているのは、子ども達が義務で勉強しなければならないことや学校へ行って勉強する義務ではありません
 子ども達に教育を受けさせる義務、勉強できる機会をつくる義務が、親や国にあることを定めています


 そのことを、憲法学者故芦部先生は、

 「教育を受ける権利は、その性質上、子どもに対して保障される。その権利の内容は、子どもの学習権を保障したものと解される。
  子どもの教育を受ける権利に対応して、子どもに教育を受ける責務を負うのは、第一次的には親ないしは親権者である。26条2項が、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」と定めているのは、そのことを明示している。また、教育を受ける権利の社会権としての側面として、国は、教育制度を維持し、教育条件を整備すべき義務を負う。この要請を受けて、教育基本法および学校教育法等が定められ、小・中学校の義務教育を中心とする教育制度が設けられている。」(『憲法第5版』岩波書店 264ページ)と書かれています。

 教育権の所在については、教育内容について国が関与・決定する権能を有するとする説(国家の教育権説)と、子どもの教育について責任を負うのは、親およびその付託を受けた教師を中心とする国民全体であり、国は教育の条件整備の任務を負うにとどまるとする説(国民の教育権説)の争いがあります。
 最高裁判例は、両説「極端かつ一方的」であるとして否定し、教師に一定の範囲の教育の自由の保障があることを肯定しながら、その自由を完全に認めることは、1)児童生徒には教育内容を批判する能力がなく、2)教師に強い影響力があること、3)子どもの側に学校・教師を選択する余地が乏しいこと、4)全国的に一定の水準を確保すべき要請が強いことなどから、許されないとし、結論としては、教育内容について、「必要かつ相当と認められる範囲において」決定するという、広汎な国の介入権を肯定しています(学説の批判有り)。(旭川学力テスト事件最高裁大法廷判決昭和51.5.21)

 憲法26条2項で謳う、義務教育の無償については、一般に、「授業料不徴収」の意味であると解されています。1963年以降、教科書は無償で配布されています。

 
 憲法上、よく問題になるのは、義務教育や高校教育ですが、26条は、生涯教育、家庭教育、社会教育も含んでいます


************************
日本国憲法
第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

自民党案
(教育に関する権利及び義務等)
第二十六条 全て国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。
2 全て国民は、法律の定めるところにより、その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、無償とする。
3 国は、教育が国の未来を切り拓(ひら)く上で欠くことのできないものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない。〔新設〕
*************************


 さて、自民党案との比較、自民党案は、1項と2項は大きく変えてはいませんが、3項を新設しています。
 とても残念な条項の新設です。
 その新設された3項では、鑑みることを、自民党は取り違えていませんか。
 何のための教育ですか?国のための教育ですか?


 日本のひとりひとりの子どもが、その子の個性や可能性を十分に伸ばし、人生に役立つ知識技能を身に着ける教育をすることが大切なのではないでしょうか。
 ですから、まず、鑑みるべきことは、「教育が、個人が人格を形成し、社会において有意義な生活を送るために不可欠であること」でしょう。

 日本の学校で教育を受けた優秀な人材が、国の未来を切り拓いたとしても、それは、間接的付随的な効果であり、そのことを直接に期待するのは、教育の目的をはき違えていると思います。
 資源のない日本が世界で太刀打ちするためには、教育こそ大切なことはわかるとしても、そのことを憲法の条文に盛り込む前に、もっともっと大切な個人の人格形成に寄与する教育について盛り込むべきだと考えます。

 小中高と、国のために勉強した経験のあるかた、どれだけおられるでしょうか。
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行政法2-1 行政行為の効力

2013-08-26 01:27:45 | シチズンシップ教育

行政行為の効力

○公定力:行政処分は、無効な場合を除き、正規のルートで取り消されない限り、すべての者を拘束し、何人も処分を効果がないものと取り扱うことができないこと。

 判例のいいかた→百選6版71事件(最三小判昭和30年12月26日民集9巻14号2070頁)「行政処分は、たとえ違法であっても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有する」

○不可争力:不服申立期間または出訴期間を経過した後は、無効の場合を除き、その行政行為の行為を争うことが出来なくなる効力。

 判例では→百選6版74事件(最三小判昭和42年9月26日民集21巻7号1887頁)の田中意見参照

○不可変更力:行政行為は、原則として、行政庁の職権によって、取り消したり、変更したりすることが可能だとされているが、例外的に、行為の属性として(例えば、紛争の遮断を目的とする異議決定・審査採決のような争訟遮断行為など)、行政庁の職権による取消・変更な許されない行為の効力。

 判例では→百選6版73事件(最一小判昭和29年1月21日民集8巻1号102頁)の判旨及び解説参照


○執行力:判決などの債務名義を得ることなく、行政行為自体を根拠として、法律の定めるところにより、その行政行為の内容を強制し、実現しうる力。

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行政法1-2 条例が国の法令に違反するかどうかの判断方法

2013-08-25 20:19:04 | シチズンシップ教育
徳島公安条例事件 最大判昭和50年9月10日
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51070&hanreiKbn=02

 判決文で、「条例が国の法令に違反するかどうかの判断方法」を示した部分。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319115841786889.pdf


地方自治法一四条一項は、普通地方公共団体は法令に違反しない限り において同法(旧)二条二項の事務に関し条例を制定することができる、と規定している から、普通地方公共団体の制定する条例が国の法令に違反する場合には効力を有し ないことは明らかであるが、条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事 項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較 し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによつてこれを決しなければならない。

例 えば、

1、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、

当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施 すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、

→これについて規律 を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうるし、

逆に、

2、特定事項につ いてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、

(1)後者が前者とは別の目 的に基づく規律を意図するものであり、その適用によつて前者の規定の意図する目 的と効果をなんら阻害することがないときや、

(2)両者が同一の目的に出たものであつ ても、

国の法令が必ずしもその規定によつて全国的に一律に同一内容の規制を施す 趣旨ではなく、

それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、 別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、

  国の法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえないのである。




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行政法1-1行政立法とは?

2013-08-25 19:28:23 | シチズンシップ教育
*行政立法(内容で分類)

○法規命令:国民の権利義務に関する事項に関する定め
      
      委任命令:法律からの委任が、個別具体的授権が必要。
     
      執行命令:法律を動かしていくための、専門的技術的な事項、一般的授権でよい。


○行政規則:国民の権利義務に関しないもの
   
      例)庁舎管理規則


 ⇒根拠
 憲法第七十三条  内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
  六  この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
 
 ○全部留保説


*条例 

⇒根拠

 憲法
第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

 地方自治法
第十四条  1項 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。(→法令:憲法、法律、命令、規則)

第九十六条  1項 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
 一号 条例を設け又は改廃すること。

 
*幼児接見不許可事件 最判平成3年7月9日

 監獄法
http://www.houko.com/00/01/M41/028.HTM
 第50条 接見ノ立会、信書ノ検閲其他接見及ヒ信書ニ関スル制限ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

 監獄法施行規則(平成3年法務省令22号による改正前のもの)
120条:14歳未満ノ者ニハ在監者ト接見ヲ為スコトヲ許サス

 




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憲法25条自民案問題点 もったいない25条の2~4。まともな憲法案にこそ入れるべき条項。

2013-08-25 11:28:51 | 国政レベルでなすべきこと
 一日一条ずつの自民党憲法草案の問題点の考察。
 8月25日は、25条。
 ひとつの目標として、31日までに31条が近づいて来ました。ラストスパートといったところですが、重要条項が続きます!

 
 本日25条、おそらく、「生存権」という名と共に、社会科でも何度も出てきて、最も親しみの持てる条項ではないでしょうか。

 その分、とても重要な条項です。

 25条から、26、27、28と社会権が保障されています。


 社会権とはなにか、憲法学者の故芦部先生の解説を読みます。


 「日本国憲法は、生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)、勤労の権利(27条)、労働基本権(28条)という社会権を保障している。社会権は、20世紀になって、社会国家(福祉国家)の理念に基づき、とくに社会的・経済的弱者を保護し実質的平等を実現するために保障されるに至った人権である。その内容は、国民が人間に値する生活を営むことを保障するものであり、法的にみると、それは国に対して一定の行為を要求する権利(作為請求権)である。この点で、国の介入の排除を目的とする権利(不作為請求権)である自由権とは性質をことにする。もっとも、社会権にも自由権的側面がある。

 社会権が保障されたことにより、国は社会国家として国民の社会権の実現に努力すべき義務を負う。たとえば、憲法25条2項が、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定するのは、その趣旨である。」

(『憲法第5版』岩波書店 258頁)



******************************
日本国憲法
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。



自民党案
(生存権等)
第二十五条 全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、国民生活のあらゆる側面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


(環境保全の責務)
第二十五条の二 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。〔新設〕


(在外国民の保護)
第二十五条の三 国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない。〔新設〕

(犯罪被害者等への配慮)
第二十五条の四 国は、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮しなければならない。〔新設〕
***************************************


 自民党案は、日本国憲法とほぼ同じといえるでしょうか。
 憲法「すべての生活部面」が自民案「国民生活のあらゆる側面」となっています。
 これも同じとみてよいでしょうか。
 内容が狭まっていなければよいと思います。

 あと、自民党案では、25条の2、25条の3、25条の4が新設されています。

 これら新設された内容は、方向性としてはよいと思います。
 文面は、検討の余地が多分にあり。自民案は、すべて文言が弱すぎる。そのような文面で、本当に国は、それら新たな人権を守る気があるのかと思いたくなる。
 例えば、自民党案25条の4「犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮」ではなく、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇を「保障する」レベルまでの表現はほしいと思います。


 もし、文面がきちんと直されたと仮定しても、ただ、とても、とても残念なのは、自民案全体が、これまで述べてきましたように

〇憲法を、国家を縛る最高法規から、国民を縛る法律に変えていること

〇人権規定に根本的な誤りがあること
 「公共の福祉」による人権間の調整ではなく、「公益及び公の秩序」による強制であること

〇表現の自由が否定されていること

〇戦争の放棄が否定されていること

〇象徴天皇制が否定されていること

〇結局、大日本帝国憲法への回帰の方向であること

 など、根本的な誤りがあって、憲法と呼べるものではないため、実現不可能であります。
 よって、これら新設条項も同時に、死文化される運命にあります。
 万万が一、自民党案が通ったとしても、25条の2、25条の3、25条の4は、国民のために機能はしないことが考えられます。自民党案は、人権規定に根本的な誤りがあるからです。


 自民案に頼るのではなく、これら条文の文面をよく練り、適正手続きのもと、憲法に入れていくべきか、法律の規定を充実させることで済むのか、議論を深めることこそが求められていると思います

 一番やってはならない選択肢は、これら条文に飛びついて、自民党案の負の部分に目をつぶってしまうことです。一旦、これらを含めて自民党案で改憲させておいて、後ほど、これら条項を削除する手口が用いられることまで、私達国民は、念頭に置いておくべきです。
 言っておきます。自民案は21条において、表現の自由が否定されています。改憲のハードルは、とても低く設定されています。正しい情報が伝えられることなく、次なる改憲も容易です。情報がまともに伝わらないことをよいことに、国に不都合な条文はすぐに削除されることでしょう
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憲法24条 自民党案の問題点 ペアテ・シロタ・ゴードン氏意欲の起草条項を安易に変えるな。

2013-08-24 23:00:00 | 国政レベルでなすべきこと

 一日一条ずつの自民党憲法草案の問題点の考察。

 8月24日は、24条。

 憲法24条1項で、婚姻の自由と夫婦の権利の同等をうたい、2項で、家族に関する立法は、「個人の尊厳と両性の本質的平等」に基づくべきであると定めています。


 GHQ民政局のペアテ・シロタ・ゴードンの意欲で起草され、GHQ内部や日本政府による数多の修正を受けながら、現在の形で残ったものだそうです。


 民法(家族法)の基本原理・最高法規という色彩が強く、「法の下の平等」を保障する14条の特別条項と位置付けられています。
 すなわち、13条の個人の尊厳や14条の両性の平等の意義を再確認し徹底化することを求めた規定です。(参照『判例憲法2』第一法規 85ページ)


***************
日本国憲法
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

自民党改憲案
(家族、婚姻等に関する基本原則)
第二十四条 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。〔新設〕
2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
***************


 まず、結構自民案は、変えようとしているため、なぜ、そのように変えるのか、自民党の解説を読みます。


*****自民党パンフ******
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf

Q家族に関する規定は、どのように変えたのですか?


家族は、社会の極めて重要な存在ですが、昨今、家族の絆が薄くなってきて
いると言われています。こうしたことに鑑みて、24 条1 項に家族の規定を新
設し、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、
互いに助け合わなければならない。」と規定しました。なお、前段については、世界人
権宣言16 条3 項も参考にしました。

党内議論では、「親子の扶養義務についても明文の規定を置くべきである。」との意見
もありましたが、それは基本的に法律事項であることや、「家族は、互いに助け合わな
ければならない」という規定を置いたことから、採用しませんでした。

(参考)世界人権宣言16 条3 項
 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利
を有する。

****************


問題点1 世界人権宣言16条3項を、自民党案は、反映しているとはいえない。

 1項を自民党案は、世界人権宣言16条3項を参考に新設したといいますが、結果、自民案は、「家族は、尊重される」と漠然と述べているにすぎません。
 世界人権宣言16条3項を参考にしたと言うのであれば、「家族は、国による保護を受ける権利を有する」とはっきりと述べるべきでしょう。


問題点2 憲法に価値観を持ち込んでよいか。

 新設された部分には、マスコミも取り上げ、問題提起がなされていました。


 
 もちろん、ひととしては当然の内容ではあるものの、価値観の持ち込みは問題があります。
 また、本来、社会全体で支えるべきところに関してまで、逆に、家族に全部責任を押し付ける根拠ともされる危険性があるのではないかと危惧します。

問題点3 なぜ、「のみ」を省く?

 自民党案では、こっそりと、削除する、文言を置き換えるということが、多数なされており、注意深く自民案の文言を読む必要があります。

 ここでも、決して削除してはならない「のみ」が削除されています。

 自民党案作成者にお伺いしたいところですが、そのほかに、どんな結婚の成立を想定されて、「のみ」を落とすのでしょうか?

憲法:婚姻は、両性の合意のみに基いて成立

自民党案:婚姻は、両性の合意に基づいて成立


問題点4 憲法「家族に関するその他の事項」から自民案「親族に関するその他の事項」へ

 ここも、自民党案が、こっそりとおこなっている部分。
 注意深く読まねば、落としてしまいます。項目の並べ替えをして、その他の事項の修飾のされる用語を変えています。

 保護されるべきひとが保護されないことになっています。
 親族の定義に入らないが、家族はいるはずであり、自民党案では、それら家族を保護する法制化をし辛くさせる変更です。

問題点5 憲法が保護する「住居の選定」が自民党案で、こっそり削除されています。

以上
 
(問題点がもっといろいろある条項だと思います。お気づきの点、教えてください。)

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東京都中央区月島 こども元気クリニック・病児保育室、8/25(日)の急病対応について

2013-08-24 12:06:59 | 小児医療
8月25日の日曜日、午前中、日曜日実施の予防接種のため、クリニックに待機いたしております。


 個別にお伝えしているところですが、万が一の場合、併せて急病対応いたしますので、お気軽にご相談下さい。

 また、月曜日からの登園登校に備え、「治癒証明」が必要な場合、日曜日に書かせていただきます。月曜日わざわざクリニックによる必要がなくなると思いますので、ご利用下さい。



 mission:日本の小児医療救急問題の解決と、地域の子ども達の24時間365日の安全安心。
     


医療法人小坂成育会
こども元気!!クリニック・病児保育室

東京都中央区月島3-30-3 ベルウッドビル2~4階

電話03-5547-1191

*********8月の小坂クリニックのお知らせ******

 それぞれの小児科がずらして夏休みのお休みをとると、その地域の患者さんは、小児科探しで困らないのにと常々思います。

 ということで、開業以来続けていることですが、8月は、お盆期間も含め通常診療致します。



<小坂クリニック 8月のお知らせ>

【1】8月は、お休みなしで診療致します。(お盆の期間も通常診療いたします。)

ただし、
〇8/3(土)は、午前8:30~9:30で急病対応のみとさせていただきます。 

〇8/6(火)は、宇佐美学園での「自然と触れ合おうわんぱくkids」への医療協力のため、午前・午後診療ともに小児科牧本先生の代診とさせていただきます。



【2】日曜日の予防接種を実施中です。(同時に急病対応もいたします。)

患者様からの御要望にお応えし、日曜日の予防接種(予約制)を実施することになりました。

ご希望の方は、お電話でお申し込み下さい。

お子様の夏休み期間中に、お忘れの予防接種があれば、実施されることをお勧めします。

日曜日予防接種実施に伴い午前中はクリニックに待機いたしますので、急病対応も可能です。
月曜日朝一番で登園できるよう治癒証明なども日曜日に書きますのでご利用ください。



【3】ご旅行中のお薬は、大丈夫ですか?

ご旅行中に、ご病気の際、軽い風邪やおなかのお薬を持参されると安心です。
定期内服薬もきらさないようにお願いいたします。

ご旅行の際の持参薬について、お気軽にご相談下さい。

また、実際にご旅行中の際のご病気でお困りの場合、クリニックにお電話下さい(国内03-5547-1191、海外81-3-5547-1191)。万が一、留守番電話の場合、ご連絡先を入れてください。折り返しの対応をさせていただきます。
さっそく、ハワイから、国際電話いただきました。



【4】万が一に備えて、知っておくべき子どもの病気の知識について勉強会開催

 8月26日月曜日午後1時~2時に「万が一に備えて、知っておくべき子どもの病気の知識」の勉強会を企画いたします。
〇救急受診すべきポイントについて
〇よくある病気の対応について
〇万が一の心肺蘇生とAEDについて等
 わかりやすくご説明させていただきます。

参加ご希望のかたは、クリニックにご連絡下さい。
これからも、定期的に開催していく予定です。

以上です。

暑い日が続きますが、体調をくずされませんように。
水分補給を忘れずに、十分に休眠休息をとってお過ごしください。



*****************
「日曜日の予防接種開始のお知らせ」と、
「大人の風しんワクチンの無料接種のお知らせ」を致します。


<こども元気!!クリニックの日曜日の予防接種実施のお知らせ>

このたび、患者様からの御要望にお応えし

日曜日の予防接種(予約制)を

実施することになりました。

ご希望の方は、受付へ申し込みください。

ご利用お待ちしております。



<大人の風しん予防接種費用の無料化について>

風疹がたいへん流行しています。

先天性風しん症候群緊急対策として、

中央区は、大人のかたへの風疹予防接種費用助成を、

〇妊娠を予定又は希望している女性(接種期限 平成26年3月31日)

〇妊娠している女性の夫(接種期限 平成25年9月30日)

を対象者として行っています。

接種費用は無料となりますが、接種期限もあり、ご注意ください。

当院でも、この事業に伴う予防接種も実施しておりますので、ご利用ください。



なお、対象でない方も、風しんにかかったことがないかたは、接種されることをお勧めします。

ワクチン不足も言われており、お考えの方はお早めにお申込み下さい。

*関連の中央区ホームページ:
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/hokenzyo/sessyu/senntennseihusinnkinnkyuutaisaku/index.html


*先天性風しん症候群:妊娠のはじめの時期に風しんに感染すると、高い確率でおなかの中の赤ちゃんが、心奇形・難聴・白内障などを持って生まれてくる病気です。だからこそ、妊娠されるかたを中心に接種事業が積極的に行われています。



医療法人小坂成育会
こども元気!!クリニック・病児保育室

東京都中央区月島3-30-3 ベルウッドビル2~4階

電話03-5547-1191
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メモ:日米地位協定

2013-08-23 17:05:59 | 戦争と平和

 日米地位協定を理解のため、その条文構造が、報道されていたものをクリップします。


日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/pdfs/fulltext.pdf

昭和35 年1 月19 日ワシントンで署名             Signed at Washington, January 19, 1960
昭和35 年6 月19 日国会承認                  Approved by the diet, June 19, 1960
昭和35 年6 月21 日承認の内閣決定             Approval decided by the cabinet, June 21, 1960
昭和35 年6 月23 日承認を通知する公文交換       Notes of approval exchanged at Tokyo, June 23, 1960
昭和35 年6 月23 日公布(条約第7号)            Promulgated, June 23, 1960
昭和35 年6 月23 日効力発生日                Entered into force, June 23, 1960














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本日19時月島区民館3階、川内博史氏講演会『この国の真実を語る』、IWJ全国配信有り。

2013-08-23 12:25:01 | 国政レベルでなすべきこと

 川内博史氏講演会『この国の真実を語る』いよいよ、本日19時開催、入場無料です。
 十分に理解を深めることができるように、最大22時まで会場はおさえています。

 
 川内氏ご自身ご発言下さっています。

川内 博史 ‏@kawauchihiroshi
23日午後7時より、中央区月島区民館にて、この映像の持つ意味を解説します。誰でも参加できます。
福島一号機原子炉建屋内撮影映像
http://www.youtube.com/watch?v=xMO3Wb9inFg 
民間で原子炉建屋の内部を撮影した映像は、マスコミも含めて、私が撮影したこの映像だけです。


 福島第一原発事故問題を初め様々な問題について、学ぶ時間になればと思います。

 遠方のかたは、ぜひ、ジャーナリスト岩上安身氏のIWJによる全国同時配信をご利用ください。
 ⇒ http://iwj.co.jp/

 川内博史氏には、遠方から駆けつけて下さり、心から感謝いたしております。
 楽しみです。

 *会場は、月島駅(有楽町線、大江戸線)すぐ近くの「月島区民館」です。「月島区民センター」ではありません。念のため。


*******ご案内******

 川内博史前衆議院議員が、全国どこにでも駆けつけて、勉強会を開催下さると情報発信されたのを受け、是非とも東京都中央区でもとお願いし、企画をするに至りました(ジャーナリスト岩上安身氏のIWJさんご協力により全国同時配信有り)。
 すでに川内氏作成の当日資料約80枚をいただき、配布の準備をさせていただいております。
 科学的根拠、データに基づき、日本の重要問題について、会場からの双方向のやりとりを交えながら、考えたいと思います。

 川内氏自身が福島第一原発建屋内へ実際に入っての視察をされたことも含め福島第一原発事故問題も重要な論点のひとつです。
 川内氏は、1996年衆議院初当選。以来連続5期当選。その間、衆議院国土交通委員長、文部科学委員長、沖縄北方特別委員長、科学技術特別委員長等を歴任されておられます。
 国会の現場の視点から貴重な情報をいただけることと期待致しております。


 不偏不党の立場から、企画を致しました。
 私は、是非、政治家としては、まさに川内氏に語っていただきたかったから、お願いをいたしました。
 国民のために政治家とはどうあるべきかを、さし示して下さっているかたのひとりだと私は川内氏のことを信じています。
 東京都の大問題、築地市場移転問題にも取り組んでくださっており、いつも感謝する次第です。

 皆様、ぜひ、ご参加お待ちいたしております。


 この度、ジャーナリスト岩上安身氏のIWJにお願いしたところ、快く全国配信にご協力いただけることとなりました。
 当日遠方にて、会場に来られない方は、ぜひ、岩上安身氏ホームページのIWJ上の配信http://iwj.co.jp/  をご利用ください。


 資料だけでも必要な方は、小坂( kosakakazuki@gmail.com   )までお知らせください。
 お送りいたします。


           記

 川内博史氏講演会『この国の真実を語る』
  

日時:平成25年8月23日(金)19時~最大22時

場所:月島区民館
   東京都中央区月島二丁目8番11号 電話 03-3531-6932
http://maps.loco.yahoo.co.jp/maps?p=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%8C%BA%E6%9C%88%E5%B3%B62%E4%B8%81%E7%9B%AE8%E7%95%AA11%E5%8F%B7&lat=35.66321760&lon=139.78458488&ei=utf-8&sc=3&datum=wgs&gov=13102.8.2.8.11&ac=13102&az=8.2.8.11&layer=pa&v=3  

https://www.city.chuo.lg.jp/sisetugaido/syukaisisetu/syukaisisetu14/index.html 



交通機関:・東京メトロ有楽町線または都営地下鉄大江戸線月島駅下車9番出口 徒歩2分

 入場:無料、そのまま会場にお越しください。

以上

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憲法23条 自民党案問題点 学問の自由をこれからも保障し続けねばなりません。

2013-08-23 07:38:17 | 国政レベルでなすべきこと

 一日一条ずつの自民党改憲案の考察。

 8月23日は、憲法23条。

 日本国憲法は、補則まで入れると全部で103条有りますが、ひとつ好きな条文を選べと言われると、私は、迷わずこの23条を選びます。

 「学問の自由は、これを保障する」

 その規定の重要性とともに、五七五の調子で日本語が並べられた美しい日本語の文体であるからです。
 日本国憲法全体が、美しい文体で格調高く構成されておりますが、そのことを象徴するような条文です。


 学問の自由を保障する規定は、明治憲法にはなく、また、諸外国の憲法においても、学問の自由を独自の条項で保障する例は多くないといいます。
 明治憲法時代に、学問の自由ないし学説の内容が、直接に国家権力に侵害された歴史(例、1933年滝川事件、1935年天皇機関説事件)を踏まえて、特に規定されました。


 学問の自由の内容としては、1)学問研究の自由、2)研究発表の自由、3)教授の自由の三つのものがあります。

1)学問研究の自由

 真理の発見・探求を目的とする研究の自由、内面的精神活動の自由であり、思想の自由の一部を構成します。


2)研究発表の自由

 1)でいう研究の結果を発表することができないならば、研究自体が無意味に帰するので、学問の自由は、当然に研究発表の自由を含みます。
 外面的精神活動の自由である表現の自由(21条)の一部であるが、憲法23条によっても保障されています。


3)教授の自由

 大学その他の高等学術研究教育機関における教授の自由(これら“のみ”とするのが従来の通説・判例「東大ポポロ事件最高裁判決」)、および大きな議論が有るところではありますが、初等中等教育機関における教育の自由(今日において支配的見解)。
 ただし、普通教育においても、「一定の範囲における教授の自由が保障される」ことをみとめるが、教育の機会均等と全国的な教育水準を確保する要請などがあるから、「完全な教授の自由を認めることは、とうてい許されない」とされています(旭川学テ事件最高裁判決昭和51・5・21)

(以上、参照『憲法 第5版』芦部信喜 164−165頁)
 
 

 次に、自民案との比較をします。

*********************
日本国憲法
第二十三条 学問の自由は、これを保障する。

自民党案
(学問の自由)
第二十三条 学問の自由は、保障する。
**********************

 ほぼ、同じと言えます。

 ただ、冒頭のべましたが、私は、私の好きな条文の美しい日本語の五七五リズムを失った自民党案は、個人的には認めることはできません。

 


 さて、学問の自由は、明治憲法下で、国家権力により侵害された歴史が有り、正しい真理の追究が国に都合が悪ければ、いつなんどき、国が介入するかもしれず、表現の自由とともにまもらねばならない大切な大切な規定です。

 今でさえ、見えない形の国の介入はあるのかもしれません。

 例えば、原子力研究で、国の意向に添う研究に多額の研究開発費が、国及び電力会社から与えれること、データをねつ造してまで、薬の効果をよくみせることで、製薬会社からの研究開発費を得ようとすることなど、ありうる話かもしれません。


 もうひとつ注意せねばならないことは、「学問の自由は保障する」のであって、憲法19条内心の自由で見た「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」のような「学問の自由は侵害されない」ではないということです。(ちなみに、残念ながら自民案19条「思想及び良心の自由は、保障する。」)
 どんな研究でもやってよいかというとそうではなく、「公共の福祉」と調和のとれた研究が求められることはいうまでもありません。
 例えば、医学分野では、生命と直結するためその倫理性が問われることが常です。最先端研究が周囲の住民に危害を加えるリスクがある場合なども考えられます。


 (ちなみに、19条が出たついでに述べますと、自民案19条が現実化すると、私達が考えることや思うことその内容そのものが、国により強制される場合が出てくることになります。それも「公共の福祉」との理由ではなく、「公益及び公の秩序」すなわち「国のため及び国の意向に沿った秩序」にはずれないようにするという理由のもとの強制がありえることとなります。)

 
 学問の自由の保障は、とても大切です。

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本日22日「原発事故子ども・被災者支援法具体化訴訟」提訴されました。

2013-08-22 17:17:15 | 子育て・子育ち

 本日22日、「原発事故子ども・被災者支援法具体化訴訟」が提訴されたということです。

 下記、法律が、平成24年6月にできたにもかかわらず、その法律が定める「基本方針」がいまだ立てられておりません。
 原告の皆様、代理人になられた弁護士の皆様は、自分たちというよりも、この裁判で、法律が定めたことを国が早急に行うようになってほしいというその思いでこの訴えを提起されておられます。

 大切な動き、重大な問題提起だと思いますので、こちらでも掲載いたします。

 その訴訟の意図、内容は、以下、説明されています。


SAFLAN事務局 ‏@SAFLAN_info
SAFLAN-TV【緊急特番】本日提訴「原発事故子ども・被災者支援法具体化訴訟」について http://youtu.be/9b56IHWoPoA  本訴訟の弁護団のメンバーである福田健治弁護士と河健一郎弁護士のインタビューをお伝えいたします。






**********「原発事故子ども・被災者支援法」法律 全文*********************

東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律
(平成二十四年六月二十七日法律第四十八号)



(目的)
第一条  この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「東京電力原子力事故」という。)により放出された放射性物質が広く拡散していること、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等のため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者及び政府による避難に係る指示により避難を余儀なくされている者並びにこれらの者に準ずる者(以下「被災者」という。)が、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられており、その支援の必要性が生じていること及び当該支援に関し特に子どもへの配慮が求められていることに鑑み、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策(以下「被災者生活支援等施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、被災者の生活を守り支えるための被災者生活支援等施策を推進し、もって被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第二条  被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故による災害の状況、当該災害からの復興等に関する正確な情報の提供が図られつつ、行われなければならない。
2  被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。
3  被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故に係る放射線による外部被ばく及び内部被ばくに伴う被災者の健康上の不安が早期に解消されるよう、最大限の努力がなされるものでなければならない。
4  被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならない。
5  被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、子ども(胎児を含む。)が放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、その健康被害を未然に防止する観点から放射線量の低減及び健康管理に万全を期することを含め、子ども及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならない。
6  被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故に係る放射線による影響が長期間にわたるおそれがあることに鑑み、被災者の支援の必要性が継続する間確実に実施されなければならない。

(国の責務)
第三条  国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、前条の基本理念にのっとり、被災者生活支援等施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

(法制上の措置等)
第四条  政府は、被災者生活支援等施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

(基本方針)
第五条  政府は、第二条の基本理念にのっとり、被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない
2  基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方向
二  第八条第一項の支援対象地域に関する事項
三  被災者生活支援等施策に関する基本的な事項(被災者生活支援等施策の推進に関し必要な計画に関する事項を含む。)
四  前三号に掲げるもののほか、被災者生活支援等施策の推進に関する重要事項
3  政府は、基本方針を策定しようとするときは、あらかじめ、その内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
4  政府は、基本方針を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
5  前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。

(汚染の状況についての調査等)
第六条  国は、被災者の生活支援等の効果的な実施に資するため、東京電力原子力事故に係る放射性物質による汚染の状況の調査について、東京電力原子力事故により放出された可能性のある放射性物質の性質等を踏まえつつ、当該放射性物質の種類ごとにきめ細かく、かつ、継続的に実施するものとする。
2  国は、被災者の第二条第二項の選択に資するよう、前項の調査の結果及び環境中における放射性物質の動態等に関する研究の成果を踏まえ、放射性物質による汚染の将来の状況の予測を行うものとする。
3  国は、第一項の調査の結果及び前項の予測の結果を随時公表するものとする。

(除染の継続的かつ迅速な実施)
第七条  国は、前条第一項の調査の結果を踏まえ、放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置を継続的かつ迅速に実施するため必要な措置を講ずるものとする。
2  前項の場合において、国は、子どもの住居、学校、保育所その他の子どもが通常所在する場所(通学路その他の子どもが通常移動する経路を含む。)及び妊婦の住居その他の妊婦が通常所在する場所における土壌等の除染等の措置を特に迅速に実施するため、必要な配慮をするものとする。

(支援対象地域で生活する被災者への支援)
第八条  国は、支援対象地域(その地域における放射線量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である地域をいう。以下同じ。)で生活する被災者を支援するため、医療の確保に関する施策、子どもの就学等の援助に関する施策、家庭、学校等における食の安全及び安心の確保に関する施策、放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組の支援に関する施策、自然体験活動等を通じた心身の健康の保持に関する施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。
2  前項に規定する子どもの就学等の援助に関する施策には、学校における学習を中断した子どもに対する補習の実施及び学校における屋外での運動が困難となった子どもに対する屋外での運動の機会の提供が含まれるものとする。
3  第一項に規定する家庭、学校等における食の安全及び安心の確保に関する施策には、学校給食の共同調理場等における放射性物質の検査のための機器の設置に関する支援が含まれるものとする。
4  第一項に規定する放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組には、子どもの保護者等による放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置、学校給食等についての放射性物質の検査その他の取組が含まれるものとし、当該取組の支援に関する施策には、最新の科学的知見に基づき専門的な助言、情報の提供等を行うことができる者の派遣が含まれるものとする。

(支援対象地域以外の地域で生活する被災者への支援)
第九条  国は、支援対象地域から移動して支援対象地域以外の地域で生活する被災者を支援するため、支援対象地域からの移動の支援に関する施策、移動先における住宅の確保に関する施策、子どもの移動先における学習等の支援に関する施策、移動先における就業の支援に関する施策、移動先の地方公共団体による役務の提供を円滑に受けることができるようにするための施策、支援対象地域の地方公共団体との関係の維持に関する施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

(支援対象地域以外の地域から帰還する被災者への支援)
第十条  国は、前条に規定する被災者で当該移動前に居住していた地域に再び居住するもの及びこれに準ずる被災者を支援するため、当該地域への移動の支援に関する施策、当該地域における住宅の確保に関する施策、当該地域における就業の支援に関する施策、当該地域の地方公共団体による役務の提供を円滑に受けることができるようにするための施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

(避難指示区域から避難している被災者への支援)
第十一条  国は、政府による避難に係る指示の対象となっている区域から避難している被災者を支援するため、特定原子力事業者(原子力損害の賠償に関する法律 (昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項 の規定により東京電力原子力事故による損害の賠償の責めに任ずべき原子力事業者(同法第二条第三項 に規定する原子力事業者をいう。)をいう。第十九条において同じ。)による損害賠償の支払の促進等資金の確保に関する施策(当該区域における土地等の取扱いに関するものを含む。)、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。
2  国は、前項に規定する被災者で当該避難前に居住していた地域に再び居住するもの及びこれに準ずる被災者を支援するため、前条の施策に準じた施策を講ずるものとする。

(措置についての情報提供)
第十二条  国は、第八条から前条までの施策に関し具体的に講ぜられる措置について、被災者に対し必要な情報を提供するための体制整備に努めるものとする。

(放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供等)
第十三条  国は、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくの状況を明らかにするため、被ばく放射線量の推計、被ばく放射線量の評価に有効な検査等による被ばく放射線量の評価その他必要な施策を講ずるものとする。
2  国は、被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずるものとする。この場合において、少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする。
3  国は、被災者たる子ども及び妊婦が医療(東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものをいう。)を受けたときに負担すべき費用についてその負担を減免するために必要な施策その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものとする。

(意見の反映等)
第十四条  国は、第八条から前条までの施策の適正な実施に資するため、当該施策の具体的な内容に被災者の意見を反映し、当該内容を定める過程を被災者にとって透明性の高いものとするために必要な措置を講ずるものとする。

(調査研究等及び成果の普及)
第十五条  国は、低線量の放射線による人の健康への影響等に関する調査研究及び技術開発(以下「調査研究等」という。)を推進するため、調査研究等を自ら実施し、併せて調査研究等の民間による実施を促進するとともに、その成果の普及に関し必要な施策を講ずるものとする。

(医療及び調査研究等に係る人材の養成)
第十六条  国は、放射線を受けた者の医療及び調査研究等に係る人材を幅広く養成するため、必要な施策を講ずるものとする。

(国際的な連携協力)
第十七条  国は、調査研究等の効果的かつ効率的な推進を図るため、低線量の放射線による人の健康への影響等に関する高度の知見を有する外国政府及び国際機関との連携協力その他の必要な施策を講ずるものとする。

(国民の理解)
第十八条  国は、放射線及び被災者生活支援等施策に関する国民の理解を深めるため、放射線が人の健康に与える影響、放射線からの効果的な防護方法等に関する学校教育及び社会教育における学習の機会の提供に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

(損害賠償との調整)
第十九条  国は、被災者生活支援等施策の実施に要した費用のうち特定原子力事業者に対して求償すべきものについて、適切に求償するものとする。

   附 則


(施行期日)
1  この法律は、公布の日から施行する。
(見直し)
2  国は、第六条第一項の調査その他の放射線量に係る調査の結果に基づき、毎年支援対象地域等の対象となる区域を見直すものとする。

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憲法22条、自民案は、経済の調和のとれた発展を大きく阻害します。

2013-08-22 07:21:05 | 国政レベルでなすべきこと

 一日一条ずつの自民党改憲案の問題点の考察。

 8月22日は、憲法22条。
 経済的自由にも関連した重要条文です。

 これまた、大きな問題点があります。

 ここでは、落としてはならない文言を落としています。
 「公共の福祉に反しない限り」という文言です。

*************
日本国憲法
第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない


自民党案
(居住、移転及び職業選択等の自由等)
第二十二条 何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 全て国民は、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を有する
***************

 自民党案では、22条1項において、「公共の福祉に反しない限り」という文言が削除されています。
 いままでは、「公共の福祉」を削除して、その部分にこっそりと「公益及び公の秩序」という文言を置き換えでしたが、ここでは新たな手口です。

 「公共の福祉に反しない限り」の文言の重要性は、憲法学者故芦部先生も、以下、述べられています。

 「経済的自由は、精神的自由と比較して、より強度の規制を受ける(「二重の基準」の理論参照)。憲法22条が、とくに「公共の福祉に反しない限り」という留保をつけているのも、公権力による規制の要請が強いという趣旨を示したものである。それは、一つには、職業は性質上、社会的相互関連性が大きいので、無制限な職業活動を許すと、社会生活に不可欠な公共の安全と秩序の維持を脅かす事態が生じるおそれが大きいことになるが、それにとどまらず、現代社会の要請する社会国家の理念を実現するためには、政策的な配慮(たとえば、中小企業の保護)に基づいて積極的な規制を加えることが必要とされる場合が少なくないからである。」(『憲法 第5版』216-217頁)

 経済活動の規制の手段は、二つに大別されます。

 ○消極目的規制(警察的規制):主として国民の生命および健康に対する危険を防止もしくは除去ないし緩和するために課せられる規制。

 ○積極目的規制:福祉国家の理念に基づいて、経済の調和のとれた発展を確保し、とくに社会的・経済的弱者を保護するためになされる規制であり、社会・経済政策の一環としてとられる規制。

 これら、規制すべきを規制するには、「公共の福祉に反しない限り」という文言は必要です。

 自民党案は、安易に削除していますが、経済を自由奔放にまかせ、本当に大丈夫とお考えなのでしょうか?

 
 次に、22条2項は、侵害されてはならないものを、「有する」という文言に置き換え問題です。

 国籍は特定の国家に所属することを表す資格であり、それを個人の自由意志で離脱することは、明治憲法時代の国籍法では許されず、原則として政府の許可を必要としました。その意味で、憲法22条が国籍離脱の自由を認めたことは、一つの画期と言えました。
 その自由を侵害されないものとしていたところ、単に自由が有るという文言に、自民案はこっそりと置き換えています。国籍離脱の自由について、自民案では保障する気がないということであり、自民案が大日本帝国憲法回帰と言っても過言ではないひとつの根拠です。


 
 

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最重要!憲法21条自民案の問題点、ジャーナリズムの否定、民主主義の否定

2013-08-21 23:00:00 | 国政レベルでなすべきこと

 一日一条ずつの自民党改憲案の問題点の考察。

 8月21日は、憲法21条です。

 自民党改憲案は、一条にひとつ以上の問題点や課題があり、どれも看過できないものですが、この21条もまた、最も重大な問題点の一つを含んでいます。

 21条に関連して前のブログで、表現の自由についての知識の整理を記載しました。

 表現の自由は、思想・情報を発表し伝達する自由でありますが、知る権利もまた、保障しています。

 知る権利について、憲法学者の故芦部先生は、

 「知る権利は、「国家からの自由」という伝統的な自由権であるが、それにとどまらず、参政権(国家への自由)的な役割を演ずる。個人はさまざまな事実や意見を知ることによって、はじめて政治に有効に参加することができるからである。」と知る権利の法的性格を述べられています。

 表現の自由、知る権利が保障されなければ、政治に有効に参加できなくなる、まさに、民主主義の根幹にかかわる権利を、憲法21条は保障しています。


 ところが、この21条を、自民案は、大きく変貌させようとしています。

 現行の日本国憲法と自民党案を比較します。

********************
日本国憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。



自民党案
(表現の自由)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。〔新設〕
3 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。

(国政上の行為に関する説明の責務)
第二十一条の二 国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う。〔新設〕

*********************

 自民案は、現行憲法21条とほぼ同じ文言をおいていますが、実は、こっそりと2項を新設しています。
 これが、現行憲法21条1項を完全に骨抜きにしています。

 よく見ていただきたいのですが、自民案は、1項で、表現の自由を保障すると言っておきながら、2項で、「前項の規定にかかわらず」、「公益及び公の秩序」すなわち、「国家のため、国家の都合で」制限すると言い切っているのです。
 もちろん、表現の自由があるからといって、何を言っても良いというわけではなく、すでに現行憲法上、「公共の福祉」による制限を、表現の形態、規制の目的・手段等を具体的に検討し、表現内容を最大限尊重はしつつ、報道の自由を十分に守りつつ、表現の自由により侵される権利、例えばプライバシー、名誉、青少年の健全育成、嘘の情報被害などを、現状に置いても厳しく審査をできている状態にあり、「公益及び公の秩序」を持ち出す必要性はまったくありません。
 表現の自由と知る権利は、政治が果たして有効に機能するかどうかにつながっていくわけであり、それを、国家のため、国家の都合で制限されると、正しい政治が営まれなくなります。すれば、ますます、政府に都合の良い情報だけが国民に伝えられ、都合の悪い情報は排除され、それにより政治がさらにゆがめられる結果となります。
 一旦、表現の自由と知る権利がゆがめられてしまうと、悪循環の陥り、自己回復できない状態になります。

 だからこそ、憲法21条は、絶対に守らねばならない権利です。
 なにがなんでも、守らねばなりません。

 民主主義の危機が、今、訪れようとしています。
 かつて、ワイマール憲法から、ナチスの台頭へと歴史が動いたように。

 皆さん、声を上げて下さい。悪い歴史を繰り返させないで下さい。
 ジャーナリストの皆様、すでにご承知のところであり、記事としても何度も取り上げらているところですが、はっきり言いまして、自民案21条でジャーナリズムは死にます。どうか、声を上げて下さい。ことの重大さを、全国民にお伝え下さい。よろしくお願い申し上げます。

 *あと、今回の自民案では、手をつけられておりませんが、許されてはならない憲法21条2項の「検閲」が復活しないかにどうか、注視願います。 

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