「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

企業は、ブランドだけでなく、レピュテーション(総合通信簿たる評判)を高める時代

2014-10-23 22:00:00 | 倫理(医療倫理、弁護士倫理、企業倫理…)

 今、企業は、ブランドだけでなく、レピュテーションを高める時代です。

 なぜ、コーポレート・レピュテーションが大切か

1)企業は、社会的な存在

 「企業は、社会の公器なり」だからこそ。

2)評判は、すべてのステークホルダー(社会)から下される会社に対する評価


3)評価の対象は、製品やサービスに留まらず(ブランドだけでなく)、経営トップから、フロントの従業員に至るすべての社員の判断・行動・行為からなる。


   ↓


 「レピュテーション」は、組織の活動・組織のあり様に対する社会からの総合通信簿


 
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妊娠理由の降格は「違法で無効」 最高裁(桜井龍子裁判長)が初判断H26.10.23

2014-10-23 16:13:57 | 子育て・子育ち
 重要な最高裁判決が出されました。

 「妊娠や出産を理由に不利益な扱いをすることは、特段の事情がない限りは違法で無効」とする初判断を示した。

 「マタニティーハラスメント」への一石です。

 産み子育てしやすい社会に変わっていきますように。

**********日経新聞************************

妊娠理由の降格は「違法で無効」 最高裁が初判断

2014/10/23 15:48

 妊娠を理由にした降格は男女雇用機会均等法に違反するとして、広島市の女性が勤務先を訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は23日、「妊娠や出産を理由に不利益な扱いをすることは、特段の事情がない限りは違法で無効」とする初判断を示した。

 その上で、今回の事案で特段の事情があったかどうかを改めて判断させるため、降格は適法とした二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。

 女性の社会進出が進む中で問題化している妊娠、出産した女性労働者に対する「マタニティーハラスメント」について、最高裁が判断するのは初めて。妊娠や出産を理由にした降格などの不利益な取り扱いを禁じた均等法の趣旨を、司法が改めて確認した形だ。

 原告は広島市の理学療法士の女性。2008年に妊娠が分かり、勤務先の病院で業務が軽い部署への異動を希望したところ、異動後に管理職の副主任を外されたとして提訴していた。
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市長議会招集→議長開会宣言拒否(議会規則「議会の開閉は、議長が宣告する。」)で審議できない場合の対処

2014-10-22 23:00:01 | 地方自治法

Q

 市長が議会を招集したが、議長が開会の宣言を拒否しているため(同議会規則に「議会の開閉は、議長が宣告する。」と定められている)審議ができない状態にある。この場合、どのように取り扱えばよいか?


A

〇手段1 先決(地方自治法179条1項)→議決(179条3項)

地方自治法

第百七十九条  
 普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第百六十二条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意については、この限りでない。

○2  議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。

○3  前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない

○4  前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。



〇手段2 副議長を議長に(106条1項)→副議長も開かないと、仮議長(106条2項)。もし、仮議長を選挙するとなると、仮議長の選挙の議長は、年長の議員(107条)

地方自治法

第百六条  普通地方公共団体の議会の議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、副議長が議長の職務を行う。

○2  議長及び副議長にともに事故があるときは、仮議長を選挙し、議長の職務を行わせる。

○3  議会は、仮議長の選任を議長に委任することができる。

第百七条  第百三条第一項及び前条第二項の規定による選挙を行う場合において、議長の職務を行う者がないときは、年長の議員が臨時に議長の職務を行う。
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選挙権:県内移動はしても同一県内で3ヶ月以上住所を有すれば県議会議員選挙の選挙権を有する。

2014-10-22 23:00:00 | 地方自治法
Q:

A県B市に住所を有していたXが、同県C市に転居してから2ヵ月後にA県議会議員選挙があった。XはC市に転入してから2か月しか経過していないため、当該選挙で選挙権を行使することはできないと考えるべきか?

A: 県民であることに変わりはないのであり、選挙権を行使できる(公職選挙法9条4項)。

***************************************
公職選挙法

(選挙権)

第九条  日本国民で年齢満二十年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。

2  日本国民たる年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

3  前項の市町村には、その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村(この項の規定により当該消滅した市町村に含むものとされた市町村を含む。)を含むものとする。

 第二項の規定によりその属する市町村を包括する都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有する者で当該市町村の区域内から引き続き同一都道府県の区域内の他の市町村の区域内に住所を移したものは、同項に規定する住所に関する要件にかかわらず、当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を引き続き有する。

5  第二項の三箇月の期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。
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弁護士の民事責任5 調査義務/依頼者が不利益を被ることのないように十分吟味し証拠を提出

2014-10-22 23:00:00 | 倫理(医療倫理、弁護士倫理、企業倫理…)
 依頼事件を承諾した場合には、速やかに事件に着手する義務がある(基本規定35条)

 弁護士は、事案を調査し事実を認定した上、法律を適用するのであり、弁護士の職務は常に事実調査、法令調査を包含する(基本規定37条)。

 また、証拠の選択に際しては、依頼者が不利益を被ることのないように十分証拠を吟味しその提出の是非を検討すべき義務もある。

 事実調査を怠った場合には、依頼者に対して損害賠償の責任を負う場合がある。


<参考判例>

 福岡地判平成19年3月1日

 東京地判平成21年3月25日


<基本規定>
(事件の処理)
第三十五条弁護士は、事件を受任したときは、速やかに着手し、遅滞なく処理しなけれ
ばならない。

(事件処理の報告及び協議)
第三十六条弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響
を及ぼす事項を報告し、依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。

(法令等の調査)
第三十七条弁護士は、事件の処理に当たり、必要な法令の調査を怠ってはならない。
2 弁護士は事件の処理に当たり必要かつ可能な事実関係の調査を行うように努める。
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忘れさられる権利について

2014-10-22 18:27:02 | メディア・リテラシー
 ネット社会の弊害が改善されていけばよいと思います。

 関心のある裁判所の決定です。


*******************************************
http://www.47news.jp/CN/201410/CN2014102201001444.html

グーグルが検索結果削除 「裁判所の決定尊重」 

 インターネット検索サイト「グーグル」に表示される不名誉な内容の投稿記事で日本人男性の人格権が侵害されているとして、東京地裁が検索結果の一部削除を命じた仮処分で、グーグル日本法人は22日、「裁判所の決定を尊重して仮処分命令に従う」として検索結果を削除する方針を明らかにした。男性側の神田弁護士は22日までに、削除対象の大部分が既に表示されなくなっていることを確認した。

 グーグル側が削除に応じない場合に制裁金の支払いを求める「間接強制」を21日に地裁に申し立てたが、神田弁護士は「完全削除が確認できれば、間接強制の申し立ては取り下げることになる」としている。
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自転車買ったら保険加入義務 兵庫県、全国初の条例案(来年2月提案)

2014-10-21 09:12:33 | 防災・減災
 経過を見守りたい。

 同時に、歩行者、車道、自転車道の完全な分離ができるところを増やす等、事故事態を減らすハード面の整備も必要があると考えます。

**************朝日新聞******************************************
http://www.asahi.com/articles/ASGBN5WG7GBNPIHB038.html

自転車買ったら保険加入義務 兵庫県、全国初の条例案

2014年10月21日08時01分


 自転車と歩行者の事故が増えているとして、井戸敏三・兵庫県知事は20日、自転車の購入者に自転車保険の加入を義務づける条例案を来年2月にも県議会に提案すると表明した。県によると、自転車保険加入の義務化は全国初という。

 県は今後、保険会社を公募し、年間1500~2千円程度の保険料で、事故でけがをさせた相手に払う賠償金を補償する自転車保険を新設する方針。そのうえで、自転車販売店から客に加入を勧めてもらうことなどを検討している。罰則は設けない。

 県によると、県内では自転車と歩行者の事故が2013年に175件と04年から1・9倍に増加する一方、自転車保険の加入率は24%にとどまる。昨年7月には神戸地裁で、60代女性を自転車ではねて寝たきりの状態にさせたとして、乗っていた少年の保護者に9500万円の賠償を命じる判決が言い渡された。

 県は6月、対策を検討する有識者会議を設置。今月17日に保険加入の義務化を県に提言した。井戸知事は20日の会見で「条例で義務づけることによって保険加入の促進を図りたい」と述べた。
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民法百選I-49:特約によらない中間省略登記請求権

2014-10-20 17:18:19 | 民法 物権法
  不動産の所有権が甲乙丙と順次移転したのに、登記名義は依然として甲にある場合には、丙が甲に対し直接自己に移転登記を請求することは、甲および乙の同意がないかぎり、許されない。



*********************************

事件番号

 昭和39(オ)985



事件名

 所有権移転登記等請求



裁判年月日

 昭和40年9月21日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 民集 第19巻6号1560頁




原審裁判所名

 大阪高等裁判所



原審事件番号

 昭和38(ネ)8221



原審裁判年月日

 昭和39年5月22日




判示事項

 中間省略の登記を求める請求の許否。



裁判要旨

 不動産の所有権が甲乙丙と順次移転したのに、登記名義は依然として甲にある場合には、丙が甲に対し直接自己に移転登記を請求することは、甲および乙の同意がないかぎり、許されない。


*****判決文全文 最高裁ホームページ*****
         主    文

     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。

         理    由
 上告代理人西阪幸雄の上告理由第一点について。
 法律解釈の根拠、理由の説明は、必ずしも判決に示す必要がないのであるから、
これを欠いているからといつて、審理不尽、理由不備の違法があるとはいえない。
論旨は採用することができない。

 同第二、三点について。

 実体的な権利変動の過程と異なる移転登記を請求する権利は、当然には発生しな
いと解すべきであるから、甲乙丙と順次に所有権が移転したのに登記名義は依然と
して甲にあるような場合に、現に所有権を有する丙は、甲に対し直接自己に移転登
記すべき旨を請求することは許されないというべきである。ただし、中間省略登記
をするについて登記名義人および中間者の同意ある場合は別である。(論旨引用の
当裁判所判決は、すでに中間省略登記が経由された後の問題に関するものであつて、
事案を異にし本件には適切でない。)本件においては、登記名義人の同意について
主張、立証がないというのであるから、上告人の中間省略登記請求を棄却した原判
決の判断は正当であつて、不動産登記法に違反するとの論旨は理由がない。また、
登記名義人や中間者の同意がない以上、債権者代位権によつて先ず中間者への移転
登記を訴求し、その後中間者から現所有者への移転登記を履践しなければならない
のは、物権変動の経過をそのまま登記簿に反映させようとする不動産登記法の建前
に照らし当然のことであつて、中間省略登記こそが例外的な便法である。右の法解
釈をもつて経験則や慣習に違反しているとの論旨もまた理由がない。所論は、いず
れも採用することができない。

 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。

     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
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県による開発行為の誤った許可に続く建築確認を取消すことで、違法建築を止める方法

2014-10-20 15:20:00 | 行政法学
(2014/10/11作成第1稿) 
 『事例研究 行政法』第2部問題4にある問題。

 県による開発行為の誤った許可に続く建築確認を取消すことで、違法建築を止める方法がひとつ考えられる。

第1、 設問1

1、 開発行為非該当証明書の交付行為の取消訴訟(行訴3条2項)

(1) 処分性について
ア、行政庁のある行為について、個別法が明文で行審法による不服申立や行訴法による取消訴訟の提起を認めている場合は、その行為には処分性が認められる。
 都市計画法50条(以下、「都計法」という。)には、開発審査会に対して審査請求をすることができる都道府県知事の行為を列挙しているが、開発行為非該当証明書(以下、「非該当証明書」という。)の交付行為の記載はなく、この点で処分性があるとはいえない。

イ、処分とは、行政庁の行為によって、直接国民の権利義務を形成し、または、その範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最判昭和39年10月29日)。
 非該当証明書の交付は、開発許可権者が建築計画に「土地の区画形質の変更」(法4条12項)を伴うか否かについて単なる事実を証明する効果があるに過ぎず、その交付行為は建築主(申請人)に証明された事実を通知する行為であり、交付行為によって、私人の権利義務の範囲を画するような性質のものとはいえない。従って、処分性は認められない。
 また、非該当証明書の交付は、法律にもとづくものではなく、都市計画法施行規則60条という省令にその根拠があるに過ぎないのであって、その点からも処分性は認められない。

ウ、非該当証明書の交付行為に処分性が認められないため、取消訴訟は不適法である。


2、開発行為非該当証明書の交付行為が違法であることの確認訴訟(行訴4条後段の実質的当事者訴訟)

 上述1で、処分性がないことから、甲県を被告とする確認訴訟を検討する。

(1) 確認の利益について
 確認の利益は、①確認対象選択の適否、②即時確定の利益、③方法選択の適否の三点から判断される。

 ①確認対象選択の適否について検討するに、確認訴訟は、第三者効のない公法上の当事者訴訟であり(行訴32条1項、41条)、処分の名宛人以外の第三者の確認訴訟の提起が紛争解決としては、適当とは言えない。
 確認の利益がないため、確認訴訟は不適法である。


3、 直接型義務付け訴訟(行訴3条6項1号、37条の2)

 甲県知事に対して、工事中止命令等の規制権限(都計法81条)の行使を求めることを求めることを検討する。

 訴訟の過程において、非該当証明書の交付行為の適法性の判断がなし得るため、この訴訟の提起は妥当であると考える。


4、 建築確認取消訴訟(行訴3条2項)と甲県知事の訴訟参加の申立(行訴法23条)、建築確認の執行停止の申立(行訴25条)

 Bのなした建築確認を取消しを検討する。

(1) 被告について
 被告は、Bである(行訴法11条2項)。

(2) Bの建築確認審査における、非該当証明書の適法性の審査について

ア、建築主事は、建築確認の際に、都市計画法の規定の適合性の審査は、建築確認申請の受理要件である都市計画法29条1項に適合していることを証明する書面(以下、「適合証明書」という。)が添付されていることを形式的、外的的に審査することとされている(資料3)。

イ、本事例でも、Bは、通達に従い、適合証明書のひとつである非該当証明書の交付行為について、これが添付されているか否かという形式的、外形的審査をして建築確認をしている。結果として、開発許可が必要な本件開発区域が、開発許可なく建築確認が出されている。

ウ、建築確認に先行する処分性のない行政庁の行為の違法は、たとえ、建築主事等が形式的、外形的審査しかなしえないとしても、建築確認取消訴訟で非該当証明書の交付行為の違法を争いうると考えるべきである。
 なぜならば、争えないとなると、本件の場合のように、建築確認において、第三者の周辺住民が、処分性のない違法な先行行為を争いうる途が閉ざされかねないのであって、違法な行政庁の行為によって侵害された国民の権利利益の司法的救済を目的とする行訴法の趣旨に反し、合理性を欠くからである。

エ、ただし、被告Bは、非該当証明書の交付行為について、実質的審査をなしえないため、当該交付行為をなした開発許可権者たる甲県知事の訴訟参加を申し立てることが妥当と考える。

(3)仮処分の申立について

 建築物の完成で、訴えの利益が消滅するため、建築確認の執行停止の申立も同時に行う。



第2、 設問2

1、 棄却裁決の場合
 Xらは、Bを被告として(行訴11条2項)、開発行為非該当証明書の交付行為が違法であることを主張し、建築確認の取消訴訟を提起しうる。

 また、裁決は乙市の建築審査会がなしたのであるから、乙市を被告として(行訴法11条1項2号)、当該棄却裁決の取消訴訟(行訴3条3項)を提起しうる。

2、 建築確認の取消裁決の場合
(1) Aについて
 Aは、乙市を被告として(行訴法11条1項2号)、取消裁決の取消訴訟(行訴法3条3項)を提起しうる。

(2) 指定確認検査機関Bについて
ア、原処分庁が審査会の裁決の違法を争う訴訟は、行政機関相互の訴訟であり、機関訴訟(行訴6条)が可能かを検討する。

イ、機関訴訟は、権利義務の存否に関する法律上の争訟(裁判所法3条1項)ではないので、法律の定めがないと訴えは提起できない(行訴42条)。

ウ、また、指定確認検査機関の法制度上の位置づけを考えるに、

①指定確認検査機関の確認事務も建築主事の確認事務と同様に地方公共団体の自治事務であること、

②指定確認検査機関の確認等は建築主事の確認等とみなされること、

③指定確認検査機関は建築主事と同様に特定行政庁の監督の下において確認事務等を行っていること(建基4条、6条、6条の2)(以上、最決平成17年6月24日)、及び、不服申立てについて、指定確認検査機関を建築主事と同様に処分庁として取り扱っていること(建基94条)から、指定確認検査機関と建築主事は、建築確認について同様の法的地位にあると解しうる。

 建築主事の場合は、自らがした建築確認の取消裁決の取消訴訟は提起できないと解されるところ、指定確認検査機関もまた、上述のように建築主事と同様の法的地位にあるから、建築確認の取消裁決の取消訴訟は提起できないと考える。


第3、 設問3
 行政事件訴訟法9条は、取消訴訟の原告適格について規定するが、同条にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、かかる利益も右にいう法律上保護された利益に当たり、当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は、当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。
 そして、当該行政法規が、不特定多数者の具体的利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むか否かは、当該行政法規の趣旨・目的、当該行政法規が当該処分を通して保護しようとしている利益の内容・性質等を考慮して判断すべきである(最高裁平成元年(行ツ)第一三〇号同四年九月二二日第三小法廷判決・民集四六巻六号五七一頁参照)。

 都計法33条1項7号は、公益にとどまらず開発区域の周辺住民の個々人の生命・身体の安全という個別的利益をも保護の対象としている。

 本件においては、近接する開発区域はがけ崩れのおそれが多い土地などに当たり、絶えずがけ地崩壊等の危険にさらされ、その崩壊があった場合には、生命・身体・所有財産が危機に陥る蓋然性があるのであって、本件建築確認処分がなされると、都計法33条1項7号違反ゆえに生命・身体・所有財産が危機に陥る者は、原告適格を有すると言える。

 従って、開発区域の崖地に近接する位置に居住している者と、遠隔地に居住してはいるが近接地に土地・家屋等の所有権を有している者は、開発許可を経ない当該建築に起因する崖崩れで生命・身体・財産が危機に陥る蓋然性が高く、原告適格を有すると考える。
 一方、日常的にがけ地上の道路を通行・散策している者は、直接に崖崩れに巻き込まれ生命・身体が危機に陥る蓋然性が高いとまでは言えないため、原告適格は有しないと考える。


以上

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他団体の妨害行為によって、拡声器による騒音規制違反で起訴された人を、憲法学的に救う方法

2014-10-18 23:00:00 | 憲法学
 以下、教室事例。

 一人であれば、85dB以下で、規制の範囲内であったのに、他団体の妨害行為にあって、騒音規制違反となった。

〇弁護人の主張

 条例は、実質的には、表現内容規制であり、厳格な審査基準を用いて、法令違憲である。
 
 たとえ、条例は合憲でも、Pへの適用は、Pの表現の自由を侵害し、適用違憲である。

〇検察の主張

 条例は、あくまで、表現内容中立規制であり、立法裁量が広く認められる分野である。合理的関連性の基準を用い、法令合憲である。

 条例のいう合わせて85dBとなっている以上、Pは条例違反であり、起訴には理由がある。


〇自分の主張

 条例は、実質的に表現内容規制であり、より制限的でない方法がある場合、違法とするLRAの基準で判断すべきであり、法令違憲である。

 たとえ、条例は合憲でも、Pを規制することでPの被る表現の自由の侵害(①Pの属性、②Pの表現の内容、③表現した場所と時間、④表現の態様、⑤動機)と、Pを規制することで得られる利益(①守られる利益、②時間、③場所)とを比較考量し、本件では、Pの表現の自由の侵害が、得られる利益より大きいため、適用違憲である。

 




**********教室事例**************************

問題 次の文を読んで問1~問3に答えなさい。

 京都府は、政治団体等による街頭演説、街宣車による演説の音量が大きく、官庁街、住宅街等で、業務や日常生活に著しい影響を与えているという状況を考慮して、「拡声機による暴騒音の規制に関する条例」(以下「本件条例」という。)を制定している。

 政治団体A(以下「A団体」という。)は、若者を中心とした団体であり、韓国に対する日本の歴史認識が不十分であり、日本は韓国民に対して、十分な謝罪と賠償を行うべきであるという点を主として主張し、全国で演説活動及びビラ等の配布を行い、インターネット上のHPにおいて、自己の主張を掲げている団体である。また、A団体は、国会に議席を有する特定の政党の影響を受けない団体である。A団体の代表Pが、他の構成員と共に京都市のJR京都駅前でマイクを使った街頭演説を30分程、行っていたところ(演説はPのみが行った)、右翼系の政治団体B(以下「B団体」という。)の街宣車数台が同駅前の近接する地点に集結し、Pによる演説にあわせるように、大音量でA団体方向に向かって、演説を開始した。B団体の演説によれば、A団体の主張は、日本をダメにするものであり、左翼に洗脳された若者たちの虚言であるという。そして、B団体はA団体に対して論争を挑み、この場で、市民にどちらが正当な主張をしているのかを判断してもらいたいと、駅前の市民に訴えた。

 これに対して、Pは、自己の主張に対して対抗心をむき出しにしたB団体の演説は、迷惑だと思ったが、これ以上、大きな音を立てて反論することは、好ましくないとして、従来の音量のままで演説活動を続けた。なお、これまで、A団体は、他の暴騒音条例(通常85デシベル規制がある)を制定している都道府県で演説活動を行ってきたが、これらの条例に反したとして、警告を受けたり処罰をされたりしたことはなく、拡声器の点検も常に行い、10メートル離れた地点から、85デシベル以下にすることを常に心がけてきた。

 しかしながら、PとB団体の演説をあわせると、著しい騒音となり、JR京都駅前は、騒然となったことから、通報を受けた警察官は、本件条例に指定された方法で、騒音を測定したところ、85デシベルを超えていた。ただし、PとB団体のどちらか一方が85デシベルを超えていたかどうかは確認出来なかったことから、警察官は、本件条例6条1項に基づき、PとB団体に対し、拡声機による暴騒音の発生を防止するために必要な措置をとるべきことを勧告した。これ対してPは、これまで自分たちが85デシベルを超えたことがないことを説明したところ、警察官はこの状況ではPの主張を確認できないとして、あくまでも、演説をやめるようにと勧告した。しかしながら、Pは、自分たちに落ち度がないのに、不当な勧告に従うことはできないとして、演説を継続したところ、警察官は、暴騒音を防止するために、本件条例6条2項に基づいて、演説場所の移動を命じた。Pは、この命令に従わなかったために、本件条例6条2項に違反するとして、起訴された。

問1 あなたが被告Pの弁護人であるとすれば、本件刑事裁判において、どのような憲法上の主張をしますか。なお、法人としてのA団体の権利に言及する必要はない。

問2 被告Pの主張に対して、検察官は、どのように反論するかを簡潔に述べなさい。

問3 問1と問2で示された憲法上の論点について、自己の見解を述べなさい。



関連条文 【拡声機による暴騒音の規制に関する条例(京都府)】
(目的)第1条 この条例は、拡声機を使用して生じさせる著しい騒音が、府民の日常生活を脅かすとともに通常の政治活動その他の活動に重大な支障を及ぼしていることにかんがみ、このような騒音を生じる拡声機の使用について必要な規制を行うことにより、地域の平穏を保持し、もって公共の福祉の確保に資することを目的とする。

(適用上の注意)第2条 この条例の適用に当たっては、集会、結社及び表現の自由並びに勤労者の団結し、及び団体行動をする権利その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

(適用除外)第3条 この条例の規定は、次に掲げる拡声機の使用については、適用しない。
(1) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)の定めるところにより選挙運動又は選挙における政治活動のためにする拡声機の使用
(2) 国又は地方公共団体の業務を行うためにする拡声機の使用
以下略

(拡声機による暴騒音の禁止)第4条 何人も、拡声機を使用して、別表の左欄に掲げる拡声機の使用の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に定める測定地点において測定したものとした場合における音量が85デシベルを超えることとなる音(以下「拡声機による暴騒音」という。)を生じさせてはならない。

(停止命令)第5条 警察官は、前条の規定に違反する行為(以下「違反行為」という。)が行われているときは、当該違反行為をしている者に対し、当該違反行為を停止することを命じることができる。
2 警察署長は、前項の規定による命令を受けた者が更に反復して違反行為をしたときは、その者に対し、24時間を超えない範囲内で時間を定め、かつ、区域を指定して、拡声機の使用を停止することを命じることができる。

(勧告及び移動命令)第6条 警察官は、2人以上の者が同時に近接した場所でそれぞれ拡声機を使用している場合であって、これらの拡声機により生じている音が拡声機による暴騒音となっており、かつ、それぞれの拡声機の使用が第4条の規定に違反しているかどうかが明らかでないときは、これらの者に対し、拡声機による暴騒音の発生を防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
2 警察官は、前項の規定による勧告を受けた者がその場所にとどまり、かつ、引き続き拡声機による暴騒音を生じさせているときは、これらの者に対し、当該拡声機による暴騒音の発生を防止するために、その場所から移動することを命じることができる。

(立入調査)第7条 警察官は、前2条の規定の施行に必要な限度において、拡声機が所在する場所に立ち入り、拡声機その他必要な物件を調査し、又は関係者に質問することができる。
2 前項の規定により立入調査を行う警察官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(罰則)第9条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(1) 第5条第1項又は第6条第2項の規定による警察官の命令に違反した者
(2) 第5条第2項の規定による警察署長の命令に違反した者
2 第7条第1項の規定による警察官の立入り又は調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、10万円以下の罰金に処する。


別表(第4条関係) 【拡声機の使用の区分と測定方法】
1 権原に基づき使用する土地の区域内における拡声機の使用においては、当該拡声機が所在している土地の区域外であり、かつ、当該拡声機から10メートル以上離れた地点から測定する。
2 権原に基づき使用する土地の区域内における拡声機の使用以外の使用においては、当該拡声機から10メートル以上離れた地点から測定する。

備考
1 音量の測定は、計量法(平成4年法律第51号)第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、使用する騒音計の周波数補正回路はA特性の周波数補正回路を、動特性は速い動特性を用いるものとする。
2 音量の大きさは、騒音計の指示値の最大値によるものとする。


参考資料1 音量の参考例
120デシベル 飛行機エンジンの近く
110デシベル 自動車の警笛(前方2m)、リベット打ち
100デシベル 電車が通るときのガード下
90デシベル 大声による独唱、騒々しい工場の中
85デシベル 大きな声・電話の騒音・大型トラックのモーター音・電車線路まで50m
80デシベル 地下鉄の車内、電車の中
70デシベル 電話のベル・騒々しい街頭、騒々しい事務所の中
60デシベル 静かな乗用車、普通の会話
50デシベル 静かな事務所

参考資料2 本件条例改正時における反対意見
以下は、「京都府拡声機規制条例の改悪に反対する」というタイトルの市民運動(沖縄・辺野古への新基地建設に反対し、普天間基地の撤去を求める京都行動)のブログである。

 07年10月、京都府警は、「『拡声機による暴騒音の規制に関する条例の一部を改正する条例(案)』の概要」を発表し、現行の拡声機による暴騒音の規制に関する条例について「1.換算測定方法の導入」、「2.拡声機使用停止命令規定の新設」、「3.複数の者による拡声機の同時使用に対する移動命令規定の新設」、以上3点の改悪を行うことを公表し、パブリックコメント手続きを開始した。
 私たち京都行動は、このパブコメ手続きに対し、条例改悪に反対であり撤回されるべきだとの意見を送った。私たちは特に「3.複数の者による拡声機の同時使用に対する移動命令規定の新設」を問題視し、これがなされてしまうと、いわれのない移動命令が私たちになされてしまうことを危惧する旨の意見を提出した。現行の条例では、2人以上の者が同時に近接した場所でそれぞれ拡声機を使用した結果、10m離れた地点から測定し85デシベルを超える音が発生しているときに、警察官が当該使用者に対して音の発生を防止するための必要な措置をとることを勧告できるとしている。改悪案においてはかかる勧告に従わず引き続き複数の拡声機が使用され85デシベルを超える音が発生していたら、当該使用者に対して警察官はその場からの移動を命じることができ、従わない場合には6ヵ月以下の懲役又は20万円以下の罰金を科しうるとするものとしている。
 府警は、要人の会談など国賓の来洛時において、抗議する団体の街宣車の隊列などを例にあげ、規制強化の必要性を説いている。しかしながら、歩きながら拡声機などを使用して訴えを行ないながら進む一般のデモ行進の隊列や、拡声機を用いて街頭宣伝をおこなう人々に対し、妨害団体の街宣車が大音量で近づいて来て威圧行為を仕掛けてくることは多々あることだ。このような場合でも、とにかくその場で85デシベル以上の音がでていたら私たちに対しても刑事罰を持ってして移動命令が下されてしまう。これを悪用してわざと爆音を発して近づいていき、意に添わない街頭宣伝などを警察に移動命令をださせることによって妨害することも可能になってしまう。私たちは毎週定例で拡声機を使用して街頭宣伝を行なっている。この先もそうしていくつもりであり、私たちに対する移動命令など到底容認できず、国家権力による民衆運動への不当介入であると考える。
 京都府下では私たちの知りうる限り、民主勢力に向けて警察が測定器を使用したとの事例を耳にしたことはないが、他府県においては自衛隊への抗議行動や労働争議の現場などで警察が測定器を使用していたり、福岡のフリーター労働運動家たちの主催した06年のデモに対して警察が測定器を向けていた等の話しは聞いている。国家や資本の意に添わない活動を弾圧するための道具としても使われている現状を見ると、そもそも現行条例の存在にも危惧を抱かざるを得ない。日弁連も1992/9/18付けの会長声明において、当時の東京都拡声機規制条例案の上程にあたり、85デシベルの基準が厳しすぎる点や、一部の常軌を逸した拡声機使用については「刑法の脅迫罪、強要罪、名誉毀損、侮辱罪、軽犯罪法の静寂妨害罪、道路交通法など」の現行法規によってまずは対応が講じられるべきとの点を指摘し批判をしている。
以下略

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10月19日(日)午前11時半~中央区月島3丁目こども元気クリニック・病児保育室5547-1191急病対応致します。

2014-10-17 17:33:31 | 日程、行事のお知らせ

10月19日(日) 午前11時30分~、、中央区月島3丁目 こども元気クリニック・病児保育室03-5547-1191急病対応致します。
 

 1)咳の風邪、2)お腹の風邪、3)お熱だけの風邪の3つのお風邪がそれぞれ、今、流行っています。
 急に寒くなって、気候の変化に体が対応できていないことが、流行の原因のひとつと考えます。
 
 喘息の子の咳も増えています。
 

 2)お腹の風邪の子も、増えてきました。
 体調崩されておられませんか?
 


 おとなも、こどもの風邪をもらいます。
 そのような場合、お子さんとご一緒に、親御さんも診察いたしますので、お気軽にお声掛けください。



 
 なおったお子さんには、日曜日に、登園許可証も記載します。
 月曜日朝一番から登園できますように、ご利用ください。



 合わせて、平日なかなか時間が作れない場合でも、休日も、予防接種を実施いたしますので、ご利用ください。
 インフルエンザ予防接種も開始し、実施しています。
 
 
 お大事に。

こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝

中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

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仲卸業者は、なくしてはならない大事な仕事です。消費者のためにとても大事です。

2014-10-17 15:44:33 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 未来を予測していくひとつの考え方を与えてくれる予想です。

 以下、ひとつひとつの仕事の見直しを図る必要がありますが、

 仲卸業者は、なくしてはならない大事な仕事だと私は考えます。

 仲卸業者は、消費者と生産者・製造者の間をとり、安全安心なものを安価で供給する大事な役割を担っています。

 なお、築地市場移転の根端のひとつに、仲卸業者の弱体化が、事情としてあります。



***************************************

http://happyeveryday.biz/post-4634
mini1396088209


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般若心経にいう二つの生き方(〇頑張る/〇ひとのために尽くす)

2014-10-17 09:40:10 | 倫理(医療倫理、弁護士倫理、企業倫理…)

 中高校時代に、宗教学の時間があり、般若心経等を学びました。

 その内容は、あまり覚えていませんが、それら授業の時間が、とても楽しかったことを覚えています。
 (自分の中では、今、憲法学を学ぶぐらいに、あの当時の宗教学は、楽しかった。)
 その先生の個性によるところかと思いますが、よい思い出です。
 ちなみに、私達の間で、その先生は「テクノ坊主」という別名がありました。


 さて、NHK『100分で名著』において、般若心経が取り上げられていました。


 そんなこと、学んだなと思い出しつつ、とても、大切なことが述べられていましたので、書きます。


 正しい行いとは? すべてのひとが、できることでもなく、できないこともまた、そのひとの人生。



 二つの大切な生き方。

 〇頑張って、悟りを開く、仏陀のような生き方。




 〇ひとのために、尽くす、菩薩のような生き方。





 般若心経、読んでわかるものでもない、よいからとひとに勧めても役立つものでもない。
 人生のどこかで、偶然に出会い、響くことがあるかもしれないもの。
 

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町村が、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を地方自治法94条は許容

2014-10-15 23:00:01 | 地方自治法
 憲法で議会を置くとしながら、地方自治法で、総会を許容しています。
 この地方自治法94条は、憲法93条に反するか。

 地方自治法は、総会という議会を許容し、そのメンバーは、選挙で選ばれていない。
 憲法は、選挙権で選ばれた議員による議会を設置することを定めている。

 実際に、総会を置いている、置いた町村はあるのかな?
 
********************************

地方自治法

第八十九条  普通地方公共団体に議会を置く。

第九十四条  町村は、条例で、第八十九条の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。



憲法

第九十三条  地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。

○2  地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

********************************
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刑法学:他人のやった犯罪行為まで、途中で抜けた/途中から参加したのに、責任を負う場合とは。

2014-10-15 23:00:00 | 刑法学
(平成26年10月15日23:00作成第2稿)

 途中から抜けた者に、最後までの罪の責任を負わせるか、下の事例なら、兄貴に殴られ失神して最後まで暴行に加わらなかったものに暴行死の責任を負わせることができるか、途中から抜けた兄貴に暴行死の責任を負わせることができるのか(共犯からの離脱の問題)。
 自分がやった罪の責任しか負わないのが、原則だけど、どう考えるか。

*****教室事例1*****

X(男、35歳)、Y(男、30歳)、Z(男、25歳)及びA(男、20歳)は、同じ暴力団組織に所属する組員であり、Xは幹部、Y、Z及びAは、Xの舎弟である。
Xらは、日頃から、覚せい剤の密売により生活費や組の活動資金を得るなどしていたところ、ある時、Zは、Aが覚せい剤を一部横流しして、稼ぎを自分だけのものにしているのではないかとの疑いを持った。
そして、ZがXに、「あいつ(A)は、クスリを一部抜いて稼いでますよ。他の組の奴とつるんでいるという噂もあります。」などと伝えたところ、Xは激怒し、Y及びZと共に、Aを追及して、制裁を加えるに決め、Y及びZに対し、「Aは覚せい剤を勝手に横流しして稼いでいるようだ。明日あいつを呼び出してヤキを入れるからな。」などと指示したところ、Y及びZは「分かりました。半端なことをしたらどうなるか分からせてやりましょう。」などと応じた。
翌日、Xは、組事務所にAを呼び出し、「お前、覚せい剤を横流ししてるだろう。全部分かってんだぞ。お前がこれまでに稼いだ金をすべて渡せ。」などと言って追及したが、Aは、普段からXに不満を感じていたこともあり、のらりくらりとした態度を取っていた。  
それを見たX、Y、Zは、激昂し、およそ1時間にわたり、それぞれ、顔面を手拳で殴打し、背部等を竹刀で殴打し、腹部を足蹴りするなどの暴行を加えた。
すると、Aは、腹部をおさえ顔面蒼白となりながら、ふざけた態度を取ったことを謝ってきたので、少し可哀想になったZが「もう終わりにしましょう。」とXに進言したところ、Xは、「ふざけんな。お前が持ち込んできたことだろう。勝手なこと言うんじゃねえ。」などと言って、Zの顔面を力任せに殴打したため、Zは、失神してその場に倒れた。
その後、XとYは、横流しの事実を認めるようAを追及しながら、しばらくの間、竹刀などを使ってAに暴行を加えていたが、依然としてAが認めないことから、Xは、追及するのを諦め、「俺はもう帰るぞ。少し手当してやれ。」と言い残して、組事務所を後にした。
ところが、Yは、かつてAに愛人を奪われたこともあったことから、その恨みを晴らすべく、もう少し痛めつけてやろうと思い、引き続き、数回にわたり、顔面を手拳で殴打し、胸部や腹部を足蹴りするなどの暴行を加えた。
そうして、しばらくしてYがAを組事務所に放置したまま帰宅したところ、Aは、数時間後、外傷性ショックにより死亡したが、その後の捜査において、死亡原因がどの時点における暴行によるものか判明しなかった。

(小問1)
X、Y、Zの罪責を論ぜよ。

**************




 次は、途中から抜けたのとは逆に、途中から参加した場合は、自らが加わっていない初めの暴行の責任も負うことになるのかどうか(承継的共同正犯の問題)。


****教室事例2******

(小問2)
上記事例について、以下のような事実関係であった場合、Yの罪責について論ぜよ。
当初、組事務所において、Aに対して暴行を加えたのは、XとZのみであった。その態様は、上記のとおり、顔面を手拳で殴打し、腹部を足蹴りし、背部等を竹刀で殴打するというものであった。
その後、Xらは、Aを監禁して追及するため、組が使用している付近の倉庫まで連行した上、Aに恨みを抱いていたYを呼び出して、事情を告げた。
そしたところ、Yは、Aが顔面蒼白となりもはや抵抗の意思をなくしているのを見て、この機会を利用して以前の恨みを晴らそうと思い、Xらと一緒になって、Aに対して、傍らにあった角材で背部等を殴打するなどの暴行を加えた。
そうしたところ、数時間後、Aは外傷性ショックにより死亡したが、所要の捜査によっても、Aの死亡原因につき、Yが合流する前に生じたものか後に生じたものか判別しなかった。
なお、組事務所と倉庫は車で約10分の距離にあり、XがYに連絡してからYが合流するまでは30分程度であった。

***************

 教室事例1と2を考えてみる。


第1、 小問1

1、 Yの罪責について
(1) XYZの共謀について
 XYZAは、同じ暴力団組織(以下、「組」という。)に所属する組員であり、Xは、幹部、YZAは、Xの舎弟であった。
 組は覚せい剤を密売していたが、Xの指示で、覚せい剤の一部横流しをしている疑いのあるAを懲らしめることとし、YZは、「分かりました。」など応じ、XYZは、Aに対し暴行を加えて制裁をする共謀が成立した。

(2) Yが傷害致死罪(205条)をなしたことについて
 共謀の翌日、組事務所において、Aに対し、XYZは、1時間にわたり、顔面を手拳で殴打し、背部などを竹刀で殴打し、腹部を足蹴りするなどの暴行を加えた。Zが失神するまでの暴行を、以下、「本件暴行1」という。
 その後、ZがXに殴られ失神したが、XYは、暴行を加えたが、途中、Xは組事務所を後にした。Zが失神後、Xが去るまでの暴行を、以下、「本件暴行2」という。
 X離脱後も、Yは、Aに対し、顔面を手拳で殴打し、胸部や腹部を足蹴りするなどの暴行を加えた。Xが去った後の、Yによる暴行を、以下、「本件暴行3」という。
 YがAを組事務祖に放置したまま帰宅したところ、Aは、数時間後、外傷性ショックにより死亡した。
 Yは、Aに対する暴行の全過程(本件暴行1ないし3)に関与し、その暴行の結果、外傷性ショックでAは死亡していることから、Aには、傷害致死罪が成立する(205条)。

(3)殺意について
 Yは、Aに対する殺意は、抱いていないため、殺人罪は成立しない。
 XZもまた、殺意を抱いていない。

(4)Aの遺棄について
 暴行後、Aを組事務所に放置したことには、長時間暴行を加え、負傷させた者として、保護する責任をYが有していたが、その保護をせず、Aは死亡し、Yには、保護責任者遺棄致死罪(219条)が成立するか問題になるが、被遺棄者の死傷についての認識がYにはあり、傷害罪のみ成立する。

(5) 小結
 Yには、傷害致死罪(205条)が成立する。


2、 Xの罪責について
(1) Yとの共同正犯について
 Xは、組の幹部として、Aに対する暴行を指示し、実行している。Xは、本件暴行1と2をYと共同しているが、本件暴行3はY単独でなしており、関与していない。
 
 Xは、Aに対する暴行において、途中で、離脱した(共犯関係が解消した)といえるのか問題となる。

ア、共犯の処罰根拠について
 まず、共犯が処罰される根拠は、正犯の行為を介して構成要件該当事実である法益侵害を、惹起したことにある(因果共犯論)。
 物理的因果関係と心理的因果関係の両者で、自らの関与に因果関係が認められるから、共犯として、正犯同様に罰せられるのである。

イ、
 上記、因果関係が認められるから、共犯になるのであれば、その因果関係が、心理的にも物理的にも、断絶されるといえれば、共犯から離脱したといえる。

 心理的因果性が切れたというためには、�離脱の意思の表明と、�他の共犯者の承諾が必要である。

 物理的因果性が切れたというためには、�自らが関与を打ち消すだけの行動を取る必要がある。

 すなわち、

 実行行為の途中において、共謀者の一人が他の共謀者に対し�離脱の意思を表明し、残余の共謀者がこれを�了承したと言うにとどまらず、さらに進んで、�他の共謀者が現に行っている実行行為を中止した上、以後は自己を含め共犯者の誰もが当初の共謀に基づく実行行為を継続することのない状態を作り出したような場合には、その時点で共犯関係は解消されたといえる(以下、「共犯関係解消の規範」という。)

 本件では、本件暴行1と2の後、Yにおいてなお制裁を加えるおそれが消滅していなかったのに、Xにおいて格別防止する措置を講ずることなく、成り行きにまかせて現場を立ち去ったに過ぎないのであって、Yによるその後の本件暴行3に対しても、共謀に基づくものと認められる。

 従って、Yと共謀の上、Xは、本件暴行1ないし3を実行したのであるから、Yと同様に、Xには傷害致死罪(205条)が成立する。


(2) Zへの暴行について
 Xは、本件暴行の途中、Zの顔面を力任せに殴打し、Zを失神させている。
 Xには、Zへの傷害罪(204条)が成立する。

(3) 小結
 Xには、Aに対する傷害致死罪(205条)と、Zに対する傷害罪(204条)が成立する。



3、 Zの罪責について
(1) XYとの共同正犯について
 Zは、本件暴行のきっかけとなる情報をXに提供をしており、Xの指示に従って幇助しただけではなく、積極的に本件暴行に関与しているといえる。

(2) Zが本件暴行で途中離脱したことについて
 Zは、本件暴行1の後に、Xに顔面を殴打され、失神し、本件暴行2と3には、関与していない。
 Zは、共犯関係が解消したか、上記「共犯関係の解消の規範」を用いて判断する。
 Zは、XYと共謀し、本件暴行を開始し、途中、「もう終わりにしましょう。」と進言しているが、自分が離脱の意思を示しているとは判断できないし、引き続きAに暴行を加えようとするXYの実行行為を制止したとも判断できない。失神し、本件暴行2と3に加わっていないが、共犯関係が解消していない以上、Zには、失神後の本件暴行2と3に対しても、共謀に基づくものと認められる。

(3) 小結
 Zには、Aに対する傷害致死罪(205条)が成立する。

注、Zは、失神させられており、共犯からの離脱をする行動をとることを期待できない以上は、離脱を認めるという考え方も取れる。
  その場合であっても、Zの関与具合と、生じた結果の重大性から、結果の妥当性を導くため、同時傷害の特例(刑法207条)の規定を用いて、傷害致死の共犯が成立すると考えることも可能である。

4、 結論
 XYZは、Aに対する傷害致死罪(205条)の共同正犯(60条)が成立する。



第2、 小問2
 Yの罪責について
(1) 問題の所在
 組事務所で、XZのみが暴行を加え(以下、Yが合流する前の暴行を、「本件暴行4」という。)、その後、Yが呼び出され、事情を告げられた後、Xらといっしょになって、Aに暴行を加えた(以下、Yが合流後の暴行を、「本件暴行5」という。)。
 Yは、自らがなしていない本件暴行4を含めた犯罪全体に共同正犯としての刑責を問えるかが問題である。

(2) 共謀の成立について
 Yは、呼び出された後、事情を告げられ、一緒にAに暴行を加えている。
 XZは、同じ組仲間であり、事情を告げられただけでも、事情を察知し、XZと一緒に暴行を加えており、本件暴行の共謀は、XYZ間で成立したと評価しうる。

(3) Yの承継的共同正犯について
 後行者において、先行者の行為及びその行為によって生じた結果を認識・認容するに止まらず、その行為を自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思のもとに、実体法上の一罪を構成する先行者の犯罪に途中から共謀加担し、その行為などを現に自己の犯罪遂行の手段として利用した場合には、承継的共同正犯が成立する。

 自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用しているところに、承継的共同正犯の論拠がある。

 本件では、Yは、途中から暴行5に加わった。

 一個の暴行行為がもともと一個の犯罪を構成するもので、後行者は、一個の暴行そのものに加担するのではない上に、後行者には、被害者に暴行を加えること以外の目的はないのであるから、後行者が先行者の行為等を認識・認容していても、他に特段の事情のない限り、先行者の暴行も、自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用したものと認めることができず、このような場合、共謀加担後の行為についてのみ共同正犯の成立をすべきこととなる。

 従って、Yには、XZらの本件暴行4の承継的共同正犯は成立せず、本件暴行5のみの実行行為をしたこととなる。

(4)  同時傷害の特例の適用について
 本件では、Aは外傷性ショックにより死亡したが、所要の捜査によっても、Aの死亡原因につき、Yが合流する前の暴行4により生じたものか後の暴行5に生じたものか判別していないとなると、暴行4に帰責性のないYに、暴行4によるかもしれない死亡の結果の帰責性負わせることはできなくなる。

 傷害がいずれか者の暴行に生じた可能性があるとき、暴行が同一機会に行われた場合、生じた傷害について刑事責任を問え、傷害だけでなく傷害致死にも適用される(最判昭和26.9.20)。
 本来、共犯関係がないものへの特例であるが、だからといって、本条は、共犯のものを適用除外しているものとはいえず、承継的共犯の事案でも適用が可能である(大阪地判平成9.8.20)。

 本件では、暴行4と暴行5は、異なる場所で行われてはいるが、本件暴行4と5は、なされた場所が組事務所と倉庫でそれぞれ場所が異なるが、同様な室内でなされた暴行であり、両者は約10分の距離に位置し、また、本件暴行4から、一時中断し、Yが合流して、本件暴行5が開始するまで、わずか30分であったのであって、本件暴行4と5は、場所的にも時間的にも近接し、同一機会の暴行と評価しうる。

 すると、Yの暴行には、同時傷害特例が適用しうる。

(5) 傷害致死罪について

 Aは、本件暴行4と5により、数時間後、外傷性ショックで死亡した。

 Yには、同時傷害の特例(207条)を適用し、傷害致死罪(205条)が成立する。

以上




 
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