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独禁法違反:指定県以外での低価格販売禁止、製造工場建設した社へ原料供給拒絶、価格差補填金強制

2014-10-15 22:59:59 | 経済法、独占禁止法
(2014/10/15水曜日 23:00作成第2稿) 

 前のブログの事案を簡略化した教室事例です。

 独占禁止法の適用について、考えてみます。

1、A連について
 A連は、農業協同組合法に基づき設立された農業協同組合であり、22条に該当する一定の要件を備えた協同組合であり、かつ、会員に対する青果物用段ボール箱の供給その他の経済事業を行っている事業者である。


2、本件の一定の取引分野について
 一定の取引分野とは、競争制限が行われる場であり、競争の実質的制限とは、特定の事業者・団体がその意思である程度自由に価格・品質・数量等の競争条件を左右することによって市場を支配できる状態をいう。
 本件では、各県におけるJA出荷組合(以下「需要者」という。)への青果物用段ボール取引条件の価格等の競争条件が、下記で述べるように、A連によって支配される状態にあり、「各県の需要者の青果物用段ボール取引市場」が一定の取引分野である。


3、事実4において
(1)単独の取引拒絶(一般指定2項)について
 単独の取引拒絶(一般指定2項)とは、不当に、ある事業者に対し取引を拒絶することをいう。事業者がどの事業者と取引するかは、基本的には事業者の取引事業者の取引先選択の自由に属するので、他の違反行為の実行確保手段として取引拒絶が行われる場合、もしくは、有力な事業者が競争者を市場から排除するための手段として行われる場合に限られる。

 本件では、本件では、A連が、X県での指定メーカーであったB社が、Y県で系統外販売を行おうとしたのに対し、それを阻止するため、B社に低価格販売中止を申し入れ、B社をX県での指定メーカーから除外した。
 A連によるB社から供給を受ける段ボールを拒絶しており、当該単独の取引拒絶は、低価格販売をする業者を排除するという違法行為の実行確保手段で取引拒絶が行われている。

 A連の行為は、単独の取引拒絶に該当する。

(2)拘束条件付取引(一般指定12項)について
 拘束条件付取引(一般指定12項)とは、有力な事業者が、地域外顧客への販売を制限し、当該商品の価格が維持され、よって、流通業者間の価格競争を減殺することをいう。

 A連は、さらに低価格で販売を続けたときは、他の指定県についても除外する旨を伝えて、B社に他の指定県で取引を行っている。
 指定メーカーB社とその取引の相手方である需用者との取引について、指定県以外の自己の顧客に直接販売しないという取引先についての拘束条件を付け当該指定メーカーと取引しているのであって、一般指定12項(拘束条件付取引)に該当する。

(3)小括
 従って、A連のB社に対する行為は、一般指定2項及び一般指定12項に該当し、不公正な取引方法であり、かつ、22条但書前段の不公正な取引方法にも該当するため、除外事由とはならず、19条違反である。


4、事実5について
 単独の間接取引拒絶(一般指定2項)とは、不当に、他の事業者に、ある事業者に対し取引を拒絶させることをいう。
 事業者がどの事業者と取引するかは、基本的には事業者の取引事業者の取引先選択の自由に属するので、他の違反行為の実行確保手段として取引拒絶が行われる場合、もしくは、有力な事業者が競争者を市場から排除するための手段として行われる場合に限られる。

 A連は、C社がZ県で工場建設し段ボール箱の製造を開始したため、Z県の指定メーカーD社が、C社にシートを供給することをやめさせた。
 供給をやめさせたのは、その供給をうけてC社が青果物用段ボール箱を製造し、低価格でZ件に販売することを阻止する目的であって、有力な事業者が競争者を市場から排除するための手段として行われたものといえる。

 従って、A連のD社に対する行為は、一般指定2項に該当し、不公正な取引方法であり、22条但書前段の不公正な取引方法にも該当するため、除外事由とはならず、19条違反である。


5、事実6について
 2条9項5号ロの「優越的地位の濫用」とは、取引上の地位が相手方に優越している者が、正常な商慣習に照らして不当に、継続取引先に経済上の利益を提供させることをいう。このことを許すと、取引上の一方当事者である地位が優越した者が、他方当事者に対して、取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障となるため、優越した地位の者が他方に著しく不利益な要請などを行っても他方が受け容れざるを得ないで取引されることとなり、不公正な取引方法である。

 本件では、段ボールメーカーは、1回あたりの取引量が多く、安定的需要が見込まれることから、A連との取引を強く望んでいる状況にあり、A連は、優越的地にあったといえる。
 優越的地位のA連は、系統外ルートで低価格の売り込みがあったときは、系統ルートによる需用者向け価格と当該低価格との差額に一定の数量を乗じた金員の補填をすることを、指定メーカーに「市況対策費」と称して支払わせた。各県のJAが負担すべき価格差補填金を、当該売り込みの発生とは関係のない指定メーカーに負担させており、指定メーカーの自由かつ自主的な判断を侵害しており、公正競争阻害性を認定でき、2条9項5号ロに該当する。
従って、A連の当該指定メーカーへの行為は、2条9項5号ロに該当し、かつ、22条但書前段の不公正な取引方法にも該当するため、除外事由とはならず、19条違反である。



6、私的独占について
 私的独占とは、事業者が他の事業者の事業活動を排除また支配し、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

 A連は、単独にまたは、他の事業者である指定メーカーと通謀して、上述3ないし5の各不公正な取引方法を用いて、系統外ルートの排除を行っており、結果、青果物用段ボール取引条件の価格等の競争条件を支配しているといえ、一定の取引分野における競争を実質的に制限している。

 なお、公益性はないし、22条但書後段にも該当するため、除外事由とはならない。

 従って、私的独占(2条5項)に該当し、3条前段違反である。   



以上



***************************教室事例******************************************

1 A農業協同組合連合会(以下「A連」という)は、農業協同組合法に基づき設立された農業協同組合であり、会員に対する青果物用段ボール箱の供給その他の経済事業を行っている。
  A連は、地域ごとに組織されている農業協同組合(以下「JA」という)が構成員となっておおむね都道府県ごとに設立されている都道府県経済農業協同組合連合会(以下「経済連」という)を会員としている。

2 わが国の青果物用段ボール箱の主要な流通経路は、段ボール箱メーカーからA連・経済連を経て、JA・出荷組合(以下「需要者」という)に供給されるルート(以下「系統ルート」という)と、段ボール箱メーカーから直接又は農業用資材販売業者を経て需要者に供給されるルート(以下「系統外ルート」という)とがあり、系統ルートが流通量の約5割を占めている。
段ボール箱メーカーは、1回当たりの取引量が大きく、安定的需要が見込めるA連との取引を強く望んでいる状況にある。

3 A連は、段ボールシート・段ボール箱のメーカーの主要な者との間に「売買基本契約」を締結し、これらの者(以下「指定メーカー」という)から青果物用段ボール箱を購入している。また、A連は、青果物用段ボール箱の購入に際し、原則として、その製造に要する段ボール原紙をそのメーカーから購入し指定メーカーに供給することとしている。
  A連は、青果物用段ボール箱を系統ルートにより供給するに当たり、指定メーカー別にそれぞれが製造した青果物用段ボール箱を納入する地域を指定することとしており、この地域をおおむね経済連の事業区域ごとに定め、これを「指定県」と称している。

4 A連は、X県を指定県とするB社が、指定県ではないY県において青果物用段ボール箱を系統外ルートにより系統ルートより低価格でJAに販売していたところ、同社に対し、右低価格販売を中止するように申し入れるとともに、同社の指定県からX県を除外し、また、さらに低価格での販売を続けたときは他の指定県についても除外する旨を伝えた。このためB社はA連に対し、Y県の需要者に対し受注活動を行わない旨を約束・実行している。

5 A連は、C社がZ県において段ボール箱製造工場を建設し、青果物用段ボール箱の製造を開始したため、Z県を指定県とする指定メーカーに対し、C社に青果物用段ボール箱向けに段ボールシートを供給しないよう要請した。これを受けてZ県の指定メーカーであるD社はC社へのシートの供給を中止した。

6 A連は、需要者が系統外ルートにより青果物用段ボール箱を購入するのを防止するため、系統外ルートによる低価格での売り込みがあったときは、その売り込みを受けた地区のJAの申出に応じ、当該JAに対し、系統ルートによる需要者向け価格と当該低価格との差額に一定の数量を乗じた金員を補填することとし、これに要する費用を指定メーカーに「市況対策費」と称して支払わせている。支払を要請された指定メーカーは、A連との青果物用段ボール箱の取引の継続を必要とする立場上、「市況対策費」の負担を余儀なくされている。

設問 上記のA連の行為に独占禁止法上どのような問題があるかを論じなさい。
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独禁法 拘束条件付取引・優越的地位濫用等の例 全国農業協同組合連合会VS青果物用段ボール箱製造会社

2014-10-15 17:18:15 | 経済法、独占禁止法

 公正取引委員会から勧告が出された例。

 青果物用段ボール箱の供給に関連した事例です。


 引用条文は、現在改正されています。



********公正取引委員会ホームページより*************************
http://snk.jftc.go.jp/JDSWeb/jds/dc005/DC005?selectedDocumentKey=H020220H02J02000001_ 

全国農業協同組合連合会に対する件

独禁法19条
一般指定2項(現行、法2条9項1号ロ)一般指定・13項(現行、同12項)・14項2号(現行、法2条9項5号ロ)




平成2年(勧)第1号

勧告審決





東京都千代田区大手町1丁目8番3号
全国農業協同組合連合会
右代表者 理事 鹿垣 籾義

 公正取引委員会は、平成2年1月11日、右の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第48条第1項の規定に基づき勧告を行ったところ、右の者がこれを応諾したので、同条第4項の規定に基づき、次のとおり当該勧告と同趣旨の審決をする。

主文
一 全国農業協同組合連合会は、
(一) 株式会社トーモクに対し昭和57年11月19日に、日本ハイパック株式会社に対し昭和60年4月上旬及び昭和61年2月中旬に、並びに鎌田段ボール工業株式会社に対し昭和60年3月中旬に行った青果物用段ボール箱を系統外ルートにより需要者に販売しないようにする旨の申入れ
(二) 昭和56年10月下旬、「関東5県対策」の実施に際し、レンゴー株式会社、本州ダンボール工業株式会社、福岡製紙株式会社、株式会社トーモク及び森紙業株式会社に対し、青果物用段ボール箱を系統外ルートにより需要者に販売しないようにするために確認させた事項をそれぞれ撤回し、これらと同様に東日本において取引先段ボール箱製造業者に対し行っている青果物用段ボール箱を系統外ルートにより需要者に販売しないようにさせる措置を取りやめるとともに、今後、これと同様の行為を行ってはならない。

二 同連合会は、
(一) セッツ株式会社に対し昭和60年7月中旬に行った青果物用段ボール箱の需要者に対する受注活動を取りやめるようにする旨の申入れ
(二) 東日本段ボール株式会社に対し昭和62年1月中旬及び日本マタイ株式会社に対し昭和62年3月ごろ行った株式会社トキワパッケージに青果物用段ボール箱向け段ボールシートの供給をしないようにする旨の要請
(三) レンゴー株式会社、本州製紙株式会社、株式会社トーモク及び森紙業株式会社に対し昭和62年夏から秋にかけて行った常盤産業株式会社から段ボール中芯原紙を購入しないようにする旨の要請
をそれぞれ撤回するともに、今後、取引先段ボール箱製造業者以外のものが青果物用段ボール箱の製造販売を開始することを妨げる行為を行ってはならない。


三 同連合会は、東日本において取引先段ボール箱製造業者に対し行っている「市況対策費」と称する金員の提供を要請する措置を取りやめるとともに、今後、これと同様の行為を行ってはならない。


四 同連合会は、前三項に基づいて採った措置を、東日本に所在する青果物用段ボール箱の製造業者、販売業者及び需要者に周知徹底させなければならない。この周知徹底の方法については、あらかじめ、当委員会の承認を受けなければならない。

五 同連合会は、前各項に基づいて採った措置を速やかに当委員会報告しなければならない。


事実
当委員会が認定した事実は、次のとおりである。

一(一) 全国農業協同組合連合会(以下「全農」という。)は、肩書地に主たる事務所を置き、昭和47年3月30日、農業協同組合法(昭和22年法律第132号)に基づき設立された農業協同組合連合会であり、会員に対する青果物用段ボール箱の供給その他の経済事業を行っている者である。
全農は、農業協同組合(以下「単協」という。)単協が構成員になっておおむね都道府県を地区として設立されている都道府県経済農業協同組合連合会(以下「経済連」という。)その他の農業団体を会員としており、会員の数は、平成元年6月末日現在、いわゆる総合農協のうちのほとんどすべての単協及びすべての経済連を含む3,654名である。
全農は、全国に東京支所等5支所を置いており、そのうち東京支所の事業区域は東北6県、関東1都6県、新潟県、山梨県及び長野県(以下「東日本」という。)である。
(二) 我が国における青果物用段ボール箱の主要な供給経路は、段ボール箱製造業者から全農及び経済連を経て単協、出荷組合等の需要者(以下「需要者」という。)に供給される経路(以下「系統ルート」という。)と段ボール箱製造業者から直接に又は農業用資材販売業者等を経て需要者に供給される経路(以下「系統外ルート」という。)である。
青果物用段ボール箱の供給数量全体に占める系統ルートによる供給数量の割合は、昭和62年7月から昭和63年6月までの1年間において、東日本で約6割、全国で約5割である。
青果物用段ボール箱の製造業者は、1回当たりの取引数量が大きく、かつ、安定的需要が見込めること、代金回収が確実であること等から、全農との取引を強く望んでいる状況にある。
(三) 全農は、段ボールシート及び段ボール箱を製造している者のうち主要なものとの間に「売買基本契約」を締結し、これらの者(以下「指定メーカー」という。)から青果物用段ボール箱を購入している。また、全農は、青果物用段ボール箱の購入に際し、原則として、その製造に要する段ボール原紙を段ボール原紙製造業者から購入して指定メーカーに供給することとしている。
全農は、青果物用段ボール箱を系統ルートにより供給するに当たり、指定メーカー別にそれぞれが製造した青果物用段ボール箱を納入する地域を指定することとしており、この地域をおおむね経済連の事業区域ごとに定め、これを「指定県」と称している。
指定メーカーのうち東日本にその指定県を有する者は、平成元年6月末日現在24社である。

二 全農は、かねてから、系統ルートによる青果物用段ボール箱の供給数量の維持拡大に努めているところ、その一層の推進を図るため、東日本において、指定メーカーが青果物用段ボール箱を系統外ルートにより販売しないようにさせる措置及び指定メーカー以外のものが青果物用段ボール箱の製造販売を開始ることを妨げる措置を講じ、また、需要者が青果物用段ボール箱の購入を系統ルートから系統外ルートに変更することを防止する対策を行うために要する金員を指定メーカーに提供させる措置を講じている。
これらに関する事例は、次のとおりである。

(一)イ 全農は、指定メーカーであって神奈川県等を指定県とする株式会社トーモク(以下「トーモク」という。)が、昭和57年ごろ、指定県でない長野県において青果物用段ボール箱を系統外ルートにより系統ルートによる需要者向け価格より低い価格(以下「低価格」という。)で約20の単協に販売していたところ、同年11月19日、同社に対し、右低価格販売を直ちに取りやめるよう申し入れるとともに、同社の指定県から神奈川県を即日除外し、また、更に右低価格販売を続行するときは、他の指定県についても順次これを除外し、最終的には取引を停止する旨を申し渡した。
このため、トーモクは、昭和57年11月下旬、全農に対し、長野県下における青果物用段ボール箱の販売先及び販売先別数量を報告するとともに、以後は、同県の需要者に対し受注活動を行わない旨及び需要者から引き合いがあった場合にはその数量、価格等を全農に連絡する旨を申し出た。
その後、トーモクは、前記単協向けの青果物用段ボール箱の販売を取りやめている。
ロ 全農は、指定メーカーである日本ハイパック株式会社(以下「日本ハイパック」という。)が、指定県でない山形県において出荷組合からの引き合いに応じ昭和60年産ブドウ用段ボール箱を系統外ルートにより低価格で販売することとしていたところ、昭和60年4月上旬、同社に対し、今後需要者に対し受注活動を行わないよう申し入れた。
次いで、全農は、右の出荷組合が昭和61年産ブドウ用段ボール箱についても日本ハイパックに発注しよとする動きを示したので、昭和61年2月中旬、同社に対し、需要者から引き合いがあっても系統外ルートにより販売しないようにする旨を確約するよう申し入れた。
これを受けて、日本ハイパックは、同月下旬、全農対し、以後は、全農の指示を遵守し、需要者に対し受注活動をしない旨を申し出た。
その後、日本ハイパックは、山形県において青果物用段ボール箱を需要者に販売していない。
ハ 全農は、指定メーカーでなかった鎌田段ボール工業株式会社以下「鎌田段ボール工業」という。)がかねてから岩手県等において青果物用段ボール箱を系統外ルートにより低価格で需要者に販売していたところ、昭和58年夏ごろ岩手県経済連とその対策について検討した結果、鎌田段ボール工業が低価格販売等を行わなければ指定メーカーとすることとし、同社にこの旨を伝えた。しかして、鎌田段ボール工業がこれを了承したので、全農は、昭和58年秋ごろから1年間同社の販売状況を監視した後、昭和60年3月中旬、同社に対し、
(イ) 岩手県内において、今後、需要者直接販売しないようにする旨
(ロ) 岩手県外において需要者に直接販売しているものについては、協議の上、今後、系統ルートによる供給に切り替える旨
を申し入れ、その遵守を確約させた上、同社を岩手県を指定県とする指定メーカーとし、取引を開始した。
その後、鎌田段ボール工業は、青果物用段ボール箱を供給するに際し、右確約事項を遵守している。

(二)イ 全農は、段ボール原紙の購入先であるセッツ株式会社が埼玉県熊谷市に段ボール箱製造工場を建設し、昭和60年6月ごろから青果物用段ボール箱の需要者に対して受注活動を行っていたところ、同社がこの分野に新たに参入すると系統外ルートによる低価格販売が拡大することが懸念されたため、同年7月中旬、同社に対し、右受注活動を取りやめるよう申し入れた。
これを受けて、セッツ株式会社は、全農との段ボール原紙の取引に悪影響が出ることを懸念して、右受注活動を取りやめた。
ロ 全農は、株式会社トキワパッケージ(以下「トキワパッケージ」という。)が埼玉県児玉町に段ボール箱製造工場を建設し、昭和61年9月ごろから青果物用段ボール箱の製造販売を開始したところ、これを取りやめさせるため、次の措置を講じた。
(イ) 全農は、昭和62年1月中旬、東日本段ボール株式会社埼玉県を指定県とする指定メーカーとの会合において、これら指定メーカーに対し、トキワパッケージに青果物用段ボール箱向け段ボールシート(以下「青果物用シート」という。)を供給しないよう要請した。
このため、これら指定メーカーのうちトキワパッケージに青果物用シートを供給していた東日本段ボール株式会社は、全農から青果物用段ボール箱の取引を停止されることを懸念し、昭和62年2月初旬、トキワパッケージに対する青果物用シートの供給を停止した。
(ロ) また、全農は、東日本段ボール株式会社が右(イ)の青果物用シートの供給を停止した後、指定メーカーである日本マタイ株式会社がトキワパッケージからの求めに応じ青果物用シートを供給しようとしていたところ、同社に対し、昭和62年3月ごろ、トキワパッケージに青果物用シートを供給しないよう要請した。
このため、日本マタイ株式会社は、全農との青果物用段ボール箱の取引に悪影響が出ることを懸念し、トキワパッケージに対し青果物用シートを供給しないこととした。
(ハ) トキワパッケージは、右(イ)及び(ロ)により青果物用シートの入手が困難となったため、昭和62年6月ごろ、段ボールシートの製造設備を導入して自社で青果物用シートを製造し、青果物用段ボール箱の製造販売を行うこととした。
そこで、全農は、トキワパッケージに青果物用段ボール箱の製造販売を取りやめさせるための方策して、同社の実質的な親会社である常盤産業株式会社(以下「常盤産業」という。)に対し経済上の不利益を与えることとし、昭和62年夏から秋にかけて、常盤産業から段ボール中芯原紙を購入しており、かつ、指定メーカーであるレンゴー株式会社(以下「レンゴー」という。)、本州製紙株式会社(以下「本州製紙」という。)、トーモク及び森紙業株式会社(以下「森紙業」という。)の4社に対し、これらとの会合等において、常盤産業から段ボール中芯原紙を購入しないよう繰り返し要請した。
これを受けて、右4社のうち森紙業を除く3社は、全農からの要請が再三であったことにかんがみ、全農との青果物用段ボール箱の取引に悪影響が出ることを懸念して、同年11月以降、順次、常盤産業からの段ボール中芯原紙の購入数量を削減していった。
(ニ) しかして、トキワパッケージは、昭和63年10月1日、段ボール箱の製造販売を中止するに至った。

(三) 全農は、かねてから、東日本において、需要者が青果物用段ボール箱の購入を系統ルートから系統外ルートに変更することを防止するため、同一の規格の青果物用段ボール箱について系統外ルートによる低価格での売り込みがあったときは、その売り込みを受けた地区の単協の申出に応じ、当該単協に対し、系統ルートによる需要者向け価格と当該低価格との差に同一の収穫期用として系統ルートにより購入した当該規格の青果物用段ボール箱の全数量を乗じて得た額の金員を補てんすることとしている。
全農は、右の補てんに要する費用について、必要に応じ、その全部又は一部を「市況対策費」と称して当該単協が系統ルートにより購入した青果物用段ボール箱を製造した指定メーカーに提供させることとし、当該指定メーカーにその提供を要請している。この要請は、他の段ボール箱製造業者等が行った売り込みに係るものについてまで行われている。
しかして、右要請を受けた指定メーカーは、全農との青果物用段ボール箱の取引の継続を必要とする立場上、「市況対策費」の負担を余儀なくされており、また、指定メーカーは、この負担を回避するため、自ら青果物用段ボール箱を系統外ルートで需要者に低価格で販売しないようにしているほか、他の段ボール箱製造業者に対しても同様の行為をしないよう要請している。


(四) 全農は、かねてから、段ボール箱製造業者等による青果物用段ボール箱の低価格での売り込みが頻繁に行われ、同段ボール箱の系統ルートによる供給割合が東日本の中で相対的に低かった茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県及び千葉県(以下これらを「関東5県」という。)において、この供給割合を引き上げるため、その方策について関東5県の各経済連と協議、検討してきた。
その結果、全農は、昭和56年9月ごろ、関東5県における有力な段ボール箱製造業者であり、これら5県のすべてを指定県としていたレンゴー並びに一部の県を指定県としていた本州ダンボール工業株式会社、福岡製紙株式会社、トーモク及び森紙業の5社(以下「5社」という。)が指定メーカーであるにもかかわらず青果物用段ボール箱を系統外ルートにより低価格で販売していたので、これらの系統外ルートによる販売を系統ルートによる供給に切り替えさせること、指定メーカー以外のものが行う系統外ルートによる低価格での販売を防止させること、本州ダンボール工業株式会社、トーモク及び森紙業の3社についてはレンゴーと同様に同地区のすべての県を順次指定県として追加していくこと等を内容とする「関東5県対策」と称する措置を講じることとした。次いで、全農は、昭和56年10月下旬、「関東5県対策」を実施するため、5社の青果物用段ボール箱の営業担当責任者を東京支所に招致し、5社に対し、
イ 直接需要者に又は農業用資材販売業者等に青果物用段ボール箱を販売しないようにする旨及び系統外ルートにより販売する他の段ボール箱製造業者に青果物用シートを販売しないようにする旨
ロ 系統外ルートにより販売しいる青果物段ボール箱については、全農及び関係経済連と協議の上、段階的に系統ルートによる供給に切り替える旨
ハ やむを得ず系統外ルートにより青果物用段ボール箱を販売せざるを得ない場合には、事前に全農及び関係経済連と協議する旨及び原則として系統ルートによる需要者向け価格以上の価格で販売するようにする旨
ニ 5社が右イ、ロ又はハに反した場合は、ペナルティとして、指定県の一部除外、取引の停止又は「市況対策費」等を負担させる措置を採る旨
を確認させた。

なお、5社のうち福岡製紙株式会社は昭和58年6月28日に、本州ダンボール工業株式会社は昭和61年6月30日に、それぞれ本州製紙に吸収合併された。
右確認に基づき、5社及び本州製紙は、多数の取引先に対し、青果物用段ボール箱又は青果物用シートの販売を中止し又はその販売数量を削減するとともに、青果物用段ボール箱を系統外ルートにより販売するときは全農と協議している。


法令の適用

右の事実に法令を適用した結果は、次のとおりである。

一 前記事実の一、二(一)及び(四)によれば、全農は、指定メーカーと青果物用段ボール箱を取引するに当たり、指定メーカーの事業活動を不当に拘束する条件をつけて当該指定メーカーと取引しているものであり、また、前記事実の一及び二(二)イによれば、全農は、段ボール原紙製造業者から段ボール原紙を購入するに当たり、段ボール原紙製造業者の事業製造業者の事業活動を不当に拘束する条件をつけて当該段ボール原紙製造業者と取引しているものであり、これらは、いずれも不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第13項(現行、一般指定12項)に該当し、

二 前記事実の一及び二(二)ロによれば、全農は、不当に、指定メーカーに、段ボール箱製造業者に対する青果物用シートの供給を拒絶させ、又は段ボール原紙製造業者からの段ボール中芯原紙の購入数量を制限させているものであり、これらは、前記不公正な取引方法の第2項(現行、法2条9項1号ロ)に該当し、

三 前記事実一及び二(三)によれば、全農は、自己の取引上の地位が優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、指定メーカーに対し、自己のために金銭を提供させているものであり、これは、前記不公正な取引方法の第14項第2号(現行、法2条9項5号ロ)に該当し、

それぞれ、独占禁止法第19条の規定に違反するものである。


よって、主文のとおり審決する。

平成02年02月20日

委員長 梅澤 節男
委員 宮代 力
委員 伊従 寛
委員 佐藤 徳太郎
委員 宇賀 道郎

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地方公共団体がしごとを進める上での7つの原則

2014-10-15 12:32:57 | 地方自治法

地方公共団体がしごとを進める上での7つの原則原則


1 法令適合の原則:法令に違反して事務を処理してはならない(地方自治法2条16項・17項)

2 住民福祉増進の原則:住民の福祉の増進に努める(同条14項)

3 能率化の原則:最小の経費で最大の効果をあげるようにする(同条14項)

4 合理性の原則:常にその組織及び運営の合理化に努める(同条15項)

5 規模適正化の原則:地方公共団体の規模の適正化を図る(同条15項)

6 総合性・計画性の原則:市町村は、議会の議決を経てその地域に於ける総合的かつ計画的な行政の運営を図る(同条4項)

7 誠実性の原則:執行機関は、その地方公共団体の事務を自らの判断と責任において誠実に管理・執行する(同法138条の2)


*************************************

第二条  地方公共団体は、法人とする。

○2  普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

○3  市町村は、基礎的な地方公共団体として、第五項において都道府県が処理するものとされているものを除き、一般的に、前項の事務を処理するものとする。

○4  市町村は、前項の規定にかかわらず、次項に規定する事務のうち、その規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものについては、当該市町村の規模及び能力に応じて、これを処理することができる。

○5  都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、第二項の事務で、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理するものとする。

○6  都道府県及び市町村は、その事務を処理するに当つては、相互に競合しないようにしなければならない。

○7  特別地方公共団体は、この法律の定めるところにより、その事務を処理する。

○8  この法律において「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう。

○9  この法律において「法定受託事務」とは、次に掲げる事務をいう。
一  法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第一号法定受託事務」という。)

二  法律又はこれに基づく政令により市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、都道府県が本来果たすべき役割に係るものであつて、都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第二号法定受託事務」という。)

○10  この法律又はこれに基づく政令に規定するもののほか、法律に定める法定受託事務は第一号法定受託事務にあつては別表第一の上欄に掲げる法律についてそれぞれ同表の下欄に、第二号法定受託事務にあつては別表第二の上欄に掲げる法律についてそれぞれ同表の下欄に掲げるとおりであり、政令に定める法定受託事務はこの法律に基づく政令に示すとおりである。

○11  地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づき、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえたものでなければならない。

○12  地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づいて、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて、これを解釈し、及び運用するようにしなければならない。この場合において、特別地方公共団体に関する法令の規定は、この法律に定める特別地方公共団体の特性にも照応するように、これを解釈し、及び運用しなければならない。

○13  法律又はこれに基づく政令により地方公共団体が処理することとされる事務が自治事務である場合においては、国は、地方公共団体が地域の特性に応じて当該事務を処理することができるよう特に配慮しなければならない。

○14  地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。

○15  地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。

○16  地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない。

○17  前項の規定に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効とする。


第百三十八条の二  普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。
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中央区議会の決算特別委員会委員の議会ホームページでの掲載について

2014-10-15 10:31:47 | 議会改革

 中央区議会では、先日まで、決算特別委員会が開催されていました。

 区議会に問い合わせを致しましたが、区民が決算特別委員会の構成は、現段階では、事後的に「区議会のお知らせ」の広報紙で知る形しかないようです。
 (当然に公開されていると思っていて、いろいろ区議会のホームページをあちこち見ましたが、公開されていなかったことに気づきました。やむなく区議会事務局にお問い合わせをした次第。)

 区議会のホームページでは、委員会構成を掲載部分があります。
 http://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/kugikai/iinkaikousei.html

 決算特別委員会が構成されたら、すぐに、当該ページを更新し、決算特別委員会、予算特別委員会の委員のほうも掲載いただけるとありがたいと思います。

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中央区議会 10月14日分(決算特別委員会8 総括質問/採決 ) 審議の概略

2014-10-14 23:00:00 | 財務分析(予算・決算)
10/14(火)PM
【総括】
W部議員(M党)
①解体について
  工事『お知らせ』看板
説明会の開催
7日以内に区へ届け、その時注意事項を説明
 
②工事協定
 要項で規定
  求めていないか、紛争がない様に
③人材育成
 区民サービス向上には急務
 全庁あげて取り組み
 ①研修の実施
 ②職場内研修(OJT)
  OJTリーダーの研修
  一般職員中心に、若手職員、自己実現
 ○新人研修の内容作成(入社1年目)
 ○採用推進プログラム(入社2~3年目)
 ○人材育成PT(主任1~2年)
 ○能力ない、魅力ない←管理職
④町内連携
  部長会、課長会、調整会議で深めている。指定管理。
⑤区民と情報を。区民の考えていることを知る。区内の外国会社。区内企業。
  HP、広報誌など有効。
⑥町会(地域)へ助言。新しいマンション建築。
  相談をもらえば助言はしている。支援の壁、なかなか難しい。
⑦65歳以上、仕事辞めた人。地域で活躍してもらう。活躍の場所、区の考え。
  団塊世代の生きがい、区の課題。シルバーワーク、シルバーセンター→就労。
  元気高齢者(福祉ボランティア)、シニアセンター、いきいき館(満室)
⑧介護保険 国9段階 区13段階
  段階の弾力化(公平)を納めていく。
  1)元気高齢予防
    地域支援事業で介護予防している。

⑨子ども子育て会議。プレディーの児童館化とその過程。
  学童とプレディーは違う。プレディー、地域の人達で放課後を対応。
児童館の一体にしない。違う人の確保が課題、検討。おやつの時間のおやつ提供必要。
⑩保育園、財政負担への考え
  家賃設定高い。一般財源。都、国の補助制度を使用。
優先度、国の変化で課題を総合的に考え、財政負担の投入を計る。
⑪交通。BRTとコミュニティーバスの連携。費用。晴海問題、早急な対応。
  BRT 都、事業者選定中。今後協議。検討経緯を伝え、連携考えていく。
  晴海…都バス廃止。交通局と練り強く話を進めていく。
金額をなるべく小さく押さえる様、8000~9000万円江戸バスのみかかる。
BRT、環2号を見て、環線を見てコミュニティーバス路線を考えていく。



*****採決*****

自民 認定 同意
公明 認定 同意
中央区民の会 認定 同意
共産 認定 反対
民主党区民クラブ 認定 同意

  ↓

認定決定

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母子世帯の現状

2014-10-14 23:00:00 | 子育て・子育ち

 この国の制度が、まずもって、充実を目指すべき分野。

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日本の自由と民主主義を守る。

2014-10-13 10:55:02 | 国政レベルでなすべきこと

 山口二郎法政大学教授、大切なことを述べられています。

 私達国民は、厳しく国会の論戦、マスメディアを注視しなければなりません。

 私は、マスメディアにお願いしたい。
 今、何をすべきか。
 同志の朝日新聞をたたく暇があれば、紙面をさく余裕があれば、国政をきちんと国民に届けてください。
 自らの自由さえ、危機に直面している今だからこそ。


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医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(最高裁H25.1.11)を考察する。

2014-10-12 23:00:00 | 行政法学

H25の最重要判例のひとつ、医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(最高裁H25.1.11)を考察します。



【事案の概要】
平成18年法律第69号1条の規定による改正後の薬事法(以下「新薬事法」という。)の施行に伴って平成21年厚生労働省令第10号により改正された薬事法施行規則(以下「新施行規則」という。)において,店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売又は授与(以下「郵便等販売」という。)は一定の医薬品に限って行うことができる旨の規定及びそれ以外の医薬品の販売若しくは授与又は情報提供はいずれも店舗において薬剤師等の専門家との対面により行わなければならない旨の規定が設けられたことについて,インターネットを通じた郵便等販売を行う事業者である被上告人らが,新施行規則の上記各規定は郵便等販売を広範に禁止するものであり,新薬事法の委任の範囲外の規制を定める違法なものであって無効であるなどと主張して,上告人を相手に,新施行規則の規定にかかわらず郵便等販売をすることができる権利ないし地位を有することの確認(行訴法4条後段実質的当事者訴訟)等を求める事案である。(最判 判決理由1)



【訴訟選択】
1,原告らは,医薬品の店舗販売業の許可を受けた者とみなされる既存一般販売業者として,平成21年厚生労働省令第10号による改正後の薬事法施行規則の規定にかかわらず,第一類医薬品及び第二類医薬品につき店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による販売をすることができる権利(地位)を有することを確認する。(行訴法4条後段実質的当事者訴訟)

2,厚生労働大臣が平成21年2月6日に公布した薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成21年厚生労働省令第10号)のうち,薬事法施行規則に15条の4第1項1号,159条の14,159条の15第1項1号,159条の16第1号並びに159条の17第1号及び第2号の各規定を加える改正規定が無効であることを確認する。(行訴法3条4項)

(予備的請求)
3, 前項の省令の改正規定を取り消す。(行訴法3条2項)


【争点】
1,本件無効確認の訴え及び本件取消しの訴えの適法性(本案前の争点)
2,本件地位確認の訴えの適法性(本案前の争点)
3,本件改正規定の適法性・憲法適合性(本案の争点)
   ア 委任命令としての適法性
   イ 本件規制の憲法適合性
   ウ 省令制定手続の適法性

【裁判所の判断】
1, 第1審(東京地判平成22・3・30)
○省令制定行為の処分性を否定→無効確認の訴え及び本件取消しの訴え却下

○地位確認の訴えの適法性→確認の利益あり

○委任の趣旨は、一般用医薬品の安全性確保のためリスクの程度に応じた販売などの適切な方法・態様を専門・技術的裁量判断に委ねるもので、その結果「一定の販売方法を採ることができなくなること」があっても、規制の必然的な随伴結果である委任の範囲内である。また、対面販売の義務づけと郵便など販売方法の禁止には必要性と合理性がある→請求棄却


2, 控訴審(東京高判平成24・4・26)
○ 訴訟要件→第1審と同様の判断

○ 郵便等販売規制は、憲法22条1項で保障される営業の自由を制限するから、「その委任規定については、明確性が求められると同時に、委任規定の立法過程において、その制限される権利について合憲性の推定が働くような資料に基づく議論」を要す。しかし、新薬事法36条の5等の規定は、明示的に対面販売を義務づけておらず、また、営業の自由に対する規制を省令に委任するに当たって、立法目的を達成するための手段の合理性を基礎づける検証・検討がない。そのため、郵便等販売を規制する新施行規則の各規定は、「新薬事法の委任の趣旨の範囲を逸脱した違法な規定であり、国家行政組織法12条3項に違反し、無効である」→原判決の一部を取消し、請求の一部を認容。国が上告。


3, 最高裁(第二小法廷平成25・1・11)
○ 上告棄却

○ 判旨 「」は判決文から原文抜粋
「薬事法が医薬品の製造,販売等について各種の規制を設けているのは,医薬品が国民の生命及び健康を保持する上での必需品であることから,医薬品の安全性を確保し,不良医薬品による国民の生命,健康に対する侵害を防止するためである(最高裁平成元年(オ)第1260号同7年6月23日第二小法廷判決・民集49巻6号1600頁参照、クロロキン薬害訴訟最高裁判決)。このような規制の具体化に当たっては,医薬品の安全性や有用性に関する厚生労働大臣の医学的ないし薬学的知見に相当程度依拠する必要があるところである。」

「旧薬事法の下では違法とされていなかった郵便等販売に対する新たな規制は,郵便等販売をその事業の柱としてきた者の職業活動の自由を相当程度制約するものであることが明らかである。これらの事情の下で,厚生労働大臣が制定した郵便等販売を規制する新施行規則の規定が,これを定める根拠となる新薬事法の趣旨に適合するもの(行政手続法38条1項)であり,その委任の範囲を逸脱したものではないというためには,立法過程における議論をもしんしゃくした上で,新薬事法36条の5及び36条の6を始めとする新薬事法中の諸規定を見て,そこから,郵便等販売を規制する内容の省令の制定を委任する授権の趣旨が,上記規制の範囲や程度等に応じて明確に読み取れることを要するものというべきである。」

しかるところ,新施行規則による規制は,
①新薬事法36条の5及び36条の6は,いずれもその文理上義務付けていないことはもとより,その必要性等について明示的に触れているわけでもなく,

②医薬品に係る販売又は授与の方法等の制限について定める新薬事法37条1項も,郵便等販売が違法とされていなかったことの明らかな旧薬事法当時から実質的に改正されていない。

また,

③新薬事法の他の規定中にも,郵便等販売を規制すべきであるとの趣旨を明確に示すものは存在しない。

なお,④法案の国会審議等において,郵便等販売の安全性に懐疑的な意見が多く出されたが,それにもかかわらず郵便等販売に対する新薬事法の立場は不分明であり,その理由が立法過程での議論を含む事実関係等からも全くうかがわれないことからすれば,そもそも国会が新薬事法を可決するに際して第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を禁止すべきであるとの意思を有していたとはいい難い。

そうすると,新薬事法の授権の趣旨が,第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止する旨の省令の制定までをも委任するものとして,上記規制の範囲や程度等に応じて明確であると解するのは困難であるというべきである。



【本判決の意義など】
1、 クロロキン薬害訴訟最高裁判決を引用しつつ、医薬品の製造・販売規制の趣旨を踏まえ、営業の自由に対する制限を新たに委任命令で課す場合に法律による明示の委任が必要となることを確認し、前期規定を違法無効として、原告らの第一類・第二類医薬品の郵便等販売できる権利(地位)を確認した判決。

2、 規範定立行為は、処分と実質的に同一視できる場合を除き、不特定多数者に対し一般的な法的効力を有するにとどまるため、処分性を否定する一方、新施行規則違反に対する制裁前に行政立法の違憲・違法を争う確認の訴え(実質的当事者訴訟)を認めた判決。
→予防的機能に着目すると、差止訴訟など抗告訴訟(無名抗告訴訟も含む)との連続性・相互関連が検討課題として残っている(平成24年重要判例解説 下山憲治 名古屋大学教授)


【関連法令】(注、争われた当時の法令です。)
〇薬事法(薬事法の一部を改正する法律 平成18年法律69号)
(一般用医薬品の販売に従事する者)
第三十六条の五  薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、一般用医薬品につき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に販売させ、又は授与させなければならない。
一  第一類医薬品 薬剤師
二  第二類医薬品及び第三類医薬品 薬剤師又は登録販売者
(情報提供等)
第三十六条の六  薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗において第一類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師をして、厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならない。
2  薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗において第二類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならない。
3  薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者から相談があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならない。
4  第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合には、適用しない。
5  配置販売業者については、前各項の規定を準用する。この場合において、第一項及び第二項中「薬局又は店舗」とあるのは「業務に係る都道府県の区域」と、「販売し、又は授与する場合」とあるのは「配置する場合」と、第一項から第三項までの規定中「医薬品の販売又は授与」とあるのは「医薬品の配置販売」と、同項中「その薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者」とあるのは「配置販売によつて一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は配置した一般用医薬品を使用する者」と読み替えるものとする。


〇薬事法施行規則(平成21年厚生労働省令10号による改正後のもの。)
(薬剤師又は登録販売者による医薬品の販売等)
第百五十九条の十四  薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、法第三十六条の五 の規定により、第一類医薬品については、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、自ら又はその管理及び指導の下で登録販売者若しくは一般従事者をして、当該薬局若しくは店舗又は当該区域における医薬品を配置する場所(医薬品を配置する居宅その他の場所をいう。以下この条及び第百五十九条の十八において準用する次条から第百五十九条の十七までにおいて同じ。)(以下「当該薬局等」という。)において、対面で販売させ、又は授与させなければならない。
2  薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、法第三十六条の五 の規定により、第二類医薬品又は第三類医薬品については、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、自ら又はその管理及び指導の下で一般従事者をして、当該薬局等において、対面で販売させ、又は授与させなければならない。ただし、…

(一般用医薬品に係る情報提供の方法等)
第百五十九条の十五  薬局開設者又は店舗販売業者は、法第三十六条の六第一項 の規定による情報の提供を、次に掲げる方法により、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に行わせなければならない。
一  当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所(薬局等構造設備規則第一条第一項第十号 若しくは第二条第九号 に規定する情報を提供するための設備がある場所又は同令第一条第一項第四号 若しくは第二条第四号 に規定する医薬品を通常陳列し、若しくは交付する場所をいう。次条及び第百五十九条の十七において同じ。)において、対面で行わせること。

第百五十九条の十七  薬局開設者又は店舗販売業者は、法第三十六条の六第三項 の規定による情報の提供を、次に掲げる方法により、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に行わせなければならない。
一  第一類医薬品の情報の提供については、当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所において、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に対面で行わせること。
二  第二類医薬品又は第三類医薬品の情報の提供については、当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所において、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に対面で行わせること。

(準用)
第百四十二条  店舗販売業者については、第二条から第七条まで(同条第六号及び第八号を除く。)、第十二条から第十五条の四まで、第十五条の十五、第十六条(第一項第七号を除く。)及び第十八条の規定を準用する。この場合において、第二条中「様式第二」とあるのは「様式第七十七」と、第六条、第十五条の四第二項及び第十六条第四項中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)」と、第六条中「様式第五」とあるのは「様式第七十八」と、第十二条第一項中「別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた試験検査機関(以下「登録試験検査機関」という。)」とあるのは「当該店舗販売業者の他の試験検査設備又は登録試験検査機関」と、第十六条第三項中「されている都道府県知事」とあるのは「されている都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)」と読み替えるものとする。

(郵便等販売の方法等)
第十五条の四  薬局開設者は、郵便等販売を行う場合は、次に掲げるところにより行わなければならない。
一  第三類医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与しないこと。



                                 以上
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中央区議会 10月10日分(決算特別委員会7 総括質問 ) 審議の概略

2014-10-10 23:00:00 | 財務分析(予算・決算)
10/10(金)AM
【総括】
U原議員(Ko党))
①国・都の補助金の活用について
  もれなく確保していきたい。歳入 → 歳出 → 補正予算
                ↓     ↑
               問題ない   行内で調整
  部がまたがる場合は課長級で、トータルで事業をチョイスして協議する。
②災害に強いまちづくり。特定緊急輸送計画。耐震化助成に実践と見解。
  H25年木造補強50件、特緊急29件。労務不足、材料の高騰でできない部分もあった。
  1)耐震マーク 区の取組み
    公共施設、沿道など(以前) 今後、耐震化されたビルにも追加で付ける。
  2)帰宅困難者対策。マップの作成。
避難スペース。区民館が避難所になっていないは?
    マップ…防災課で手作り。防災拠点で配る。
    区民館対応…まず避難者→学校、時間が経ち学校が再開してからの区民館利用を考えている。
  3)空家の問題。9万5000戸内24230戸(25%)信憑性、把握、区の対応。
    建物でなく部屋の数と認識。マンション部屋状況である。
調査時現在(転居者=空家)
③本の森中央(延期2年なったこと) 教育委員会の感想、意見。
  入札不調。
区民から期待。工事に向けてタイミングを計っていく(材料高騰、人材不足)
非常に残念、動向を見ていく。
④子ども発達支援センター(仮称) 進渉状況と現状
  事業としてはやっているが連携がうまくいっていない。それを円滑にするスペースがあれば、あてていきたい。どう進めるかまではいっていない。学識者、実践的な協議検討も。
 発達障害の見解
  行政、だれでも発達障害の可能性があるという認識必要と考える。
⑤子ども家庭支援センター。先駆型という位置づけ。相談機能の難しさ。
 都と区の連携ができていない。相談機能一認知されていない。課題は?
  相談 昨年230件、今年337件。PRを行なった。待っているだけでなく、児童館を
  循環して虐待相談も受けている。虐待のない区への取組みを考えていく。


10/10(金)PM
T橋議員(C会)
①流入人口について
  中間人口60万人。23区1番。定住人口も合わせ定着させていきたい。減少の可能性は低い。中間人口の維持は大きな課題であり基本である。
②2020年までに国際公約 プライマリーバランス 国債暴落
  半分弱、財源 区の外から。国の財政無視できない。国へはいかに改善にもっていくか、
  努力を願いたい。自主財源、区の活力潜存的にも維持していくことが必要。
③社会関係保障者
  経費をどれだけとるかであるが、年々増える傾向。毎年300億(都)増加。
④保育園児1人コストはどれくらいか?
  0才:3~40万円(一人当り)/月
  3才以上:コスト減 4万くらい/月
  運営経費 一人20万円(平均)
  建築含トータルコスト 一人50万円
 1)利用料金のみでできるか
    年200~300万円(一人)
 2)一人200万円渡せば保育園いらないのではないか。
   多様な子育て、多様な方法があっていい。そこが中央区の魅力。
    コストと社会福祉の問題。自己実現、社会進出を考えると無理。区はできない。
    保育実績義務がある。
⑤保育園。直接子育てに関わらない洗濯などは委託にしたらどうか。
  副園長忙殺。検討していく。
⑥働きながら介護している者 240万人。H40年 倍になる。どう対応していくのか。
  介護保険(相互扶助)働きながら介護できないことを避ける為の保険と考える。
  区はサービスを備えるが大切。介護休暇も考える必要がある。
⑦OP中央区の魅力。ローカル企業。広報体制。
  国、都、枠組み作り中。本区の魅力、ローカル企業活力枠組み作り。
日本橋、京橋、気分盛上げ。商店街6つに分けて会合。意見の吸い上げニーズを拾う。
広報:選挙村の中広報 晴海。主は有明ビック・アリアケで対応。区に対しての
アピール広報。今後5年で検討していく。
⑧国際理解教育。ゴールの形、考え。
  文科省、検討。学校教育として精神教育を目指す。



O村議員(K党)
①中低層建築まちづくり
  月島エリア工場倉庫と住宅群、H7年 月島まちづくり検討。建替えどうするか。
  月島再開発のみでない。いろいろなまちづくり手法で検討。ソフトを含めての
  まちづくりも有り。再開発ありきでない。
②待機児ゼロ問題。ちゃいれっく認定取り消し!?園庭確保。
  ゼロに向けた子ども子育て会議検討。国全体の目標。日本橋3園閉園。
  H27年~5年間計画、ニーズ調査を主に今年度議論していく。
  区立整備、園庭、理想と現実、土地の確保。
③学童クラブ不足の問題。
  101名待機。4年まで。1年生中心で運営。ニーズ調査、現規模では不足だが
  プレディーと連携をとってやっていく。
④使用料受益負担の見直し。事後報告はなぜか。保育料、駐輪場利用料。
  7項目の見直し。事前周知は大切と思う。できるだけ早いうちに区民に報告したいと
  思う。値上げを事前に公表して区民に問うのは、混乱を招くので難しい。
⑤築地市場。豊洲土壌汚染。2年のモニタリング必要性。5500億総工費。
  都の移転事業。安全・安心の確保大切。都で良く考えて対応する様にして欲しいと
考える
⑥共通買物券。10万円→5万円に変更。買う人が減った。お得感なし。
  財政状況、他区と比べても妥当。多くの人へ拡充できた。
⑦景気動向調査。(個人)25人?不充分では?(企業)25人。合計50人。
  国の基準に従っている。

以上
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10月12日(日)13(祝)、中央区月島3丁目こども元気クリニック・病児保育室5547-1191急病対応有り。

2014-10-10 16:40:22 | 日程、行事のお知らせ

 10月12日(日) 午前11時30分~、13日(祝)の午前中、中央区月島3丁目 こども元気クリニック・病児保育室03-5547-1191急病対応致します。
 

 1)咳の風邪、2)お腹の風邪、3)お熱だけの風邪の3つのお風邪がそれぞれ、今、流行っています。
 急に寒くなって、気候の変化に体が対応できていないことが、流行の原因のひとつと考えます。
 
 喘息の子の咳も増えています。
 

 2)お腹の風邪の子も、増えてきました。
 体調崩されておられませんか?
 


 おとなも、こどもの風邪をもらいます。
 そのような場合、お子さんとご一緒に、親御さんも診察いたしますので、お気軽にお声掛けください。



 
 なおったお子さんには、日曜日に、登園許可証も記載します。
 月曜日朝一番から登園できますように、ご利用ください。



 合わせて、平日なかなか時間が作れない場合でも、休日も、予防接種を実施いたしますので、ご利用ください。
 インフルエンザ予防接種も開始し、実施しています。
 
 
 お大事に。

こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝

中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

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心臓は、どちらかというと、体の真ん中のほうにあります。

2014-10-10 12:13:02 | 医療

 ネットで、以下の記載を見つけました。記載者はわかりませんが、 心臓のイメージの誤解につながるといけないため、医師として、一応、念のために、書きます。

 心臓は、どちらかというと、「体の真ん中のほう」にあります。
 下の記述は、わかりやすさを追求したためと思いますが、その記述をいかす形で書くなら、「心臓は、体の中心部にやや左の方に重心を置きながらある」が正確です。
 

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中央区議会 10月9日分(決算特別委員会6 歳出の部 基金等/特別会計/総括 ) 審議の概略

2014-10-09 23:00:00 | 財務分析(予算・決算)
10/9(木)AM

K藤議員(K党)
①今後の基金状況
  H25年 基金、区債。
  今後、基金:豊海・月島第三改修。区債:基金残高差は減少していく。執行努力で
  強固な財政基盤を構築していく。
②高齢者増加。一般会計から医療へ移動。
  特別会計繰り出し。年度で上下している。
介護保険、財源構成は制度上定められている。国保は多めに繰り入れ。余ったら次回は減る。繰り入れを減らしている訳ではない。

【特別会計・国保】
S谷(J党)
①滞納対策
  増やさない。徴収繰越し許可。
  ・直接滞納者と会う(夜間)
  ・財産調査に基づき徴収
  ・状況によっては差押え(財産がある人)
  ・滞納者 22.6%である
②認知症対策
 1)サポーター養成につて
    企業の出前講座を行なった。周りで支える事も重要。幅広く参加促す。
    区の職員 H22年~過去10回 160名の参加。今後も続ける。
③お年寄相談センター
  3センターで17000件。介護保険サービスについての相談多い。
京橋、日本橋TEL多い。月島 来所が多い。(出張所と併設しているから?)

10/9(木)PM
【特別会計費】
S谷議員(Ko党)
①滞納者の夜間訪問
  職員が訪問する。H26年からきっちりやっていく。
②国保収納利便性向上
  対策委員会で検討。コンビニ収納開始。諸々の対策を費用対効果で検討していく。

③介護保険
 1)課題
    職員:従事者が見つからない。小さな事業所では内部研修しづらい。
    利用者情報伝わって来ない。
    職員に対して、来年報酬について検討中。また、事業所への研修検討中。
 2)サービス向上。ケアマネへの感謝、相談対応、喜びの声。
   清浄してもらってもきれいにならない。苦情。
    やってもらっている→何か言うと・・・。
    介護保険課が窓口として声を聞く。厳しく、優しく、事業所を育てていく。

T橋議員(C会)
①協働電算手数料。
医療事務 国保、後期高齢者医療制度←コンピューター化した後ではないか
医療事務の発生の仕方。PC化された制度と以前では事務的に違うのではないか。
 レセプトの手数料。国保、後期同じ。大きな違いなし。
②薬剤師がジェネリックを使用する場合、Dr.処方と変わる薬が出せるのか。
 ジェネリック区の考え。
  Dr.処方箋:薬ジェネリック記載(可能か)
  ジェネリック:差額通知を出す様考えている。推奨している。
③国保財政厳しい。都道府県事務になる方。
  市区町村では財政厳しい。安定なら公益化である。公益化の向きがある。
④介護の問題。事前啓発が必要ではないか。
  毎年、在宅支援協議会事前講習実施 昨年100名弱参加
⑤単身で自宅で亡くなった人。10年間で2倍になっている。啓発の中でできること。
  独立死は問題。健診ぐらいしかない。網かけと見守り、地域でみることが大切。
  1)巡回制度、区でやらないか
   介護保険加入者は見られるが、介護状態でない人は難しい。

K藤議員(K党)
①滞納について。滞納所得分布。
  滞納6ヶ月→11ヶ月短期発行。1年以上は資格証。
短期証から資格証へ。所得把握していない。
滞納額別は、100万以上→63世帯 70~100万円→127世帯 50~70万円→208世帯
 区の収納率目標91.0%現状は?
  収納率H25年86.0%

②介護保険料。老人ホーム待機者対策
  滞納、督促状、国保変わらない、℡など対応している。
  区立2つ、民間2つ。月島、十思スクエア整備。晴海27床増床。
特養300人待機だが2割在宅希望。
③後期高齢者医療(75才以上)
  滞納、国保と同じ対応。短期証は発行するが資格証は発行していない。

W部議員(M党)
① 要額
  後期:予算計上と請求金額の差は生じる
  介護保険:審査が少なかった。施設サービス、月島29名定員。順次の定員増による。
  基金は積立で見込めなかった。来年へ1億4100万円繰越しできる。
②団塊世代の予算現瑛。団塊世代の介護保険の対応。利用せず元気に施設を利用してもらう。民間活力の連携(民間ジム)もあり?
  今後、制度の公益化。後期高齢制度の見直し(国)
75才1万人、団塊3000人 30%増見込み。
介護予防大切。さわやか体操リーダーの養成。地域のスポーツ団体と連携。

総括
K村議員(J党)
①OP選手村(晴海)大会後 跡地の交渉 5000世帯12000人人口移住増。
  将来ビジョン検討始める。中間まとめ 都提出済。地下鉄、公共施設要望。
  ハードソフト財政配慮も。
  都計画。晴海5丁目 学校建てると記載。晴海4丁目も学校記載。
 1)学校を建てる財政負担は?
    都有地、土地は減額措置。学校は区の負担。しかし、都と協議する。
 2)BRT 区 H28年→都 H29年。1年のずれ(都へ移管した為)生じてしまう件。
    BRT必要性は訴えた。都が乗り出して来た。環2号が完成しないとバスは
    走らせづらい。市場移転後、新橋まで堀り上げ工事が終わることが必要。
    市場移転がいつになるか。H26.3予定だが9,10という説がある。
②築地新市場
  入札不調→工事着手。順序に進めている。駐車場、店舗周辺、内部者危ぶむ。
  市場不足、荷の積み替え、廃棄物、自転車、オートバイの確保をしていく必要量
  算出した。
 1)107業者が移転しない。本区の対策。
    市場と卸の中で解決すべき。仲卸でも意識し、アンケートを含め調整している。
    本筋、市場と組合移転の中の問題である。
 2)跡地の問題
    跡地:一体と活用を要望。にぎわい活気を示する様、都へ働きかけ。
 3)場外市場
    23ヘクタール都心最後の土地。銀座から徒歩10分。跡地 住宅の開発でなく
    夢のある開発をしていきたい。切売りはしない様に要望。
③基準地価上昇
  土地上昇 需要にぎわいに継がる。急激な増加は住民の負担増(固定資産税、住民税)
④観光。12月の3区のイベント(江東区、中央区、墨田区)
  両区 観光課が協力して行う。広域支援事業(都)を活用。
  ①各商店街で抽選券
  ②各3区 御当地丼を作る(中央区 築地丼)
  ③スポーツゴミ拾い。3地区チーム対で競う。
  もう1事業予定がある。

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日本弁護士連合会のガイドライン「社外取締役にふさわしい者について」

2014-10-09 22:00:00 | 倫理(医療倫理、弁護士倫理、企業倫理…)

社外取締役にふさわしい者について

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国民の健康を第一に考える国に変わっていきますように。泉南アスベスト訴訟最高裁勝訴

2014-10-09 17:19:45 | 医療
 大きな勝訴が、最高裁で本日2014/10/09、出されたようです。

 行政法を学び始めたころ、下級審判決を読んで、国はできることがあったのではと、感じたことを覚えています。


 この国が、どうか、国民の健康を第一に考える国に変わっていきますように。

*******************************
http://mainichi.jp/select/news/20141009k0000e040222000c.html

泉南アスベスト:健康被害、国の責任認める 最高裁初判断

毎日新聞 2014年10月09日 15時15分(最終更新 10月09日 15時53分)



 大阪南部の泉南地域のアスベスト(石綿)工場の元従業員とその遺族89人が、肺がんなどの健康被害の賠償を国に求めた2件の集団訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は9日、規制の権限を行使せず安全対策を怠った国の対応は違法とする判決を言い渡した。アスベストの健康被害を巡って最高裁が国の責任を認めたのは初めて。全国で続く同種訴訟に影響を与えそうだ。

 元従業員側が1陣と2陣に分かれて提訴、1審の大阪地裁ではいずれも勝訴したが、2審の大阪高裁では国の責任の有無について判断が分かれていた。

 健康被害を防ぐための規制権限を国が適切に行使したかどうかが争点だった。元従業員側は、アスベストの有害性は1950年代後半までには明らかだったのに、国は適切な規制を怠ったと主張。工場内の粉じん排気装置の設置義務化が71年まで遅れたのは違法だとした。一方、国側は、規制は適切な時期に実施してきたと反論していた。【川名壮志】
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経営判断とは 1事実認識過程=情報収集とその分析・検討、2事実認識に基づく判断の推論過程、3判断内容自体

2014-10-09 16:51:17 | 会社法、商法

<経営判断の原則>
 
 取締役には広い裁量権が与えられている。

 その裁量権の逸脱濫用は以下、3つの部分で判定される。

 その経営上の措置を執った時点において 


 1)取締役の判断の前提となった事実の認識に重要かつ不注意な誤りがあったか、(事実認識の過程=情報収集とその分析、検討)

 あるいは、

 2)事実認識に基づく判断の推論過程、

 3)判断の内容自体

 が、企業経営者として特に不合理、不適切なものであったことを要するものと解するのが相当である。




********************************
取締役は、営利を目的とする会社の経営を委ねられた専門家として、長期的な視点に立って全株主にとって最も利益となるように職務を遂行すべき善管注意義務及び忠実義務を負っている(商法二五四条三項、民法六四四条、商法二五四条ノ三)。そして、事業を営み利益を上げるためには、会社の状況、会社を取り巻く市場及び業界の状況、国内・国外の情勢等、時々刻々変化するとともに相互に影響し合いかつ流動的な考慮要素を的確に把握して総合的に評価し、短期的・長期的な将来予測を行った上、時機を失することなく経営判断を積み重ねていかなければならないから、専門家である取締役には、その職務を遂行するに当たり、広い裁量が与えられているものと言わなければならない。したがって、取締役に対し、過去の経営上の措置が善管注意義務及び忠実義務に違背するとしてその責任を追及するためには、その経営上の措置を執った時点において、取締役の判断の前提となった事実の認識に重要かつ不注意な誤りがあったか、あるいは、その意思決定の過程、内容が企業経営者として特に不合理、不適切なものであったことを要するものと解するのが相当である。もっとも、このように、取締役には広い裁量が与えられているが、前判示のとおり、取締役は、会社経営を行うに当たり、外国法令を含む法令を遵守することが求められているのであり、取締役に与えられた裁量も法令に違反しない限りにおいてのものであって、取締役に対し、外国法令を含む法令に遵うか否かの裁量が与えられているものではない。

(大阪地判平成12年9月20日判決)
*********************************

<内部統制システム>

 内部統制システムの構築およびそれを実際に機能させることは、取締役の善管注意義務の内容となる。

〇会社法

(取締役会の権限等)

第三百六十二条  取締役会は、すべての取締役で組織する。

2  取締役会は、次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定

二  取締役の職務の執行の監督

三  代表取締役の選定及び解職

3  取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。

4  取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け

二  多額の借財

三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任

四  支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止

五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項

六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除

5  大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。


〇会社法施行規則

(業務の適正を確保するための体制)

第百条  法第三百六十二条第四項第六号 に規定する法務省令で定める体制は、次に掲げる体制とする
一  取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制

三  取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

2  監査役設置会社以外の株式会社である場合には、前項に規定する体制には、取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。

3  監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合には、第一項に規定する体制には、次に掲げる体制を含むものとする。
一  監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項

二  前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項

三  取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制

四  その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

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