京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 足踏みしながら

2013年02月11日 | 日々の暮らしの中で

厳しい寒さを越え、三寒四温を繰り返す季節の歩みは遅い。今か今かと待たれる春の訪れだけに、その期待も喜びも大きくなりそうだ。

『万葉集』に見られる梅花の歌はすべてが白梅で、百首を超えるという。春の到来を知らせる花。梅は日本に自生しておらず、奈良時代以前に中国からもたらされた木だった。古くは仏教も文学も、文化、国家の体制までも中国から学ぼうとして、日本にとって中国は憧れの国、先進国であったのだ。何度も危険を冒して渡航しあった過去がある。そして、やがて八世紀末の平安遷都からおよそ百年ほどをかけて、それまでに輸入された大陸文化が“日本化”されていくという時代の流れをたどる。

清楚な風情を好み、漂う香を愛でる風雅さを、どこやらかから流れ込む汚染された大気や気配で台無しにされたくないものだ。 
様々な言動に首をかしげ、なんて品位のない!と不快な感情はどうしても先立つが、決して相手を責めるだけではすまされないものが国内にもありそうだ。
おりしも今日は建国記念の日。その賛否を唱える集会も催されていた。『日本書紀』が伝える神武天皇即位の日を、太陽暦に換算して定められた「建国を記念する日」。日の丸の旗が翻る光景は悲しいほど見かけなくなってしまったが、「国家」「国旗」行き着くところを何処に求めたらいいのだろう。

2月11日、この日は亡き弟が生まれた日でもあった。彼が目をかけた甥っ子の子供が三日後にお喰い初めを迎える。小さな命がすくすくと育っているのは救いで嬉しいこと。春はやはり喜びだ!

コメント (6)
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