京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 朧月夜

2013年02月25日 | 日々の暮らしの中で
            
                 春さればまづ咲くやどの梅の花 
                      ひとり見つつや春日暮らさむ          山上  憶良

幹はほとんど空洞の古木だが、今年もこうして蕾をつけた。
霞がかかっているのかと見間違えるが、眺める先は吹雪いているために白くかすんでいるのだった。

今宵は十六夜のおぼろ月夜だと教えられた。
二月の二十日余りの頃、内裏の紫辰殿で桜の宴が催された。そして、その晩、光源氏が朧月夜と出会う下りが『源氏物語』八帖「花宴」に描かれている。同じような月夜だったのだろうか。
「人の命、久しかるまじき物なれど、残りの命、一二(いちに)を惜しまずば、あるべからず」(「手習い」)
ふむふむ… 人生の一回性という人間の条件・・・ふーむ …。 

春はおぼろなりけり…。
コメント (10)
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