京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

空色は

2024年06月11日 | 日々の暮らしの中で
弟の忌明け法要の日、彼の家の庭に残っていたアサガオの種をもらい受け、そのまま1年3ヵ月ほど引き出しの奥で眠らせてしまった。
命を繋いで10代目となった種を蒔いた年、待てど暮らせど一粒の発芽もなく終わってしまった。

その後は2歳4カ月になる孫のLukasと公園で遊んでいて見つけたタネを、毎年取り敢えずの感じで蒔いてきたが、やわらかに青い花びらを広げるアサガオとはまるっきり違って、かっちりとしたラッパのような小さな花を開く。
ただ、わずか4センチほどとはいえ、清楚な青みがかった空色に、白い筋が入って、花芯はまっ白。物足りなさはあるが、咲けば咲いたで愛おしい。
そうは言ってもやっぱり優雅さとは程遠くって…、今年は蒔くのをやめていたのに一人ばえが育った。

  

7日の夕べ、きれいに巻かれてほんのり色を染めた初めての蕾がついた。翌朝、例年とは異なる大きさ、柔らかさで開いた。そして一日はさんで10日に新たな1輪が咲いた。
葉っぱが丸いし、花は小さいし、マルバアサガオってところなのかしら…と思っている。

空色は大いなる自然から授かった穏やかな色。五月晴れの空のような明るい青を、空色と名づけたのであろう。平安の人々は緑味の淡青色に、水色の名と清涼さを同時に与えた。水色は、古来、夏の衣装に欠かせない色である ―と。

眠りが浅く、ちょっと気力が今一つというところでグズグズする日が挟まる。
今年の田植えはどうなったのかしらと訪ねてみたら、小さな苗が育っていた。何やらとても嬉しくて爽快だった。空が青いと水面も輝きを増す。


30度を超える日になった。小さな女の子二人の学校帰りの姿があるだけの路傍に、昼顔が咲いていた。


朝刊で俳人の鷹羽狩行さんの訃報を知った。5月27日老衰のため亡くなられたとある。93歳。

    風光りすなはちものみな光る
                    好きな一句です。
コメント (2)
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