新京極の通りに面して蛸薬師(浄瑠璃山永福寺)があります。
何度かは線香のくすぶりの向こうでお参りしたことがありましたが、注意深くあたりをキョロキョロ…。と、本堂はこの奥、といった張り紙に気づき、初めて脇から奥まで進んでみました。
「蛸薬師」の名の由来は、
「親孝行な僧善光が病気の母の願いに応え、戒律に背き蛸を買って帰るとき、人に見とがめられ進退に窮した。薬師如来に念ずると蛸が経巻に変わり、母の病気も全治した霊験から」で、
坂井輝久氏は、ここに「京童」の駄洒落のような句〈たむけなば八手(やつで)の花や蛸薬師〉を添えている(「京近江 名所句巡り」)。
京都で出版された仮名草子で、最初の名所記となったのが中川喜雲の「京童(きょうわらべ)」。
随所に古歌が引用され、喜雲自身も歌や俳句を読んだそうだ。
蛸と八手。…そうか、駄洒落か、と読んでいたので、覗いてみようという気になった。
果たして果たして、奥へ進む途中に鉢植えの小さなヤツデが植わっていた。
本格的な観光旅行が始まった江戸時代には、「名所」-などころ・歌枕名所ーから次第に歌枕に関係のない旧跡や霊地まで、さまざまに和歌や俳句を拝借し、漢詩や挿絵にと名所を楽しむ工夫が凝らされたという。
蛸に八手、より印象深く風趣も増す?
澤田ふじ子さんの『闇の絵巻』がとてもよかったので、もう一冊と思い『花暦 花にかかわる十二の短編』を手に入れてきた。
八手の花は載っていないけれど。
何度かは線香のくすぶりの向こうでお参りしたことがありましたが、注意深くあたりをキョロキョロ…。と、本堂はこの奥、といった張り紙に気づき、初めて脇から奥まで進んでみました。
「蛸薬師」の名の由来は、
「親孝行な僧善光が病気の母の願いに応え、戒律に背き蛸を買って帰るとき、人に見とがめられ進退に窮した。薬師如来に念ずると蛸が経巻に変わり、母の病気も全治した霊験から」で、
坂井輝久氏は、ここに「京童」の駄洒落のような句〈たむけなば八手(やつで)の花や蛸薬師〉を添えている(「京近江 名所句巡り」)。
京都で出版された仮名草子で、最初の名所記となったのが中川喜雲の「京童(きょうわらべ)」。
随所に古歌が引用され、喜雲自身も歌や俳句を読んだそうだ。
蛸と八手。…そうか、駄洒落か、と読んでいたので、覗いてみようという気になった。
果たして果たして、奥へ進む途中に鉢植えの小さなヤツデが植わっていた。
本格的な観光旅行が始まった江戸時代には、「名所」-などころ・歌枕名所ーから次第に歌枕に関係のない旧跡や霊地まで、さまざまに和歌や俳句を拝借し、漢詩や挿絵にと名所を楽しむ工夫が凝らされたという。
蛸に八手、より印象深く風趣も増す?
澤田ふじ子さんの『闇の絵巻』がとてもよかったので、もう一冊と思い『花暦 花にかかわる十二の短編』を手に入れてきた。
八手の花は載っていないけれど。