京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

7年の土中生活終えて

2022年07月30日 | 日々の暮らしの中で
一人ばえの南天の木のもと近くに、セミが這い出した穴を見つけた。
こんなところで7年もの間、暗い地中での生活を続けていたとは。


近くの小屋のコンクリートの壁に抜け殻が残っていた。

   暗く長き夜といへども朝開けて羽化せしものは声に鳴き初む     清原令子

ジジジーと聞こえたのが羽化後の初鳴きだったらいいのにと思えてくるが、羽化するのは多くは明け方のことで、聞き逃せば、この庭から巣立ったとはいえ聞き分けるなど至難の蝉しぐれ。それにしてもすさまじいばかりの鳴き声だが、蝉は生きるために鳴いているんだったな。

「自ら選んで登った樹木の幹は、たぶん裏切ることなくたっぷりした樹液を供給し、生命力がうっとりするほどにみなぎっているのが蝉の元気のもとらしい」。
馬場あき子さんが書いていたのを読んで、私もファーブルの『昆虫記』のページを繰ってみたくなった。
幼虫の苦心の作品である蝉穴が、なぜみごとな壁面をもっているのかも、書かれているようだ。

地下鉄じゃあないが、そもそも蝉の幼虫って、どうして地中に? どうやって地中へ…?

 

 (この写真は何年か前、娘の友人が撮ったものだとかで送られてきたもの)

穴を覗き込みながら水遣りをしていたら、どこに潜んでいたのか茶っぽい蛙がぴょーんと跳ねて茂みに隠れた。びっくりした~。茶色だったから。


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