3月24日 続き
今回上山田温泉で泊まったホテルプラトンは旬樹庵というグループの宿で、同じ温泉内にある姉妹館で湯めぐりができる。
フロントでもらえるこの地図が手形。もちろんこれがこのお宿を選んだ理由。
そこで早速、まずは一番遠い「湯本 柏屋」さんへ。
ロビーに入って「湯めぐりを」と言うと、紙を見ることもなくすぐ「どうぞ」とフロントの脇にある浴場を案内される。
脱衣場との境はガラス張りになっていて
入るとぷーんと硫黄泉独特のにおいがする。
変わった形をした浴槽は2つに分かれていて、それぞれ二人も入ればいっぱいになってしまいそうだけれど、40℃ほどと適温のお湯はきれいに青みがかって、ほんのわずかに湯花が見える。
上山田温泉26、27、30、32、35、40、41、43、46号と9つもの源泉をブレンドしてかけ流しているそうだが、湯温が高くなく、癖も少ないのでゆっくり入れる。
ただしこちらの浴場、広い上に換気が良すぎていささか寒い。
そこで続けてホテルのすぐ近くにある「若の湯」へ。
ここも浴場は1階にあって、あまり大きくない脱衣場から浴室に入ると
ここは湯気がもうもうとこもって暖かく、お湯は白く濁って42℃ほどとちょっと熱め。鮮度も申し分なく喜んで浸かっていると、脇にドアがあることに気が付いた。
開けてみると壁と壁の間に陶器の浴槽がかなり無理やり作ってある。一応露天ということになるだろうか、こちらは透明のお湯でちょっとぬるめ。
若の湯もかけ流しの硫黄泉だが、こちらは城山1,2,3号と源泉が違う。
とてもいいお湯でしっかりよく温まる。
若の湯さんのすぐ近くにはもう一軒、「ゆうざん」という宿があるが、ここは初日はお休みだったので翌日の夕方いただきに行った。
フロントの前、広い湯上りどころと売店に挟まれた入り口から入ると
こちらの脱衣場は広く、浴室、浴槽も一番大きい。
お湯は柏屋さんと全く同じながら、こちらは加温、循環ろ過、塩素消毒あり。
とは言え広くて設備の整った浴場は使いやすく、窓の外のいまだクリスマスっぽい電飾もご愛敬。
グループのお宿は正直どこも設備がいささか古くなっているが、スタッフの対応はとても気持ちよく、他にお客さんが全く来なかったのでゆうゆうとお湯を楽しませていただいたが、これは喜んでばかりもいられないかも。
気持ち良く温泉を楽しんだら夕食の時間。ホテルの夕食は付けなかったので外に出るが、上山田温泉内の食事処は昼のみ営業の所が多くて、選択肢があまりない。
なんとかGoogle Mapでホテルの近くにレストランを見つけたので行ってみると、昼間もあまり人通りのなかった道は車もあまり通らず街灯もまばら。温泉街をはずれると周りは普通の民家が立ち並んでいて一層静か。
そんな所で目指す店の看板が現れるがこれが紛らわしくて、この看板の所ではなく、次の角を曲がらないといけない。
そして曲がるとほとんど真っ暗な住宅街の先に明るく輝く一軒があって、これが目指す「六花亭」さん。
店内はステンドグラスがあったり、天井から唐傘が下がっていたりと独特の雰囲気で、バーカウンターがあるかと思うと座敷もあり、テーブルは3つ。
入った時にいた先客は少しすると帰ってしまったが、入れ替わるようにお客さんがぽつぽつとやってきて、こんな奥まった所なのに、と感心する。
メニューにはパスタやステーキ、ハンバーグなどが並んで洋食屋さん。
中にお勧めの看板メニューとあったので豆腐ステーキと言うものを選んでみると
丸々一丁が揚げ出しのような衣をつけて焼かれていて、上にかかっているのはかなり甘目でお味噌も使っているようなドロッとした餡。洋風というより和風なのでご飯によく合い、これは味噌汁がほしいところ。食後のコーヒーもいただいて、これで1200円はお安い。
また真っ暗な中を歩いて帰って、〆はホテルのお風呂へ。
2階のフロントの奥にある浴室はなぜか男女が遠く離れているが
浴場はそれほど大きくはなくて、付属する低温サウナは一人でいっぱいのトイレサイズ。
こちらのお湯は千曲温泉1,2,3,4号と他とはまた違った源泉で、やはり単純硫黄泉ながら匂いもほとんど感じず特徴がない。
が、お仕事帰りの人にはこれぐらいがいいのかもしれない。
温泉好きには湯めぐりが楽しい旬樹庵グループだった。
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昨夏、滑川温泉で言葉を交わした人に戸倉上山田温泉を勧められた。
調べてみると近くにあんずの里なる所があり、桜より一足早く花が満開になるという。
あんずまつりなるものも開催されるということなので、そのお祭りの日程を確認して、今回は一人ででかけることにした。
3月24日
今回は久しぶりに上越新幹線の「あさま」で出発。
上田まではわずか1時間40分。ここからしなの鉄道に乗り換える。
下り列車に乗るべくホームに降りると、なにやらしゃれた色の列車が停まっている。
これ、ご存じ水戸岡鋭治氏デザインの観光列車「ろくもん」で、軽井沢~長野間を2時間かけて走りながら食事を楽しむというもの。週末だけの運行なので、日曜日のこの日に見られてラッキー。
が、こちらが乗るのはもちろん普通列車。
当初の予定ではこれで屋代という駅まで乗り、週末だけ運行のシャトルバスに乗ってあんずの里まで行くつもりだった。
今年は暖冬だったし、桜の開花も毎年早くなっているのであんずまつり開始直後でも花はあるだろうと予定を立てたのだが、ベトナムに行っている間に寒の戻りがあったためか、この日ではまだ開花まで1週間はかかりそうとのこと。
昨年の花桃のようには行かなかったか。
枯れ枝を見に行っても仕方ないので、予定を変更して戸倉駅で下車。
「戸倉」って「とぐら」とにごって読むのだと初めて知った。
駅を出てまっすぐ歩くとすぐに目の前に立派な茅葺きの建物が現れる。
蔵元 坂井銘醸の築250年の母屋を改装した「萱」。
入って左手はカフェと売店、右手はおそば屋さん。ちょうどお昼なので30分も待って、やっと座敷に通される。
お願いしたのは十割と二八を食べ比べられる二種もり。細い上品なおそば、やっぱり十割の方が香りが立っておいしい。
ついでに見られなかったあんずの花のリベンジ(笑)であんずソフトも注文。
自家製あんずコンポートとジャムが乗り、ソフトクリーム自体もおいしくて大満足(単純)。
おそば屋さんを出て温泉方面へ向かうと、途中に水上布奈山神社がある。
諏訪大社からご神体を勧請したということで御柱が建てられているが、見るべきは拝殿の裏の重要文化財指定されている本殿。
現在修復中で周りを囲われ、正面のネットの隙間から覗かせていただいたが
細かい彫刻が施されていて見事。1789年に作られたそうで、江戸後期には神社でもこういう造りが結構あるのだとか。
そのまままっすぐ歩いて千曲川にかかる大正橋を渡ると
左手に上山田温泉の大型旅館が見えてくる。
橋を渡った正面には佐良志奈神社の鳥居があって
こちらで本日一日だけ、「かたくりまつり」のおもてなしがあるという。
そこで階段を降りて本殿に手を合わせ、さてカタクリの花は、と見ると
「まだ咲いていません」
この大外れを取材に来ていた地元TV局の人に教えられてよく見ると、なるほどつぼみは見えるが咲いているものは一つもなし。
東京から来てあんずにも振られたというと取材されてしまった。
予定されていたおもてなしも出店もないので神社を出たら温泉街の中へ。
中央通りには足湯も作られ、大型旅館も並ぶが
脇道にはびっくりするほどの数のスナックが並んでいて、なんでも80軒以上もあるとか。
昼過ぎには歩いている人もほとんどいない温泉街、本当にお客は来るのか。
神社から歩いて20分ほど、温泉街の一番はずれに今夜泊まる宿があった。
ホテルプラトンはザ・ビジネスホテル。料金は先払いで鍵を受け取り、部屋のある階へ行くと
エレベーターホールから先は土足厳禁で下足箱がある。
廊下には薄縁のようなものが敷かれているが、これが畳のようなクッションがあるわけでなし、おやじの足跡も見えて気持ち悪いので備え付けの使い捨てスリッパを使うことになる。
部屋も典型的なビジホの造りで、内装や設備はかなりくたびれている。なにより今やビジホのマストアイテムであるウォシュレットがないのが不満だが、ここを選んだのには訳があるのだ。
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1月26日 続き
函館駅で函館本線のゼロポストを見ながらしばらく待って
新函館北斗行きのはこだてライナーで20分。
新幹線に乗り換えたらわずか12分の乗車で木古内に降り立った。
大きな新幹線駅舎の前に見えるのは道南いさりび鉄道の列車。これでも1時間で来られるが、JRのパスは使えないので新幹線利用。
駅前ロータリーの向こうには道の駅があって、その前から松前行きのバスが出る。
一日5本しかないこれに乗って35分の湯の里温泉入口で降りると宿の車が待っていてくれた。
他4人のおじさんたちと到着したのは知内温泉「ユートピア和楽園」。
道内最古、1205年に発見されたという知内温泉の一軒宿、HPには「和楽園」の名があるが
なぜか館内のどこにもその名がないのが面白い。
すぐに案内されたのは表の駐車場を見下ろす2階のツインベッドルーム。
ビジネスホテルの部屋のようで温泉らしさはない。
この部屋に落ち着いたのが16時半。この宿には貸切露天があり、予約は早い者勝ちなので暗くなる前に、と速攻で飛び出す。
渡り廊下から外に出ると左手に見えるのは源泉槽だろう。その先の塀に囲まれたのが露天風呂。
なぜか屋根のない脱衣スペースで小雪に降られながら服を脱いで、屋根に覆われたお風呂に飛び込むと38℃のお湯はちょっとぬるめ、わずかに濁っているがあまり特徴を感じられない。雪見はいいけれどちょっと物足りないので、早めに切り上げて内湯に移動。
こちらの内湯は2つあって、露天から直行したのは上の湯と呼ばれるところ。
かわいい女将さんの暖簾をくぐった先にさらに男女別ののれんが下がっていて、お風呂場の扉を開けて驚いたのがその床。
かけ流しのお湯の成分で一面うろこのようになっていて、これが踏むと痛いのだ。
爪先立ってお湯に入ると、こちらは薄茶色に濁って湯口では50℃、先に入っていた地元のお客さんが「こっちの隅が少しぬるいですよ」と教えてくれたところで42℃以上とかなり熱い。
ついでに夜遅くと朝早くに入ったもう一つの下の湯は露天への廊下の手前にある。
こちらの床のうろこは上の湯ほどではないが、お湯のにごりはこちらの方が強くて、湯口にコップがあるので飲んでみると薄い塩味に金氣臭がして、ツルスベ感もずっと強い。
浴槽は2つに分かれていて、小さい方は浅い寝湯になっている。がこちらのお風呂、入った時は44℃と熱くて、水でうめなければ何分も入っていられない。
この2ヶ所のお湯、最近の表示ではどちらもナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉となるが
宿の説明では違う泉質、実際入った感覚もかなり違う。
どちらも個性的ないいお湯だけれど、あまりゆっくり入れる感じではないのが自分的にはちょっと残念。
お風呂から上がったら食堂で夕食。
広い部屋に大きな丸テーブルが並ぶのがちょっと珍しいが、お客さんは作業着姿の一人客が何人もいて、ここは出張に使われることも多いよう。
今回は松竹梅とあるコースのうち、一番お安い梅コースでお願いしたが
たっぷりのお刺身にこの土地自慢の牡蠣、ステーキまで出て
デザートはティラミスと予想以上に良かった。
1月27日
暗い中朝風呂に入ったらご飯の進む朝食をいただいて、8時23分のバスに乗るべく、車で5分のバス停まで送ってもらう。
道路は雪で真っ白、待合室も雪に埋もれて入れないが、宿の車は我々を下ろすとバスの到着を待つことなくさっさと帰ってしまった。5分ほどでバスがちゃんと来てくれたからいいけど。
途中、海を見ながら来た道を戻って
新幹線の出発まで50分近くあるので駅前の道の駅「みそぎの郷きこない」へ。
この道の駅がかなり充実していて
レストランやベーカリーまであり、売り場にも周辺町村の特産品がいっぱい。
となれば買い物しないわけにはいかないのだが
豚のジンギスカンも塩辛もおいしかった!
木古内駅は全国の新幹線の駅では奥津軽いまべつの次に乗降客が少ないらしいが、この日は我々の他にも何人か乗り込む人がいた。これでトップ2制覇。
今回、なにかと幸運に恵まれて、午後早い時間には無事に東京に帰り着いた。
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1月26日
朝食戦争で有名な函館のホテル、宿泊先にも当然朝食バイキングがある。
有名ホテルほど派手ではないが、海鮮丼やら御飯の友やら、牛乳とスムージーもおいしい。
選択肢が多すぎて、カレーとラーメンは食べられずに残念。
ゆっくりとチェックアウトして荷物をまた預けたら、函館初訪問の友人のために観光に出発。
まずはホテルのすぐ隣に広がる朝一をチェック。
お高い蟹を買って食べているのはもちろん海外からの皆様。
次にはまた路面電車に乗って昨晩も来た末広町へ。
今度は相馬本社の前から基坂を上る。車道に雪はなく、歩道も所々凍っているが、片側は完全に除雪されているのがありがたい。
坂の途中にあるのは以前も入った旧イギリス領事官。
展示にほとんど変化はないが、顔羽目看板に顔を突っ込むと反対側の鏡に映って自撮りができるようになっているのが賢い!
元町公園の書籍庫や市庁舎を過ぎれば
日本離れした色合いの旧公会堂。
ここにもインスタ映えを意識した看板があるけれど
そんなものがなくてもここには写真映えするものがいっぱいあるよね。
寒いけれど2階のベランダに出れば
ここからの眺めは10年前と変わらない。
公会堂の前からカラフルでかわいい函館式の洋館を見ながら歩けば
昨晩の八幡坂の上に出る。
今日も皆さん楽しそうに記念撮影。
その先にあるのがハリストス正教会。
すぐ隣にはモダンな造りの聖ヨハネ教会、すぐ下にはカトリック元町教会。
さらにその前には大きな東本願寺別院まであって、皆さん仲良くしていらっしゃるのだろうか。
前回と同じような写真を撮りながら坂を下るが、函館の古い家は1階が和風、2階が洋風の所が多くて面白い。
坂を下りきって少し先に進めば大勢の観光客でにぎわう金森赤レンガ倉庫。
中は相変わらずチープな雑貨屋が多く、食事ができる所はあまりないので
有名なチーズケーキ屋のカフェでケーキをいただいたら、これが期待以上においしかった。生クリームがちがうのか、北海道ブランド、侮るべからず。
金森倉庫からは明治館の前を通ってホテルに戻った。
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1月25日
朝食をいただいたら宿の車で落部駅へ送ってもらう。
今日も道内は大雪で鉄道の運休が続いているらしいが、駅で宿の人に確認してもらうと函館行きは時刻表通りとのこと。
しかし落部駅、以前は駅員さんがいて待合室にストーブがたかれていたが、今は無人駅になってしまって連絡も電話。火の気のないところで同宿だったお客さんたちとおしゃべりしながら列車を待つ羽目になった。
予定の列車がちゃんと遅れることなく来てくれてよかった~。
列車が海沿いに出るとおとといは見えなかった駒ヶ岳が見えてきた。この裾をまわって
2時間10分で函館駅に到着。
今夜の宿は雪道を心配して駅前のキャビンプレジデントと言うホテルにしたが、函館は拍子抜けするほど雪がない。
チェックインはまだできないので荷物をフロントに預けてすぐ外出。
レトロな路面電車でまずは五稜郭公園前へ。
降りてから歩くこと15分ほど、意外に距離があったが北海道と言えばの六花亭。
すっきりとモダンな店内の片側がカフェになっているので
本日のお昼はトマト味のホットサンドに抹茶ティラミス。このティラミスの上に乗っているチョコレートがおいしい。
広々とした売店ではもちろんお菓子をお買い上げ。
六花亭はおしゃれで、その割にお安くて、商売上手のいい店だ。
花柄の紙袋をぶら下げて五稜郭公園に入ると、お濠は雪と氷で真っ白。
奉行所の前までは行ったが、靴を脱いで上がるのは寒そうということで
お約束の五稜郭タワーへ。
ここから見てこそ星型が見えるし、再現された奉行所がほんの一部であることがわかる。
函館山と函館湾を見て
昭和感満載のお土産売り場を楽しんだら、ヒジカタ君に見送られて外へ。
駅前に戻ったらチェックインして部屋へ。
こちらのホテルはお安かったので、最上階の「プレミア夜景ツイン」にしてみた。すると2面に窓があって
片側からは駅、もう片方からは港が見えていい感じ。
さらに同じ最上階にあるカフェバーに入れるというので行ってみると
セルフサービスながら飲み物各種にお菓子もいっぱい。ただしここ、残念ながら窓がない。
さらに聞こえてくるのは大声で電話する中国語。
このホテル、我々の他に日本人はいるのだろうかと思うほど中国人客が多くて、しかも子供連れが多い。春節にはまだ早いと思ったのだが、もう学校は冬休みだったのだろうか。
のんびりしているうちに日も暮れて来たので、再び路面電車に乗って今度は末広町へ。
本当は今夜はお約束の函館山に行きたかったのだが、強風のためにロープウェイが止まっている。
そこで函館の写真には必ず登場する八幡坂でイルミネーションが行われているというので来てみたのだが
写真ではそれらしく見えるも実際はかなり地味。
それでも楽しそうに写真を撮っている外国人の若い子たちがかわいい。
ここから少し歩けばハリストス正教会やカトリック元町教会がライトアップされていて
大通り沿いの夜の洋館もかっこいい。
が、雪はなくても風が吹いて寒い!
夕飯にしようと駅前に戻って、今夜はうにの専門店へ。
ウニを乗せた卵焼きやライスコロッケ
イカ焼きにイカメンチ
大好きな北寄貝にもちろんうに丼をいただいて、ごちそうさま。
部屋に戻って夜景を眺めると
駅前のイルミネーションもとても地味。しかし海の上にはゴージャスな月が出ていた。
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2024年1月23日~1月27日 道南の旅
1月23日
今年最初のおと休パス、同行の友人が函館に行ったことがないというので行先は道南に決定。
ならば大好きな「銀婚湯」にまた行くことにした。
二度目の訪問の際には北海道新幹線が開通したばかりで8時過ぎの出発でよかったが、今は乗り継ぎの関係で初回と同じ、6時32分発のはやぶさ1号に乗らなければならなくなった。
早朝からたくさんの人でにぎわう駅弁屋でたまごサンドを買って、朝霧の立つ景色を見ながら快調に東北を走り抜け、津軽海峡を渡って北海道へ。
と、この時は知らなかったが、この日、10時過ぎに大宮の手前で架線の事故があって、東北新幹線が止まってしまって大騒ぎになっていた。もし遅い出発にしていたらアウトだった。いやいやながら早起きしてよかった!
そんな騒ぎも知らず、新函館北斗駅に降りたのは二度目。
前回は乗り継ぎ時間が12分しかなかったので気が付かなかったが、この駅、2階と1階に小さなキオスクがあるだけで他には自動販売機もない。がらんとした待合室で40分待って
森行きの函館本線の普通車に乗車。
途中の大沼は凍って真っ白。
駅員さんたちも除雪で大変。
約1時間で終点の森駅。ここでまた1時間20分も待たなければならないので一度改札を出ると
べちょべちょの雪の駅前、温度計は0℃。
さて森駅といえばいかめしの駅弁で有名。10年前に来た時には駅の中に売店があってグッズなどまで売っていたのだが、今はなくなってしまった。
その代わり駅前ロータリーに面した店に派手なのぼりが立っていて、入るとおばあちゃんが「今日中に食べてください」と暖かいいかめしを渡してくれる。
これを駅のベンチでいただいたのだが、10年前は580円だったものが今は880円。随分高くなった、相変わらずおいしいけど。
13時50分発の長万部行き普通列車に乗れば
目指す落部駅までは16分。
駅前で待っていてくれた宿の車に他2名の男性客と乗り込んで
銀婚湯に到着したのが14時半。家を出てから9時間、これならバンコクまで行けるね、と友人。
今回もトイレ付の新館に宿泊。
雪景色を見ながら一息入れたら、さあ、目当ての露天へ行こう。
以前来たのは2回とも11月のこと。その時もすでに雪があったが、さすがに1月では量が違う。
足跡もすぐに降る雪で隠れてしまう吊り橋を渡って、やってきたのはどんぐりの湯。
川に面したこじんまりとしたこちら、少し硫黄と油臭のするお湯がさすがに38℃とぬるめになっているが、その分ゆっくりと入れて気持ちいい~。
露天に一つ入っただけでじきに夕食。個室になった食事処に行くと
相変わらず品数多くておなかいっぱいになるが、あれ?夜食のお饅頭がなくなった。
夜中に大浴場に行くと、こちらの露天からは月が見えた。
1月24日
今回は連泊なのでゆっくりお湯めぐり。
まずは窓の外に来る鳥たちを見ながらたっぷりの朝食。
それから男女入れ替わったもう一つの大浴場へ。
今日は北海道は大荒れの天気、札幌など大変な雪になって各地で鉄道も運休とTVが言っている。
が、ここでは朝のうち降っていた細かい雪も少しすると止んだので、鍵をもらって一番遠いトチニの湯に入りに行こう。
積もった雪は文字通りのパウダースノー。思わず人型に倒れ込みたくなる。
10分歩いてたどり着いたお風呂は雪に囲まれているけれど
頭上には青空まで見えてきて
ラッコちゃんも適温のお湯で気持ちよさそう。
部屋に戻るとちょうどお昼。
以前はなかったが、今は連泊するとお昼におそばを出してくれる。温まった体に冷たいお蕎麦がちょうどいい。
午後は冬でも入れる残るもう一つの露天、かつらの湯へ。
この露天巡りこそ銀婚湯の醍醐味。時間をかけて来て連泊した甲斐があった。
2泊目の夕食もたくさんの品数に鍋は鶏すきになった。がどの料理も味付けが甘すぎて
デザートも前はもっと手がかかっていたのに、と残念。
どうも料理人が変わったようで、一番おいしかったのはゆめぴりかのご飯だった。
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広島、宮島と言えばもみじ饅頭。
宿のお着き菓子ももちろんもみじ饅頭で、置いてあったのは島にあるやまだ屋さんの抹茶もみじ。
しかし宿のご主人に言わせれば出来立てがなんと言ってもおいしい、とのことなので
弥山のハイキングの後、厳島神社の裏手にある岩村もみじ屋さんで焼き立てをいただいてみた。
すると焼き立てのカステラ生地はふんわりと柔らかく、もみじ饅頭は元来こし餡だそうだけれど、ここは好きな粒あんを選べるのがうれしい。
出来立てと言えば参道の商店街では天ぷら生地をつけて揚げた揚げもみじが有名なので食べて見たかったが、紅葉堂は修学旅行生などが長蛇の列を作っているのであきらめた。
ロープウェイの入り口近くではその紅葉堂の自販機を発見。
こちらはつめたいもみじ饅頭だそうで、紅葉堂さんはアイデア豊富とみえる。
お店がたくさんあるとつい食べ比べしたくなる悪い癖が出て
宮島のなかでは藤い堂の栗きんとん、宮島口のフェリー乗り場を出た所では岩村菓子舗の粒あんも買ってみた。
小豆餡の他にクリームやチーズ、チョコレートなど洋風のバリエーションを出している店は多いが、広島のアンデルセン本店でも「あたらしもみじ」なるものを発見。「大崎上島のレモン」と「瀬戸の藻塩ショコラ」を買ってみるとどちらのクリームもおいしい。元々生地がカステラなので洋風の中身に違和感がないのだ。
が、今回一番おいしかったのは宮島に到着早々、フェリー乗り場手前のおきな堂という店で買った栗餡のもみじ。すぐその場で食べてしまったが、店先で焼かれたカステラも栗餡も最高だった。
そこで帰りはまたこの店でお土産に買って帰ろうと思ったら、なんと定休日。あの栗餡、もう一度食べたかった。
ついでに今回の旅の戦利品。
宮島ビールは鹿の絵の缶がかわいくて家族のお土産に。3種類あったが、ペールエールを選んだらかなり苦味が強かったらしい。
広島駅の充実した土産物売り場では軽いものを選び
尾道ではもみじ饅頭以上に気に入ったレモンケーキを。
宿のすぐ近くにあった北前亭という専門店のちりめんもすごくおいしい。
岡山のきびだんごはいらん、と家族に言われていたけれど変わり種のマスカットはフルーティで好評。
マスキングテープは倉敷が発祥の地だそうで、何百種類も並んだお店でついチンアナゴのテープを買ってしまった。
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10月22日
今朝はホテルでビュッフェの朝食。
品数は多いが郷土色が感じられるのはままかりぐらい。しかしこちらのビュッフェ、デザートが充実していて、朝からさつまいもとかぼちゃのアイスクリームを食べてしまった。
荷物はフロントに預けて、昨晩も来た美観地区へ。
まだ人通りのまばらな本通りを少し歩いて
高台にあるお寺の境内から街並みを見下ろしてみると、立派な公民館が一番目立つ。
その奥にあるのはまだ開館準備中の大原美術館の別館。
旧中国銀行倉敷本町出張所を増改築しているそうだが、なかなか素敵な建物で内部も見てみたい。
この脇の白壁に囲まれた小路を抜けて行けばようやく紅葉の兆しも見えてきた川沿いに出て
さすがに人の多い橋の向こうにギリシャ風の柱が目立つ大原美術館。
この美術館は倉敷紡績などで財を築いた大原孫三郎の創設だが、メインの西洋美術を収集したのは児島虎次郎という画家。エル・グレコなど20世紀の初めによく買い付けられたと感嘆するし、ゴーギャンやムンクもいいものがある。児島氏の審美眼は確かだと思うが、それ以上に莫大な資金で好きな絵画を買い付けられるのはどんなに楽しかっただろう、なんて想像してしまった。
西洋絵画の並ぶ本館を出ると蔵が並んでいるが、こちらは工芸・東洋館。
特に芹沢銈介がデザインした室内がしゃれていて、陶芸は民芸運動の作家たちを並べて見るとそれぞれの個性がわかりやすい。バーナード・リーチなど日本とイギリスが融合していて面白く、本館よりもむしろこちらの方が楽しかった。
ミュージアムショップにはこんなものがあったが
カタールのアヒルに比べるとごく控えめなお値段。
大原美術館から川を挟んだ対岸には有隣荘という大原家旧別邸があって、特別公開の最終日だからとチケット売り場のお姉さんにお勧めされたので入ってみた。
別邸なのでそれほど大きな建物ではないが、1階に大きな洋室がある以外は大きな窓で明るい和室が並ぶ。緑がかった屋根瓦がきれいだ。
美術館を出たら本通りに戻ってずっと歩いてみる。
お店が並んで人通りも増えたが
その合間には今もちゃんと人の住む民家が思いのほかたくさんあって、それでも街の統一感がとれているのに感心。
確かに絵になる町だ。
お昼もだいぶ回ったのでガイドブックにあったカフェを目指す。が、地図のそのあたりに来てもそれらしき店がない。もしや、と思って脇に回ると
建物と建物の間の細い道の先、さらに奥まった蔵の中に目指す「はしまや」はあった。
元は米蔵という建物。
発酵食品を使った料理を出していて、奥には料理教室のスペースもある。
ハンバーグ定食をいただいたが、甘酒やピクルス、米麹を混ぜた納豆など付け合わせもおいしく、特に発酵玄米がもちもちしてうまい!
そしてデザートにミニパフェをお願いすると
底にジュレなど入ったこれがおいし~。
そもそも岡山に来ようと思い立ったのはフルーツパフェが食べたかったからなのだが、この年になると巨大なパフェよりこれぐらいがちょうどいい。お昼はここにして大正解。
この辺りは美観地区もほぼはずれなのだが、観光客もぐっと少なくなって落ち着いたたたずまい。
米蔵の本宅は元呉服商だったそうだ。
また適当に歩いて行くと長い板塀に突き当たった。
この内側は元倉敷紡績の工場などがあった所で、今はホテルやショップなどのあるアイビースクエアという商業施設になっている。
ツタの絡まるレンガ造りの建物などあって、中ではこの近所の特産であるジーンズの展示会をやっていた。
美観地区の中心である川まで戻るともうだいぶ日も傾いてきた。
昨晩ライトアップされていたあたり、お店はどこも賑わっているが、20年ほど前に一度来たことがある友人に言わせると、以前よりもしゃれた店が増えて垢ぬけたとのこと。
ディズニーランドにならなくてよかった!
これにて観光は終了。ホテルで荷物をピックアップして倉敷駅へ。
美観地区方面とは逆の北口駅前にはなぜかそれこそDランドのような時計塔が建っているが、こちら側から岡山空港へのバスが出ている。
バス乗車35分で岡山桃太郎空港。帰路はJLで羽田へ。
今回の旅でようやく日本の47都道府県すべてに足を踏み入れたことになった。
海外もいいが、日本も広い。
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10月21日 続き
鞆の浦からJR福山駅までは30分。
さすが新幹線も停まる大きな駅だけれど、駅のすぐ隣にお城があるとは知らなかった。
こんなに駅の近くに城があるのは甲府と白河ぐらいしか知らない。
山陽本線の普通列車で新幹線と並行しながら刈り入れの進む田んぼを行くこと45分。
倉敷駅に到着。
駅前から荷物を引きずって5分ほど。
真新しい商業施設の中に今夜の宿、グラン・ココエ倉敷を発見。
入口が脇道にあり、しかもフロントは2階なのでちょっとわかりずらいが
フロントロビーなどリーズナブルな値段の割に立派。
白木を多用したり、ベッド部分が小あがりになった室内は最近の流行りだけれど
2面の窓が広くて明るく、目の前の大通り沿いにはホテルがいっぱい並んでいる。
さて、今夜の夕食は美観地区内に予約を入れているので、暗くなってからでかける。
グーグル先生を頼りに暗い小道に入ると
そこだけ明るい「Premier」を無事発見。今夜はフレンチ・ディナー。
まずはウニとカニのアミューズが来て
目の前で生ハムを薄切りしてくれる前菜の盛り合わせ。中でもシャコとその下のハマチがおいしい。
スープはかぼちゃだったか、ニンジンだったか。メインに魚を選ぶと、大ぶりのマゴチの切り身が赤ワインソースに負けずにこれもおいしかった。今回の旅行を通じて、瀬戸内の魚のおいしいことを実感。
デザートはあっさりだったけれど、お腹は十分に満たされた。
お店は満席、ちゃんと予約を入れておいてよかった。
食後は腹ごなしも兼ねて美観地区の運河沿いを散歩。
超メジャーな倉敷美観地区だけれど、ライトアップは思いのほか控えめで落ち着いている。
明日の日曜日はどうなることか。
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10月21日 続き
鞆の浦に着いたらまず荷物をコインロッカーに入れようと「鞆てらす」へ。
街並み保存拠点という施設内に観光案内所があるので、ここで地図をもらって散策開始。
まずは船を降りた港へ戻り
この街のシンボルである大きな常夜燈を確認。
すぐそばにこじゃれたカフェがあったので、ここでモンブランパフェをお昼代わりに。
栗たっぷりだけれど、大きすぎて最後はいささか飽きた。
このまたそばに太田家住宅という重文指定された家があるので見学してみる。
この家は元々中村家が保命酒という薬用酒で財をなし、江戸中期に建てた家。だから番頭さんの机の前には保命酒に使われている漢方などが展示されている。
たくさんの部屋のある大きな家で、幕末には京都を追われた三条実美なども滞在したことがあるとか。
風呂などもしゃれているが、明治になって中村家が没落して太田家になったのだそうだ。
裏には酒造りに使われたという蔵が6棟も建っていて
壁の模様がおしゃれ。
太田家を出て狭い小路を適当に歩くと実にいい感じの家が並んでいて、
資料館や旅館として使われている所もあり
ディテールも素敵。
その間にレトロな洋風が混ざっているのもとても味がある。
ところで中村家が始めた保命酒、今でも酒蔵が4軒、店が6軒あるそうで
このお店がまたそれぞれ貫禄があってかっこいいのだ。
売りはもちろん保命酒だけれど薬用酒はいただかないので
2軒で本みりんを買ってみた。高級みりんは違うだろうか。
また適当に歩いていると小高くなった所に福禅寺というお寺があるので入ってみた。
すると本堂の奥に対潮楼という有料になっている所があるので入ってみると
正面が大きな窓になっていて
ここからの眺めがまさに一幅の絵。すぐ目の前にある小さな島が弁天島、その向こうが仙酔島。
景色を眺めていると帆船のような姿の黒い船がやってきたが、これは仙酔島へ渡る平成いろは丸という渡船。いろは丸とはこの近くで衝突事故で沈没した海援隊の船で、この対潮楼で坂本龍馬は相手の紀州藩と談判したとか。
また窓の上に「日東第一景勝」とあるが、これはここが江戸時代に朝鮮通信使のための迎賓館として使われ、通信使の一人がそう褒めたのだそう。
なので部屋の奥には通信使の資料が置かれ、行列の絵はまさに韓ドラの歴史劇に出てくるお役人の姿。
ここが潮待ちの港としていかに重要だったか、よくわかる。
街をぶらついているうちにまたいい天気になった。
期待以上だった鞆の浦を堪能して、福山行きのバスに乗った。
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