Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

シリア周遊 18 サラディーン城

2009-07-16 01:45:55 | 中近東/北アフリカ
5月7日 続き

昼食後、またラタキアの町を素通りして東に向かう。

5時過ぎに到着したのはサラディーン城。

深い谷の向こう、濃い緑の中に広がる城は大きすぎて一枚の写真に納まらない。
まわりの景色と言い、なんとも印象的。

この城に入るためには一度谷の下まで下り、また九十九折の道を登って山の上まで上がらなければならない。

上にたどり着いてまず通るのは道の真ん中に建つ針のような柱。その両脇は切り立った崖になり、岩の上に城の石組みが続いている。
 
12世紀に建てられたと言うこの城、現在の名前はサラディーン城だが作ったのは十字軍。この断崖は彼らが人力で掘り、柱は上に跳ね橋をかけるために残したというから恐れ入る。
これだけの苦労をして難攻不落に見えながら、サラディーンはたった2日で陥落させ、その後は一度も十字軍に渡さなかった。だからこの城はサラディーン城。

 
石段をあがり、小さな入り口を入るとチケット売り場。6時には閉めるというのにすでに5時半。管理人のおじさんは「早くしてくれ」と不機嫌だ。

急いで中庭に入り、とにかく一番高い所を目指す。
 
  
城の中は石組みが見えるだけで飾りも何もないが、城のてっぺんから360度見渡すまわりの緑が美しい。

 たった30分ではこの壮大な城のほんの一部しか見られなかった、もっとこのロケーションを堪能したかった、と時間通り入り口に戻って城の全体図を未練たらしく眺めていると、ちゃんと戻ってきたので気をよくしたのだろう、管理人のおじさん、「自分はここの馬小屋で生まれたんだよ。昔はこの城の中に人が住んでたんだ。」

後ろ髪引かれつつ城を後にし、さらに東へ向かうと高度があがってくる。
山の中のスルンフェという町は高度が1200メートルあり、いきなり立派な家やアパートが立ち並んでいるのでびっくりする。聞けば避暑地として人気の場所なのだそうで、大統領の別荘もここにあるとか。

この町からさらに行った峠にドライブインがあったので一休み。
 周りは強風が吹いて寒いのでストーブが嬉しい。

そして窓から外を眺めると、なんと言う絶景。
  
眼下にはオロンテス川からの運河と、そのまわりの広大な農地。その景色がわきあがる雲から見えたり隠れたりしている。
1200メートルってすごいんだ。

ドライブインの向かい側にはなぜか小さなパン屋がある。
 
おばちゃん二人が石焼釜で焼くパンはすごくおいしかったけど、なぜこんな辺鄙な所で焼いているのかは謎。

峠を下り、農地の中の道を行くうちにすっかり暗くなってしまった。
本日のゴール、ハマに着いたのは9時過ぎ。それでも文句一つ言わないアリー氏に感謝。

 
ハマの宿、オリエント・ハウスはまたも18世紀の風情ある建物。
レストランは遅い時間でも宵っ張りのシリア人で結構な盛況。この国の夕食はスペイン並みに遅いのだ。

 
 食事の最後にはイケメンのお兄さんにコーヒーをいただいて、本日も盛りだくさんの一日だった。


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コメント (8)
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