Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ムスタン紀行 6 ツェレ~ギリン

2011-09-08 22:31:43 | チベット文化圏
8月10日

夜中降っていた雨は朝まで残っていたけれど、いざ出発という8時には都合よくやんでくれた。

 ツェレの村を出て裏手の岩山を馬で登っているとニルギリもちらっと姿を見せた。

こんな調子でずっと馬で行くのかと思っていると、いくらも行かないうちに目の前に崖が立ちはだかり、「ここからしばらくは馬では危険なので歩きです」
 
点々と連なる馬と人の姿がお分かりになるだろうか。

えっ、こんなに歩くの?というのも驚きだったが、トレッカーの多さにもびっくり。
来る前はムスタンなんてチベット好きの物好きしか来ないので誰もいないような道を行くのだろうと思っていたのだが、とんでもない。
どうもこのルートはモンスーン時期でも雨に降られずに歩けるルートとしてヨーロッパ人に人気らしく、特にイタリア人、フランス人の多いこと。
しかも馬に乗っているのは軟弱者の我々だけ、みんなガシガシ、ローマンタンまで歩き通すのだ。

  
道の下は深い崖、反対側に見える村に行くには心細げな吊り橋を渡らなければならない。

こんな道を1時間ほども歩き、その後は馬に乗って最初の峠に到着。
 ツェレ・ラ、3630メートル。

  
峠の反対側はやや緑が多く、だらだらと坂を下ると木に囲まれたサマル村に至る。

 ここでちょっとお茶休憩。
  
台所の棚を覗くと、出た、ラサ・ビール!中国側から陸路でやってきた物資はここまで来ている。

  
サマルの立派な門を出ると少し行った先には谷がある。
 さっさと急坂を降りて下で待っている馬たちのところまでは歩かなければならない。 
 そしてまた急な石の階段をこれまた自分の足でえっちらおっちら。
標高3500メートル以上の登りはつらいのだ。

  
登り切った先では馬と馬子たちが待ちくたびれている。おじちゃん、カエルさんの世話、ありがとう。

  
緑の谷を見下ろしながら行くとベニ・ラ、3860メートル。
その先にあるベニ村はたった3軒、家があるだけ。
 その一軒の茶店でようやく昼食。
 隣でラーメンをすすっていたツァーラン出身の女の子はダージリンの大学生。これから半日でジョムソンまで行くと言う、我々は2日かかった道を。同じ馬でもなんという違い。

 道はさらに次の峠を目指す。
我々はもちろん馬でこの登り道を行くが
 ここを元気に歩く子供たち!
イタリア人の家族らしいが、9歳と7歳の女の子を連れてこのルートを歩こうなんて、日本人には発想すらできない。

  
到着した本日の最高所、ヤムド・ラは4010メートル。峠を越えるたびに変わる景観、いよいよ乾燥した景色になってきた。

  
峠からはまた急な坂を歩いて降りて、次のシャンボチェはまた宿が3軒あるだけの村。
ここで泊るトレッカーも多いようだが、馬の我々はもう少し先まで行く。

 
最後の峠、3850メートルのシャンボチェ・ラを越えたらジープがやってきた。
シャンボチェとローマンタンはいまや自動車で行き来できるようになっているのだ。

 
峠を降り始めるとやっと目的地、ギリン村の畑が見えてきた。そばの花がピンクのパッチを作っていてとてもきれい。
でもこれがなかなか近づかないのだ。

 広い谷へ下りて行き、チョルテンとマニ壁を過ぎてやっとギリン村到着。標高3570メートル。

湿地の中に建つ今夜の宿に着いたのが16時。 
  

村を見下ろす位置にあるゴンパが気になるが、さすがに今日はもう疲れ果てた。
でもちょっとだけ村を見学、と歩いて寄ってきた子供たちを撮っていると、ヤギの集団が放牧から帰ってきた。
  
みんな自分のねぐらに帰るんだね。
雨も降ってきたことだし、我々もねぐらに帰ろう。

いやはや、今日の行程はしんどかった。


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コメント (3)
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