特別な許可をもらって(と言ってもお金さえ払えば誰でももらえると思うが)撮影してきたローマンタンのお寺内部の壁画を本日は大公開。
まずは一番大きなチョーデ・ゴンパ。
ここには現在主に使われている新しいお堂の他に古いお堂があり、こちらはおそらく18世紀のものと思われる壁画で覆われている。
表面は厚いニスに覆われ、長年のススに汚れているのでかなり見にくくなっているが、ほんのところどころ汚れを取り除いたところもあって、ここの修復はこれかららしい。
ローマンタン チョーデ・ゴンパ 壁画
このお堂の正面にはブロンズの仏像がいくつも安置されているのだが、そちらの撮影は決してしてはならないとのお達し。今まで撮影した人は事故にあったり、命に係わるとのことなのでここは素直に従おう。
このお堂の隣には小さな入口があって、この中にはチョルテンがある。
どなたのためのチョルテンかは聞き逃してしまったが、これだけ立派なお堂が建てられているからにはとても偉いお坊さんだったに違いない。
周りの壁はきれいな若草色の地にマハカーラやパドマサンババの姿が見える。
次のジャンパ・ゴンパはまさに圧巻。
この弥勒菩薩を囲む四方の壁がすべて曼荼羅で覆い尽くされているのだ。
曼荼羅は大きなものが上下2段に並び、さらにその隙間にも小さな曼荼羅が配されている。
15世紀、この地方がチベットとの交易ルートとして最も栄えていたころ、カトマンズから腕の立つ絵師を招いて描かせたものとのことで、スタイルはネワール様式。
その素晴らしい細部はこちらで↓
ここの壁画は修復がされているが、素晴らしい修復でまったく違和感がない。
さらにこのゴンパの最上階、前日に訪れた時には鍵が掛かっていて入れなかったのだが、撮影の許可をもらってお付きのお坊さんと来たらこの最上階も開けてくれた。
中に入ってみると
ここもまた全面を覆う曼荼羅。
しかもここの曼荼羅は下の階の顕教とはちがい、歓喜仏なども描かれたより密教的なもの。
華やかさは少ないものの、見れば見るほどおもしろくて、ここは時間が全く足りない。
ローマンタン ジャンパ・ゴンパ 2階 壁画
残るもう一つのお寺はツプチェン・ゴンパ。
ジャンパ・ゴンパと同じ時期に作られ、その頃はローマンタンで最も大きく重要なお寺だったらしい。
入り口を入ったホールには壁画ではなく、塑像の四天王。
大きな講堂は35本の柱に支えられ、中央の明り取りは獅子の彫刻に囲まれている。
大きな木の育たないこの地方で、これだけの柱を使っているというだけで往時の繁栄がしのばれる。
正面には二人の妃を従えたグル・パドマサンババ。
ローマンタンのお寺はムスタンに多いサキャパではなく、カギュ派なのだ。
このお寺の修復は今まさに進行中。
足場を組み、強いライトで真っ暗な堂内を照らして汚れを丹念に除き、絵の具の剥落した部分を埋めていく。
作業をしているのは地元の若い人たち、特に女の子が多いのが頼もしい。
修復をしているツプチェン・ゴンパの壁画はこちら
作業の手を止めて我々のために暗い壁をライトで照らしてくれたり、本当にありがたかった。
そんな修復を眺めていると指導をしているイタリア人が姿を見せた。
この方、もう10年以上も毎年ローマンタンに通っているのだそうだ。
すばらしい仕事におめでとうを言わせていただく。
なおこの修復については米PBSのこちらのサイトで詳しいことがわかる。
http://www.pbs.org/wgbh/nova/tibet/
まさか撮影ができるとは思っていなかったので三脚を持っていかなかったのが悔やまれるが、写真を撮りまくり、壁画をじっくり堪能した3時間、できればもっと眺めていたかった。
お目付け役のこの若いお坊さん、時間には厳しかったが途中から懐中電灯で撮りたい絵を照らしてくれたり、「こっちの絵もおもしろいよ」と教えてくれたり、ご協力ありがとう!
1ヶ所100ドルの撮影料は確かに高額だけれど、あの大変な修復の一助になるならまったく惜しくない。
壁画フェチにはたまらない時間であった。
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まずは一番大きなチョーデ・ゴンパ。
ここには現在主に使われている新しいお堂の他に古いお堂があり、こちらはおそらく18世紀のものと思われる壁画で覆われている。
表面は厚いニスに覆われ、長年のススに汚れているのでかなり見にくくなっているが、ほんのところどころ汚れを取り除いたところもあって、ここの修復はこれかららしい。
ローマンタン チョーデ・ゴンパ 壁画
このお堂の正面にはブロンズの仏像がいくつも安置されているのだが、そちらの撮影は決してしてはならないとのお達し。今まで撮影した人は事故にあったり、命に係わるとのことなのでここは素直に従おう。
このお堂の隣には小さな入口があって、この中にはチョルテンがある。
どなたのためのチョルテンかは聞き逃してしまったが、これだけ立派なお堂が建てられているからにはとても偉いお坊さんだったに違いない。
周りの壁はきれいな若草色の地にマハカーラやパドマサンババの姿が見える。
次のジャンパ・ゴンパはまさに圧巻。
この弥勒菩薩を囲む四方の壁がすべて曼荼羅で覆い尽くされているのだ。
曼荼羅は大きなものが上下2段に並び、さらにその隙間にも小さな曼荼羅が配されている。
15世紀、この地方がチベットとの交易ルートとして最も栄えていたころ、カトマンズから腕の立つ絵師を招いて描かせたものとのことで、スタイルはネワール様式。
その素晴らしい細部はこちらで↓
ここの壁画は修復がされているが、素晴らしい修復でまったく違和感がない。
さらにこのゴンパの最上階、前日に訪れた時には鍵が掛かっていて入れなかったのだが、撮影の許可をもらってお付きのお坊さんと来たらこの最上階も開けてくれた。
中に入ってみると
ここもまた全面を覆う曼荼羅。
しかもここの曼荼羅は下の階の顕教とはちがい、歓喜仏なども描かれたより密教的なもの。
華やかさは少ないものの、見れば見るほどおもしろくて、ここは時間が全く足りない。
ローマンタン ジャンパ・ゴンパ 2階 壁画
残るもう一つのお寺はツプチェン・ゴンパ。
ジャンパ・ゴンパと同じ時期に作られ、その頃はローマンタンで最も大きく重要なお寺だったらしい。
入り口を入ったホールには壁画ではなく、塑像の四天王。
大きな講堂は35本の柱に支えられ、中央の明り取りは獅子の彫刻に囲まれている。
大きな木の育たないこの地方で、これだけの柱を使っているというだけで往時の繁栄がしのばれる。
正面には二人の妃を従えたグル・パドマサンババ。
ローマンタンのお寺はムスタンに多いサキャパではなく、カギュ派なのだ。
このお寺の修復は今まさに進行中。
足場を組み、強いライトで真っ暗な堂内を照らして汚れを丹念に除き、絵の具の剥落した部分を埋めていく。
作業をしているのは地元の若い人たち、特に女の子が多いのが頼もしい。
修復をしているツプチェン・ゴンパの壁画はこちら
作業の手を止めて我々のために暗い壁をライトで照らしてくれたり、本当にありがたかった。
そんな修復を眺めていると指導をしているイタリア人が姿を見せた。
この方、もう10年以上も毎年ローマンタンに通っているのだそうだ。
すばらしい仕事におめでとうを言わせていただく。
なおこの修復については米PBSのこちらのサイトで詳しいことがわかる。
http://www.pbs.org/wgbh/nova/tibet/
まさか撮影ができるとは思っていなかったので三脚を持っていかなかったのが悔やまれるが、写真を撮りまくり、壁画をじっくり堪能した3時間、できればもっと眺めていたかった。
お目付け役のこの若いお坊さん、時間には厳しかったが途中から懐中電灯で撮りたい絵を照らしてくれたり、「こっちの絵もおもしろいよ」と教えてくれたり、ご協力ありがとう!
1ヶ所100ドルの撮影料は確かに高額だけれど、あの大変な修復の一助になるならまったく惜しくない。
壁画フェチにはたまらない時間であった。
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