Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

コーカサス周遊 17 エチミアジン大聖堂

2015-06-19 19:28:38 | コーカサス
5月7日

帰国日の朝、部屋のカーテンを開けると空は真っ青。
顔も洗わずに外に飛び出すと
 前日よりもさらに見事なアララト山のお姿。
富士山にそっくりな美しい円錐形の小アララトもくっきり見えて、今回もまずまず天気には恵まれた。

ホテルをチェックアウトしたらそのまま郊外に出てしまうので、イェレバンとはこれでお別れ。
 バクーやトビリシに比べると高いビルもなく、ぐっと地味なイェレバンだけれど
 
怪しげなバーがあったり、プー(?)が狸だったりして面白そうなのに町歩きができなかったのは残念。

町を出て空港を通り過ぎ、まず立ち寄ったのはリプシマ教会。
 
手前の野原にはケシの花がいっぱい、教会の向こうにはアララト山が見えて素敵な景色。

 
それほど大きくない教会の内部は暗く、小さな窓から入る光が印象的。
中ではミサが行われている最中だったが、その脇をこそこそと通って奥の部屋へ。
  
ここには時の王の求婚を断ったがために殺されてしまったという3世紀の聖女リプシマの墓がある。美女であったばかりに言い寄られて殺されるとは、美人も大変だ。

ここからすぐのところにあるのはアルメニア使徒教会の総本山、エチミアジン大聖堂。
 モダンな門で向かい合っているのはアルメニアにキリスト教をもたらした聖グレゴリウスと、世界で初めてキリスト教を国教としたトルダト3世。リプシマを殺したのも実はこの王で、そのためか重い病気になり、治らないのでグレゴリウスを地下牢から出してキリスト教を国教としたというのだからあまりほめられたものではないような。

敷地内に入るとさすがは総本山。
  
神学校などたくさんの建物があり、聖職者の姿も多い。
   
細工の見事なハチュカルは国中から集められたもの、門の向こうに見える建物は総主教のお住まいだそうだ。

さて、肝心の大聖堂はというと
  外面のお色直し中で足場に覆われている。
その下をくぐって華やかな入口を入ると
 
 
大きな教会ではないが、さすがにこれまでの装飾のほとんどない黒っぽい教会とは違い、美しいドーム天井。
 
主祭壇の下にもキリストとマリア、12使徒の絵がイコノスタシスのように並び
  
その手前にも聖書や十字架を並べた祭壇がある。
全体に豪華ではあるが派手さはなく、落ち着いた雰囲気が総本山にふさわしい。

この大聖堂の奥には宝物館があって、ノアの方舟の破片やらキリストを刺した槍やらが展示されているそうだが、所詮は信仰心のない異教徒、ここは遠慮をしておいた。

総本山の見学が済んだら最後の昼食。
 
最後もさわやかな東屋のテーブルで
 
お肉ゴロゴロのスープに、皿にまっすぐ乗らないチキンケバブとボリューム満点。

この後は空港方面に向かうが、観光はまだ一つ残っている。

 
アララト山を背に建つズヴァルトノツ遺跡。
 
柱だけが円形に並んでまるでローマ遺跡のように見えるが、これは7世紀に建てられた聖グリゴル・ルサヴォリチ大聖堂の跡。
 敷地内の小さな博物館に模型があるが、円形で3階建てのこの建物は高さが45mもあったとか。
10世紀の大地震で倒れてそのままになってしまったそうだ。

ところでこの遺跡の向こうにはアララト山がきれいに見えるが、振り返ると後ろにも高い雪山が見える。
 
そこでこちらはなんと言う山かとガイドに聞くと、これぞアルメニア最高峰のアラガツ山、4092m。
しかし山容はなだらかで突出した峰がないし、高さもまったくかなわないので、今はトルコ領ではあるけれどアルメニア人心の山はあくまでアララト山らしく、アラガツ山はなんだか不憫だ。

これにて今回のツアーの観光はすべて終了。
帰国のため空港へ向かった。


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コメント (6)
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