Luntaの小さい旅、大きい旅

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「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」@国立歴史民俗博物館

2016-08-15 16:11:10 | 機内食・映画・美術展
一人暮らしをさせている父親のご機嫌伺いに行った週末、近所の国立歴史民俗博物館で興味をそそる企画展をやっていたので涼みがてら入館。

 すると入ってすぐの大きな窓が緑のカーテンに覆われていて見事。
この時期、この博物館が毎年売りにしている朝顔だが、植物園での変わり朝顔は朝早く行かなければ楽しめないのでなかなかハードルが高い。

さて、今回のお目当てはこちら。
 「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」

春にライデンのシーボルト・ハウスに行ったばかりなのでタイミングが良すぎる企画展。

会場がある地下に降りると
 早速いかめしいシーボルトさんの肖像画がお出迎え。

シーボルトハウスではご本人の経歴などについては情報があまりなくて物足りなく感じたが、こちらではばっちり。
シーボルトがオランダ人ではなくドイツ人であることは知っていたが、国外追放から30年後の第二回訪日の後はドイツに戻り、バイエルン王に自分の日本コレクションの購入を働きかけ、それを中心としてミュンヘン国立民族学博物館(現ミュンヘン五大陸博物館)ができたというから興味深い。
つまりシーボルトハウスやライデンの博物館に所蔵されているのは第一回訪日時の収集品、二回目の収集品はミュンヘンにあって、それを買い取ったのはあのミュンヘン王、ルートビィヒ2世だったということだ。

ミュンヘン五大陸博物館には6000点もの収蔵品があるそうだが、今回はそのうちの300点を展示。

地図類から模型、仏具、日用品、おもちゃなどまで多岐にわたっているが、特に漆器類は大名家クラスの素晴らしい細工の物が多くて、江戸末期の職人仕事の質の高さに感嘆する。

ライデンのコレクションが網羅的ではあるが地味だったのに比べて、こちらの方が派手なのは目的の違いだろう。
第一回の訪日目的はオランダ商館付医師ながらおそらくは情報収集のスパイ的な役割だったらしいが、第二回は貿易振興のために日本の製品を紹介したり、あるいは日本の専門家として自分自身を売り込む意図があったのではないかと思われる。

ミュンヘンで亡くなる直前まで3回目の来日を果たそうと運動していたそうだが、その二人の息子たちはドイツ人ながら若くして来日し、おやじよりずっと長く日本と関わって通訳や外交官として活躍したとか。
いささかうさんくさいところのある父親よりその子供たちの生き方にこそ興味が湧く。

久しぶりにじっくり見た常設展も以前より充実しておもしろく、国立歴史民俗博物館は行く価値あり。


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コメント
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