今夏のモンゴル行きはソウル経由の大韓航空。
成田から仁川へはB777-300でわずか2時間の旅。
なので離陸前からなるべく時間内に見終わるものをと映画を物色して
鶏のあんかけご飯を食べながら映画鑑賞。
ちなみにこのご飯は想定通りのお味、以前はよく配っていたコチュジャンが見当たらず、周りの韓国人の皆さんももらっている様子がないのはどうしたわけか。
チョーヤのパウチ入り梅ゼリーがさっぱりして、乾燥した機内のデザートにはぴったり。
選んだ映画は98分とコンパクトなこちら。
Stan & Ollie
この地味な映画が「僕たちのラストステージ」というタイトルですでに日本公開されているとは知らなかった。
スタン・ローレルとオリバー・ハーディーは1930年代のハリウッドで大人気だったコメディチームで、さすがにリアルタイムで見ていたわけではないが、自分の子供の頃にはテレビで見たことがあるように思う。
そんな二人のキャリア最晩年、イギリスで興行をして回ったさまをスティーブ・クーガンとジョン・ライリーが本物そっくりに演じて見せる。
この二人の芸達者ぶりが、特に最後の舞台など見事なのだが、映画としては平たんで盛り上がりがなく、引退間際の話が話だけに地味の一言。
ハリウッド黄金期のスターの話なのだからもう少し毒があってもいいと思う。
正直98分と言う短さにもかかわらず、いささか退屈してしまった。
ソウルからモンゴルのウランバートルまではA330-300で4時間弱の旅。
こちらで大韓航空の傑作機内食、ビビンバが出るかと期待したが
あれは長距離でなければ出ないようで、残念ながら鶏肉ハンバーグのような料理。でもこれも、カップにたっぷり入ったかぼちゃサラダも東京からの機内食よりうまし。
今度は時間の余裕があるので少し長めの映画を、と選んだのは
「ホテル・ムンバイ」 Hotel Mumbai
2008年に起きたムンバイ同時多発テロ、駅やカフェの襲撃から映画が始まり、舞台は何百人もの宿泊客のいるタージマハル・ホテルへ。
客を守ろうとするフロント係が情け容赦なく殺されてしまう場面などショッキングだが、そんな中奮闘するインド人シェフがかっこいい。
もう一人奮闘するウェイター役をまたデヴ・パテルがもらっているが、主役とは言え超人的な活躍をするわけではなく、他にも「えっ、この人がこうなっちゃうの?」と言うような役がいくつもあってそれがかえってリアル。
とにかく最初から最後まで緊迫感がすごくて、初監督というオーストラリアのアンソニー・マラスはたいしたもの。
エンド・クレジットには犠牲者174人のうち多くはタージ・ホテルのスタッフだったこと、にもかかわらずこのホテルが見事に復活したことが告げられるが、ここはもうちょっと盛り上げても良かったかも。
9月に日本公開されるらしいが、この映画はおすすめ。
帰路のウランバートル発ソウル行きは夜11時過ぎの出発。
夕食をたらふく食べていたので
この鶏の辛い煮込みは見ただけ、映画も見ずにお休み。
ソウルで長いトランジットを過ごし、
東京行きは10時20分に出発。
ビーフを選択したら結構甘い味付けのプルコギで、これこそコチュジャンがちょっとほしかった。
最後の映画はこれも106分と短さで選んだ
Saint Judy
アメリカの移民専門弁護士、ジュディ・ウッドと言う人の実話だそうで、国に帰れば親族に殺されかねないアフガン女性を亡命者として裁判所に認めさせるお話。
女性と言うだけでは弱者として亡命は認められないという裁判所に「女性だから」ではなく、「弱い立場の少数派だから」と言う理由で認めさせ、最終的には「弱い女性の保護」を認めさせたのだとか。
「我々の仕事は以前は移民希望者を助けることだったが、今はそうではなくなってしまった」というようなセリフが劇中にあることがこの映画が今作られる意味を示していて、そういうところがアメリカ映画の良心。
しかし同時に「アメリカに生まれて幸せ」とアフガニスタンなどほかの国を否定するようなセリフには「おい、おい」と思ってしまうし、思わせぶりな脇役がいろいろ登場する割に彼らがほとんど活躍しないのは脚本があまりうまくないと思う。
最後にジュディ・ウッド本人が出てくるのも、でずっぱりで頑張った主役のミシェル・モナハンのイメージが崩れて必要なかったんじゃないだろうか。
それにしても今回の大韓航空、韓国映画は4本しかなくてしかも食指の動くものはなく、これはちょっと期待外れだった。
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