コロナのおかげで収入激減のJR東日本、通常であれば年に3回の大人の休日俱楽部パスを今年は連発している。
9月中旬にもネット限定で発売、夏の非常事態宣言は延期されてしまったけれど、せっかく予約を入れたことだしと出かけてしまった。
9月13日
稲穂の垂れる田んぼを愛でつつ、東北新幹線で北上へ。
この春にも降り立ったばかりのこの駅、東口には宿の送迎車が待っていてくれた。数年前までは目指す夏油温泉まで路線バスがあったそうだが廃止になり、マイカー以外では一日一本のこの送迎を使うしかない。そんなわけで平日のこの日もお客さんは9人、一組のご夫婦を除いては一人旅ばかり、全員まちがいなくコロナ接種済みのお年頃で安心だ
途中、水神、瀬美など気になる温泉の看板を見つつ、夏油高原スキー場入り口までは平たんでいい道。
しかしそこから先はくねくねとしたすれ違いも難しそうな山道になって、
50分で道のどん詰まり、夏油温泉に到着。
宿泊する「元湯夏油」が正面にある。
宿に入ったら早速ロビーで全員に館内案内。
特にお風呂は男女が時間ごとに分かれているので入る順序をよく考えないといけない。
説明が終わったら各自のお部屋へ。
この日の一人客は全員嶽館になった様子。
昔の写真が並ぶ駒形館の廊下を通り、嶽館の2階へ。部屋にはトイレもテレビもないけれど8畳と広く、畳は古いけれど建物の外観よりは中はきれいで一安心。
お着き菓子の小さなお饅頭を食べたら早速宿の探検開始。
真ん中の通路の両脇に建物が並び、昔の写真を見るとここにお店が出たりして湯治客でにぎわっていたようだが
これらの湯治棟はもう使われていない様子。
こちらも無人かと思ったら干された浴衣が見えて宿泊者がいる。ただし同じバスで到着した一人旅のおば様は部屋を見たら怖すぎると旅館部に変えたとか(笑)。
建物の裏手には真っ赤な鳥居があって、その奥に霊泉の石碑。
小さな薬師神社の祠の脇には樹齢850年という立派な杉の木が立っている。
この神社の反対側には川へ下りる階段があって、その途中にあるログハウスは女性専用の「滝の湯」。
露天と呼ばれてはいるが壁も天井もあるこちら、コンクリート造りの浴槽は2つに分かれていて、手前は38℃とぬるいが奥は45℃の熱いお湯。ナトリウム・カルシウム塩化物泉のお湯は透明で、なめると軽い塩気にわずかに卵っぽい香りがする。熱いお湯にほんの少し浸かり、後はぬるい方でゆらゆら~。
16時になったら真湯、目の湯が女性時間なのでそちらへ移動。
建物の間をすり抜け、裏手の階段をまた下りて行くと
手前に真湯、簡単な木橋を渡った先が目の湯。
真湯は40℃ほどの適温に調整された癖のないお湯なので露天の中では一番入りやすい。
目の湯の方は3、4人でいっぱいになる小さな浴槽。ナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩泉のこちらはちょっと濁ったウグイス色で薬っぽい香りがする。
よく見ると足元湧出でところどころから泡が出ているのが見え、34℃しかないぬるいお湯だが浸かっていると不思議に寒さは感じない。
17時になったら今度は大湯と疝気の湯が女性時間、とお湯めぐりは忙しい。
大湯は先ほど入った滝の湯の先にあって、過去の写真を見ると真湯のような脱衣場と屋根掛けがあったようだが、今年はどういう事情かまったくの野天。
そのおかげか、夏には48℃の激熱になることもあるというお湯はこの日は44℃になっていて十分肩まで浸かれる。青く見えるお湯はナトリウム・カルシウム塩化物泉だけれどほんのわずかに硫黄の香りがする。
この川沿い、すぐ先にあるのが疝気の湯。
2,3人でいっぱいになる小さなお風呂はここも足元湧出がはっきりわかる。35℃とぬるくて入りやすいからだろうか、ここはお湯がなまっているように感じた。
ところでこの日宿泊の女性客は全部で6人。女性専用時間が限られているので露天では全員集合になってしまう。が、お湯の中で情報交換などして、それもまた楽し。
お湯から上がればすぐに18時の夕食。
大広間に座卓が並んでいるがほとんど一人客。
食事は期待できないと聞いたが豚しゃぶメインの食事は量も十分。1万円の宿泊料でこの食事なら何の文句があろうか。
暇な夜になってようやく内湯へ。
本館、ロビーの先にある「白猿の湯」へは階段を下りて行く。
それほど大きくない浴槽だが湯口の岩には抽出物がびっしり。カルシウム・ナトリウム硫酸塩・塩化物泉の分析表にはラジウムの湯の表記もあり、このラジウム温泉というものはいまだによくわからないのだが41℃のお湯はやわらかくてとても気持ちが良かった。
ついでに内湯はもう一つあって、嶽館の下にあるのが「小天狗の湯」。
この宿で一番新しくて設備の整った浴室だが、お湯めぐりは忙しくて結局ここは一度しか入れなかった。
月のきれいな夜、山奥の秘湯は静かだった。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。