9月15日
今朝もしっかり朝食をいただいたら9時の送迎車で北上駅へ。
列車まで40分ほどあるので西口の観光物産館へ行ってお土産を物色。
北上のお菓子がおいしいのは春に来た時に確認済み。
やまびこを仙台で乗り継ぎ、降り立ったのは白石蔵王駅。
この駅では片倉小十郎と真田幸村を売りにしていて、白石城主の片倉氏はわかるがなぜ真田?と思ったら伊達政宗の腹心だった小十郎景綱の息子、重長がなんと大坂城陥落後に真田幸村の娘をかくまって娶ったのだそうだ。
白石のもう一つの名物は温麺。
そこで本日のお昼は駅中で野菜餡掛けのおくずかけを。短いそうめんのような温麺、うまし。
駅前からは遠刈田温泉行きのバスに乗車。
遠刈田の温泉街まではわりに平坦な道で、途中には梨畑がいっぱい。
温泉中心街を過ぎて終点の遠刈田アクティブリゾーツまでは1時間、大きなリゾートホテルの前には宿の車が待っていてくれて、ここから7kmは山の中に入って行く。
やって来たのはおなじみ日本秘湯を守る会の宿、「不忘閣」。
すっきり広々としたロビーでチェックインをしたら若いお兄さんの案内で部屋へ。
ちょっと複雑な館内、1階に4部屋あるがそれ以外は不忘庵になる。
この扉をくぐるとすぐにすごい階段が待っていて、途中に踊り場をはさみつつ全部で100段近く。お風呂も食事処もすべて1階なので、ここも足腰が弱ったらアウト。案内する人も大変だ。
部屋は踏み込みに続く8畳、窓の先に仙台市街のはずれがわずかに見える。
ここもお風呂がいっぱい、男女入れ替え制の所が多いので一息入れたら早速探検へ。
まずはこの宿一番の売り、大湯へ。
「政宗の湯」という札のかかるこちらの扉、開けるとほんのわずかに2つの建物の間に出て、次の扉を開けると
まるでプールのような細長い浴槽が絶妙にライティングされて美しい!
500年前に発見されたこのお風呂、昔はこの温泉場の共同浴場だったものを不忘閣さんが復元したそうだが、縁の石組だけは昔のままなのだとか。
40℃の単純泉はまったく癖というか特徴もないが、この大きなお風呂にゆっくり浸かるだけでなんとも贅沢な気分になる。
大湯の向かい側には大小2つの御殿湯があって、この2つは時間により男女入れ替え。
伊達家の殿様方は大風呂の大湯ではなく、ここにあった専用のお風呂に入ったそうで
小さい方は二人サイズ、大きい方でも3,4人でいっぱいになりそう。ここにだけシャワーが1基づつある。
このお宿のお湯はすべて青根の混合泉で同じだと思うのだが、なぜかここだけ他よりツルツルする気がする。
御殿湯の隣には亥之輔の湯なる貸切半露天があるが、ここは空いていればいつでもOK。
お茶室のように小さな入り口をくぐると石造りの浴槽が一つ。ここは覗いただけで結局入浴しなかった。
これらの浴室の手前には湯上りどころがあって
冷水やお茶、コーヒーの他にお酒も飲み放題と太っ腹。いつもならこんにゃくおでんや餡ドーナッツまで用意されているそうだが、コロナ対策とやらでナッツの提供だけになっていたのは残念。
ロビーを挟んで反対側に進み、階段を降りると新湯がある。
新湯とは言え大湯より新しいと言うだけでこの浴槽の縁石も500年近い歴史。地下で落ち着く浴室。
そして最後がこれもこの宿で人気の貸切蔵湯。
外から見るとこんな蔵が2つ並んでいるのだがその一つが浴室になっていて
フロントの前からこのまな板のような貸切札を持ってきておくと入浴中のサイン。
この日、お宿は満室だったようだがなぜかどの浴室でも他のお客さんには会わず、しかしここだけはなかなか空かなくて夜遅い入浴になった。
扉を開けて蔵の間の通路を歩いて行くと途中に小さな祠があって、ここでちょっと手を合わせて先に行くと
提灯の下がる蔵の入り口。
重い扉を開けると広い板敷きの片側に木の浴槽が一つ。
ここもまたライティングの演出が素晴らしくて、これを独り占めはまさに殿様気分。
と、またお風呂を満喫したが、このお宿の素敵なところは浴室だけではないのだった。
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